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《2021年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

《2021年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

Appleが「iPhone」シリーズからヘッドホン出力端子を廃止して以降、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急激に普及している。実際、ここ数年で過去の数倍に匹敵する新製品が各社から登場。いまやヘッドホン&イヤホンの主流となっている。

そのなかでも、高い人気を誇っているのが完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれる、左右別体のイヤホンだ。「トゥルーワイヤレスイヤホン(TWS)」「フルワイヤレスイヤホン」「耳栓型イヤホン」「左右分離型イヤホン」など、いろいろな呼ばれ方をしているこちらのタイプ。一般的なBluetoothイヤホンがプレーヤーとはワイヤレスながら左右本体がケーブルでつながっているのに対して、完全ワイヤレスイヤホンは左右間もワイヤレス接続となっており、ケーブルがいっさい使用されていない。その名のとおり、“完全”“完璧”なワイヤレスイヤホンとなっているのだ。その代表例といえるのがアップルのAirPodsで、こちらが発売されて以降、大きく注目を集めるようになり、現在はさまざまなメーカー/ブランドから数多くの製品がラインアップされている。

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhoneの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写真はApple「iPhone X」と「AirPods Pro」)

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhoneの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写はApple「iPhone X」と「AirPods Pro」)

本特集では、そんな大注目の完全ワイヤレスイヤホンの選び方を4つのポイントにわけてわかりやすく解説するとともに、話題の最新モデルから人気の定番モデルまで、全45モデルの一気レビューをお届けする。レビューでは、音質をメインとしつつも、接続時の手間などユーザビリティも含めて紹介させていただくので、自分にとってのベストワンを選び出す参考にしていただけたらと思う。

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完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に注目したい4つのポイント

1.装着感(耳にフィットしてこぼれ落ちないモデルを選ぶ)

特集の冒頭でも述べたとおり、完全ワイヤレスイヤホンの最大のメリットは、ケーブルがいっさいないため、屋外でとても扱いやすい製品になっているということだ。一般的なBluetoothイヤホンは左右間をケーブルで接続しているため、移動時何かに引っかかったり収納時に絡まったり、時には断線など、有線イヤホンと同じトラブルが発生する可能性がある。もちろん、ケーブルの長さは圧倒的に短いし、ネットバンドを採用するなどの工夫によってケーブルにまつわるトラブルは格段に少ないが、わずかながら可能性は残る。また、これは気分の問題だが、左右がつながっているのがうっとうしく感じるユーザーもいるだろう。対して完全ワイヤレスイヤホンは、左右が独立していて、ケーブルにまつわるトラブルやストレスから完全に解放される。これだけでも十分な魅力といえる。

これは同時に、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットともなっている。それは、落としやすくなくしやすいことだ。実際、通勤時などに完全ワイヤレスイヤホンが耳からこぼれ落ちてしまう人に少なからず遭遇する。筆者も、電車とホームのすき間に落ちてしまい絶望的な顔をしている人に会ったことがある。それも、ひとりやふたりではない。

完全ワイヤレスイヤホンは、本体内ですべての構成が完結しなければならないため、有線タイプのイヤホンに対して本体が大きくなりがちで、どうしても落ちやすい傾向があるのだ。そのため、女性など耳穴の小さい人などは頻繁に耳からこぼれ落ちやすく、なくしたり壊したりする可能性が高くなってしまう。また、本体が小さいことから、自宅などの室内でも思っている以上に見つかりにくいという思わぬ落とし穴もある。そういった事態への対策として、メーカーは本体の形状を最適化したり、収納用のケースを付属したりとさまざまな工夫を行っている。とはいえ、やはり重要なのは実際の装着感だ。自分の耳にちゃんとフィットしているか、実際に製品に触れる機会があるなら確認しておいたほうがいいだろう。

ちなみに、イヤホン本体の紛失への対策として、一部メーカーの製品には片方紛失/故障時の有償サービスが付いているモデルもあったりする。いざというときに大変ありがたいので、製品選びの際のチェック項目として加えておくものいいだろう。

