選び方・特集
定番モデルにノイキャン対応の高機能モデル、高コスパモデルまで完全網羅!

《2021年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

Appleが「iPhone」シリーズからヘッドホン出力端子を廃止して以降、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急激に普及している。実際、ここ数年で過去の数倍に匹敵する新製品が各社から登場。いまやヘッドホン&イヤホンの主流となっている。

そのなかでも、高い人気を誇っているのが完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれる、左右別体のイヤホンだ。「トゥルーワイヤレスイヤホン(TWS)」「フルワイヤレスイヤホン」「耳栓型イヤホン」「左右分離型イヤホン」など、いろいろな呼ばれ方をしているこちらのタイプ。一般的なBluetoothイヤホンがプレーヤーとはワイヤレスながら左右本体がケーブルでつながっているのに対して、完全ワイヤレスイヤホンは左右間もワイヤレス接続となっており、ケーブルがいっさい使用されていない。その名のとおり、“完全”“完璧”なワイヤレスイヤホンとなっているのだ。その代表例といえるのがアップルのAirPodsで、こちらが発売されて以降、大きく注目を集めるようになり、現在はさまざまなメーカー/ブランドから数多くの製品がラインアップされている。

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhoneの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写真はApple「iPhone X」と「AirPods Pro」)

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhoneの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写はApple「iPhone X」と「AirPods Pro」)

本特集では、そんな大注目の完全ワイヤレスイヤホンの選び方を4つのポイントにわけてわかりやすく解説するとともに、話題の最新モデルから人気の定番モデルまで、全35モデルの一気レビューをお届けする。レビューでは、音質をメインとしつつも、接続時の手間などユーザビリティも含めて紹介させていただくので、自分にとってのベストワンを選び出す参考にしていただけたらと思う。

【関連リンク】
《2021年》おすすめイヤホン15選!人気の製品を5つのタイプ別に紹介
《2021年》初心者向けおすすめBluetoothイヤホン8選!選び方や基礎知識も
5,000円以下で買える高コスパワイヤレスイヤホン厳選9機種
高音質で高コスパ! 1万円以下で買えるBluetoothイヤホン6選

完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に注目したい4つのポイント

1.装着感(耳にフィットしてこぼれ落ちないモデルを選ぶ)

特集の冒頭でも述べたとおり、完全ワイヤレスイヤホンの最大のメリットは、ケーブルがいっさいないため、屋外でとても扱いやすい製品になっているということだ。一般的なBluetoothイヤホンは左右間をケーブルで接続しているため、移動時何かに引っかかったり収納時に絡まったり、時には断線など、有線イヤホンと同じトラブルが発生する可能性がある。もちろん、ケーブルの長さは圧倒的に短いし、ネットバンドを採用するなどの工夫によってケーブルにまつわるトラブルは格段に少ないが、わずかながら可能性は残る。また、これは気分の問題だが、左右がつながっているのがうっとうしく感じるユーザーもいるだろう。対して完全ワイヤレスイヤホンは、左右が独立していて、ケーブルにまつわるトラブルやストレスから完全に解放される。これだけでも十分な魅力といえる。

これは同時に、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットともなっている。それは、落としやすくなくしやすいことだ。実際、通勤時などに完全ワイヤレスイヤホンが耳からこぼれ落ちてしまう人に少なからず遭遇する。筆者も、電車とホームのすき間に落ちてしまい絶望的な顔をしている人に会ったことがある。それも、ひとりやふたりではない。

完全ワイヤレスイヤホンは、本体内ですべての構成が完結しなければならないため、有線タイプのイヤホンに対して本体が大きくなりがちで、どうしても落ちやすい傾向があるのだ。そのため、女性など耳穴の小さい人などは頻繁に耳からこぼれ落ちやすく、なくしたり壊したりする可能性が高くなってしまう。また、本体が小さいことから、自宅などの室内でも思っている以上に見つかりにくいという思わぬ落とし穴もある。そういった事態への対策として、メーカーは本体の形状を最適化したり、収納用のケースを付属したりとさまざまな工夫を行っている。とはいえ、やはり重要なのは実際の装着感だ。自分の耳にちゃんとフィットしているか、実際に製品に触れる機会があるなら確認しておいたほうがいいだろう。

ちなみに、イヤホン本体の紛失への対策として、一部メーカーの製品には片方紛失/故障時の有償サービスが付いているモデルもあったりする。いざというときに大変ありがたいので、製品選びの際のチェック項目として加えておくものいいだろう。

