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《2021年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

《2021年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

Appleが「iPhone」シリーズからヘッドホン出力端子を廃止して以降、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急激に普及している。実際、ここ数年で過去の数倍に匹敵する新製品が各社から登場。いまやヘッドホン&イヤホンの主流となっている。

そのなかでも、高い人気を誇っているのが完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれる、左右別体のイヤホンだ。「トゥルーワイヤレスイヤホン(TWS)」「フルワイヤレスイヤホン」「耳栓型イヤホン」「左右分離型イヤホン」など、いろいろな呼ばれ方をしているこちらのタイプ。一般的なBluetoothイヤホンがプレーヤーとはワイヤレスながら左右本体がケーブルでつながっているのに対して、完全ワイヤレスイヤホンは左右間もワイヤレス接続となっており、ケーブルがいっさい使用されていない。その名のとおり、“完全”“完璧”なワイヤレスイヤホンとなっているのだ。その代表例といえるのがアップルのAirPodsで、こちらが発売されて以降、大きく注目を集めるようになり、現在はさまざまなメーカー/ブランドから数多くの製品がラインアップされている。

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhoneの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写真はApple「iPhone X」と「AirPods Pro」)

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhoneの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写はApple「iPhone X」と「AirPods Pro」)

本特集では、そんな大注目の完全ワイヤレスイヤホンの選び方を4つのポイントにわけてわかりやすく解説するとともに、話題の最新モデルから人気の定番モデルまで、全45モデルの一気レビューをお届けする。レビューでは、音質をメインとしつつも、接続時の手間などユーザビリティも含めて紹介させていただくので、自分にとってのベストワンを選び出す参考にしていただけたらと思う。

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完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に注目したい4つのポイント

1.装着感(耳にフィットしてこぼれ落ちないモデルを選ぶ)

特集の冒頭でも述べたとおり、完全ワイヤレスイヤホンの最大のメリットは、ケーブルがいっさいないため、屋外でとても扱いやすい製品になっているということだ。一般的なBluetoothイヤホンは左右間をケーブルで接続しているため、移動時何かに引っかかったり収納時に絡まったり、時には断線など、有線イヤホンと同じトラブルが発生する可能性がある。もちろん、ケーブルの長さは圧倒的に短いし、ネットバンドを採用するなどの工夫によってケーブルにまつわるトラブルは格段に少ないが、わずかながら可能性は残る。また、これは気分の問題だが、左右がつながっているのがうっとうしく感じるユーザーもいるだろう。対して完全ワイヤレスイヤホンは、左右が独立していて、ケーブルにまつわるトラブルやストレスから完全に解放される。これだけでも十分な魅力といえる。

これは同時に、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットともなっている。それは、落としやすくなくしやすいことだ。実際、通勤時などに完全ワイヤレスイヤホンが耳からこぼれ落ちてしまう人に少なからず遭遇する。筆者も、電車とホームのすき間に落ちてしまい絶望的な顔をしている人に会ったことがある。それも、ひとりやふたりではない。

完全ワイヤレスイヤホンは、本体内ですべての構成が完結しなければならないため、有線タイプのイヤホンに対して本体が大きくなりがちで、どうしても落ちやすい傾向があるのだ。そのため、女性など耳穴の小さい人などは頻繁に耳からこぼれ落ちやすく、なくしたり壊したりする可能性が高くなってしまう。また、本体が小さいことから、自宅などの室内でも思っている以上に見つかりにくいという思わぬ落とし穴もある。そういった事態への対策として、メーカーは本体の形状を最適化したり、収納用のケースを付属したりとさまざまな工夫を行っている。とはいえ、やはり重要なのは実際の装着感だ。自分の耳にちゃんとフィットしているか、実際に製品に触れる機会があるなら確認しておいたほうがいいだろう。

ちなみに、イヤホン本体の紛失への対策として、一部メーカーの製品には片方紛失/故障時の有償サービスが付いているモデルもあったりする。いざというときに大変ありがたいので、製品選びの際のチェック項目として加えておくものいいだろう。

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

2.ワイヤレスの接続性(切れにくいもの、復帰がスムーズなものを選ぶ)

