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《2021年》完全ワイヤレスイヤホン一気レビュー!音質や装着感をイヤホンのプロが徹底検証

Appleが「iPhone」シリーズからヘッドホン出力端子を廃止して以降、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急激に普及している。実際、ここ数年で過去の数倍に匹敵する新製品が各社から登場。いまやヘッドホン&イヤホンの主流となっている。

そのなかでも、高い人気を誇っているのが完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれる、左右別体のイヤホンだ。「トゥルーワイヤレスイヤホン(TWS)」「フルワイヤレスイヤホン」「耳栓型イヤホン」「左右分離型イヤホン」など、いろいろな呼ばれ方をしているこちらのタイプ。一般的なBluetoothイヤホンがプレーヤーとはワイヤレスながら左右本体がケーブルでつながっているのに対して、完全ワイヤレスイヤホンは左右間もワイヤレス接続となっており、ケーブルがいっさい使用されていない。その名のとおり、“完全”“完璧”なワイヤレスイヤホンとなっているのだ。その代表例といえるのがアップルのAirPodsで、こちらが発売されて以降、大きく注目を集めるようになり、現在はさまざまなメーカー/ブランドから数多くの製品がラインアップされている。

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhoneの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写真はApple「iPhone X」と「AirPods Pro」)

ヘッドホン出力端子が廃止されたiPhoneの登場で、Bluetooth方式のワイヤレスヘッドホン&イヤホンが急速に拡大している(写はApple「iPhone X」と「AirPods Pro」)

本特集では、そんな大注目の完全ワイヤレスイヤホンの選び方を4つのポイントにわけてわかりやすく解説するとともに、話題の最新モデルから人気の定番モデルまで、全45モデルの一気レビューをお届けする。レビューでは、音質をメインとしつつも、接続時の手間などユーザビリティも含めて紹介させていただくので、自分にとってのベストワンを選び出す参考にしていただけたらと思う。

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完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際に注目したい4つのポイント

1.装着感(耳にフィットしてこぼれ落ちないモデルを選ぶ)

特集の冒頭でも述べたとおり、完全ワイヤレスイヤホンの最大のメリットは、ケーブルがいっさいないため、屋外でとても扱いやすい製品になっているということだ。一般的なBluetoothイヤホンは左右間をケーブルで接続しているため、移動時何かに引っかかったり収納時に絡まったり、時には断線など、有線イヤホンと同じトラブルが発生する可能性がある。もちろん、ケーブルの長さは圧倒的に短いし、ネットバンドを採用するなどの工夫によってケーブルにまつわるトラブルは格段に少ないが、わずかながら可能性は残る。また、これは気分の問題だが、左右がつながっているのがうっとうしく感じるユーザーもいるだろう。対して完全ワイヤレスイヤホンは、左右が独立していて、ケーブルにまつわるトラブルやストレスから完全に解放される。これだけでも十分な魅力といえる。

これは同時に、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットともなっている。それは、落としやすくなくしやすいことだ。実際、通勤時などに完全ワイヤレスイヤホンが耳からこぼれ落ちてしまう人に少なからず遭遇する。筆者も、電車とホームのすき間に落ちてしまい絶望的な顔をしている人に会ったことがある。それも、ひとりやふたりではない。

完全ワイヤレスイヤホンは、本体内ですべての構成が完結しなければならないため、有線タイプのイヤホンに対して本体が大きくなりがちで、どうしても落ちやすい傾向があるのだ。そのため、女性など耳穴の小さい人などは頻繁に耳からこぼれ落ちやすく、なくしたり壊したりする可能性が高くなってしまう。また、本体が小さいことから、自宅などの室内でも思っている以上に見つかりにくいという思わぬ落とし穴もある。そういった事態への対策として、メーカーは本体の形状を最適化したり、収納用のケースを付属したりとさまざまな工夫を行っている。とはいえ、やはり重要なのは実際の装着感だ。自分の耳にちゃんとフィットしているか、実際に製品に触れる機会があるなら確認しておいたほうがいいだろう。

ちなみに、イヤホン本体の紛失への対策として、一部メーカーの製品には片方紛失/故障時の有償サービスが付いているモデルもあったりする。いざというときに大変ありがたいので、製品選びの際のチェック項目として加えておくものいいだろう。

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

完全ワイヤレスイヤホンは製品によって大きさや形状もさまざま。耳の形状や耳穴の大きさも人によって大きく異なるので、実際に装着して自分の耳にフィットするモデルを選ぶのが鉄則だ