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

2.ワイヤレスの接続性(切れにくいもの、復帰がスムーズなものを選ぶ)

もうひとつ、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットとしてあげられるのが接続状況だ。プレーヤーと左右本体の2か所をワイヤレスで接続するうえ、左右の間にある人間そのものが電波を通しづらい傾向があるため、音切れが発生しやすい。各社ともアンテナの形状を工夫したり、左右間の接続方式を工夫したりと、さまざまな方法で音切れの回避を行っているが、有線のように完璧な安定接続は不可能であるため、多少の音切れは容認せざるを得ない。

それよりも、音切れの頻度や復帰のスムーズさを気にしたいところだ。最新チップを搭載したモデルは接続の安定性が高くなっているが、やはり最大のポイントは本体内蔵アンテナのデザインで、ワイヤレス技術にすぐれたメーカーが安心だ。ただ、通信の安定性の良し悪しは実際に試してみないと分からないのが歯痒いところ。なので、技術スペックはあくまでも参考程度に踏まえておいた方がよいだろう。

3.再生時間(急速充電機能やトータルの再生時間をチェック)

次に重要なポイントとなるのが、バッテリーの持続時間だ。本体サイズがコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンは、大きなバッテリーを搭載することができず、再生時間は一般的なBluetoothイヤホンに対してかなり短くなってしまっている。現在発売されている製品を見てみると、5〜8時間のバッテリー駆動時間をうたっているモデルが多い。そのため、収納ケースがそのまま充電ケースとなっていて、トータルで10時間以上の使用できるよう工夫されているが、それでも“聴きたいときにバッテリー切れで聴けない”可能性があるのも確かだ。

それをできるかぎり回避するため、製品選びの際はケースに“急速充電”機能がある製品を有力候補としよう。15分で1時間ほどの使用が可能な急速充電対応の製品を購入していれば、聴きたいときに聴けない事態をうまく回避することも可能になるからだ。また、最近では大容量のバッテリーを搭載し、モバイルバッテリーのようにスマートフォンに給電できるモデルも登場してきている。完全ワイヤレスイヤホンとモバイルバッテリーの2台持ちが大変という人は、こういった製品をチョイスするというのもアリだろう。

最近では超大型のバッテリーを内蔵し、ケースと合わせて最大100時間以上音楽再生やスマートフォンへの充電を行えるモデルなども登場してきている(写真はag「AG-TWS04K」)

最近では超大型のバッテリーを内蔵し、ケースと合わせて最大100時間以上音楽再生やスマートフォンへの充電を行えるモデルなども登場してきている(写真はag「AG-TWS04K」)

4.音質(自分好みの音色傾向を選ぶ)

最後に、音質についてもぜひチェックしてほしいところだ。これまで完全ワイヤレスイヤホンは、本体内にアンテナやバッテリーを搭載しなければならないスペース的な制限によって音質的に不利と言われてきた。しかし、各社が音質に対してさまざまな工夫を凝らした結果、ここ数年で完全ワイヤレスイヤホン全体の音質レベルはかなり引き上げられている。Bluetoothの「便利だけど音が悪い」というイメージはかなり払拭されつつあるのだ。こういった状況からも旧モデルよりも最新モデルを選ぶほうが音質的に有利なことが多いことは確かだが、やはり最終的には自分好みの音色傾向を選ぶというのが一番だろう。一気レビューのパートには、製品ごとの音質傾向を詳しく掲載しているので、ぜひ参考にしていただければと思う。

完全ワイヤレスイヤホン注目機種レビュー

1. Anker「Soundcore Liberty NEO 2」
5,000円以下で購入できるエントリーモデルとは思えない出来のよさに注目!

モバイルバッテリーやUSB電源アダプターだけでなく、プロジェクターやロボット掃除機など幅広いカテゴリーのアイテムを展開しているAnker。その中でもオーディオ製品の「Soundcore」シリーズは、完全ワイヤレスイヤホンをメインに充実したラインアップを取り揃えるようになってきた。そんなAnker「Soundcore」シリーズの中から、今回は完全ワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty NEO 2」を紹介する。