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

2.ワイヤレスの接続性(切れにくいもの、復帰がスムーズなものを選ぶ)

もうひとつ、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットとしてあげられるのが接続状況だ。プレーヤーと左右本体の2か所をワイヤレスで接続するうえ、左右の間にある人間そのものが電波を通しづらい傾向があるため、音切れが発生しやすい。各社ともアンテナの形状を工夫したり、左右間の接続方式を工夫したりと、さまざまな方法で音切れの回避を行っているが、有線のように完璧な安定接続は不可能であるため、多少の音切れは容認せざるを得ない。

それよりも、音切れの頻度や復帰のスムーズさを気にしたいところだ。最新チップを搭載したモデルは接続の安定性が高くなっているが、やはり最大のポイントは本体内蔵アンテナのデザインで、ワイヤレス技術にすぐれたメーカーが安心だ。ただ、通信の安定性の良し悪しは実際に試してみないと分からないのが歯痒いところ。なので、技術スペックはあくまでも参考程度に踏まえておいた方がよいだろう。

3.再生時間(急速充電機能やトータルの再生時間をチェック)

次に重要なポイントとなるのが、バッテリーの持続時間だ。本体サイズがコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンは、大きなバッテリーを搭載することができず、再生時間は一般的なBluetoothイヤホンに対してかなり短くなってしまっている。現在発売されている製品を見てみると、5〜8時間のバッテリー駆動時間をうたっているモデルが多い。そのため、収納ケースがそのまま充電ケースとなっていて、トータルで10時間以上の使用できるよう工夫されているが、それでも“聴きたいときにバッテリー切れで聴けない”可能性があるのも確かだ。

それをできるかぎり回避するため、製品選びの際はケースに“急速充電”機能がある製品を有力候補としよう。15分で1時間ほどの使用が可能な急速充電対応の製品を購入していれば、聴きたいときに聴けない事態をうまく回避することも可能になるからだ。また、最近では大容量のバッテリーを搭載し、モバイルバッテリーのようにスマートフォンに給電できるモデルも登場してきている。完全ワイヤレスイヤホンとモバイルバッテリーの2台持ちが大変という人は、こういった製品をチョイスするというのもアリだろう。

最近では超大型のバッテリーを内蔵し、ケースと合わせて最大100時間以上音楽再生やスマートフォンへの充電を行えるモデルなども登場してきている(写真はag「AG-TWS04K」)

最近では超大型のバッテリーを内蔵し、ケースと合わせて最大100時間以上音楽再生やスマートフォンへの充電を行えるモデルなども登場してきている(写真はag「AG-TWS04K」)

4.音質(自分好みの音色傾向を選ぶ)

最後に、音質についてもぜひチェックしてほしいところだ。これまで完全ワイヤレスイヤホンは、本体内にアンテナやバッテリーを搭載しなければならないスペース的な制限によって音質的に不利と言われてきた。しかし、各社が音質に対してさまざまな工夫を凝らした結果、ここ数年で完全ワイヤレスイヤホン全体の音質レベルはかなり引き上げられている。Bluetoothの「便利だけど音が悪い」というイメージはかなり払拭されつつあるのだ。こういった状況からも旧モデルよりも最新モデルを選ぶほうが音質的に有利なことが多いことは確かだが、やはり最終的には自分好みの音色傾向を選ぶというのが一番だろう。一気レビューのパートには、製品ごとの音質傾向を詳しく掲載しているので、ぜひ参考にしていただければと思う。

完全ワイヤレスイヤホン注目機種レビュー

1. オーディオテクニカ「Sound Reality ATH-CKR70TW」
音楽再生を最優先にしたノイキャン機能を搭載。SoundRealityシリーズ初の完全ワイヤレス

オーディオテクニカから、アクティブノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの第2弾として、「ATH-CKR70TW」が登場した。

