特集
高機能なハイエンドモデルから高コスパモデルまで!続々登場する最新機種も網羅!

《2019年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

《2019年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

2016年秋に、Apple「iPhone 7」シリーズがヘッドホン出力端子を廃止して以降、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急激に普及している。実際、ここ1〜2年で過去の数倍に匹敵する新製品が各社から登場。いまやヘッドホン&イヤホンの主流といえる製品になりつつある。

そのなかでも、高い人気を誇っているのが完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれる、左右別体のイヤホンだ。「トゥルーワイヤレスイヤホン」「フルワイヤレスイヤホン」「耳栓型イヤホン」「左右分離型イヤホン」など、いろいろな呼ばれ方をしているこちらのタイプ。一般的なBluetoothイヤホンがプレーヤーとはワイヤレスながら左右本体がケーブルでつながっているのに対して、完全ワイヤレスイヤホンは左右間もワイヤレス接続となっており、ケーブルがいっさい使用されていない。その名のとおり、“完全”“完璧”なワイヤレスイヤホンとなっているのだ。その代表例といえるのがアップルのAirPodsで、こちらが発売されて以降、大きく注目を集めるようになり、現在はさまざまなメーカー/ブランドから数多くの製品がラインアップされている。

Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大(写真はiPhone 7 PlusとAirPods)

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhone 7/iPhone 7 Plusの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写真はiPhone 7 PlusとAirPods)

このように、いま最大の注目株といえる完全ワイヤレスイヤホンだが、まだ登場したばかり、新しいタイプの製品だけに、メリットデメリットがハッキリしている。購入の際には、それをしっかりと見極めなければならない。本特集では、完全ワイヤレスイヤホン選びの4つのポイントをわかりやすく解説するとともに、注目製品の一気レビューをお届けする。レビューでは、音質をメインとしつつも、接続時の手間などユーザビリティも含めてご紹介させていただくので、自分にとってのベストワンを選び出す参考にしていただけたらと思う。

【関連リンク】
《2019年》おすすめイヤホン15選!人気の製品を6つのタイプ別に紹介
《2019年》初心者向けおすすめBluetoothイヤホン8選!選び方や基礎知識も
5,000円以下で買える高コスパワイヤレスイヤホン厳選9機種
高音質で高コスパ! 1万円以下で買えるBluetoothイヤホン6選

完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に注目したい4つのポイント

1.装着感(耳にフィットしてこぼれ落ちないモデルを選ぶ)

特集の冒頭でも述べたとおり、完全ワイヤレスイヤホンの最大のメリットは、ケーブルがいっさいないため、屋外でとても扱いやすい製品になっているということだ。一般的なBluetoothイヤホンは左右間をケーブルで接続しているため、移動時何かに引っかかったり収納時に絡まったり、時には断線など、有線イヤホンと同じトラブルが発生する可能性がある。もちろん、ケーブルの長さは圧倒的に短いし、ネットバンドを採用するなどの工夫によってケーブルにまつわるトラブルは格段に少ないが、わずかながら可能性は残る。また、これは気分の問題だが、左右がつながっているのがうっとうしく感じるユーザーもいるだろう。対して完全ワイヤレスイヤホンは、左右が独立していて、ケーブルにまつわるトラブルやストレスから完全に解放される。これだけでも充分な魅力といえる。

これは同時に、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットともなっている。それは、落としやすくなくしやすいことだ。実際、通勤時などに完全ワイヤレスイヤホンが耳からこぼれ落ちてしまう人に少なからず遭遇する。筆者も、電車とホームのすき間に落ちてしまい絶望的な顔をしている人に会ったことがある。それも、ひとりやふたりではない。

完全ワイヤレスイヤホンは、本体内ですべての構成が完結しなければならないため、有線タイプのイヤホンに対して本体が大きくなりがちで、どうしても落ちやすい傾向があるのだ。そのため、女性など耳穴の小さい人などは頻繁に耳からこぼれ落ちやすく、なくしたり壊したりする可能性が高くなってしまう。また、本体が小さいことから、自宅などの室内でも思っている以上に見つかりにくいという思わぬ落とし穴もある。そういった事態への対策として、メーカーは本体の形状を最適化したり、収納用のケースを付属したりとさまざまな工夫を行っている。とはいえ、やはり重要なのは実際の装着感だ。自分の耳にちゃんとフィットしているか、実際に製品に触れる機会があるなら確認しておいたほうがいいだろう。

