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《2019年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

《2019年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

2016年秋に、Apple「iPhone 7」シリーズがヘッドホン出力端子を廃止して以降、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急激に普及している。実際、ここ1〜2年で過去の数倍に匹敵する新製品が各社から登場。いまやヘッドホン&イヤホンの主流といえる製品になりつつある。

そのなかでも、高い人気を誇っているのが完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれる、左右別体のイヤホンだ。「トゥルーワイヤレスイヤホン」「フルワイヤレスイヤホン」「耳栓型イヤホン」「左右分離型イヤホン」など、いろいろな呼ばれ方をしているこちらのタイプ。一般的なBluetoothイヤホンがプレーヤーとはワイヤレスながら左右本体がケーブルでつながっているのに対して、完全ワイヤレスイヤホンは左右間もワイヤレス接続となっており、ケーブルがいっさい使用されていない。その名のとおり、“完全”“完璧”なワイヤレスイヤホンとなっているのだ。その代表例といえるのがアップルのAirPodsで、こちらが発売されて以降、大きく注目を集めるようになり、現在はさまざまなメーカー/ブランドから数多くの製品がラインアップされている。

Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大(写真はiPhone 7 PlusとAirPods)

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhone 7/iPhone 7 Plusの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写真はiPhone 7 PlusとAirPods)

このように、いま最大の注目株といえる完全ワイヤレスイヤホンだが、まだ登場したばかり、新しいタイプの製品だけに、メリットデメリットがハッキリしている。購入の際には、それをしっかりと見極めなければならない。本特集では、完全ワイヤレスイヤホン選びの4つのポイントをわかりやすく解説するとともに、注目製品の一気レビューをお届けする。レビューでは、音質をメインとしつつも、接続時の手間などユーザビリティも含めてご紹介させていただくので、自分にとってのベストワンを選び出す参考にしていただけたらと思う。

目次
完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に注目したい4つのポイント
1.装着感(耳にフィットしてこぼれ落ちないモデルを選ぶ)
2.ワイヤレスの接続性(切れにくいもの、復帰がスムーズなものを選ぶ)
3.再生時間(急速充電機能やトータルの再生時間をチェック)
4.音質(自分好みの音色傾向を選ぶ)
完全ワイヤレスイヤホン注目機種レビュー
1. beats by dr.dre「Powerbeats Pro」
2. AVIOT「TE-BD21f」「TE-BD21f-pnk」
3. NUARL「NT110」
4. JayBird「VISTA」
5. ソニー「WF-1000XM3」
6. アップル「AirPods」(第2世代モデル)
7. アップル「AirPods」(第1世代モデル)
8. オーディオテクニカ「ATH-CKS5TW」
9. JBL「TUNE 120TWS」
10. Bose「SoundSport Free wireless headphones」
11. AVIOT「TE-D01g」
12. ソニー「WF-SP900」
13. AVIOT「TE-D01d」
14. Bang & Olufsen「Beoplay E8 2.0」「Beoplay E8 Motion」
15. ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless」
16. SOUL「ST-XS2」
17. GLIDiC「Sound Air TW-7000」
18. NUARL「NT01AX」
19. ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia Ear Duo XEA20」
20. ソニー「WF-SP700N」
21. ANKER「Soundcore Liberty Air」
22. ZERO AUDIO「True Wireless ZERO TWZ-1000」
23. JBL「UA SPORT WIRELESS FLASH」
24. エレコム「LBT-TWS02BK」
25. ソニー「WF-1000X」
26. RHA「TrueConnect」
27. サムスン「Galaxy Buds」
28. FOSTEX「TM2」
29. Cambridge Audio「MELOMANIA1」
30. EARIN「EARIN M-2」
31. Jabra「Elite 65t」
32. JVC「XX HA-XC70BT」
33. Skullcandy「Indy」
34. MASTER&DYNAMIC「MW07」
35. Astrotec「S60」
36. JVCケンウッド「N_W HA-LC50BT」
37. Mavin「Air-X」
38. Skullcandy「Push」
39. オーディオテクニカ「Sound Reality ATH-CKR7TW
40. パイオニア「SE-E8TW」

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完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に注目したい4つのポイント

1.装着感(耳にフィットしてこぼれ落ちないモデルを選ぶ)