こちらの製品、音質へのこだわりを持つSoundRealityシリーズに位置付けられる製品となっているが、音質に加え、個性的なデザインを採用している点も注目ポイントだ。たとえばイヤホン本体は、円形部分の上下にバーが付属されたかのような、アップル「AirPods Pro」とはまた異なるデザインが採用されている。よく見るとバーの上下端に集音&通話用マイクが配置されていて、これはノイズキャンセリング&通話用マイクの精度を向上させるため、できるだけ離れた位置に2つ(左右合わせて4つ)のマイクをレイアウトするためのデザインだという。加えて、装着時にバーの部分が目立ちすぎる印象にもならないため、「AirPods Pro」のような“うどんを耳から垂らしているような感じがイヤ”という人にも気に入ってもらえるはず。また、専用ケースから簡単に取り出せるなと、使い勝手の面でもデザインが生かされている。

アクティブノイズキャンセリング機能に関しては、音質重視のSoundRealityシリーズならではの追求が垣間見られる。音楽用とだけでなくビジネスシーンにも配慮された4マイク式「ATH-ANC300TW」に対し、「ATH-CKR70TW」では2マイク・フィードフォワード方式のノイズキャンセリングを採用している。これは、製品企画担当者によると“より音楽を楽しんでいただくためのノイズキャンセリング機能”に注力したためという。結果として、周囲の騒音に負けないよりピュアなサウンドを実現しているという。

外音取り込み機能に関してもなかなかにこだわっている様子がうかがえる。まず、外観取り込みは2つのモード、音量を2割くらいに絞る「クイックヒアスルー」とBGM的に音楽が楽しめる「ヒアスルー」が用意され、さまざまなシチュエーションに対応できるようになっている。また、通話用としてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)マイクを搭載(通話専用と通話+ノイズキャンセリング兼用で片側2つのマイクが搭載)し、ビームフォーミング技術も組み合わせ、聴き取りやすい音声通話を実現しているのもポイントだ。実際にスマートフォンを使って通話を試してみたところ、確かに通話時の声は聴き取りやすい。先の「ATH-ANC300TW」もなかなか良好な音声だったのでZoom会議などにもってこいの製品だったが、こちらもそういった使い方で重宝してくれそうだ。

このほか、SBC、AACに加えてaptXコーデックに対応するほか、最大約7時間の連続再生時間(専用ケースを含めて最大約20時間)、IPX4の防滴性能など、基本スペックも充実している。

そして、肝心のサウンドはというと、ニュートラルなバランスを基調としつつ、高域の煌びやかさや低域の迫力もある、きめ細やかさと煌びやかさが絶妙にバランスしたサウンドに仕立てられている。言い換えれば、質感の良いサウンドと表現できるかもしれない。男性ボーカルは低域成分の豊かな落ち着きのある雰囲気。女性ボーカルは、すらっとした大人びた歌声を聴かせてくれる。いっぽうで、ピアノもヴァイオリンも表現は穏やか。ハードロックはキレのよさや迫力よりも、歌声やギターの心地よさが印象的だ。また、アクティブノイズキャンセリング機能をオンにしても、それほど音質面での低下を感じない点もうれしい。逆に、外音ノイズが減ったおかげか、低域の量感が増して迫力もグルーヴ感もほんの少し高まってくれている。

音楽再生優先をうたうアクティブノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンはすでにいくつか存在しているが、そういったライバルのなかにあって、サウンドも機能もデザインも、しっかりとした個性を主張している完成度の高い製品だと思う。

イヤホン重量(片耳):5g
再生時間:最大7時間(ANC ON時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約2.85回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ベージュゴールド

2. オーディオテクニカ「ATH-SQ1TW」
全6色!カラフルで小さくてかわいい個性派デザインに注目!