ちなみに、イヤホン本体の紛失への対策として、一部メーカーの製品には片方紛失/故障時の有償サービスが付いているモデルもあったりする。いざというときに大変ありがたいので、製品選びの際のチェック項目として加えておくものいいだろう。

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

2.ワイヤレスの接続性(切れにくいもの、復帰がスムーズなものを選ぶ)

もうひとつ、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットとしてあげられるのが接続状況だ。プレーヤーと左右本体の2箇所をワイヤレスで接続するうえ、左右の間にある人間そのものが電波を通しづらい傾向があるため、音切れが発生しやすい。各社ともアンテナの形状を工夫したり、左右間の接続方式を工夫したりと、さまざまな方法で音切れの回避を行っているが、有線のように完璧な安定接続は不可能であるため、多少の音切れは容認せざるを得ない。

それよりも、音切れの頻度や復帰のスムーズさを気にしたいところだ。左右のイヤホン間をつなぐ通信にNFMI方式を採用したタイプは復帰がスムーズな傾向があったり、米クアルコム製の最新チップ「QCC3026」などを搭載したモデルは接続の安定性が高くなっているなどさまざまな話があるが、最大のポイントは本体内蔵アンテナのデザインだったりするので、ワイヤレス技術にすぐれたメーカーが安心だったりもする。こればかりは、実際に試してみないと分からないのが歯痒いところだ。なので、技術スペックはあくまでも参考程度に踏まえておいた方がよいだろう。

上位モデルを中心にNFMI採用モデルが増えている。接続性を重視するなら、NFMI対応かどうかを必ずチェックしておこう

ちなみに、米クアルコム製の最新チップ「QCC3026」などは、「Snapdragon 845」搭載スマートフォンとの組み合わせで「TrueWireless Stereo Plus」を利用可能になるため、接続性と音質面で大きなアドバンテージが見込まれているが、しばらくは環境的に実現の見込みがない(現在発売中の「QCC3026」搭載完全ワイヤレスイヤホンはファームウェアアップデートなどを行わなければならない可能性が高い)ため、しばらくは選択のポイントに入れなくてもよさそうだ。

「TrueWireless Stereo Plus」は、完全ワイヤレスイヤホン向けに開発されたクアルコムの最新技術。左右のイヤホンそれぞれに信号を送ることで、従来よりも途切れにくくなっている

3.再生時間(急速充電機能やトータルの再生時間をチェック)

次に重要なポイントとなるのが、バッテリーの持続時間だ。本体サイズがコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンは、大きなバッテリーを搭載することができず、再生時間は一般的なBluetoothイヤホンに対してかなり短くなってしまっている。現在発売されている製品を見てみると、3時間前後のバッテリー駆動時間をうたっているモデルが多い。そのため、収納ケースがそのまま充電ケースとなっていて、トータルで10時間以上の使用できるよう工夫されているが、それでも“聴きたいときにバッテリー切れで聴けない”可能性があるのも確かだ。

それをできるかぎり回避するため、製品選びの際はケースに“急速充電”機能がある製品を有力候補としよう。15分で1時間ほどの使用が可能な急速充電対応の製品を購入していれば、聴きたいときに聴けない事態をうまく回避することも可能になるからだ。

専用充電ケースに急速充電機能を備えたモデルも登場しつつある。写真はJaybirdの完全ワイヤレスイヤホン「Jaybird RUN」。急速充電機能を備えており、5分の充電で約1時間の音楽再生が可能だ

4.音質(自分好みの音色傾向を選ぶ)