特集の冒頭でも述べたとおり、完全ワイヤレスイヤホンの最大のメリットは、ケーブルがいっさいないため、屋外でとても扱いやすい製品になっているということだ。一般的なBluetoothイヤホンは左右間をケーブルで接続しているため、移動時何かに引っかかったり収納時に絡まったり、時には断線など、有線イヤホンと同じトラブルが発生する可能性がある。もちろん、ケーブルの長さは圧倒的に短いし、ネットバンドを採用するなどの工夫によってケーブルにまつわるトラブルは格段に少ないが、わずかながら可能性は残る。また、これは気分の問題だが、左右がつながっているのがうっとうしく感じるユーザーもいるだろう。対して完全ワイヤレスイヤホンは、左右が独立していて、ケーブルにまつわるトラブルやストレスから完全に解放される。これだけでも充分な魅力といえる。

これは同時に、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットともなっている。それは、落としやすくなくしやすいことだ。実際、通勤時などに完全ワイヤレスイヤホンが耳からこぼれ落ちてしまう人に少なからず遭遇する。筆者も、電車とホームのすき間に落ちてしまい絶望的な顔をしている人に会ったことがある。それも、ひとりやふたりではない。

完全ワイヤレスイヤホンは、本体内ですべての構成が完結しなければならないため、有線タイプのイヤホンに対して本体が大きくなりがちで、どうしても落ちやすい傾向があるのだ。そのため、女性など耳穴の小さい人などは頻繁に耳からこぼれ落ちやすく、なくしたり壊したりする可能性が高くなってしまう。また、本体が小さいことから、自宅などの室内でも思っている以上に見つかりにくいという思わぬ落とし穴もある。そういった事態への対策として、メーカーは本体の形状を最適化したり、収納用のケースを付属したりとさまざまな工夫を行っている。とはいえ、やはり重要なのは実際の装着感だ。自分の耳にちゃんとフィットしているか、実際に製品に触れる機会があるなら確認しておいたほうがいいだろう。

ちなみに、イヤホン本体の紛失への対策として、一部メーカーの製品には片方紛失/故障時の有償サービスが付いているモデルもあったりする。いざというときに大変ありがたいので、製品選びの際のチェック項目として加えておくものいいだろう。

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

2.ワイヤレスの接続性(切れにくいもの、復帰がスムーズなものを選ぶ)

もうひとつ、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットとしてあげられるのが接続状況だ。プレーヤーと左右本体の2箇所をワイヤレスで接続するうえ、左右の間にある人間そのものが電波を通しづらい傾向があるため、音切れが発生しやすい。各社ともアンテナの形状を工夫したり、左右間の接続方式を工夫したりと、さまざまな方法で音切れの回避を行っているが、有線のように完璧な安定接続は不可能であるため、多少の音切れは容認せざるを得ない。

それよりも、音切れの頻度や復帰のスムーズさを気にしたいところだ。左右のイヤホン間をつなぐ通信にNFMI方式を採用したタイプは復帰がスムーズな傾向があったり、米クアルコム製の最新チップ「QCC3026」などを搭載したモデルは接続の安定性が高くなっているなどさまざまな話があるが、最大のポイントは本体内蔵アンテナのデザインだったりするので、ワイヤレス技術にすぐれたメーカーが安心だったりもする。こればかりは、実際に試してみないと分からないのが歯痒いところだ。なので、技術スペックはあくまでも参考程度に踏まえておいた方がよいだろう。

上位モデルを中心にNFMI採用モデルが増えている。接続性を重視するなら、NFMI対応かどうかを必ずチェックしておこう

ちなみに、米クアルコム製の最新チップ「QCC3026」などは、「Snapdragon 845」搭載スマートフォンとの組み合わせで「TrueWireless Stereo Plus」を利用可能になるため、接続性と音質面で大きなアドバンテージが見込まれているが、しばらくは環境的に実現の見込みがない(現在発売中の「QCC3026」搭載完全ワイヤレスイヤホンはファームウェアアップデートなどを行わなければならない可能性が高い)ため、しばらくは選択のポイントに入れなくてもよさそうだ。

「TrueWireless Stereo Plus」は、完全ワイヤレスイヤホン向けに開発されたクアルコムの最新技術。左右のイヤホンそれぞれに信号を送ることで、従来よりも途切れにくくなっている

3.再生時間(急速充電機能やトータルの再生時間をチェック)