オーディオテクニカ製完全ワイヤレスイヤホンのなかでも、ユーザビリティの高さを重視した製品となっているのがこの「ATH-SQ1TW」だ。6色のカラーバリエーションを用意し、個性的なスクエア基調のデザインを持つコンパクトなイヤホン本体は、女性でもストレスなく装着が可能。専用ケースも、バックやポケットなどに収まりやすい小柄なサイズとなっている。

機能面では、最大6.5時間(専用ケースも含めると最大19.5時間)の再生時間やSBCコーデックのみの対応ながら、低遅延モードの搭載、Android OS搭載スマートフォンに簡単ペアリングできる「Fast Pair」対応、音楽を聴きながら周りの音を確認できるヒアスルー機能、両耳でも片耳でも使用可能など、スタンダードモデルとは思えない充実した内容を誇る。

さらに、実際の製品を手にしてみると、とても使い勝手のよい、ていねいに作り込まれた製品だということが実感できる。スマートフォンとペアリングを行おうとイヤホン本体をケースから取り出すと、“L”“R”文字の部分が光ってくれ、左右を間違えないで装着することができた。また、ケースから取り出すときちんとペアリングモードに移行してくれたり、動作もかなり安定している。ケースから取り出しただけではペアリングモードに移行してくれず何度も入れ直したり、説明書を引っ張り出して操作方法を読まなければならない製品がまだまだ多いなか、こういった声明書通りの安定した反応を示してくれるのはうれしいかぎり。このあたりは、さすがオーディオテクニカといえる部分だ。

さて、実際のサウンドはというと、とても素直な音色にまとめ上げられている。同社製の有線イヤホンに例えるならば、人気定番モデルの「ATH-CK350M」に近いイメージで、フラットな帯域バランスを基調として、ほんの低域に力強さを加えたような、聴き心地のよさと臨場感の高さが絶妙にバランスしている。おかげで、どんなジャンルの音楽でもそつなくこなすことができる。

とはいえ、いちばん得意としているのはボーカル系。女性ボーカルは伸びやかな高域を持つ清々しい歌声を聴かせてくれるし、男性は低域の付帯音がいつもよりほんの少し多めで、普段より幾分落ち着きのある、おおらかな歌声に聴こえる。セクシー、とまではいかないが、なかなか聴き心地のよい歌声といえるだろう。装着感のよさ、使い勝手のよさも含めて、なかなか魅力的なモデルといえる。

イヤホン重量(片耳):5.2g
再生時間:最大6.5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC
カラーバリエーション:ネイビーレッド/ピンクブラウン/ブラック/ブルー/マスタード/ホワイト

3. ソニー「WF-XB700」
スポーツユースを重視した貴重な重低音モデル

ソニー「WF-XB700」は、スポーツユースを重視した重低音モデルという、なかなかに貴重な1台だ。迫力の重低音を生み出すEXTRA BASSサウンドを最大の特長としつつも、スポーツユースにも十分な配慮がなされ、耳の3点で支えることで高いフィット感を保持する「エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー」やIPX4相当の防滴性能、イヤホン本体が左右それぞれにプレーヤーからの音楽信号を受け取る「左右同時伝送方式」などが採用されている。

加えて、イヤホン本体で約9時間、専用ケースからの充電を含めると最大18時間の再生が可能なバッテリー性能を持ち合わせているほか、10分の充電で約1時間の音楽再生が可能なクイック充電にも対応する。BluetoothコーデックはSBCとAACに対応。カラーバリエーションはブラックとブルーの2色だ。

重低音サウンドだけどスポーツモデルの完全ワイヤレスイヤホン。このアピールポイントそのものが、「WF-XB700」の特徴を端的に表しているといっていい。当然、その音色傾向はかなりの低音強調タイプで、分厚い低域によって迫力のサウンドを楽しむことができる。よって、EDMやJポップをメインに聴く人、重低音が好みの人にはピッタリとはまってくれる。いっぽうでハードロックやジャズとの相性はかなり悪くなってしまうが、それは重低音モデル全般にいえることだから致し方のないところ。好みがハッキリと分かれる製品だが、気に入る人にとっては替えの効かない魅力的な製品となってくれるだろう。

イヤホン重量(片耳):8g
再生時間:最大9時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約1回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック/ブルー