最後に、音質についても是非チェックして欲しいところだ。最新のBluetoothイヤホン・ヘッドホンは、上位モデルを中心にaptX HDやLDACなど、ハイレゾ相当の音質を伝送することが可能なコーデックが普及してきている。Bluetoothの「便利だけど音が悪い」というイメージがいままさに払拭されつつあるのだが、サイズや消費電力の都合か、完全ワイヤレスイヤホンではSBCやAACなどスタンダードなコーデックのみの対応となっている製品がほとんどで、一部、aptX対応のモデルが出始めた程度だ。

また、本体内にアンテナやバッテリーを搭載しなければならないスペース的な制限によって、音質的にも不利な状況となっている。とはいえ、各社がさまざまな工夫を凝らしており、ここ1年で音質はかなりのクオリティアップを果たしている。そういった視点でも、最新モデルのほうが有利なのは確かだ。

完全ワイヤレスイヤホン注目機種レビュー

1. アップル「AirPods Pro」
カナル型デザインになり、待望のノイズキャンセル機能も搭載した最注目モデル

アップル「AirPods Pro」 カナル型デザインに刷新されたイヤホン本体。イヤーピースは楕円形だ クラムシェルタイプの専用ケース。「AirPods」に比べて横幅が広がり、多少大きくなった アップル「AirPods Pro」を装着したところ

数多ある完全ワイヤレスイヤホンの中でも、圧倒的な人気でナンバーワンのシェアを保ち続けているアップル「AirPods」に、新バリエーションが登場。それがこの「AirPods Pro」だ。

「AirPods Pro」は、従来の「AirPods」の上位に位置するモデルで、イヤホン本体のデザインやノイズキャンセリング機能など、デザインや機能性を大きく変更したのが特徴となっている。また、操作にコツがいるマルチタップシステムも感圧センサーに変更され、一段とわかりやすく扱いやすい操作方法となった。要するに、ユーザーから要望があがっていたさまざまなポイントに改良を施し、より高機能でより扱いやすい製品へと進化しているのが「AirPods Pro」の特徴といえる。加えて、カナル型イヤホンとなったことによりホールド感も格段に向上し、IPX4レベルの耐汗防滴性能と合わせて、フィットネスやランニング等のスポーツユースにも活用できるようになった。まさに、うれしい改良が施された使い勝手のよい製品といえる。

特に、カナル型イヤホンとなってくれたのは大いに歓迎したい。耳掛け型だったこれまでの「AirPods」は、筆者はもちろん、利用者の多くが“使用中に耳からポロリとこぼれ落ちてしまう”ことがあり、紛失が深刻なレベルでの問題となっていた。また、音漏れに関してもかなりの音量となっていて、正直、混雑時の電車内などでは周囲の迷惑を考えると使いづらかった。日本人および日本の都会の環境には適合しにくい部分があったのだが、カナル型イヤホンとなった「AirPods Pro」は、装着感や音漏れの面でもかなりの良好さを持ち合わせるようになっている。

とはいえ、「AirPods Pro」のノズル部分はそれほど長くなく、緩くはめ込むカタチとなっていて、サイズをしっかり合わせないと外れやすい。筆者は普段MかMSサイズのイヤーピースを使用しているのだが、「AirPods Pro」ではLサイズでピッタリだった。一般的なカナル型イヤホンとはホールドされる位置が異なっているので、同梱されているS/M/Lイヤーピースのうち、どのサイズがベストか、しっかりと試して欲しい。ちなみに、「AirPods Pro」にはうれしいことにイヤーピースの装着状態テストも用意されている(設定アプリの「Bluetooth」をタップして接続中の「○○ 's AirPods Pro」の横の「i」をタップするとAirPods Proの設定画面が表示されるのでその中の「イヤーチップ装着状態テスト」をタップ)ので、こちらを使ってフィット感を確認して欲しい。

「AirPods Pro」のイヤーピースは、楕円形の独自デザインが採用されていて、台座部分も一体化されており、イヤホン本体から簡単に外れないようになっている。イヤホンを外した際に耳からこぼれ落ちたり耳穴に残ったりしない点は大歓迎だが、その代わりにサイズ交換がかなりしづらい。実際、サイズ交換のため何回か試してみたが、シリコン部分を破ってしまわないか、かなりヒヤヒヤした。皆さんも、交換の際には十分注意して欲しい。