次に重要なポイントとなるのが、バッテリーの持続時間だ。本体サイズがコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンは、大きなバッテリーを搭載することができず、再生時間は一般的なBluetoothイヤホンに対してかなり短くなってしまっている。現在発売されている製品を見てみると、3時間前後のバッテリー駆動時間をうたっているモデルが多い。そのため、収納ケースがそのまま充電ケースとなっていて、トータルで10時間以上の使用できるよう工夫されているが、それでも“聴きたいときにバッテリー切れで聴けない”可能性があるのも確かだ。

それをできるかぎり回避するため、製品選びの際はケースに“急速充電”機能がある製品を有力候補としよう。15分で1時間ほどの使用が可能な急速充電対応の製品を購入していれば、聴きたいときに聴けない事態をうまく回避することも可能になるからだ。

専用充電ケースに急速充電機能を備えたモデルも登場しつつある。写真はJaybirdの完全ワイヤレスイヤホン「Jaybird RUN」。急速充電機能を備えており、5分の充電で約1時間の音楽再生が可能だ

4.音質(自分好みの音色傾向を選ぶ)

最後に、音質についても是非チェックして欲しいところだ。最新のBluetoothイヤホン・ヘッドホンは、上位モデルを中心にaptX HDやLDACなど、ハイレゾ相当の音質を伝送することが可能なコーデックが普及してきている。Bluetoothの「便利だけど音が悪い」というイメージがいままさに払拭されつつあるのだが、サイズや消費電力の都合か、完全ワイヤレスイヤホンではSBCやAACなどスタンダードなコーデックのみの対応となっている製品がほとんどで、一部、aptX対応のモデルが出始めた程度だ。

また、本体内にアンテナやバッテリーを搭載しなければならないスペース的な制限によって、音質的にも不利な状況となっている。とはいえ、各社がさまざまな工夫を凝らしており、ここ1年で音質はかなりのクオリティアップを果たしている。そういった視点でも、最新モデルのほうが有利なのは確かだ。

完全ワイヤレスイヤホン注目機種レビュー

1. Beats by Dr. Dre「Powerbeats PRO」
最新AirPodsと同じApple H1チップ搭載! Beats初の完全ワイヤレスイヤホン

Beats by Dr. Dre「Powerbeats PRO」 イヤーフックを採用したスタイルは、「Powerbeats3 Wireless」に近いが、細部が若干異なる クラムシェルタイプのケース。充電端子はiPhoneと同じLightning端子だ Beats by Dr. Dre「Powerbeats PRO」を装着したところ

Beats初の完全ワイヤレスイヤホンがこの「Powerbeats PRO」だ。現行「AirPods」にも搭載されているアップル社製「H1」チップを採用することで、iPhoneやiPadなどとの接続性、利便性を追求したモデルに仕上がっているのが特徴となっている。

イヤホン本体は、一般的なカナル型というよりも、スポーツモデルのようなイヤーフックを採用したスタイルとなっている。しっかりした装着を実現する太めのイヤーフックなど、外観は「Powerbeats3 Wireless」に近いイメージとなっているが、ディテールはかなり異なっていて、完全ワイヤレスイヤホン専用にデザインされているのがわかる。

操作系は、上側に音量の+/−が可能なボタンと、再生/停止/受話などが行えるハウジング部のbマーク(ちなみに2回押しが曲送りで3回押しが曲戻し)、ふたつがレイアウトされている。こちらの操作感は良好で、とても扱いやすかった。また、本体にはセンサーが付属しており、装着すると再生が始まり、外すと再生が停止するようになっている。こちらもなかなかに便利だ。

専属再生時間は最大9時間ほど。専用ケースからの充電を含めると、24時間以上の使用が可能となっている。さらに、5分の充電で約90分の再生が行えるようになる急速充電機能(BeatsではFast Fuel機能と呼んでいる)も持っているので、外出時にバッテリー切れで困ることはまずないはずだ。

そのほか、専用ケースを開けてiPhoneを近づけるだけでペアリングしてくれたり、ケースの接続端子がLightningだったり(製品にはLightning to USB-Aケーブルが付属)、Siriに対応していたりと、iPhone/iPadユーザーにはとても扱いやすい仕様となっている。とはいえ、このあたりはAndroidユーザーにとってはデメリットになることが多いので、あくまでもiPhone/iPadユーザーをメインとした製品といえる。