こちらの製品、Ankerの完全ワイヤレスイヤホンとしてはエントリーくらいに位置するモデルで、価格と音質のバランスのよさで評判だった第2世代「Soundcore Liberty NEO」の後継に位置する。エントリークラスの、オーソドックスな作りの完全ワイヤレスイヤホンだ。ちなみに、Anker製品はよくマイナーアップグレードの後に“2”と名付けられた製品が登場することがあるためわかりにくいが、この「Soundcore Liberty NEO 2」は第3世代に当たる製品で、旧モデルに対しては音質の改善や、バッテリー性能のアップなどのユーザビリティ向上が押し進められている。

まず、外観から見ていこう。横長デザインの比較的コンパクトな専用ケースはあまり変わっていないが、イヤホン本体はデザインが刷新され、イヤーモニターライクな、フィット感のよいデザインとなった。付属のイヤーフィンとも相まって、良好な装着性を持ち合わせている。また、イヤホン本体は最大10時間の連続再生が可能となっていて、専用ケースからの充電を合わせると最大40時間分の再生が可能となっている。これは、前モデルに対して約2倍のロングライフとなっているそうで、使い勝手の面では大きな向上といえるだろう。また、片耳モードも備わっていて、片側のイヤホンを専用ケースに戻すと片側だけで使えるのも便利だ。

いっぽう、専用ケースは充電端子がUSB Type-Cとなり、加えてワイヤレス充電にも対応している。さらに、好評だったIPX7の防水性能なども継承されており、アプリでイコライザーやイヤホン本体のタッチ操作のカスタムが可能など、ことユーザビリティに関しては大幅なグレードアップが行われている。とてもエントリークラス、5,000円以下の製品とは思えない魅力的な内容を持ち合わせている。

前モデルからサイズアップした、3層構造の8mm口径ダイナミック型ドライバーの生み出すサウンドは、距離感の近い音場とメリハリのはっきりしたダイナミックな表現が特徴。ボーカルの立ち位置が近く、滑舌のよい歌声を聴かせてくれる。コーデックがSBCとAACのみの対応ということもあって、解像度はそれほど高くはないものの、歪み感が抑えられた恩恵なのだろう、楽器のセパレーションがよかったり、音色が比較的自然だったりと、良好なサウンドを楽しませてくれるようになった。メリハリが強い分、ちょっとした粗さのようなものは感じるが、正直いって前モデルとは格の違う音質になっている。機能性や装着感のよさも合わせて、エントリークラスとは思えない、出来のよい製品だ。

イヤホン重量(片耳):6g
再生時間:最大10時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック

2. ゼンハイザー「CX True Wireless」
ゼンハイザーサウンドを手軽に楽しめるノイキャンなしの入門機

ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンとしては4番目のモデルとなる「CX True Wireless」は、事実上「CX 400BT True Wireless」の後継モデルといえる存在だが、実売価格を5,000円以上も引き下げて15,000円前後に設定するなど、よりコストパフォーマンスの高い製品へとシフトしている。それでいて、上位モデル「MOMENTUM True Wireless 2」と同じ7mm口径ドライバー「トゥルーレスポンストランスデューサー」を搭載するなど、音質面での妥協がないのはうれしいポイントだ。

「CX True Wireless」は、「CX 400BT True Wireless」のデザインがそのまま踏襲されており、(イヤホン本体やケースなど)ほとんど変わっていないように見えるが、耳側ノズルまわりのデザインも変更され装着感がさらに向上したり、IPX4の防滴性能も与えられているなど、いくつかの改良が行われている。「CX 400BT True Wireless」のイヤホン本体は「MOMENTUM True Wireless 2」と共通する部分も垣間見られたが、「CX True Wireless」ではゼンハイザー製完全ワイヤレスイヤホンとしてのアイデンティティーを保ちつつも、完全に別のものになった印象だ。

BluetoothコーデックはSBCやAACに加えてaptXに対応。バッテリーはイヤホン本体で最大9時間、専用ケースからの充電を含めると最大27時間の使用できるようになっている。カラーバリエーションは、ブラックとホワイトの全2色だ。

さて、肝心のサウンドを確認すべく、Xiaomi「Mi 11 Lite 5G」を使って音楽再生してみる。コーデックは、aptXで接続した。最初、スマートフォン用アプリ「Smart Control App」なしで接続してみたところ、低域がかなり強調されたうえ、全体的にライトな印象のサウンドとなっていた。あまりにも既存モデルとは異なる音色傾向だったため、「Smart Control App」を利用して改めて接続。デフォルトのEQ設定「ニュートラル」で聴いてみたところ、「CX 400BT True Wireless」とほぼ同じ方向性のキャラクターとなった。ややメリハリを抑え気味にして整いのよい表現へとシフトしているのが微妙な違いか。とはいえボーカルが実体感のあるウォーミーな歌声を聴かせてくれる点に変わりはない。やや女性ボーカルの歌声がやさしげになっているが、これはこれで心地よい。