さて、音漏れに関してはもうひとつ、構造だけではなく新機能のノイズキャンセリングシステムもある程度の効果を発揮してくれている。「AirPods Pro」のノイズキャンセリング機能は、かなり強力なもので、環境騒音の中心である低域はもちろん、中域など人の声のあたりも含め、全体的に強く効かせている傾向にある。そのため、静粛性が高く、音楽の音量を自然と抑えるようになるため、音漏れが圧倒的に減ってくれるのだ。さすがに、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車では厳しいだろうが、多少混んでるくらいであれば大丈夫だろう。また、ノイズキャンセリング機能は外部音取り込みモードも用意されていて、こちらに変更すると外部の音がしっかりと届いてくれる。しかも、とても周囲の音がとても自然に感じられるので、徒歩などの移動中には積極的に活用したくなる。製品によっては、この外音取り込みモードがかなり不自然な音になるため、あまり活用したい気持ちにはならないのだが、「AirPods Pro」では普段から利用したくなる質の高さがある。このあたりも「AirPods Pro」ならではのアドバンテージといえるだろう。

もうひとつ、専用ケースは「AirPods」に比べて横幅が広がり、多少大きくなった印象があるが、持ち運びの点で特に不満はない。ただし、イヤホン本体の取り出しには多少コツが必要で、手前にくるりと回すようにして取り出すため、慣れるまではポロリと落としてしまう場合がある。取り出しの際には、十分注意して欲しい。

さて、肝心のサウンドはというと、基本的にはジェントルなサウンドキャラクターといえるもの。荒々しさをまったく感じさせない、ていねいな抑揚表現によって、落ち着きのある、聴き心地のよいサウンドを楽しませてくれる。男性ボーカルも女性ボーカルも、どちらかというとしっとりとした印象の朗々とした歌声て、聴き心地のよさはなかなかのもの。解像感はそれほど高くはないが、あまり気にならない良質な表現を持ち合わせている。その代わりに、ややパワー感に欠ける傾向はあるが、ハードロックばかり聴く人でもないかぎりは、それほど気にならないだろう。Jポップとの相性もまずまず良好なので、サウンドキャラクターを不満に思う人はそれほどいないだろう。

アップの初のノイズキャンセリング機能搭載カナル型イヤホン「AirPods Pro」は、なかなかに完成度の高い、充実した内容を持つ製品といえる。

イヤホン重量(片耳):約5.4g(片耳)
再生時間:最大4.5時間(アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードをオフにした場合は最大5時間)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで24時間以上の再生が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト

2. NUARL「N6 Pro」「N6」
新開発のダイナミック型ドライバーを搭載し、2種類の音色から選べる完全ワイヤレスイヤホン

NUARL「N6 Pro」 専用ケースは従来モデルよりやや大きくなり、バッテリー容量が大きく増えている NUARL「N6 Pro」を装着したところ NUARL「N6」 専用ケースフロントには、バッテリー残量を確認できるLEDも搭載する NUARL「N6」を装着したところ

良質なサウンドと特徴的でスマートなデザインを持ち、コストパフォーマンスのよさにも注目が集まるNUARL(ヌアール)から、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「N6 Pro」「N6」が登場する。

こちら、幅広いラインアップを有するNUARL製完全ワイヤレスイヤホンの中でも、フラッグシップとアッパークラスに位置する製品。その最大の特徴といえるのが、新開発のオリジナル「N6」ダイナミック型ドライバーの搭載だ。こちら、ドライバーユニット自身を銅製の金属筐体に収めモジュール化することで、有線イヤホンと変わらない音質追求を実現。同時に、製品組み上げ時のクオリティのばらつき抑制にも寄与しているという。そのほかにも、筐体の新設計や3ボタンの採用など、音質はもとより装着性や操作性など、あらゆるポイントからの改良が押し進められている。

また、外観を見ると「N6 Pro」「N6」両者の違いはカラーバリエーション程度にとどまっているように感じられる。新開発のイヤホン本体はまったく同じ形状で、「N6 Pro」は表面にマット仕上げが、「N6」は表面に光沢仕上げが施されている。これに「N6 Pro」はゴールド、「N6」はシルバーのメッキパーツが組み合わされている。