4. NUARL「N6 mini」
上位モデルの高音質・高機能を受け継いだ小型軽量モデル

NUARL「N6 mini」は、独自開発のNUARL DRIVER「N6 v3モジュール」を搭載した完全ワイヤレスイヤホン「N6」のサウンドを確保しつつ、小型化、低価格化を推し進めたモデルだ。

Bluetoothチップはクアルコム「QCC3020」を搭載。接続安定性を追求しつつ、aptXまでのコーデックにまで対応したほか、外音取り込み機能、イヤホン本体で8時間の再生時間(SBC/AAC再生時)、ファームウェアアップデート対応など、一般的なコストパフォーマンスモデルのイメージとは一線を画す、充実した機能性やユーザビリティを持ち合わせている。いっぽうで、IPX7の防水性を確保していたり、耳にやさしい抗菌イヤーピースが付属するなど、ユーザーフレンドリーな配慮がなされている点も好ましい。

とはいえ、「N6 mini」最大の魅力は、イヤホン本体、専用ケースともに“コンパクト”なことだろう。イヤホン本体は、NUARL製完全ワイヤレスイヤホンのなかでも格段に小さく、イヤーモニター風なデザインとも相まって、フィット感の良好な、軽快な装着感を持ち合わせている。首を強めに振ってもしっかりとホールドされているので、耳の小さな女性でも使用中にポロリとこぼれ落ちてしまう、ということはまずないだろう。

さて、肝心のサウンドを確認するべく、スマートフォン(OPPO Reno A)と接続。しっかり、aptXで接続してくれた。NUARLらしいというか、「N6」ドライバーらしさがしっかりと生かされた音色傾向が特徴。メリハリのしっかりした、キレのよい表現をもち、音楽をノリよく聴かせてくれる。いっぽうで、ボーカルがクリア、かつ距離感の近い位置で歌声を披露してくれる傾向を持ち合わせている。女性ボーカルの音色はややクール寄り。いっぽう、低域は十分な量感を備えている。

結果として、Jポップやアニソンなどとの相性がよく、スピード感のあるノリのよい音を楽しめる。専用ケースを含めてコンパクトなサイズが一番の魅力といえるが、そのサウンドも十分に満足できるクオリティを持ち合わせている、バランスに秀でたモデルといえるだろう。

イヤホン重量(片耳):4.5g
再生時間:最大8時間(SBC/AAC接続時)/最大5.5時間(aptX接続時)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/シャンパンゴールド/カッパー

5. NUARL「N10 Pro」
NUARL初となるアクティブノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホン

NUARL初となる、ノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホン。Bluetooth SoCにはクアルコム「QCC5124」を採用し、フィードフォワード+フィードバックのデュアル・デジタルノイズキャンセリング機能を搭載。外音知り込み機能も備わっている。また、コーデックはSBC、AACに加えてaptXにも対応する。

加えて、独自の指向性制御技術を用いた設計のアンテナにより、良好な接続安定性も追求されているという。連続再生時間は、イヤホン単体で最大7時間(SBC/AAC再生時)(ANCオン時は最大5時間)、専用ケースを合わせると最大30時間駆動が可能となっている。また、防滴性能はIPX4が確保されている。イヤーピースはシリコン&抗菌タイプの「Block Ear+」がS/MS/M/Lの4サイズ、フォームタイプの「Magic Ear+ for TWE」がS/M/Lの3サイズが同梱され、さらにイヤーフックも備わっている。

もうひとつ、「N10 Pro」の特徴といえるのが専用アプリ「N10 CONNECT」を用意していることだ。こちらのアプリを活用することで、ノイズキャンセリング/外音取り込みのオンオフやモード変更、最大/最小音量の設定、聴覚保護機能のオン/オフ、イコライザー設定の切り替え、メインボタンの操作内容変更など、さまざまな設定が行えるようになっている。