また、新たに加わったバスブーストも試してみた。こちらは、アプリからワンボタンでオンになるが、思ったよりも自然な低音増強で、音色的にはほとんど変化がないというか切り替えした時の違和感がない。低域自体が比較的やわらかい響きなので、ポップスなどの現代音楽を聴いているとかなり心地よい。ハードロックはやや苦手、クラシックは好み次第、といったところだろうか。

このほかにも、操作系でもタッチパネルの感度が絶妙で敏感、かつ誤操作のない操作性を実現しているなど、完成度の高い製品に仕上がっている。価格設定も含めて、なかなか魅力的な製品だ。

イヤホン重量(片耳):6g
再生時間:最大9時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト

3. MASTER & DYNAMIC「MW08」
11mmの大口径ベリリウムドライバーを採用し、サウンドがさらにパワーアップ!

アメリカ・ニューヨークに本拠を構えるMaster & Dynamic(マスター&ダイナミック)は、2014年に設立した新進気鋭のオーディオブランド。ヘッドホン、イヤホンをメインに展開しており、迫力とクリアさを巧みに両立させた明朗快活なサウンドとともに、他社とは趣の異なる洗練されたデザインを持つことでも注目を集めている。そんなMaster & Dynamicの最新製品となるのが、アクティブノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホン、「MW08」だ。

こちら、2019年冬に発売された「MW07PLUS」の後継に当たるモデルで、好評のデザインなどは変わらず、随所にグレードアップが行われている。まず、イヤホン本体は小型化されて装着感が向上。それにともない、「MW07PLUS」の特徴ともなっていたFit Wingsが省略された。また、フェイスプレートの素材をセルロース樹脂からセラミック製に変更することで、耐久性を高めているなど、デザインとともにユーザビリティにおいても格段のブラッシュアップが行われている。

音質の要となるドライバーは新設計され、ベリリウムコート採用振動板であることは変わらないものの、口径が10mmから11mm口径へと拡大されている。イヤホン本体を小型化しつつ、ドライバーを大口径化しているのは興味深い。また、コーデックはaptX、AAC、SBCに対応している点は変わらないものの、Bluetoothがバージョン5.2となり、加えて新デザインのアンテナを採用されているので、接続安定性は大いに期待できる。

連続再生時間は最大12時間となり、ANCオンでも最大10時間使い続けられる。また、急速充電にも対応しており、15分で50%、45分で100%充電できるのもありがたいかぎりだ。ちなみに、ケースを含めると最大42時間の使用が可能となっている。このほかにも、IPX5の防水性能やスマホアプリ「M&D Connect」から設定変更やファームウェアのアップデートが可能だったりと、最新モデルならではの機能性もしっかり確保されている。

また、左側イヤホン本体上部の音量+−ボタンが継承されている点も、大いに歓迎したい。実はこれ、とても使い勝手がよく、使用中に大いに重宝させられるからだ。こういった使い勝手に対する配慮は、Master & Dynamicならではだ。「MW08」最大の注目機能、ANC機能に関しても、フィードフォワード+フィードバックのハイブリッド方式を採用。2つのANCモード設定に加えてと2つの外音取り込みモードも用意され、あらゆる環境に対応できるよう配慮されている。

デザインとコンパクトさの両面から好評だったステンレス製ケースは変わらず継承されテイルが、デザインが薄型タイプへと変更されている。おかけで、ポケットを膨らませずスマートに収納できるようになった。個人的には旧デザインのケースのほうが上質感があって好みだったが、使い勝手の面ではあきらかに「MW08」の新ケースに軍配が上がる。

それでは、実機を使ってテストを行ってみる(スマートフォンはOPPO Rena Aを使用)。まず接続安定性だが、室内では壁1枚挟んでも15m位まで離れることができた。これはと思い、屋外に出て見通しできる場所で試したところ、なんとこれまでのテストで最長クラスである、40mほどまで離れても安定した接続が維持された。条件のよい住宅街とはいえ、ここまでの接続安定性を持ち合わせているのは、大きな魅力となるだろう。

