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《2020年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

《2020年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

2016年秋に、Apple「iPhone 7」シリーズがヘッドホン出力端子を廃止して以降、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急激に普及している。実際、ここ1〜2年で過去の数倍に匹敵する新製品が各社から登場。いまやヘッドホン&イヤホンの主流といえる製品になりつつある。

そのなかでも、高い人気を誇っているのが完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれる、左右別体のイヤホンだ。「トゥルーワイヤレスイヤホン」「フルワイヤレスイヤホン」「耳栓型イヤホン」「左右分離型イヤホン」など、いろいろな呼ばれ方をしているこちらのタイプ。一般的なBluetoothイヤホンがプレーヤーとはワイヤレスながら左右本体がケーブルでつながっているのに対して、完全ワイヤレスイヤホンは左右間もワイヤレス接続となっており、ケーブルがいっさい使用されていない。その名のとおり、“完全”“完璧”なワイヤレスイヤホンとなっているのだ。その代表例といえるのがアップルのAirPodsで、こちらが発売されて以降、大きく注目を集めるようになり、現在はさまざまなメーカー/ブランドから数多くの製品がラインアップされている。

Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大(写真はiPhone 7 PlusとAirPods)

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhone 7/iPhone 7 Plusの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写真はiPhone 7 PlusとAirPods)

このように、いま最大の注目株といえる完全ワイヤレスイヤホンだが、まだ登場したばかり、新しいタイプの製品だけに、メリットデメリットがハッキリしている。購入の際には、それをしっかりと見極めなければならない。本特集では、完全ワイヤレスイヤホン選びの4つのポイントをわかりやすく解説するとともに、注目製品の一気レビューをお届けする。レビューでは、音質をメインとしつつも、接続時の手間などユーザビリティも含めてご紹介させていただくので、自分にとってのベストワンを選び出す参考にしていただけたらと思う。

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完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に注目したい4つのポイント

1.装着感(耳にフィットしてこぼれ落ちないモデルを選ぶ)

特集の冒頭でも述べたとおり、完全ワイヤレスイヤホンの最大のメリットは、ケーブルがいっさいないため、屋外でとても扱いやすい製品になっているということだ。一般的なBluetoothイヤホンは左右間をケーブルで接続しているため、移動時何かに引っかかったり収納時に絡まったり、時には断線など、有線イヤホンと同じトラブルが発生する可能性がある。もちろん、ケーブルの長さは圧倒的に短いし、ネットバンドを採用するなどの工夫によってケーブルにまつわるトラブルは格段に少ないが、わずかながら可能性は残る。また、これは気分の問題だが、左右がつながっているのがうっとうしく感じるユーザーもいるだろう。対して完全ワイヤレスイヤホンは、左右が独立していて、ケーブルにまつわるトラブルやストレスから完全に解放される。これだけでも充分な魅力といえる。

これは同時に、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットともなっている。それは、落としやすくなくしやすいことだ。実際、通勤時などに完全ワイヤレスイヤホンが耳からこぼれ落ちてしまう人に少なからず遭遇する。筆者も、電車とホームのすき間に落ちてしまい絶望的な顔をしている人に会ったことがある。それも、ひとりやふたりではない。

完全ワイヤレスイヤホンは、本体内ですべての構成が完結しなければならないため、有線タイプのイヤホンに対して本体が大きくなりがちで、どうしても落ちやすい傾向があるのだ。そのため、女性など耳穴の小さい人などは頻繁に耳からこぼれ落ちやすく、なくしたり壊したりする可能性が高くなってしまう。また、本体が小さいことから、自宅などの室内でも思っている以上に見つかりにくいという思わぬ落とし穴もある。そういった事態への対策として、メーカーは本体の形状を最適化したり、収納用のケースを付属したりとさまざまな工夫を行っている。とはいえ、やはり重要なのは実際の装着感だ。自分の耳にちゃんとフィットしているか、実際に製品に触れる機会があるなら確認しておいたほうがいいだろう。

ちなみに、イヤホン本体の紛失への対策として、一部メーカーの製品には片方紛失/故障時の有償サービスが付いているモデルもあったりする。いざというときに大変ありがたいので、製品選びの際のチェック項目として加えておくものいいだろう。

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

2.ワイヤレスの接続性(切れにくいもの、復帰がスムーズなものを選ぶ)