もうひとつ、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットとしてあげられるのが接続状況だ。プレーヤーと左右本体の2か所をワイヤレスで接続するうえ、左右の間にある人間そのものが電波を通しづらい傾向があるため、音切れが発生しやすい。各社ともアンテナの形状を工夫したり、左右間の接続方式を工夫したりと、さまざまな方法で音切れの回避を行っているが、有線のように完璧な安定接続は不可能であるため、多少の音切れは容認せざるを得ない。

それよりも、音切れの頻度や復帰のスムーズさを気にしたいところだ。最新チップを搭載したモデルは接続の安定性が高くなっているが、やはり最大のポイントは本体内蔵アンテナのデザインで、ワイヤレス技術にすぐれたメーカーが安心だ。ただ、通信の安定性の良し悪しは実際に試してみないと分からないのが歯痒いところ。なので、技術スペックはあくまでも参考程度に踏まえておいた方がよいだろう。

3.再生時間(急速充電機能やトータルの再生時間をチェック)

次に重要なポイントとなるのが、バッテリーの持続時間だ。本体サイズがコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンは、大きなバッテリーを搭載することができず、再生時間は一般的なBluetoothイヤホンに対してかなり短くなってしまっている。現在発売されている製品を見てみると、5〜8時間のバッテリー駆動時間をうたっているモデルが多い。そのため、収納ケースがそのまま充電ケースとなっていて、トータルで10時間以上の使用できるよう工夫されているが、それでも“聴きたいときにバッテリー切れで聴けない”可能性があるのも確かだ。

それをできるかぎり回避するため、製品選びの際はケースに“急速充電”機能がある製品を有力候補としよう。15分で1時間ほどの使用が可能な急速充電対応の製品を購入していれば、聴きたいときに聴けない事態をうまく回避することも可能になるからだ。また、最近では大容量のバッテリーを搭載し、モバイルバッテリーのようにスマートフォンに給電できるモデルも登場してきている。完全ワイヤレスイヤホンとモバイルバッテリーの2台持ちが大変という人は、こういった製品をチョイスするというのもアリだろう。

最近では超大型のバッテリーを内蔵し、ケースと合わせて最大100時間以上音楽再生やスマートフォンへの充電を行えるモデルなども登場してきている(写真はag「AG-TWS04K」)

最近では超大型のバッテリーを内蔵し、ケースと合わせて最大100時間以上音楽再生やスマートフォンへの充電を行えるモデルなども登場してきている(写真はag「AG-TWS04K」)

4.音質(自分好みの音色傾向を選ぶ)

最後に、音質についてもぜひチェックしてほしいところだ。これまで完全ワイヤレスイヤホンは、本体内にアンテナやバッテリーを搭載しなければならないスペース的な制限によって音質的に不利と言われてきた。しかし、各社が音質に対してさまざまな工夫を凝らした結果、ここ数年で完全ワイヤレスイヤホン全体の音質レベルはかなり引き上げられている。Bluetoothの「便利だけど音が悪い」というイメージはかなり払拭されつつあるのだ。こういった状況からも旧モデルよりも最新モデルを選ぶほうが音質的に有利なことが多いことは確かだが、やはり最終的には自分好みの音色傾向を選ぶというのが一番だろう。一気レビューのパートには、製品ごとの音質傾向を詳しく掲載しているので、ぜひ参考にしていただければと思う。

完全ワイヤレスイヤホン注目機種レビュー

1. JVC「Victor HA‐FX100T」
「ビクタースタジオ」のエンジニアが音質を監修した完全ワイヤレスイヤホン

ビクタースタジオのレコーディングエンジニアがサウンド監修を行った証である「Tuned by VICTOR STUDIO」ロゴが与えられた、初の完全ワイヤレスイヤホン。とはいえ、この「HA-FX100T」は“完全ワイヤレスイヤホンであっても高音質で楽しみたいというユーザーの要望に応えるため「ビクタースタジオ」に音質の監修を依頼した”という経緯を持つ製品であり、実際にビクタースタジオで利用されているスタジオモニターヘッドホン「HA‐MX100V」とは製品の成り立ちやビクタースタジオ監修の意味合いが異なっていたりする。プロが認めた音をいつでもどこでも手軽に楽しめるというのが「HA-FX100T」最大の魅力といっていいだろう。