さて、肝心のサウンドはというと、解像感の高さがaptX接続の恩恵だろう、十分な解像感が確保されている。また、抑揚表現の自然さにも感心させられた。「MW07PLUS」でもTWSとしては望外のダイナミックな抑揚を持ち合わせていたのに、「MW08」ではそれがさらに深く大きくなり、その分派手な表現になるのではなく、とても自然な表現へと進化したイメージ。オーケストラでは、弦楽器が雄大な演奏を聴かせてくれるなど、TWSであることを忘れてしまう表現力の高さだ。それでいて、ボーカルはしっかりとした存在感を主張。ほんの少しハスキーな、普段より大人びた歌声を楽しませてくれる。ANCや接続安定性などの機能性とともに、音質も大いに魅力的な製品だ。

イヤホン重量(片耳):9g
再生時間:最大12時間(ANCオフ時)/最大10時間(ANCオン時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive
カラーバリエーション:ホワイトセラミック/ブラックセラミック/ブルーセラミック/ブラウンセラミック

4. Bang&OlufsenBeoplay EQ」
Bang&Olufsenブランド初のANC搭載完全ワイヤレスイヤホン

Bang&Olufsenブランドとして初となるANC(アクティブノイズキャンセリング)機能搭載完全ワイヤレスイヤホン。3万円後半の実売価格となっているだけあってか、充実した機能性を持ち合わせているのが特徴だ。

まず、最大の注目といえるANC機能は、フィードバックとフィードフォワードを組み合わせたデジタル・ハイブリッド方式を採用。さらに、イヤホン本体のデザインによる遮音性も加わることで、外部ノイズを効果的に遮断しているという。また、ビームフォーミング技術を採用した左右合計4基のマイクによってクリアな通話品質を確保するなど、テレワークの利用にも配慮されている。なお、スマートフォン用アプリ「Bang & Olfsen」も用意され、こちらを活用することでプリセットの音質調整が選べるほか、視覚的に音質カスタマイズを行うこともできる。ANCレベルを11段階で調整することも可能だ。

バッテリー持続時間については、ANCオフ時で最大7.5時間、ANCオンで最大6.5時間と十分なスペックを持つ。さらに、ワイヤレス充電に対応する専用ケースからの充電を含めると約20時間使用できるほか、20分の充電で約2時間の再生が可能なクイックチャージ機能も備わっているため、バッテリー切れで困ることはまずないだろう。このほかにも、IP54の防塵防滴性能を持ち合わせているほか、BluetoothコーデックはSBC、AAC、aptX Adaptiveに対応。機能性については最新、上級モデルにふさわしい内容となっている。

もうひとつ、「Beoplay EQ」にとって重要なセールスポイントとなっているのが、そのデザインセンスだろう。アップルでインダストリアル・デザイナーを務めていた経験を持つMiklu Silvanto氏が担当したデザインは、既存の製品とは一線を画すオリジナリティにあふれた造形となっている。まず、イヤホン本体は円を基本としたデザインを採用しつつ、イヤーモニター然とした良好な装着感も持ち合わせている。やや大柄なのと、装着センサーを活用した片耳モードを持つことから、かなりしっかりした装着を行わなければならず、最初はとまどったものの、慣れてしまえばとても便利に使いこなすことができた。いっぽう、ケースはシンプルながら美しく使いやすい造形となっていて、こちらも好感が持てた。

さて、肝心のサウンドはというと、メリハリのよいクリア志向のキャラクターが特徴。Xiaomi「Mi 11 Lite 5G」とはaptX Adaptiveで接続してくれるためか、解像感が高くメリハリのよいサウンドが楽しめる。特にボーカルは、キレのよいのびのびとした歌声を持ち合わせている。おかげで、Earth, Wind & Fireは普段よりノリのよい歌声と演奏を聴かせてくれた。Jポップも、YOASOBIや米津玄師などは疾走感のある心地よい歌声&サウンドを楽しめる。いっぽうで、fhana(特に「愛のシュープリーム!」)やTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDなど音場こだわり派の楽曲を聴くと、いつもとは異なる音の広がり感で定位感にちょっとしたクセがあるようにも感じた。

とはいえ、音質的には完全ワイヤレスイヤホンとして有数のクオリティを持ち合わせているし、メリハリのよいサウンドキャラクターはノリよい演奏が楽しめる。デザイン、機能性も含め、とても充実した製品といえる。