さて、そのサウンドはというと、カリッとした、ハリのある中高音が特徴。ヌケのよい、広がり感のある清々しいサウンドが楽しめる。いっぽう低域は、十分な量感を持つが、全体の帯域バランスを崩すようなことはなく、どこまでもクリアな、上質な印象を感じさせるサウンドにまとめ上げられている。解像感がそれほど高くはないが、そういった不足を感じさせない。絶妙なチューニングといえるだろう。

サウンドも使い勝手も満足できる内容となっている「Powerbeats PRO」だか、唯一残念なのが音漏れに関して。「Powerbeats PRO」は、かなり盛大に音漏れするため、電車内などではボリュームを大きく絞る必要がある。決して大げさな話ではなく、開放型ハウジング採用のインナーイヤーに近いのでは、と思えるほどの音漏れだったりするのだ。というのも、先日たまたま電車内で「Powerbeats PRO」ユーザーを目の前にしたのだが、こちらは座っていて、その人は立っているのにもかかわらず、どんな楽曲を聴いているのか丸わかりだった。ラッシュ時の電車などでは、まず使えないといっていいだろう。「AirPods」も含め、アップル社製イヤホンは音漏れについてあまり配慮していない傾向があるので、そのあたりはあらかじめ注意が必要だ。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大9時間
充電方法:専用ケース(イヤホン本体と合わせて24時間以上再生可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:アイボリー/ブラック/ネイビー/モス

2. AVIOT「TE-BD21f」「TE-BD21f-pnk」
ハイブリッドドライバー構成採用で音質にとことんこだわった注目モデル!

AVIOT「TE-BD21f」 タル型のイヤホン本体。アルミと無垢ジュラルミンを使用することで、軽さと耐久性の両立を実現 スライド式のフタを採用した専用ケース。イヤホン本体を最大3回充電可能だ AVIOT「TE-BD21f」を装着したところ AVIOT「TE-BD21f-pnk」。専用ノポーチも付属する 本体形状は「TE-BD21f」とまったく同じで、ボタンのデザインのみ異なる 専用ケースもオリジナルデザインが入っている以外は、「TE-BD21f」と同じだ AVIOT「TE-BD21f-pnk」を装着したところ

AVIOTから、またまたユニークな完全ワイヤレスイヤホンが登場した。それがこの「TE-BD21f」だ。製品コンセプトは、“完全ワイヤレスイヤホンでありながらも、妥協することなく良質なサウンドを追求したフラッグシップモデル”ということで、こと音質面では徹底した追求がなされている。そのなかでも最大の特徴といえるのが、BA型×2基、ダイナミック型×1基によるハイブリッド・トリプルドライバー構成の採用だ。これにデジタル音質調整機能を備える米クアルコム社製SoC「QCC3020」を組み合わせ、さらにaptXコーデックに対応することで、妥協のない音質を実現しているという。

いっぽうで、音質を最優先しつつも機能性についても妥協のないつくりになっていることも、「TE-BD21f」のアドバンテージといえる。たとえば、アルミと無垢ジュラルミンを組み合わせたイヤホン本体は、重さ5.4gという軽さと、装着時に耳から大きく飛び出さない小柄さを持っているし、SpinFit社製イヤーピース「SP355」を同梱することでフィット感にも配慮。IPX5の防滴性能も備え、スポーツやエクササイズ時にも活用することができる。

また、米クアルコム社製のSoC「QCC3020」の恩恵に加え、低消費電力設計を押し進めることで、最大7時間の連続再生時間を確保。専用ケースからの充電も合わせ、最大28時間の連続使用が可能となっている。ワイヤレス関連ではもうひとつ、接続性にも注力。アンテナを新設計して安定した接続性を確保し、さらにTWS Plus(TrueWireless Stereo Plus)にも対応。対応スマホと組み合わせることで、さらに途切れのない安定した接続を楽しむことができるようになっている。

そして「TE-BD21f」には、もうひとつのトピックがある。それは限定モデル「TE-BD21f-pnk」のリリースだ。こちら、「凛として時雨」のドラマー、ピエール中野氏が監修したモデルで、専用カラーや本体デザインのほか、独自のサウンドチューニングも行われており、しかも中野氏自らが調整を行っているのが特徴だ。また、日本語の音声ガイドには、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』の常守朱(CV:花澤香菜)のボイスが採用されているなど、ただのコラボモデルとは一線を画す、こだわりのある作り込みがなされている。