実際、完全ワイヤレスイヤホンとしての機能性は最新モデルならではの充実度を持ち合わせている。(型番は非公表だが)最新のクアルコム製SoCを採用することでロングライフと接続安定性を両立。イヤホン本体で最大8時間、専用ケースからの充電を加えると最大28時間の連続再生時間を実現している。また、接続安定性に関しても、TWS Plusに対応しているほかLDSアンテナなども採用されており、あらゆる接続での安定性が追求されている。コーデックはSBC、AACに加えてaptXにも対応。IPX4相当の防滴性能も確保されている。

マイク性能に関しても、ちょっとしたこだわりが盛り込まれている。cVcテクノロジーと高性能MEMSマイクの組み合わせによってクリアな通話が追求されていることに加えて、自動で音質を切り替えて会話を聞き取りやすくなる「はっきり音声」機能も搭載。ハンズフリー機能や片側だけで使用可能な点など、さまざまな便利機能を持ち合わせている点も注目だ。装着感については、円筒から斜めにノズルか突き出したシンプルなデザインと、片側約4.5gの小型ボディによってなかなかに良好だ。また、JVCのイヤーピース「スパイラルドット」が標準添付されているので、音質での優位性もうれしいポイントとなっている。

さて、肝心のサウンドはというと、中域重視、メリハリのはっきりした表現が特徴。帯域バランス的には低域が強めとなっているが、あくまでも中域が主役のチューニングとなっていて、ボーカルなどのフロントラインが強い存在感を主張する。加えて、リアル志向の音色傾向も持ち合わせているため、ボーカルはもちろん、アコースティック楽器の演奏も心地よいサウンドが楽しめる。特にピアノは、ハンマーのノックからホールへと音の広がりまで、すべてが感じ取られるくらいに情報量が多く、それでいて聴き心地のよい素直な音色ともなっている。スタジオモニターヘッドホン「HA‐MX100V」もボーカル、特に女性ボーカルが熱気あふれる歌声を聴かせてくれる魅力的なサウンドだった。そういった点で、両者のサウンドは共通するキャラクターを持ち合わせており、確かに「Tuned by VICTOR STUDIO」の看板に偽りなし、すぐれたサウンドを持つ製品といえる。

ちなみに、「HA-FX100T」は傘の部分が短い交換用イヤーピース「スパイラルドットSF(ストレスフリー) EP‐FX11」もオプションで用意されている。こちらを試してみたところ、音質的にも装着感としてもなかなかに良好だった。定位感のしっかりしたサウンドへと変化するため、音場表現が豊かに感じられる。また、低域もフォーカス感が高まってくれるので、ハードロックなども聴きやすくなり、男性ボーカルは落ち着いた響きに変化する。この組み合わせはなかなかだ。しばらく標準添付の「スパイラルドット」イヤーピースで楽しんだのち、ぜひ「スパイラルドットSF EP‐FX11」も試してみてほしい。

イヤホン重量(片耳):4.5g
再生時間:最大8時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約2.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック

2. JVC「JVC HA-A50T-B」
JVC初となるアクティブノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホン

JVC初となるANC(アクティブノイズキャンセリング)機能搭載の完全ワイヤレスイヤホン。ANC機能を搭載しながらも実売1万円前後という、比較的手頃な価格設定が大きな魅力となっている。

とはいえ、機能面、音質面でいっさいの手抜かりはない。ANC機能はフィードフォワード方式による2マイクシステムのようだが、低反発イヤーピースと組み合わせることで、良好な遮音性を確保。外音取り込み機能も備わっているため、シチュエーションに合わせて便利に活用することができる。いっぽう、バッテリー持続時間はイヤホン本体で約8時間、専用ケースからの充電を含めて約32時間の長時間再生を確保。10分の充電で約1時間の連続再生が可能なクイック充電にも対応しているので、日常での不便はまずない。さらに、IPX4相当の防滴性能を持ち、Bluetooth 5.0と位置を最適化したFPCアンテナによって安定した接続も実現しているとアピールする。