実際に装着してみたところ、フィット感はかなり良好になっている。外観から、イヤホン本体が結構大きくなったように感じたのだが、装着してみるとそれほど重さを感じない。良好な重量バランスを実現しているのだろう。また、小型のイヤーフィンも従来モデルに比べて格段に効果的となり、耳からのこぼれ落ちを巧みに防止してくれそうだ。

3ボタンに関しては、使いやすさは格別のものといえる。操作には多少の慣れが必要ではあるが、誤操作の可能性がとても低い、確実な操作ができるのはありがたいかぎりだ。

クアルコム社製SoC「QCC3020」搭載と大型バッテリーの採用によって、最大11時間という連続再生時間を実現している点もうれしいかぎり。専用ケースと合わせて最大55時間もの再生が可能というので、これは大きな魅力といっていいだろう。ちなみにこちらの「QCC3020」は、ファームウェアアップデート機能をサポートした最新世代となっていて、NUARLアプリからアップデートが行えるようになっている。これもありがたい。

両者最大の違いといえば、搭載されているドライバーだ。どちらも「N6」、6mm口径のダイナミック型ドライバーを採用しているのには変わらないが、「N6 Pro」にはPEEK(Polyetheretherketone)と単層カーボンナノチューブ(Single Wall Carbon Nanotube)という2枚の振動膜を真空蒸着したSWCNT複合振動板を採用する「NUARL DRIVER [N6]v5」が搭載され、高い分解能を生かしたフラットなサウンドに仕立てられているという。もうひとつの「N6」には、PEEK振動膜の表面にTPEとチタンを被膜蒸着したPTT多層被膜振動板を採用した「NUARL DRIVER [N6]v3」を搭載。こちらは、キレのあるパワフルな音色を生かし、幅広いジャンルにマッチする現代風の味付けに仕立てた、という。

実際、両者のサウンドは似て非なるサウンドキャラクター、といえるものだった。ウォークマン「ZX300」にaptXコーデックで接続し試聴してみたところ、まず「N6 Pro」は、完全ワイヤレスイヤホンであることを忘れてしまいそうな解像感の高さを持ち合わせており、煌びやかな音色の高音によって、鮮度感の高いサウンドを楽しむことができた。ピアノの音はピンとハリがあって、かつ伸びやか。女性ボーカルは、ややハスキーなイメージながらも、生き生きとした歌声となっている。いっぽう、低域は必要十分な量感、といった印象だが、フォーカス感がよいため中域をマスクすることもなく、グルーヴ感の高いサウンドが実現できている。分解能が高いためか、音の広がり感も良好だ。なかなかに良質なサウンドといえる。アコースティック楽器がメインの楽曲をよく聴く人には、魅力的な選択肢といえるだろう。

いっぽうの「N6」は、ボーカルなどの中域がしっかりと押し出されている、距離感の近いサウンドが特徴だ。一歩前に出てきてくれたかのような、距離感の近さによって、メリハリのしっかりした、生き生きとした歌声を楽しむことができる。基本的には、クラシックからJポップ、EDMまで、幅広いジャンルの楽曲をそつなくこなす優秀さを持ち合わせているが、特におすすめなのはボーカル系だ。

ぜひ、両者のサウンドを聴き比べて、好みの1台を選び出して欲しい。

■N6 Pro
イヤホン重量(片耳):約7g
再生時間:最大11時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:マットブラック、レッドカッパー

■N6
イヤホン重量(片耳):約7g
再生時間:最大11時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:グロスブラックとシルバー

3. Noble Audio「FALCON」
カスタムIEMメーカーが本気で手がけた完全ワイヤレスイヤホン

Noble Audio「FALCON」 細長いノズルが特徴的なイヤホン本体。耳に当たる内側の形状もかなりこだわっている 専用ケースはクラムシェル型のオーソドックスな形状。内蔵バッテリーで4回のフル充電が行える Noble Audio「FALCON」を装着したところ