とはいえ、最大のポイントといえるのは音質に対するこだわりだろう。「N10 Pro」には、自社開発のNUARL DRIVER「N10 v3モジュール」が搭載されている。こちら、10mm口径のダイナミック型ドライバーで、PEEK振動膜の表面にTPEとチタンを皮膜蒸着した「PTT多層皮膜振動板」に高磁束磁気回路を組み合わせたもの。さらに、ドライバー本体を金属筐体に収納してモジュール化することで、完全ワイヤレスイヤホンや有線イヤホンなど、形式に左右されにくい良質なサウンドを実現したという。

イヤホン本体は、やや大柄といえるサイズ。かなり耳から飛び出る形をしているが、イヤーフックを含め装着感がしっかりしていて、ポロリとこぼれ落ちる心配はあまり感じない。逆に、装着感については過去のNUARL製品に対してかなりの向上が感じられる。操作ボタンもなかなかに扱いやすい。

実際のサウンドはというと、メリハリの大きい、深みのあるサウンドが特徴。クラシックなどを聴いても、細かいニュアンスまでしっかりと伝わってくる。オーケストラは、ティンパニーのキレのよさ、弦楽器の重奏感の厚さなど、なかなかに迫力のある演奏で、表現力の高さを持ち合わせていることがわかる。このあたりは、「N10」ドライバーならでは、大口径ユニットがもたらす余裕の恩恵といえる。また、歌声との相性も悪くない。女性ボーカルは、ハスキーな印象、かつ低域側の付帯音がしっかりと感じられる、存在感の強い歌声を聴かせてくれるので、普段より幾分存在感が強いインパクトのある歌声に感じられる。

いっぽうで、打ち込み系の楽器は音の浅さが目立ってしまうなど、Jポップ(特に圧縮音源)との相性はベストとはいえず、楽曲のチョイスは難しいところかもしれない。いずれにしても、よい音をよりよい、臨場感あるサウンドで楽しませてくれる点は大いに歓迎したい。機能面のインテリジェントさも含め、なかなかに魅力的な製品だといえる。

イヤホン重量(片耳):8g
再生時間:最大5時間(SBC/AAC接続時、ANC ON)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラックメタリック

6. SB C&S「GLIDiC Sound Air TW-7100」
音質面をさらにブラッシュアップ! GLIDiCの完全ワイヤレスフラッグシップモデル

GLIDiC「Sound Air TW-7100」は、従来モデル「Sound Air TW-7000」の後継にあたる、同ブランドのフラッグシップモデル。先代同様、筐体設計にはカスタムIEMメーカーのカナルワークスが関わり、フィット感の高いイヤホン本体を作り上げている。さらに「Sound Air TW-7100」では、ベーシックとコンフォート、2タイプのイヤーピースを同梱している。こちら、装着感だけでなく音質的な違いもあるようで、好みに応じてチョイスすることができる。ちなみに、ベーシックは輪郭のハッキリした音、それに対してコンフォートはやわらかい音になる傾向があるという。

機能面では、自然な音の外音取り込み機能やIPX4クラスの防滴性能、スマートフォンからイヤホンを探せる「Tile」機能の搭載、最大12時間(専用ケースからの充電を含めると最大30時間)の連続再生に加えて、10分間の充電で約3時間の再生が可能となる「Fast Charge(急速充電)」機能を持ち合わせるなど、ユーザー目線に立ったの使い勝手のよさが随所に盛り込まれている。

なお、専用ケースはあ新たにアルミ製アウターボディが採用されたことで、先代に対してかなり上質なイメージへと変化した。このほか、BluetoothコーデックはSBC、AACに加えてaptXにも対応。Androidスマートフォンなどではさらに良質なサウンドを楽しむことができる。

さて、実際のサウンドはというと、メリハリ表現のしっかりした明朗快活な、それでいて高域は鋭すぎず、ボーカルの伸びやかさを重視した聴き心地のよいサウンドキャラクターはそのままに、純粋に音質面でのグレードアップを押し進めたイメージ。新旧でそれほど大きな差はないはずなのだが、その微妙な違いによってボーカルは男性も女性もかなり実体感ある歌声に変化している。特に、女性ボーカルの自然な歌声には大いに心が惹かれ、ついつい長時間聴き続けたくなってしまう。また、チェロの演奏も、ボーイングのニュアンスなどが明瞭になったおかげで、リアルさを感じる演奏となった。イヤホン本体はほとんど変わらないのが不思議なくらい、グッと進化したサウンドだ。