もうひとつ、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットとしてあげられるのが接続状況だ。プレーヤーと左右本体の2箇所をワイヤレスで接続するうえ、左右の間にある人間そのものが電波を通しづらい傾向があるため、音切れが発生しやすい。各社ともアンテナの形状を工夫したり、左右間の接続方式を工夫したりと、さまざまな方法で音切れの回避を行っているが、有線のように完璧な安定接続は不可能であるため、多少の音切れは容認せざるを得ない。

それよりも、音切れの頻度や復帰のスムーズさを気にしたいところだ。左右のイヤホン間をつなぐ通信にNFMI方式を採用したタイプは復帰がスムーズな傾向があったり、米クアルコム製の最新チップ「QCC3026」などを搭載したモデルは接続の安定性が高くなっているなどさまざまな話があるが、最大のポイントは本体内蔵アンテナのデザインだったりするので、ワイヤレス技術にすぐれたメーカーが安心だったりもする。こればかりは、実際に試してみないと分からないのが歯痒いところだ。なので、技術スペックはあくまでも参考程度に踏まえておいた方がよいだろう。

上位モデルを中心にNFMI採用モデルが増えている。接続性を重視するなら、NFMI対応かどうかを必ずチェックしておこう

ちなみに、米クアルコム製の最新チップ「QCC3026」などは、「Snapdragon 845」搭載スマートフォンとの組み合わせで「TrueWireless Stereo Plus」を利用可能になるため、接続性と音質面で大きなアドバンテージが見込まれているが、しばらくは環境的に実現の見込みがない(現在発売中の「QCC3026」搭載完全ワイヤレスイヤホンはファームウェアアップデートなどを行わなければならない可能性が高い)ため、しばらくは選択のポイントに入れなくてもよさそうだ。

「TrueWireless Stereo Plus」は、完全ワイヤレスイヤホン向けに開発されたクアルコムの最新技術。左右のイヤホンそれぞれに信号を送ることで、従来よりも途切れにくくなっている

3.再生時間(急速充電機能やトータルの再生時間をチェック)

次に重要なポイントとなるのが、バッテリーの持続時間だ。本体サイズがコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンは、大きなバッテリーを搭載することができず、再生時間は一般的なBluetoothイヤホンに対してかなり短くなってしまっている。現在発売されている製品を見てみると、3時間前後のバッテリー駆動時間をうたっているモデルが多い。そのため、収納ケースがそのまま充電ケースとなっていて、トータルで10時間以上の使用できるよう工夫されているが、それでも“聴きたいときにバッテリー切れで聴けない”可能性があるのも確かだ。

それをできるかぎり回避するため、製品選びの際はケースに“急速充電”機能がある製品を有力候補としよう。15分で1時間ほどの使用が可能な急速充電対応の製品を購入していれば、聴きたいときに聴けない事態をうまく回避することも可能になるからだ。

専用充電ケースに急速充電機能を備えたモデルも登場しつつある。写真はJaybirdの完全ワイヤレスイヤホン「Jaybird RUN」。急速充電機能を備えており、5分の充電で約1時間の音楽再生が可能だ

4.音質(自分好みの音色傾向を選ぶ)

最後に、音質についても是非チェックして欲しいところだ。最新のBluetoothイヤホン・ヘッドホンは、上位モデルを中心にaptX HDやLDACなど、ハイレゾ相当の音質を伝送することが可能なコーデックが普及してきている。Bluetoothの「便利だけど音が悪い」というイメージがいままさに払拭されつつあるのだが、サイズや消費電力の都合か、完全ワイヤレスイヤホンではSBCやAACなどスタンダードなコーデックのみの対応となっている製品がほとんどで、一部、aptX対応のモデルが出始めた程度だ。

また、本体内にアンテナやバッテリーを搭載しなければならないスペース的な制限によって、音質的にも不利な状況となっている。とはいえ、各社がさまざまな工夫を凝らしており、ここ1年で音質はかなりのクオリティアップを果たしている。そういった視点でも、最新モデルのほうが有利なのは確かだ。

完全ワイヤレスイヤホン注目機種レビュー

1. AVIOT「TE-D01gv」
「QCC3040」を搭載してaptX Adaptiveにも対応した、 ベストセラーモデル「TE-D01g」の後継モデル

AVIOT最大のベストセラー完全ワイヤレスイヤホン「TE-D01g」に大幅なグレードアップを施したのが新モデル「TE-D01gv」だ。

名前も末尾に“v”の文字が追加されただけ、イヤホン本体の外観もほとんど変わらないため、単なるマイナーチェンジにも見えるが、実は「基本性能を高めた次世代完全ワイヤレスイヤホン」を目指して全面刷新を図ったというモデルで、内容的にはほとんど別物と呼べるモデルに仕上がっている。