イヤホン重量(片耳):8g(右側、左側は約6g)
再生時間:最大7.5時間(ANCオフ時)/最大6.5時間(ANCオン時)/最大5.5時間(ANCオン時/aptX接続)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX/aptX Adaptive
カラーバリエーション:ブラック/サンド

5. AVIOT「TE-D01q」
実売7,500円前後。マイルドノイキャン付きの高コスパTWS

「TE-D01q」は、完全ワイヤレスイヤホンを得意とする国産ブランド、AVIOTのエントリーモデル。実売7,500円前後という価格などから、ベストセラーモデルとなった「TE-D01g」「TE-D01gv」の後継に位置付けされる製品のようだが、日本人にマッチした高音質とコストパフォーマンスの高い価格設定をウリにするAVIOTだけに、機能性の高さについては驚くべき内容を持ち合わせている。

まず、「TE-D01q」はANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載している。高級モデルのようなハイブリッド方式ではなく、フィードフォワード+パッシブノイズアイソレーション(イヤホン本体のフィット感を向上させることで遮音性を高める方法)を採用することで、コストパフォーマンスのよい、それでいて自然なノイズキャンセリングを実現している。

実際に製品で確認すると、これがまあ“いい感じ”な塩梅で、確かにデュアルANC系に絶対的な効果では劣るものの、カナル型イヤホンならではの遮音性を自然に引き上げてくれている。違和感のない静粛性をもたらしてくれるのだ。正直、ANCが効き過ぎというか調整が甘くて耳鳴りを感じてしまうような製品も(少なくなっては来たものの)まだまだ存在しているため、こちらの効き方のほうが好ましいと感じる人も少なくないだろう。ちなみに、ノイズキャンセリング効果のほどは数値的に表現されてはいないものの、日常的な利用の中では十分に役立つレベルを持ち合わせていると感じた。

また、バッテリー持続時間もイヤホン単体で最大11時間、専用ケースからの充電を含めて最大33時間というスペックを持ち合わせている。このほかにも、IPX4の防滴性能やMEMSマイク採用によりクリアな通話音声、(完全ワイヤレスイヤホンとしては大きい)10mm口径ダイナック型ドライバーを搭載しつつも直径約17mm&約5.5gの小型軽量デザインを実現するなど、ユーザーからのニーズに徹底配慮した内容を持ち合わせている。また、スマートフォン用アプリ 「AVIOT SOUND ME」を活用することで、ゲーミング(低遅延)モードを活用できるほか、10バンドのイコライザー調整やノイズキャンセリング/外音取り込みモードのレベル調整、タッチ操作の変更など、さまざまなカスタマイズが行えるようになっている。上品で個性的なデザインのイヤホン本体やコンパクトな専用ケースデザイン、5色のカラーバリエーションなども含めて、とても多機能な、それでいて使い勝手のよい製品にまとめ上げられている。

とはいえ、肝心のサウンドはいかがなものだろう。Xiaomi「Mi 11 Lite 5G」とAACで接続して試聴を行ってみた。最大の特徴といえるのが、自然な声色でとても聴きやすいボーカルだろう。高域は嫌なピークやざらつきが一切なく、女性ボーカルは普段よりほんの少しウォーミーな、生き生きとした歌声を楽しむことができる。情報量はそれほど高くはないものの(それでも同価格帯のライバルに比べて遜色のないレベル)、ボーカリストそれぞれの特徴をしっかりと伝えてくれるのもいい。サラ・オレインは美しい、Aimerは感情のこもった、MYTH & ROIDはパワフルな歌声と、それぞれに異なった歌声の魅力を存分に楽しませてくれる。

さらに、10mmドライバーによる余裕なのか、低域は量感も質感も十分なレベルが保たれていて、メリハリある演奏を聴かせてくれる。ハードロックからクラシックまで、幅広い音楽ジャンルを不満なく存分に楽しむことができた。音質だけをみても、価格以上の価値を持つ製品といえる。さらにANC機能やアプリによるカスタマイズなどが行えるなど、ユーザビリティも十分以上の良質さを持ち合わせている。この価格帯の新たなランドマークといえる、優秀機だと断言しよう。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大11時間(ANCオフ時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3.7回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/
カラーバリエーション:ブラックオニキス/ラピスブルー/レッドスピネル/ピンクオーツ/パールホワイト