2.ワイヤレスの接続性(切れにくいもの、復帰がスムーズなものを選ぶ)

もうひとつ、完全ワイヤレスイヤホンのデメリットとしてあげられるのが接続状況だ。プレーヤーと左右本体の2か所をワイヤレスで接続するうえ、左右の間にある人間そのものが電波を通しづらい傾向があるため、音切れが発生しやすい。各社ともアンテナの形状を工夫したり、左右間の接続方式を工夫したりと、さまざまな方法で音切れの回避を行っているが、有線のように完璧な安定接続は不可能であるため、多少の音切れは容認せざるを得ない。

それよりも、音切れの頻度や復帰のスムーズさを気にしたいところだ。最新チップを搭載したモデルは接続の安定性が高くなっているが、やはり最大のポイントは本体内蔵アンテナのデザインで、ワイヤレス技術にすぐれたメーカーが安心だ。ただ、通信の安定性の良し悪しは実際に試してみないと分からないのが歯痒いところ。なので、技術スペックはあくまでも参考程度に踏まえておいた方がよいだろう。

3.再生時間(急速充電機能やトータルの再生時間をチェック)

次に重要なポイントとなるのが、バッテリーの持続時間だ。本体サイズがコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンは、大きなバッテリーを搭載することができず、再生時間は一般的なBluetoothイヤホンに対してかなり短くなってしまっている。現在発売されている製品を見てみると、5〜8時間のバッテリー駆動時間をうたっているモデルが多い。そのため、収納ケースがそのまま充電ケースとなっていて、トータルで10時間以上の使用できるよう工夫されているが、それでも“聴きたいときにバッテリー切れで聴けない”可能性があるのも確かだ。

それをできるかぎり回避するため、製品選びの際はケースに“急速充電”機能がある製品を有力候補としよう。15分で1時間ほどの使用が可能な急速充電対応の製品を購入していれば、聴きたいときに聴けない事態をうまく回避することも可能になるからだ。また、最近では大容量のバッテリーを搭載し、モバイルバッテリーのようにスマートフォンに給電できるモデルも登場してきている。完全ワイヤレスイヤホンとモバイルバッテリーの2台持ちが大変という人は、こういった製品をチョイスするというのもアリだろう。

最近では超大型のバッテリーを内蔵し、ケースと合わせて最大100時間以上音楽再生やスマートフォンへの充電を行えるモデルなども登場してきている(写真はag「AG-TWS04K」)

最近では超大型のバッテリーを内蔵し、ケースと合わせて最大100時間以上音楽再生やスマートフォンへの充電を行えるモデルなども登場してきている(写真はag「AG-TWS04K」)

4.音質(自分好みの音色傾向を選ぶ)

最後に、音質についてもぜひチェックしてほしいところだ。これまで完全ワイヤレスイヤホンは、本体内にアンテナやバッテリーを搭載しなければならないスペース的な制限によって音質的に不利と言われてきた。しかし、各社が音質に対してさまざまな工夫を凝らした結果、ここ数年で完全ワイヤレスイヤホン全体の音質レベルはかなり引き上げられている。Bluetoothの「便利だけど音が悪い」というイメージはかなり払拭されつつあるのだ。こういった状況からも旧モデルよりも最新モデルを選ぶほうが音質的に有利なことが多いことは確かだが、やはり最終的には自分好みの音色傾向を選ぶというのが一番だろう。一気レビューのパートには、製品ごとの音質傾向を詳しく掲載しているので、ぜひ参考にしていただければと思う。

完全ワイヤレスイヤホン注目機種レビュー

1. ソニー「WF-1000XM4」
ノイキャン性能だけじゃなく全方位で進化を遂げた大注目のノイキャンTWS

ソニーのANC(アクティブノイズキャンセリング)機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの最上級モデル“WF-1000X”が2年ぶりにリニューアルされ「WF-1000XM4」となった。こちら、2019年に発売された「WF-1000XM3」の後継に位置するモデルで、イヤホン本体も専用ケースもデザインが一新され、どちらもかなりの小型化が押し進められた。また、好評のノイズキャンセリング機能をさらに向上させるため、フィードフォワード+フィードバックのハイブリッド方式マイク構成はそのままに、下記のような進化を遂げている。