ちなみに、イヤーピースを付け替えることでどう音色傾向が変化するのか試してみたが、ベーシックに対してコンフォートは低域のフォーカスがほんの少しなくなり、そのかわりに軟らかく聴き心地のよい音へと変化した。ただし、音色傾向の変化だけでなく、装着感が大きく変わることにも注意が必要。コンフォートは筆者が装着するとどこかに耳穴との隙間が空いてしまうのか帯域バランスを崩すときがあり、装着位置を何度か調整し直す必要があった。慣れてしまえば特に問題ないが、購入後の数回はイヤーピースがしっかりと密着できているか注意したほうがよさそうだ。

イヤホン重量(片耳):7g
再生時間:最大12時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約1.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:アーバンブラック/シャンパンゴールド

7. SB C&S「GLIDiC Sound Air TW-5100」
カジュアルモデルとは思えない音質と機能性を備えた1台

2020年10月に発売されたGLIDiC「Sound Air TW-5100」は、「Sound Air TW-5000s」の後継モデルにあたる製品だが、さらなるカジュアルさを追求した、さまざまなブラッシュアップが行われている。

まず、イヤホン本体はフラッグシップモデル「Sound Air TW-7100」同様、新たにカナルワークスの監修が行われ、ノズル形状や長さ、耳に収まる角度などを最適化。イヤーモニター然としたフィット感の高いデザインとなった。しかも、女性を含めた幅広いユーザーが想定されていることから、イヤホン本体はかなりコンパクトなサイズにまとめられている。結果として、装着時に首左右に強めに振ってもまったく落ちる気配がなく装着し続けてくれる。こと装着感の高さに関しては、スポーツモデル「Sound Air SPT-7000」に勝らずとも劣らぬ絶妙なパッケージを持ち合わせている。装着感の高さと装着時の軽快さは、「Sound Air TW-5100」にとって大きな魅力といっていいだろう。

いっぽう、機能面に関しては、ミドルクラス製品として十分以上の内容を備える。外音取り込み機能やIPX4クラスの防滴性能、スマートフォンからイヤホンを探せる「Tile」機能、最大8時間(専用ケースからの充電を含めると最大28時間)の連続再生に加えて、10分間の充電で約2時間の再生が可能となる「Fast Charge(急速充電)」機能も搭載されているなど、フラッグシップモデル「Sound Air TW-7100」とほとんど変わらない機能性を持ち合わせている。

さらに、一新された専用ケースは、スクエアデザインを先代から踏襲しつつも角に丸みを帯びたデザインにすることで、一段と扱いやすく、バッグなどに入れやすくなっている。このあたりの気遣いもうれしいところ。ちなみに、BluetoothコーデックはSBC、AACに加えてaptXにも対応。こちらも「Sound Air TW-7100」同様の内容だ。

さすがに、音質については「Sound Air TW-7100」イコールとはいえず、解像感や音のリアルさはいくぶんか劣っているが、自然な音色で聴きやすい印象のサウンドキャラクターは変わらず。音質の対する、確固たるポリシーを感じさせてくれる。そのおかげで、ボーカルは男性も女性もほんの少しハスキー寄りの、伸び伸びとした声をしていて、普段よりも存在感が強く魅力的に感じられる。いっぽうで、楽器は自然な音色を出ているものの、あくまでフロントプレーヤー&センターボーカルを重視した、メリハリある表現となっている。フルオーケストラよりもカルテット、ビッグバンドよりも3ピースが似合うキャラクターといっていい。結果として、Jポップとの相性はなかなかに良好だ。使い勝手やコストパフォーマンスも考慮に入れると、なかなかに魅力度の高い製品といえる。

イヤホン重量(片耳):5g
再生時間:最大8時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約2.5回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:ブラック/ホワイト/ライトブルー

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