6. AVIOT「TE-D01t」
AVIOT初のハイブリッドANC搭載完全ワイヤレスイヤホン

「TE-D01t」は、AVIOT初となるフィードフォワード+フィードバック方式併用のハイブリッドANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン。さらに、AVIOTが独自に追求している物理的な遮音性である「パッシブノイズアイソレーション技術」を組み合わせることで、最大50dB超(AVIOT測定値)という驚くべきノイズ低減を実現したモデルとなっている。

50dB超というのはあくまでも理想的な環境でチェックした数字だろうから、環境やユーザーによってはそこまでの効果は出ない可能性はあるが、それでも驚くべき数値を持ち合わせているのは確か。実際に試してみても、暗騒音などはほとんど感じず、キーボードを打っているような目立つ音もだいぶ抑え込んでくれている。あらゆる環境で、高い静粛性を確保してくれているのは確かだ。

そのほか、機能面ではかなりの充実度を誇っているのも「TE-D01t」の特徴だ。まず、バッテリー持続時間はイヤホン単体で最大18時間、専用ケースからの充電を含めて最大60時間と、完全ワイヤレスイヤホンの中でも最長クラスの再生時間を誇っている。また、15分の充電で約3時間の音楽再生が可能なクイックチャージ機能も備えているので、バッテリー切れで困ることはまずないだろう。ほかにも、IPX4の防滴性能や専用ケースのワイヤレス充電対応など、充実した機能性を持ち合わせている。

また、完全ワイヤレスイヤホンとしては大きめな10mm口径のダイナック型ドライバーを搭載しているが、イヤーモニターライクなデザインを採用しているため装着感はかなり良好だったりする。女性の中には小柄な「TE-D01q」のほうがピッタリくるという人がいるかもしれないが、大半の人は「TE-D01t」の装着感のほうが気に入るかもしれない。

そして、スマートフォン用アプリ 「AVIOT SOUND ME」を活用することで、ゲーミング(低遅延)モードを活用できるほか、10バンドのイコライザー調整やノイズキャンセリング/外音取り込みモードのレベル調整、タッチ操作の変更など、さまざまなカスタマイズが行えるようになっている。このあたりは「AVIOT SOUND ME」に対応した最新モデル共通の項目だが、ここまでの多機能さ、カスタム性はありがたいかぎり。特にゲーミング(低遅延)モードは、リズムゲームだけでなく、映像コンテンツを見る場合にも重宝してくれるだろう。対応コーデックはSBCとAAC。カラーバリエーションは全4色だ。

今回はXiaomi「Mi 11 Lite 5G」とAACで接続して、サウンドをチェックした。AAC接続とは思えない、完全ワイヤレスイヤホンであることを忘れてしまいそうなほどに良質なサウンド。10mmドライバーや徹底した筐体設計、サウンドチューニングの恩恵だろうか、すべての楽器がダイレクトで、音場定位も良好。同口径ドライバーを搭載する「TE-D01q」に対してすら、ベールを数枚剥がしたかのようなダイレクト感を持ち合わせており、おかげでディテールの細やかなリアル志向のサウンドを楽しむことができる。

男性ボーカルも女性ボーカルもアーティストそれぞれの魅力が存分に楽しめるし、アコースティック楽器の表現もなかなかのものだ。結果として、Jポップやアニソンなどの最新コンテンツから名盤ロック、クラシックまで、どんなジャンルの音楽でもそれぞれの魅力を存分に楽しむことができる。ここまで質がよく、かつ懐の深いサウンドはそうそう出会えない。音質や表現力の高さの優位性で有線ケーブルを手放せないユーザーもぜひ一度は聴いてほしい、サウンドに関してはなかなか魅力的な優秀機だ。

イヤホン重量(片耳):-
再生時間:最大18時間(ANCオフ時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト/ネイビー/レッド

7. ソニー「WF-1000XM4」
ノイキャン性能だけじゃなく全方位で進化を遂げた大注目のノイキャンTWS

ソニーのANC(アクティブノイズキャンセリング)機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの最上級モデル“WF-1000X”が2年ぶりにリニューアルされ「WF-1000XM4」となった。こちら、2019年に発売された「WF-1000XM3」の後継に位置するモデルで、イヤホン本体も専用ケースもデザインが一新され、どちらもかなりの小型化が押し進められた。また、好評のノイズキャンセリング機能をさらに向上させるため、フィードフォワード+フィードバックのハイブリッド方式マイク構成はそのままに、下記のような進化を遂げている。