・BluetoothSoCとノイズキャンセリングプロセッサーを統合した「V1」チップを採用することで処理能力を向上させ低遅延での処理を実現
・独自開発のポリウレタンフォーム素材を使用する新開発ノイズアイソレーションイヤーピースを採用
・新開発6mm口径ドライバーユニットによって低音域のノイズキャンセリング性能を向上

これらの全面的な改良によって、先代の「WF-1000XM3」を大きく上回るノイズキャンセリング性能を実現したという。

また、ノイズキャンセリング性能以外にも、風を検知すると自動的にフィードフォワード(イヤホン本体外側)マイクがオフとなる「風ノイズ低減機能」の搭載や、高いノイズキャンセリング効果を確保するためにアプリによる装着状態テスト機能の導入、片耳だけでの使用に新たに対応するなど、新機能を多数搭載。外音の取り込み量を増やすことでより自然な集音を実現した「アンビエントサウンドモード」、周囲の音を取り込みつつ一時的に音楽の音量を絞って聴き取りやすくする「クイックアテンションモード」など、使い勝手の面においてもきめ細やかな追及がなされている。

「WF-1000XM3」に対してかなりの小型化を実現した専用ケースは、ワイヤレス充電機能を搭載。Qi対応充電器などから手軽に充電を行うことができる。また、ケースを「Xperia 1 III」の背面に置くだけでスマートフォンから給電される「おすそわけ充電」も可能となっているようだ。バッテリー性能は、イヤホン単体・ANCオンで最長8時間(ANCオフの場合は最長12時間)、専用ケースを含めると最長24時間(ANCオフの場合は最長36時間)と、十分なスペックを持ち合わせている。1分間の充電で60分再生が可能なクイック充電にも対応しているので、バッテリー切れで困ることはまずないだろう。

いっぽうで、音質面での最大のトピックは、完全ワイヤレスイヤホン初となるLDACコーデックの対応だろう。これまでの完全ワイヤレスイヤホンは、ソニー製だけでなく他社製品も含めてaptXコーデックが最高音質となっていたが、「WF-1000XM4」はハイレゾ音源にも対応した高音質コーデックであるLDACに対応。さらなる高音質サウンドを楽しめるようになった。これはなかなかにうれしいトピックだ。この「WF-1000XM4」を皮切りに、今後は完全ワイヤレスイヤホンにおいてもLDACなど高音質コーデックの普及が押し進められることを期待したい。

このように、ソニーとしてかなり力の入っている「WF-1000XM4」だが、実際の製品を手にしてみると、完成度の高い仕上がりであるように感じられた。まず、「WF-1000XM3」に対してイヤホン本体がかなり小さくなり、イヤーピースの恩恵もあってか、格段に装着時の安定感がよくなっている。それに合わせてノイズキャンセリング性能も向上、かなりの静けさを提供してくれるようになった。同時に、外音取り込みの音がずいぶんと自然に感じられるようになった点も好ましい。リアルの音に比べると少し高音よりの帯域バランスというか、キーボードを叩く音はカチャカチャするが、それでも音色や方向などでかなりのリアリティを持ち合わせている。ANC関連については、現在の最高レベルの1台と言えるだろう。

さて、期待の音質については、CD音源もハイレゾ音源も、格段のきめ細やかな表現を持ち合わせている。特にハイレゾ音源がその本領を発揮してくれるのがうれしい。結城アイラ「Leading role」などシンプルな構成の楽曲を聴くとよくわかるが、ピアノの音は単に伸びやかなだけでなく、録音した場所の空気感も伝わってくる豊かな表情を持ち合わせているし、ボーカルは声のリアルさが如実に感じられる。

いっぽう、音色傾向については、流行とは異なる普遍的な独自のキャラクターにまとめ上げられている。高域が伸びやかであるにもかかわらず、まったくといっていいほど尖りを感じないためとても聴き心地がよい。こんなに聴きやすい上坂すみれ「POP TEAM EPIC」は初めてかもしれない。比較的長時間使い続けても、聴き疲れすることはまずないだろう。唯一、低域の量感は今風にやや多めとなっているが、フォーカス感が保たれた質のよい音なので、アプリのイコライザーなどで好み合わせて調整すればよいだろう。ANC機能、装着感、音質ともにとても良質で、非常に完成度の高い製品だ。

イヤホン重量(片耳):7.3g
再生時間:最大8時間(ANCオン時、ANCオフ時は最大12時間)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約2回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/LDAC
カラーバリエーション:ブラック/プラチナシルバー