さて、肝心のサウンドを確認してみよう。一聴して、確かにいままでの完全ワイヤレスイヤホンとは次元の違うレベルということがわかる。高域はクリアで凜とした印象だが、耳障りな鋭さはいっさいなく、繊細で美しい響きに感じられる。おかげで、金管楽器が煌びやかな音色を聴かせつつも存在を主張しすぎず、フルオーケストラの演奏では全体的なバランスのよさを感じる。いっぽう、低域はやや強めだがフォーカスがよいためか、チェロの演奏はボーイングに力強さを感じるし、ハードロックはエレキベースの旋律がよく見える、いつもよりグルーヴ感の高い演奏に思える。結果、ボーカルが普段よりもパワフルな、生き生きとした歌声に聴こえてくる。この楽しさあふれる表現は、大いに魅力的だ。Jポップを聴いても高域が耳障りに感じられないことも含め、巧みなサウンドバランスといえるだろう。

もうひとつの製品、ピエール中野氏が監修した「TE-BD21f-pnk」も聴いてみた。こちらも基本はそう変わらないが、よりメリハリのハッキリした、キレのよいサウンドにまとめ上げられている。おかげで、Jポップやハードロックが迫力満点のパワフルサウンドに感じられる。両者の違いはあくまでも好みの範疇のなかに収まるが、気になる人はぜひ、自分好みのサウンドはどちらか両者を聴き比べしてほしい。

■TE-BD21f
イヤホン重量(片耳):約5.4g
再生時間:最大7時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/シルバー/バイオレット

■TE-BD21f-pnk
イヤホン重量(片耳):約5.4g
再生時間:最大7時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック

3. NUARL「NT110」
水洗いも可能な高い防水・耐汗性能でスポーツ用途にもぴったりな1台

NUARL「NT110」 構造防水と耐汗フィルターで、水洗いできるほどの高い防水性能と耐汗性能、IPX7を確保 クラムシェルタイプの専用ケース。前モデルから約25%の小型軽量化を実現している NUARL「NT110」を装着したところ

構造防水と耐汗フィルターを採用することで、水洗いできるほどの高い防水性能と耐汗性能、IPX7を確保。雨天やトレーニング時にも安心して使用できる、NUARLのミドルクラス完全ワイヤレスイヤホン(ただしシャワーやプールなど常時水没する環境では使用できない)が「NT110」だ。

第2世代となったこの「NT110」(正式な名称は「NT110 WATERPROOF TRUE WIRELESS STEREO EARPHONES」のようだ)では、先の防水性能やイヤーループ採用とデザインの追求によりフィット感の良好なイヤホン本体、グラフェンコート振動板採用の6mm口径のダイナミック型ドライバーなどはそのままに、Bluetoothチップをクアルコム社製の最新SoC「QCC3020」に変更。aptXコーデックやTWS Plus(TrueWireless Stereo Plus)にも対応したほか、最大約9.5時間の連続再生が可能となった。こちら、先代の約4時間に対して、2倍以上となる大幅アップだ。また、専用ケースからはおおよそ6回の充電が行えるため、トータルでは約67時間の使用が可能となっている。また、急速充電にも対応していて、約1.5時間でイヤホン本体に満充電できる。ことバッテリーまわりに関しては、十分満足できる内容といえるだろう。

いっぽう、専用ケースは前モデルから約25%の小型軽量化が押し進められている。これにより、先代モデルよりもさらに手軽に、カバンはもちろんポケットなどにも無理なく収納できるようになった。

さて、肝心のサウンドはというと、先代とは別物といえるくらいのグレードアップを果たしている。NUARLらしいというべきか、メリハリのしっかりした彫りの深い表現がしっかり実現できていて、ややSN感に乏しさを感じた=メリハリが表現がうまく伝わってこないもどかしさがあった先代とは大きく異なっている。どちらかというと、フラッグシップモデル「NT01AX」に近い印象を覚える。もちろん、解像感の高さや繊細な抑揚表現の再現性、そして何よりも自然な音色やシルキーな高音の響きなど、音色傾向というかサウンドチューニングの傾向は異なっているが、基礎体力の部分では近いものを感じる。音色は、その下のモデル「NT01B」に近い印象かもしれない。「NT110」は、どちらかというとキレのよさと音の厚みが巧みに両立したサウンドを生かしつつ、低域をボトムエンドまで引っ張りすぎずうまくまとめた、バランスのよいポップなサウンドを楽しむことができる。1万円を下まわる価格でこの音質はなかなかのもの。IPX7の防水性もふまえ、なかなかに魅力的な製品といえるだろう。