いっぽう、ドライバーユニットは10mm口径のダイナミック型を搭載する。スペース的な余裕の少ない完全ワイヤレスイヤホンでは、6mm前後のユニットが一般的だが、10mm口径を搭載することで、本来の音質はもちろん、ノイズキャンセリングの効果としても有用だという。実際にノイズキャンセリングをオンにしてみると、しっかりとした効き具合が感じられた。それほど強烈ではないが弱すぎることもなく、全体的に自然な騒音低減をしてくれるため違和感も少ない。また、ANCのオンオフでそれほど音の変化がない点も好ましい。

さて、肝心のサウンドはというと、ナチュラルな音色と押し出しの強いメリハリ表現をあわせ持っているのが特徴だ。解像感はそれほど高くないものの、ヴァイオリンやチェロなどの楽器が実体感のあるサウンドを楽しませてくれる。ピアノの音も、抑揚は浅いが心地よい響きだ。帯域バランス的には、低域の量感たっぷりのダイナミックな抑揚表現で、ポップスやロック系は普段よりも迫力満点のサウンドが楽しめる。ボーカルも歌声に力強さがある。音楽を存分に楽しむためのANC機能、という製品コンセプトを感じる、絶妙なサウンド設定といえる。

イヤホン重量(片耳):7.1g
再生時間:最大6時間(ANC ON時)/最大8時間(ANC OFF時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック/ブルー/トープ

3. Noble Audio「FALCON PRO」
ハイブリッドドライバー構成を採用したNoble Audio完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデル

“Wizard”と呼ばれるジョン・モールトンによるサウンドチューニングが施されたカスタムIEMが人気の米イヤホン専業メーカー「Noble Audio」から、初の完全ワイヤレスイヤホンが発売されたのは2019年のこと。ファーストモデル「FALCON」は、一般発売に先行してクラウドファンディングでの販売が行われ、1400万円超の支援を達成したことで話題を集めている。翌年の2020年、「FALCON」はブラッシュアップが施されて「FALCON 2」へと進化。機能性、音質ともにさらなる人気を得ている。そして、「FALCON」の上位に位置する新モデルとしてデビューしたのが、この「FALCON PRO」だ。

その外観を見ると、ノズルの長いデザインやブラックを基調としたカラーコーディネイトなど、基本的な製品コンセプトは変わらず受け継がれていることがわかる。とはいえ、ノズルがやや短くなっていたり、フェースプレート部のデザインが変更されていたり、専用ケースの形状も微妙に異なっているなど、すべてのパートがオリジナルで作り上げられていることも伝わってくる。なかなか、手の込んだ製品作りが行われたようだ。

さらに、ドライバー構成も「FALCON」とは異なっている。「FALCON PRO」ではBA(バランスドアーマチュア)型とダイナミック型のハイブリッドドライバー構成を採用。しかも、BA型に米Knowles社製の「SRDD」ユニットを、ダイナミック型は新たにチタンコーティング振動版「T.L.T. Driver(Tri-layered Titanium-coated Driver) 」採用の6mm口径ユニットを搭載するなど、上級モデルならではといえる徹底したこだわりが垣間見られる。

機能面では、クアルコムのSoC「QCC3040」を採用することで、SBC、AAC、aptXコーデックに加えて、接続のよさと高音質を自動的に最適化してくれるaptX Adaptiveにも対応。さらに、左右イヤホンがそれぞれ直接スマートフォンからのデータ伝送を行う「TrueWireless Mirroring」にも対応するなど、最新技術をしっかり盛り込んでいる。このあたりは「FALCON 2」同様だが、いっぽうでBAドライバーの搭載、ノズル形状/フィルターの変更により、防水性能がIPX5へと変更されている。

しかしながら、ノズル形状の変更にはメリットも大きい。「FALCON」シリーズの特徴であり、高い遮音性を実現してくれるロングノズルは、ほとんどの人で問題がないいっぽうで、筆者などはギリギリの長さであったため、長時間の装着が厳しい側面もあった。この「FALCON PRO」では、そういった部分が多少なり汎用度を増し、いままでよりも多くの人が快適な装着感を得られるようになっている。なかなか喜ばしいポイントといえる。