Noble Audioは、オーディオロジスト(聴覚学者・聴覚専門医)でありポータブルオーディオファンからは“Wizard(魔術師)”の愛称で呼ばれているジョン・モールトン氏によって設立された米国のイヤホン専業メーカー。これまでカスタムIEMやハイエンドイヤホンなどを手がけてきた同社から、初の完全ワイヤレスイヤホンが登場。それがこの「FALCON」だ。実はこちらの製品、先にクラウドファンディングによる販売が行われ、目標金額を大幅に上回る1400万円超の支援を達成するなど大きな話題となっていた製品で、このたび一般販売がスタートした。

最大の特長といえば、やはりサウンドに対するこだわりだろう。「FALCON」では、「Dual-Layered Carbon Driver(D.L.C. Driver)」と呼ばれるドライバーユニットを開発して搭載。振動板の樹脂層の上にカーボンファイバー素材できたパーツを重ねた特殊な二層構造を採用することで、完全ワイヤレスイヤホンに搭載例の多いグラフェンドライバーに対して歪みを約1/2に抑制。伸びやかな広域表現が可能になっているという。

また、組み合わせるアコースティックダンパーの選定とDSPによる徹底したチューニングを実施。有線モデルの周波数特性を基準としつつ、超低域をシャープに減衰させることでマスキング現象を回避するなど、最適なサウンドを作り上げるべく繰り返し微調整を行ったという。

音質に関してはもうひとつ、イヤホン本体のデザインにも注目したい。いわゆるイヤーモニターライクなデザインなのだが、一般的なモデルに比べてノズルの部分が長く、耳穴の奥まで入り込んでくる。これは、イヤーモニターではよく使われる、遮音性を高めるための手段だが、完全ワイヤレスイヤホンでここまでのノズル長を持つものはほとんどない。その分、遮音性が高まってよりピュアなサウンドが楽しめるが、人によっては少々気になるかもしれない。筆者も、左耳側がSサイズイヤーチップを使っても理想位置まで入るギリギリの太さだった。普段からSサイズイヤーチップを使っている人など、耳穴の小さい人は購入前に装着テストをしてみることをおすすめする。

いっぽうで、通信の接続安定性にもかなり注力した様子がうかがえる。接続安定性に定評のあるクアルコム社製SoC「QCC3020」を搭載したことに加え、「High Precision Connect Technology」というアンテナ設計技術を導入。信号強度がもっとも減衰しにくい場所にアンテナを配置するなどの最適化により、通信の安定した接続を実現したとアピールする。実際に少しテストをしてみたが、障害物がある場合でも5m程は安定して接続できているなど、十分な接続安定性を保持していた。よほど環境の悪い場所でもないかぎり、音切れは発生しなさそうだ。

ちなみに、この「FALCON」に搭載されている「QCC3020」は、iOS/Androidの両OSからのOTAファームウェアアップデート機能をサポートした最新世代となっている。2019年内配信予定の専用アプリを活用することで、アップデートも行えるため、将来的にも安心といえる。

このほかにも、IPX7の防水性能や専用アプリによるボタンのカスタマイズ、イコライザー調整機能の提供など、使い勝手についても満足できるレベルが確保されている。なお、コーデックはSBCやAAC、aptXに対応している。

さて、ウォークマン「ZX300」とaptX接続してそのサウンドをチェックしたところ、音のクリアさ、ダイレクト感の高さについて大いに驚いた。ピアノやチェロなど、アコースティック楽器の音色はとても自然で、かつメリハリもしっかりしている。完全ワイヤレスであることを忘れてしまうほど、有線イヤホンと変わらない印象の音色であり、とても良質なサウンドを聴かせてくれる。女性ボーカルはほんの少し擦過音が目立つが、音色の変調もなく普段通りの魅力的な歌声を楽しませてくれる。

Jポップとの相性のよさも特筆だ。MYTH & ROIDを聴くと、ぶ厚いギターの音と伸び伸びとしたボーカルが巧みに融合して、独特の魅力を持つサウンドが見事に再生されている。いっぽうで、坂本真綾「逆光」は、坂本真綾ならではのやさしい声色の歌声とグルーヴ感あふれるキレのよい演奏との意外な組み合わせが持つ面白さを存分に楽しませてくれる。とにかく、音楽が“楽しい”サウンドであることは断言できる。