2. ag「COTSUBU」
イヤホン本体もケースも超小さい! 豊富なカラバリにも注目

final監修のジャパンブランドとして2019年の誕生以来、矢継ぎ早に新製品をデビューさせ、ヒット作を生み出しているag。その第3世代の製品といえる、まったく新しいアプローチの新製品が登場した。それがこの「COTSUBU」だ。

こちらの製品、実はいままで通りの通し番号的な「TWS09R」という製品名も持っていて、フルネームを書くと「TWS09R COTSUBU」となる。とはいえ、基本的にはペットネームに相当する部分「COTSUBU」と呼ばれており、agとしては、初めて“名称”を与えられた製品となる。担当者に質問してみたところ「製品の特徴がわかりやすくなるよう、今回よりペットネームをメインの製品名とさせていただきました」とのこと。今後も、こういった“分かりやすい”名称を付けていく可能性があるようだ。

その名前から分かるとおり、「COTSUBU」は小型のイヤホン本体を持つことが最大の特徴となっている。これは、女性はもちろんのこと、男性であっても“耳から大きくはみ出している”完全ワイヤレスイヤホンが安定感としてもファッション的にもそれでいいのか、というアンチテーゼが込められたもの。実際に装着してみると、かなりのフィット感を持ち合わせていて、これだったら耳の小さい女性であっても大きくはみ出すことなく、スマートに装着できるはず。また、片側約3.5gという最軽量クラスの重量となっているため、装着感もかなり軽快なのもポイントだ。

また、小型軽量を最大の特徴としつつも、機能性や音質にいっさいの手抜かりがない点はagらしいといえるところ。Bluetoothチップにクアルコム「QCC3040」をチョイス。約5時間という連続再生時間を確保しつつ、aptXコーデックにも対応。アンテナ設計の改善とあわせて接続安定性を向上させ、加えてcVcマイク・ノイズキャンセル機能の採用により通話性能もクオリティアップを押し進めている。また、専用ケースもかなり小型なうえ角のないデザインを採用しているため、女性のバッグはもちろん、シャツの胸ポケットでもすんなり収まってくれるスマートさの魅力のひとつだ。

もうひとつ、「COTSUBU」にはagブランドならではのこだわりを持ち合わせている。それは、素材の質感とカラーバリエーションだ。表面は、指紋が付きにくく手触りのよい塗装が採用され、手に持っていても滑りにくい特徴がある。また、イヤホン本体は専用ケースとともに落ち着いたカラーリングが採用され、シックで上品な雰囲気を持つ。この価格帯の製品としては望外といえる上質さだ。しかも、現在7タイプのカラーバリエーションが発売されているが、今後はさまざまなカラーが登場予定だという。どうも、50色のカラーバリエーションが検討され、そのうち24色くらいは登場させたい、と考えているようだ。これはもう、これまでのイヤホンとはまったく異なるコンセプト、まったく別の商品性といえるだろう。

とはいえ、そのサウンドも重要なポイントといえる。スマートフォン(OPPO Rena A)にaptXコーデックで接続してみると、フォーカスのよいクリア志向のサウンドを聴かせてくれた。特にボーカルのヌケがよく、男性も女性も溌剌とした伸びやかな歌声を楽しむことができる。それでいて、高域は鋭くなりすぎず、ハイハットも金管楽器もわずかな煌びやかさに抑えられていている。明瞭さと聴き心地のよさが見事にバランスした、サウンドとなっている。

小柄なだけでなく、音も大いに魅力的な製品だ。今後のカラーバリエーション展開も、大いに期待したい。

イヤホン重量(片耳):3.5g
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:CREAM(クリーム)/BLACK(ブラック)/SAKURA(サクラ)/SNOW(スノー)/SKY(スカイ)/STONE(ストーン)/BROWNIE(ブラウニー)

3. DEVIALET「Gemini」
フランスの超高級ワイヤレススピーカーブランドが手がけたANC搭載のオシャレTWS

超高級ワイヤレススピーカー「Phantom」シリーズで有名なDEVIALET(デビアレ)は、2007年創業のフランスのオーディオブランド。最先端、かつ独自の音響技術によって、コンパクトなサイズと高音質の両立を実現しているほか、フランスのメーカーだけあってどれもデザイン的に特徴ある製品となっている。そんなDEVIALETから、同ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「Gemini」が発売された。