さて、肝心のサウンドはというと、「FALCON」シリーズならではのヌケのよいダイナミックな表現を残しつつも、より上質なキャラクターにシフトした印象。ワイドレンジ、かつ中高域に繊細な表現を持ち合わせていることで、ボーカルやピアノなどがリアルなサウンドへとスケールアップしている。特にピアノは、凜とした高域の響きを持ちつつも、音が鋭すぎない、絶妙なチューニングにまとめられている。おかげで、ボーカルも心地よく聴こえる。初代「FALCON」の熱気マシマシのボーカルとはキャラクターがずいぶん異なっているが、上品さを得た「FALCON PRO」の歌声はなかなかに魅力的だ。いっぽうで、低域は変わらず勢いのよさが感じられ、迫力のあるリズミカルなサウンドを楽しむことができる。

「FALCON 2」に対してやや高価な製品となった「FALCON PRO」だが、その価値を十分に感じる製品だ。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大10時間(70%音量時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約4回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive
カラーバリエーション:ブラック

4. ラディウス「Ne VOLT HP-V700BTN」
ハイブリッドドライバー構造を採用した重低音指向の完全ワイヤレスイヤホン

2009年に世界初となる振動板2枚構成の独自ドライバーを搭載した有線イヤホン「W(ドブルベ)」シリーズで一躍注目の存在となり、その後もハイレゾ音源対応音楽再生アプリ「NePLAYER」をリリースするなど、独自の展開を続ける日本オーディオメーカー、ラディウスより、新モデルの完全ワイヤレスイヤホンが登場。それが「HP-V700BT」「HP-V500BT」の2製品だ。こちらの2つ、重低音キャラクターを特徴とする「VOLT」シリーズに属する製品で、なかでも上位機種となる「HP-V700BT」は、BA型とダイナミック型ドライバーが組み合わされたハイブリッド構成を採用している。今回は、この「HP-V700BT」をメインに製品を紹介していこう。

「HP-V700BT」のハイブリッドドライバー構成は、BA型1基、ダイナミック型1基という組み合わせがチョイスされている。また、ダイナミック型ドライバーは、厚さわずか75μm(!)という極薄のカーボンファイバーペーパーをPU振動板ドームに貼付した「カーボンファイバードーム振動板」を採用。これによって、付帯音のない豊かな低音と繊細な中高音を両立したという。加えて、通常の銅線に比べて軽量なCCAW(銅クラッドアルミ線)ボイスコイルや、(ネオジウム系の中でも他より強力な磁力を持つといわれている)N45マグネットを採用するなど、なんともラディウスらしいこだわりが随所に盛り込まれたユニットとなっている。

いっぽうで、機能面も充実した内容となっている。機能、音質の両面で要となるBluetoothパートには、クアルコムのSoC「QCC3040」をチョイス。「TrueWireless Mirroring」や「aptX Adaptiveコーデック」などに対応することで、接続安定性を格段に向上させている。また、Bluetooth Ver5.2にも準拠し、接続機器の受信電波強度によってイヤホンの送信電波強度の左右バランスを最適化する技術「LE Power Control 」や、複数のATTプロトコル(動作の制御信号)を並列送信することで遅延を抑制する「Enhanced Attribute Protocol」にも対応。こと接続安定性に関しては、現在できる最高の対処がなされている。

いっぽう、使い勝手の面でもいくつかのアドバンテージを持ち合わせている。人の声にフォーカスした外音取り込み機能に加えて、IPX4の防滴性能も確保。スポーツはもちろん、屋外でも積極的に活用できるようになっている。また、再生時間はイヤホン本体で約11時間とかなりのロングライフを誇っている。専用ケースを合わせると、最長50時間駆動のバッテリーライフとなってくれるのは大変ありがたい。なお、イヤーピースは耳奥でしっかりフィットするラディウス独自の「ディープマウントイヤーピース」が付属する。