まず、機能性や音質の肝となるBluetoothチップは、クアルコム社製SoC「QC3020」から最新の「QCC3040」へと変更されている。このチップが実際の製品に採用されるのは、この「TE-D01gv」が初めてかもしれない。

さて、「QCC3040」のメリットはいくつもあるが、特に注目なのが対応コーデックの幅広さだ。SBC、AACに加えて、aptX、さらにはaptX Adaptiveにも対応しており、対応スマートフォンと組み合わせることで高音質サウンドを楽しむことができる。なかでもソニーモバイル「Xperia 1 II」など、最新世代の5G対応スマートフォン向けSoC「Snapdragon 865」搭載モデルと組み合わせることで、96kHz/24bitでの伝送も実現。ハイレゾ級のサウンドをワイヤレスで楽しむことができる。aptX Adaptiveは高音質を実現できるだけでなく、低遅延も実現可能なため、TWS Plusとは異なり先々に渡って普及してくれそうな気配も見えるため、大いに期待できる。

加えて、接続安定性にもさらなる向上を果たしているという。実際に、スマートフォンOPPO「Reno A」との接続性を試してみたところ、接続安定性に不利なaptXであっても、見通しのよい(電波環境的にも良好な)市街地であれば20mほど離れても安定した接続を保持してくれた。さすがに駅周辺の電波環境が悪い場所では厳しいが、それでも、かなり良好な接続安定性は期待できるだろう。

いっぽうで、再生時間も長くなっている。イヤホン本体での連続再生が最大11時間へと向上したほか、専用ケースからの充電を合わせると最大50時間も使い続けることができる。ここまでの持続時間を持っていれば、1週間どころか、半月ほど充電なしでも使い続けられそうだ。また、専用ケースはUSB Type-Cポートを搭載し、15分の充電で最大3時間の再生が可能となる急速充電機能にも対応している。そのほか、IPX7の防水性能や別売のシリコンケースが用意されているなど、細やかな心づかいが細部まで行き届いている。こういった機能面だけでも、「TE-D01gv」はとても魅力的な製品だと思える。

そしてなんといっても、「TE-D01gv」の大きな魅力といえるのがサウンドの進化だろう。ミドルクラス製品ながら、完全ワイヤレスイヤホンではほとんど採用されていないaptX接続にも対応していることもあるだろうが、ドライバーの改善、チューニングの再検討などさまざまな改良によって、オリジナルモデルを凌駕する音質へと大きくステップアップしている。特に歪み感が大きく抑えられ、聴き心地のよいサウンドにシフト。おかげで、響きのよい、それでいて勢いのある明朗快活な歌声を楽しむことができる。あまりに音の通りがよいため、オリジナルとの比較試聴の時には「TE-D01gv」のほうの音量を数段階絞ったくらいだ。声も演奏もしっかりと耳に届いてくる、良質な表現だ。コストパフォーマンスの高さを含め、大いに魅力的な製品だと言える。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大11時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで5.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive
カラーバリエーション:ブラック/コーディナルレッド/アイボリー/パールホワイト

2. Air by MPOW「X6.2J」
コンパクトなイヤホン本体は女性にもピッタリ! 5,000円前後で買える高コスパ完全ワイヤレスイヤホン

これまでテクニクスブランドのオーディオ製品を手がけてきた山ア雅弘をはじめ、日本人エキスパートの手によって作り上げられているMPOWのスペシャルブランド、AIR by MPOW。ブランド上陸から、ノイズキャンセリングヘッドホンやノイズキャンセリングイヤホン、完全ワイヤレスイヤホンなど、機能性と音質、コストパフォーマンスが良好なバランスを保つ製品がいくつもリリースされている。そんなAir by MPOWの新モデルが、この「X6.2J」だ。

5,000円前後というプライスタグから、最大の魅力は価格! と思ってしまいそうになるが、実は外観へのこだわりや音質など、日本人が携わっている製品ならではの丁寧な製品づくりが最大の魅力だったりする。