よくよく確認してみると、aptX接続の影響だろう、ハイレゾ音源を再現しきるまでの情報量は持ち合わせていないのだが、いっぽうで音色がとても自然で、各楽器のバランスが良好だったりと、普段のNoble Audioと何ら変わらないサウンドキャラクターを持ち合わせている。完成度の高さに思わず感心させられる、すばらしい製品だ。

イヤホン重量(片耳):約7g
再生時間:最大10時間(70%音量時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで4回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック

4. Mavin「Air XR」
3.8gの軽量イヤホンと小柄なケースでポータビリティ抜群の1台

Mavin「Air XR」 3.8gという超軽量設計のイヤホン本体。斜めにカットされたオリジナルのイヤーピースも特徴的だ 専用ケースも非常に薄くてコンパクトなつくりになっている Mavin「Air XR」を装着したところ

これまでさまざまなメーカーのオーディオ製品を手がけたMavinのオリジナルモデル第2弾となる完全ワイヤレスイヤホン。コンパクトかつ3.8gという軽量さを誇るイヤホン本体、および小柄なケースが特徴となっていて、装着感の軽快さ、持ち運びのしやすさがアピールされている。

まずは機能性について。接続性に関しては、クアルコム社製SoC「QCC3020」の搭載と独自設計の3Dアンテナが組み合わされており、これによって最大30mの距離(見通せる場所の場合)でも音楽が途切れないという。これは、一般的なBluetooth製品の3倍となる距離となる。実際にはどうなんだろうと、やや疑いつつ事務所の前の道に出て試してみたが、なんと、30m離れても余裕でつながり、音切れなく音楽を楽しむことができた。確かに、これはスゴイ。当然、電波状況の悪い場所では音切れが生じてしまうこともあるだろうが、住宅地で30m離れても大丈夫、というのはかなりの“音切れしにくさ”といえる。大いに魅力的なポイントだ。ちなみに、「Air XR」はTWS Plusにも対応しているため、対応スマートフォンとはさらに小電力、低遅延の環境が構築できるようになっている。

また、現在販売されている「Air XR」は通常の収納ケースとなっているが、加えてワイヤレス充電対応ケース付属モデルも近日発売予定となっている。こちらはなかなかに便利そうだ。

いっぽうで、装着感にもかなりの配慮がなされているのが「Air XR」の特徴だ。イヤーピースは一般的なタイプのほか、外側が斜めにカットされたオリジナルデザインのものが付属。こちらの装着感のよさ、音漏れの少なさは、なかなかのレベルとなっている。実際に装着してみると、ややノズル部が太めかなとは思いつつも、総じて快適な装着感だった。いっぽう、スポーツユースに配慮された専用スタビライザー(シリコン素材でイヤホンの体側を覆うもの)も付属。IPX7の防水性能と合わせて、雨や汗などを気にせず、屋外でも不安なく活用できるようになっている。

さて、肝心のサウンドはというと、クリアさとていねいな細部表現が巧みに両立された、絶妙なバランスの表現を持ち合わせていた。女性ボーカルはありのままの歌声を自然な印象で聴かせてくれるし、バックの演奏も(それほど広がりはないものの)整然とした定位を再現できている。ピアノの音は端正で美しく、ヴァイオリンはやや線が細いが、こちらも艶やかな響きを聴かせてくれる。美音、という言葉を使いたくなるような、なかなかに美しいサウンドだ。
特に、女性ボーカル系が好きな人には好みと合いそう。そのいっぽうで、Jポップとの相性も悪くなく、やや押さえの効いた抑揚表現ながら、厚みのある歌声や演奏を楽しませてくれる。上品なサウンドという表現では言い過ぎだが、聴き心地のよい音色傾向なのは確かだ。
軽量コンパクトな完全ワイヤレスイヤホンが欲しい人には、有力な候補といえる。

イヤホン重量(片耳):約3.8g
再生時間:最大10時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト、ブルー

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン タイムセール
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る