イヤホン重量(片耳):約4g
再生時間:最大9.5時間(SBC/AAC)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約6回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト

4. Jaybird「VISTA」
超薄型ケースを採用したランナー向け完全ワイヤレスイヤホン最新モデル

Jaybird「VISTA」 イヤホン本体も耳から飛び出さない薄型設計となっている。イヤーフィンとイヤーチップは一体型のタイプだ 超薄型の専用ケースはポケットにいれても邪魔にならない Jaybird「VISTA」を装着したところ

ロジクールが展開するランナー向けイヤホンブランドJaybirdから、「RUN」「RUN XT」に次ぐ3世代目の完全ワイヤレスイヤホン「VISTA」が発売された。

こちらの製品、IPX7対応の防水防汗性能や、フィット感向上のために用意されたイヤーフィン一体型の独自デザイン・イヤージェルなどの基本構成はそのままに、イヤホン本体のデザインに改良が施されたほか、バッテリー持続時間など、機能面でも改良がいくつか施されている。

まず外観は、「RUN XT」に対して細部を大きく改良することで、さらなる軽量化や装着感の確かさを押し進めている。イヤージェルはフィット感の向上とともに、激しいスポーツ時の安全性にも配慮されてか、イヤーピースとの一体構造となっている。実際に装着してみたところ、イヤーフィンが絶妙な位置となったおかげもあってか、かなりしっかりしたフィット感を与えてくれるようになった。ただし、どのイヤージェルも同じイヤーピースサイズなので、イヤーピース部分が大きすぎてしまい、耳穴にはしっかり入れ込むことが厳しかった。筆者のように左右で耳穴の大きさが微妙に異なる人は意外と多いので、このあたりは改善が必要かもしれない。いっぽう、操作ボタンがレイアウトされているハウジング部分は、ちょっとしたくぼみが設けられており、操作がしやすく改良されている。

いっぽう、専用ケースのコンパクトさも「VISTA」ならではのアドバンテージといえる部分だ。「RUN XT」に対してはもちろんのこと、完全ワイヤレスイヤホン用のケースとは類を見ない程の小柄さを実現している。これは、ランニングパンツのポケットに入れて走っても邪魔にならないよう徹底的な薄型/軽量化を図ったために作り上げられたものだという。スポーツユースがメインでなくても、専用ケースがコンパクトなのはありがたい。また、ケースを開けると真ん中にボタンが配置されていて、こちらを長押しすることでペアリングモードに移行することができる。操作がとても簡単でわかりやすいのはありがたい。

ちなみに、バッテリー駆動時間はイヤホン単体で6時間、ケースからは10時間分の充電が行えるようになっている。サイズ優先とした結果か、専用ケースからはあまり充電できないが、それでもトータル16時間の使用ができるため、それほど不満に思うことはないだろう。なお、5分の充電で1時間ほどの再生が行える急速充電機能も備えている。

もうひとつ、「VISTA」にはiOS/Android用のアプリが用意されており、これがなかなかに使い勝手がよかった。イコライザー機能に加えて、操作ボタンをカスタムできるので、いろいろと便利に使いこなせる。こういった配慮は、ありがたい限りだ。

肝心のサウンドはというと、どちらかというと自然な音色の、聴きやすいサウンドキャラクターにまとめ上げられている。「RUN XT」までは高域がずいぶんと尖ったイメージがあったが、「VISTA」はずいぶんとキャラクターが異なっていて、デフォルトのままでも聴きやすい。「TARAH PRO」と同じ6mm口径のドライバーユニットを採用した恩恵か、コーデックがSBCのみの対応であるのにもかかわらず、丁寧な表現に感じられる。とはいえ、中域が少し抑えめな印象もあり、曲によってはボーカルの存在感がずいぶんと薄味になってしまうので、好みに合わせて(アプリで)イコライザー調整することをオススメしたい。

軽量ボディに防水性能、小さい専用ケース、そして聴きやすい音と、総合力の高い良質な製品と断言しよう。

イヤホン重量(片耳):約6g
再生時間:最大6時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約1.3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC
カラーバリエーション:BLACK/MINERAL BLUE/NIMBUS GRAY

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