まず外観をみると、イヤホン本体がかなりコンパクトにまとめられていることがわかる。サイズが小さく、重さも片側4.5gとなっているので、耳の小さい女性であっても、不満のてないサイズだ。また、イヤーフィンも付属しているため、装着感もしっかりしている。ケースも丸く小さく、持ち運びにとても便利そうだ。

もうひとつ、独特のカラーバリエーションも「X6.2J」ならではの特徴だ。日本の伝統色をリスペクトしたという、「藍」(あい)、「茜」(あかね)、「深葉」(しんよう)の3バリエーションが用意されているが、どれも明度の低い、落ち着いた雰囲気の色合いとなっている。実際に装着してみると、赤系の「茜」(あかね)であってもそれほど目立つことなく、さりげなく装着することができる。イヤホンもファッションのひとつという考えもあるが、こういった落ち着いた色調により、着回しや色合わせそれほど気を使わなくてよくなるため、女性にとってはうれしいを配慮となるかもしれない。

最大再生時間は5時間、ケースからの充電を含めるとトータル18時間ほどの使用が可能となっている。そのほかにも、IPX4相当の防滴性能や、専用ケースの充電端子にUSB Type-Cを採用(5Vのみの対応でクイックチャージにも対応していないが)、AACコーデック対応、音声認識(Siri、Googleアシスタント)対応など、十分以上の機能性を持ち合わせている。

さて、肝心のサウンドはというと、歪み感の少ない、聴き心地のよい丁寧な表現が特徴。女性ボーカルは、ちょっとだけハスキーな、やさしさあふれる歌声を聴かせてくれる。いくつかの楽曲を試してみたが、特にキャロル&チューズデイ「The Loneliest Girl」とのマッチングがすばらしかった。コンプの強い曲よりも、音数の少ないアコースティックな演奏の方が愛称がよさそうだ。

どちらにしても、この価格でこの音質を手に入れられるのはうれしいかぎり。トータル面でも、圧倒的なコストパフォーマンスの高さが魅力の製品と言えるだろう。

イヤホン重量(片耳):4.5g
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:藍/茜/深葉

3. アップル「AirPods Pro」
カナル型デザインになり、待望のノイズキャンセル機能も搭載した最注目モデル

数多ある完全ワイヤレスイヤホンの中でも、圧倒的な人気でナンバーワンのシェアを保ち続けているアップル「AirPods」に、新バリエーションが登場。それがこの「AirPods Pro」だ。

「AirPods Pro」は、従来の「AirPods」の上位に位置するモデルで、イヤホン本体のデザインやノイズキャンセリング機能など、デザインや機能性を大きく変更したのが特徴となっている。また、操作にコツがいるマルチタップシステムも感圧センサーに変更され、一段とわかりやすく扱いやすい操作方法となった。要するに、ユーザーから要望があがっていたさまざまなポイントに改良を施し、より高機能でより扱いやすい製品へと進化しているのが「AirPods Pro」の特徴といえる。加えて、カナル型イヤホンとなったことによりホールド感も格段に向上し、IPX4レベルの耐汗防滴性能と合わせて、フィットネスやランニング等のスポーツユースにも活用できるようになった。まさに、うれしい改良が施された使い勝手のよい製品といえる。

特に、カナル型イヤホンとなってくれたのは大いに歓迎したい。耳掛け型だったこれまでの「AirPods」は、筆者はもちろん、利用者の多くが“使用中に耳からポロリとこぼれ落ちてしまう”ことがあり、紛失が深刻なレベルでの問題となっていた。また、音漏れに関してもかなりの音量となっていて、正直、混雑時の電車内などでは周囲の迷惑を考えると使いづらかった。日本人および日本の都会の環境には適合しにくい部分があったのだが、カナル型イヤホンとなった「AirPods Pro」は、装着感や音漏れの面でもかなりの良好さを持ち合わせるようになっている。

とはいえ、「AirPods Pro」のノズル部分はそれほど長くなく、緩くはめ込むカタチとなっていて、サイズをしっかり合わせないと外れやすい。筆者は普段MかMSサイズのイヤーピースを使用しているのだが、「AirPods Pro」ではLサイズでピッタリだった。一般的なカナル型イヤホンとはホールドされる位置が異なっているので、同梱されているS/M/Lイヤーピースのうち、どのサイズがベストか、しっかりと試して欲しい。ちなみに、「AirPods Pro」にはうれしいことにイヤーピースの装着状態テストも用意されている(設定アプリの「Bluetooth」をタップして接続中の「○○ 's AirPods Pro」の横の「i」をタップするとAirPods Proの設定画面が表示されるのでその中の「イヤーチップ装着状態テスト」をタップ)ので、こちらを使ってフィット感を確認して欲しい。