・BluetoothSoCとノイズキャンセリングプロセッサーを統合した「V1」チップを採用することで処理能力を向上させ低遅延での処理を実現
・独自開発のポリウレタンフォーム素材を使用する新開発ノイズアイソレーションイヤーピースを採用
・新開発6mm口径ドライバーユニットによって低音域のノイズキャンセリング性能を向上

これらの全面的な改良によって、先代の「WF-1000XM3」を大きく上回るノイズキャンセリング性能を実現したという。

また、ノイズキャンセリング性能以外にも、風を検知すると自動的にフィードフォワード(イヤホン本体外側)マイクがオフとなる「風ノイズ低減機能」の搭載や、高いノイズキャンセリング効果を確保するためにアプリによる装着状態テスト機能の導入、片耳だけでの使用に新たに対応するなど、新機能を多数搭載。外音の取り込み量を増やすことでより自然な集音を実現した「アンビエントサウンドモード」、周囲の音を取り込みつつ一時的に音楽の音量を絞って聴き取りやすくする「クイックアテンションモード」など、使い勝手の面においてもきめ細やかな追及がなされている。

「WF-1000XM3」に対してかなりの小型化を実現した専用ケースは、ワイヤレス充電機能を搭載。Qi対応充電器などから手軽に充電を行うことができる。また、ケースを「Xperia 1 III」の背面に置くだけでスマートフォンから給電される「おすそわけ充電」も可能となっているようだ。バッテリー性能は、イヤホン単体・ANCオンで最長8時間(ANCオフの場合は最長12時間)、専用ケースを含めると最長24時間(ANCオフの場合は最長36時間)と、十分なスペックを持ち合わせている。1分間の充電で60分再生が可能なクイック充電にも対応しているので、バッテリー切れで困ることはまずないだろう。

いっぽうで、音質面での最大のトピックは、完全ワイヤレスイヤホン初となるLDACコーデックの対応だろう。これまでの完全ワイヤレスイヤホンは、ソニー製だけでなく他社製品も含めてaptXコーデックが最高音質となっていたが、「WF-1000XM4」はハイレゾ音源にも対応した高音質コーデックであるLDACに対応。さらなる高音質サウンドを楽しめるようになった。これはなかなかにうれしいトピックだ。この「WF-1000XM4」を皮切りに、今後は完全ワイヤレスイヤホンにおいてもLDACなど高音質コーデックの普及が押し進められることを期待したい。

このように、ソニーとしてかなり力の入っている「WF-1000XM4」だが、実際の製品を手にしてみると、完成度の高い仕上がりであるように感じられた。まず、「WF-1000XM3」に対してイヤホン本体がかなり小さくなり、イヤーピースの恩恵もあってか、格段に装着時の安定感がよくなっている。それに合わせてノイズキャンセリング性能も向上、かなりの静けさを提供してくれるようになった。同時に、外音取り込みの音がずいぶんと自然に感じられるようになった点も好ましい。リアルの音に比べると少し高音よりの帯域バランスというか、キーボードを叩く音はカチャカチャするが、それでも音色や方向などでかなりのリアリティを持ち合わせている。ANC関連については、現在の最高レベルの1台と言えるだろう。

さて、期待の音質については、CD音源もハイレゾ音源も、格段のきめ細やかな表現を持ち合わせている。特にハイレゾ音源がその本領を発揮してくれるのがうれしい。結城アイラ「Leading role」などシンプルな構成の楽曲を聴くとよくわかるが、ピアノの音は単に伸びやかなだけでなく、録音した場所の空気感も伝わってくる豊かな表情を持ち合わせているし、ボーカルは声のリアルさが如実に感じられる。

いっぽう、音色傾向については、流行とは異なる普遍的な独自のキャラクターにまとめ上げられている。高域が伸びやかであるにもかかわらず、まったくといっていいほど尖りを感じないためとても聴き心地がよい。こんなに聴きやすい上坂すみれ「POP TEAM EPIC」は初めてかもしれない。比較的長時間使い続けても、聴き疲れすることはまずないだろう。唯一、低域の量感は今風にやや多めとなっているが、フォーカス感が保たれた質のよい音なので、アプリのイコライザーなどで好み合わせて調整すればよいだろう。ANC機能、装着感、音質ともにとても良質で、非常に完成度の高い製品だ。

イヤホン重量(片耳):7.3g
再生時間:最大8時間(ANCオン時、ANCオフ時は最大12時間)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/LDAC
カラーバリエーション:ブラック/プラチナシルバー

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る