さて、肝心のサウンドはというと、質のよいドンシャリというべきか、ボリュームたっぷりの低域とヌケのよい高域の組み合わせが特徴。低域の量感はかなり多く、そのぶんパワフルでメリハリのよいベース&ドラムが堪能できる。ノリノリのビートだ。それでいて、ボーカルやメイン楽器のフォーカス感がしっかり保たれているのもさすがといえる。重低音バランスの製品は低域が中域をマスクしてしまい存在感が弱まってしまうことが少なからずあるが、「HP-V700BT」に関してはそういった心配は皆無で、実体感のある歌声と迫力の低域がしっかり両立されている。重低音モデルが好き、でも音質には妥協したくない、さらにデザインもカッコイイものがいい、という人にはうってつけの製品と言えそうだ。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大11時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約4.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive
カラーバリエーション:ブラックゴールド

5. ラディウス「Ne EXTRA HP-NX500BT」
独自のFLW構造ドライバーを採用した完全ワイヤレスイヤホン

ラディウスのリファレンスシリーズ「Ne/NeEXTRA」の完全ワイヤレスイヤホン。当時世界初だった2枚構成振動板の独自ドライバーや、ハイレゾ対応音楽再生アプリ「NePLAYER」をリリースするなど、高い技術力に支えられた独自の展開を続けるメーカーだけに、搭載されるドライバーユニットを始め、随所にさまざまな技術が盛り込まれた、こだわりの一品に作り上げられているのが特徴だ。

まず、音質の要となるドライバーユニットは、「HP-NX500BT」専用のダイナミック型ユニットを新開発。完全ワイヤレスイヤホンとしては大口径の部類となる9.8mm口径としたほか、ボイスコイルのリード線を振動板に接着しない空中配線「FLW構造(Floating Lead Wire system)」構造を採用することで、ローリングと呼ばれる不自然な振幅の発生を低減。トランジェント(過渡)特性にすぐれ、クリアな音像や定位を実現しているという。また、ボイスコイルにSPCCAW(SP-銅クラッドアルミ線)を採用することで、高音域のすぐれた伸びと歯切れのよい低音域再生を両立したともアピールしている。

いっぽう、BluetoothのSoCにはクアルコムの「QCC3020」をチョイス。これに厳選したチップアンテナを組み合わせ、さらにアンテナの実効面積を拡大すべく独自のPCBパターン設計を行うことで、安定した接続性を確保している。また、BluetoothコーデックはSBC、AACに加えてaptXにも対応。低遅延、かつ良音質のサウンドを楽しむことができる。このほか、バッテリー持続時間はイヤホン本体で5.5時間、専用ケースを含めると最長27.5時間というロングライフを確保。さらに、IPX4相当の防滴性能も備わっている。

「HP-NX500BT」の魅力は、なんといっても才色兼備なところだろう。このごろの完全ワイヤレスイヤホンは、製品開発のサイクルが早いせいか似たような外観の製品が多くなってしまっているが、ラディウスの完全ワイヤレスイヤホンに関してはイヤホン本体はもちろんのこと、専用ケースも似たようなものが存在しない独自デザインを貫いている。それがなかなかにカッコイイし、ラディウスとひと目でわかるデザインとなっている。大手メーカーとはいえない同社がここまでのオリジナリティを発揮しているのは、正直、賞賛に値する。実際のところ、ここまでの独自性/良クオリティを確保するために並々ならぬ努力が行われているようで、現在の生産拠点となる中国に現地法人を設立し協力工場との深い関係を築き上げることで実現したものだという。その努力には、大いに尊敬させられる。

そういった努力をあえて無視して、客観的に音質をチェックしても「HP-NX500BT」のサウンドは好ましいレベルを持ち合わせている。ひとことでいえばニュートラルなキャラクターで、ていねいにそつなく演奏を再現してくれる。高域にわずかなピークがあるものの、それがかえって音色の煌びやかさにつながっているなど、なかなかに絶妙なサウンドチューニングといえる。結果として、あらゆるジャンルの音楽が得手不得手なく楽しめる、懐の深い製品となっている。デザインのよさと合わせて、大いに魅力的な製品といえる。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大5.5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/レッド/ブルー

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