「AirPods Pro」のイヤーピースは、楕円形の独自デザインが採用されていて、台座部分も一体化されており、イヤホン本体から簡単に外れないようになっている。イヤホンを外した際に耳からこぼれ落ちたり耳穴に残ったりしない点は大歓迎だが、その代わりにサイズ交換がかなりしづらい。実際、サイズ交換のため何回か試してみたが、シリコン部分を破ってしまわないか、かなりヒヤヒヤした。皆さんも、交換の際には十分注意して欲しい。

さて、音漏れに関してはもうひとつ、構造だけではなく新機能のノイズキャンセリングシステムもある程度の効果を発揮してくれている。「AirPods Pro」のノイズキャンセリング機能は、かなり強力なもので、環境騒音の中心である低域はもちろん、中域など人の声のあたりも含め、全体的に強く効かせている傾向にある。そのため、静粛性が高く、音楽の音量を自然と抑えるようになるため、音漏れが圧倒的に減ってくれるのだ。さすがに、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車では厳しいだろうが、多少混んでるくらいであれば大丈夫だろう。また、ノイズキャンセリング機能は外部音取り込みモードも用意されていて、こちらに変更すると外部の音がしっかりと届いてくれる。しかも、とても周囲の音がとても自然に感じられるので、徒歩などの移動中には積極的に活用したくなる。製品によっては、この外音取り込みモードがかなり不自然な音になるため、あまり活用したい気持ちにはならないのだが、「AirPods Pro」では普段から利用したくなる質の高さがある。このあたりも「AirPods Pro」ならではのアドバンテージといえるだろう。

もうひとつ、専用ケースは「AirPods」に比べて横幅が広がり、多少大きくなった印象があるが、持ち運びの点で特に不満はない。ただし、イヤホン本体の取り出しには多少コツが必要で、手前にくるりと回すようにして取り出すため、慣れるまではポロリと落としてしまう場合がある。取り出しの際には、十分注意して欲しい。

さて、肝心のサウンドはというと、基本的にはジェントルなサウンドキャラクターといえるもの。荒々しさをまったく感じさせない、ていねいな抑揚表現によって、落ち着きのある、聴き心地のよいサウンドを楽しませてくれる。男性ボーカルも女性ボーカルも、どちらかというとしっとりとした印象の朗々とした歌声て、聴き心地のよさはなかなかのもの。解像感はそれほど高くはないが、あまり気にならない良質な表現を持ち合わせている。その代わりに、ややパワー感に欠ける傾向はあるが、ハードロックばかり聴く人でもないかぎりは、それほど気にならないだろう。Jポップとの相性もまずまず良好なので、サウンドキャラクターを不満に思う人はそれほどいないだろう。

アップの初のノイズキャンセリング機能搭載カナル型イヤホン「AirPods Pro」は、なかなかに完成度の高い、充実した内容を持つ製品といえる。

イヤホン重量(片耳):約5.4g(片耳)
再生時間:最大4.5時間(アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードをオフにした場合は最大5時間)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで24時間以上の再生が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト

4. ソニー「WF-1000XM3」
ノイキャン性能や接続安定性を高めたソニーの最新完全ワイヤレスイヤホン

ノイズキャンセリングをはじめ、多彩な機能が搭載されたソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000X」がモデルチェンジ。「WF-1000XM3」へと生まれ変わった。

新モデルの特徴をひとことで表すならば、それはズバリ、コンセプトの完璧な実現、といったイメージだろうか。先代「WF-1000X」は、完全ワイヤレスイヤホンとして世界初となったデジタル・ノイズキャンセリング機能の搭載や、フラッグシップモデルらしい上質なサウンドで大いに人気を得ることとなったが、ソニーとしては初めて手がける完全ワイヤレスイヤホンだということもあってか、接続安定性や装着感などで、ユーザーから不満の声が上がることもままあった。そういった部分をすべてしらみつぶしに解消していき、フラッグシップモデルに相応しい“理想の”完全ワイヤレスイヤホンを作り出そうとした様子が、新モデル「WF-1000XM3」の随所からうかがえるのだ。

たとえば、イヤホン本体のデザインは、ハウジング部のオーバル形状など基本的なスタイルこそキープコンセプトであるものの、まったくの新造形となっているし、さらに耳側、ノズルまわりの形状はまったく異なるデザインへと変わっている。これによって、先代に対して格別となる、高い装着感を実現していることを確認できた。また、内部に目を移しても、Bluetoothチップセットを新規に開発するなど、徹底した改良が行われている。名前は“M3”だが、完全新作といっていいほどのブラッシュアップが行われているのは確かだ。

ちなみに、2代目なのに何故“3”なのか疑問に思ったのだが、その旨をたずねてみると、ノイズキャンセリング機能搭載ヘッドホン「WH-1000XM3」のイヤホン版という位置付けとなっているため、この名前を採用したようだ。正直、M3をマーク3と捉えると多少の違和感をもつが、ソニーとしてはマーク3の略と明言している訳ではなく、世代で製品名末尾をそろえるのは製品特徴として分かりやすい面もあるので、これはこれで分かりやすいかも、とも思えた。

いっぽう、機能面でも先代モデルに対しての進化がいくつも見られる。デジタル・ノイズキャンセリング機能は、新たにヘッドホンの外側と内側に配置した2つのマイクを配置した「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を完全ワイヤレスイヤホンとして初めて採用。さらに、ヘッドホン「WH-1000XM3」用のノイズキャンセリングプロセッサー「QN1」を省電力/小型化した「QN1e」を新たに搭載することで、ノイズキャンセリング機能の精度も高めている。さらに、ノイズキャンセリング機能のオンオフに加え、「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」も、イヤホン本体のタッチパッドから操作できるようになった。もちろん、スマートフォン用アプリからの操作も引き続き行えるようになっていて、こちらは外音取り込みレベルを22段階で調整可能なほか、ボイスフォーカスをONにすることで外のノイズを低減しつつ人やアナウンス音のみを聞きやすくすることもできる。また、ペアリングしているスマートフォンの加速度センサーを読んで、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンを検出して、あらかじめ設定したノイズキャンセリング&外音取り込みのモードを自動で切り替えてくる「アダプティブサウンドコントロール」も健在。使い勝手については、大いに満足のいくレベルだ。

なお、付属の専用ケースは先代に比べると多少コンパクトになった印象だが、他社製品の最新状況を踏まえると、大柄と感じてしまうサイズかもしれない。とはいえ、NFC機能が付属してくれているのはとても便利だし、約3回分のフル充電が行えることを考えると、許容できる範囲かもしれない。ちなみに、バッテリー持続時間は、イヤホン本体で約6時間、ケースからの充電もあわせると最大24時間使い続けることができるようになっている。充分な数値といえるだろう。

さて、実際の使い勝手はというと、装着感についてはなかなかのもの。ホールド感がしっかりしていて、耳からポロリとこぼれ落ちることはまずない。先代では、安定した装着が適わなかった筆者としてはありがたいかぎり。また、接続安定性に関しても、特に気になるほどではなかった。ヘッドホンイベント会場という、かなり劣悪な環境でも試してみたが、他社製品に比べると優秀といえる接続安定性を示してくれた。もちろん、相当な悪環境だったので接続が切れることは何回もあったが、クアルコム社製「QCC3026」搭載モデルなど接続安定性をアピールする製品と同等か、それ以上のクオリティは持ち合わせていたように思う。

肝心のサウンドはというと、SBC、AACコーデックのみの対応とは思えないほど、質感のよい表現を持ち合わせている。ピアノはタッチのニュアンスがしっかりと伝わってくることに加えて、倍音がしっかりと乗っているので、のびのびとした演奏に感じられる。ボーカルも迫力のある、メリハリのよい歌声を聴かせてくれる。アコースティック楽器が得意だった先代に比べると、オールラウンダータイプにシフトしたというべきか。ボーカルの押し出し感や、ドラムやベースのグルーヴ感の高さなど、メリハリのしっかりしたサウンドとなっている。幅広いジャンルの音楽が楽しめるようになったのは嬉しいかぎり。これでSBC/AACコーデックのみの対応というのはもったいない、もしLDAC対応であればさらに良質なサウンドが楽しめただろうと、少々残念な気持ちにはなっている。とはいえ、「WH-1000XM3」の音質、機能性は一級品といえるもの。上級クラス完全ワイヤレスイヤホンのリファレンスといえる、とても優秀な製品だ。

イヤホン重量(片耳):約8.5g
再生時間:最大6時間(NC ON)/最大8時間(NC OFF)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック/プラチナシルバー

5. ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 2」
音楽を邪魔しないアクティブノイズキャンセリング機能に注目!

ゼンハイザー初の完全ワイヤレスイヤホン、「MOMENTUM True Wireless」のアップデートモデル。とはいっても、単純な進化版ではなく、新たにアクティブノイズキャンセリング機能が搭載された高機能モデルとなっている。

そのノイズキャンセリング機能については、静粛性を高めると同時に、音色傾向の変化や音質低下を最低限に抑え込むことで、より音楽に集中できる“ミュージックファースト”なポリシーによって作りあげられているという。実際、「MOMENTUM True Wireless 2」のノイズキャンセリング効果はとても自然な印象だ。

マイクはフィードフォワードのみの2マイク方式で、そこから拾った音をデジタル処理してノイズキャンセリングを行っている。また、マイクの収納位置に関しては、イヤホン本体にあけた9つの小さな穴を通してあけ、その内部にレイアウトするなど、独特の作り込みがなされているほか、マイク自身の性能にもこだわっているという。このあたりは、プロフェッショナル向けマイクメーカーでもあるゼンハイザーならではのこだわりか。その結果として、全体的に自然なバランスで環境音が押さえ込まれたノイズキャンセリングを実現している。これはいい。

同時に、装着感がよくなっているのもうれしいポイントだ。新モデルでは、外観デザインこそ初代とほぼ変わらないものの、よく見ると人体(耳)と接触する部分が最大部分は2mmほど小さくなっていて、ほぼ円形だったものがオーバル形状に変化。このわずかな違いによって、格段にフィット感が向上しており、快適な装着感を得られるようになっている。実際、筆者も初代はなんとかギリギリOKな装着感だったが、新モデルではまったく問題なし。女性ユーザーでも、よほど耳の小さい人でもないかぎり不満を持つことはないだろう。

また、接続安定性についてもこだわっていて、接続安定性の高さに定評のある米クアルコム製SoCを採用したほか、アンテナは受信性能の高いLDS(レーザーによる直接構造化を行う)をチョイス。特にアンテナは、デザインや配置はもちろんのこと、素材に銅や金を採用するなど徹底した最適化を行い、接続安定性を高めているという。今回、悪環境でのテストは行えなかったが、比較的良好な環境の住宅地とはいえ、10m離れていても音の途切れはまったくといっていいほど発生しなかった。十分な接続安定性といえるだろう。

このほかにも、イヤホン本体で約7時間、専用ケースからの充電も含めると28時間ものロングライフを実現。さらに、IPX4の防滴性能やGoogleアシスタント/Apple Siriへの対応など、さらなる利便性向上も追求されている。専用アプリ「Smart Control」も用意され、イコライジングだけでなく、タッチ操作のカスタムができたり、将来的にはファームウェアのアップデートにも対応しているという。まさに“全部のせ”の高機能、高性能モデルといえる存在だ。

そのサウンドは、ゼンハイザーならではのポリシーが感じられる、ニュートラルな音色と抑揚のはっきりした抑揚的な表現をあわせ持つキャラクターが特徴。しかも、クオリティ面では初代よりもさらに高まってくれている。基本的には、ボーカルやメイン楽器にフォーカスしたバランスで、距離感の近いボーカルが、抑揚に満ちたドラマティックな歌声を聴かせてくれる。息づかいの様子も普段より強めに伝わり、シンガーの存在がとてもリアルに感じられる。おかげで、YURiKA「鏡面の波 Orchestra Ver.」などは、普段よりも実体感のある歌声を楽しませてくれた。アコースティック楽器も得意で、チェロはやわらかく広がる低域が付帯する、心地よい響きを感じる。また、ヴァイオリンは普段よりほんのちょっと落ち着いた、重層的な音色が印象的だった。

いっぽう、低域は広がり感や聴き心地のよさが特徴。自然な広がり感を持つため、フロアタムの音色などは印象的に響きを聴かせる。それでいて、打音のキレはしっかり保たれている。ゼンハイザーの音に対するこだわりが十分伝わる、絶妙なチューニングといえるだろう。

イヤホン重量(片耳):6g
再生時間:最大7時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト

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