こちら、平たくいえばANC機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンだが、DEVIALETらしい独自技術が投入されている。まず、ANC機能はデジタルハイブリッド方式に独自技術を駆使したデジタルフィルターを融合。従来の技術では困難とされていた、より高い周波数までのノイズキャンセル効果を実現しているという。また、Low/High/Plane(ANCオフ)という3つの効果設定が用意されていて、シチュエーションに合わせて使いこなすことができる。外音取り込み機能に関しても、Low/Highの2段階で切り替えられるほか、遅延のない集音によって周囲の音を違和感なく聴くことができるとアピールする。

サウンドに関しては、こちらも独自技術となるEAM(EAR ACTIVE MATCHING)を搭載。1人ひとり異なる耳の中の音環境を最大1秒あたり10,000回のサイクルでモニタリングすることで、音楽再生を最適化しているという。また、イヤホン本体にはカスケード式減圧チャンバーPBA(PRESSURE BALANCE ARCHITECTURE)も採用されていて、これによりイヤホン内部の空気圧を最適化して、常に最高のパフォーマンスを発揮できるようにもなっているという。

バッテリー性能については、イヤホン単体で最長6時間、専用ケースを合わせて最長24時間の再生時間を確保。aptXコーデックの対応やIPX4の防滴性能も備わっている。

それでは、実際の製品を試してみる。OPPO Rena Aを使用し、専用アプリをインストールしてから「Gemini」を接続した。ノイズキャンセリング機能はHighにするとかなり強い。しかしながら、効き過ぎで耳鳴りを感じてしまうほどではなく、ちょうどよい強さといえるかもしれない。また、外音取り込みに関しては空ノイズがやや大きめではあるものの、高域が強くなったりせず耳障りはよい。自然といい切れるほどではないが、とてもよりも聴きやすい外音取り込みだ。

さて、肝心のサウンドはというと、クリアで煌びやかなサウンド。特性のよい中高域をもち、女性ボーカルはニュートラル、かつ存在感のある歌声を楽しませてくれる。高域は少々派手めで、ハイハットなどが際立っている。いっぽう、低域はかなりボリューミーで、良質な重低音サウンドといえる範ちゅうのバランスとなっている。とはいえ、ドラムなどのリズムパートはキレがよいため、グルーブ感は良好だったりと、ハイファイ系を意識したキャラクターもうかがえる。

サウンドキャラクターは好みが分かれるところだが、機能面も含めてとても良質な製品だと断言しよう。

イヤホン重量(片耳):8g
再生時間:最大6時間
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC/aptX
カラーバリエーション:マットブラック

4. アップル「AirPods Pro」
カナル型デザインになり、待望のノイズキャンセル機能も搭載した最注目モデル

数多ある完全ワイヤレスイヤホンの中でも、圧倒的な人気でナンバーワンのシェアを保ち続けているアップル「AirPods」に、新バリエーションが登場。それがこの「AirPods Pro」だ。

「AirPods Pro」は、従来の「AirPods」の上位に位置するモデルで、イヤホン本体のデザインやノイズキャンセリング機能など、デザインや機能性を大きく変更したのが特徴となっている。また、操作にコツがいるマルチタップシステムも感圧センサーに変更され、一段とわかりやすく扱いやすい操作方法となった。要するに、ユーザーから要望があがっていたさまざまなポイントに改良を施し、より高機能でより扱いやすい製品へと進化しているのが「AirPods Pro」の特徴といえる。加えて、カナル型イヤホンとなったことによりホールド感も格段に向上し、IPX4レベルの耐汗防滴性能と合わせて、フィットネスやランニング等のスポーツユースにも活用できるようになった。まさに、うれしい改良が施された使い勝手のよい製品といえる。

特に、カナル型イヤホンとなってくれたのは大いに歓迎したい。耳掛け型だったこれまでの「AirPods」は、筆者はもちろん、利用者の多くが“使用中に耳からポロリとこぼれ落ちてしまう”ことがあり、紛失が深刻なレベルでの問題となっていた。また、音漏れに関してもかなりの音量となっていて、正直、混雑時の電車内などでは周囲の迷惑を考えると使いづらかった。日本人および日本の都会の環境には適合しにくい部分があったのだが、カナル型イヤホンとなった「AirPods Pro」は、装着感や音漏れの面でもかなりの良好さを持ち合わせるようになっている。

とはいえ、「AirPods Pro」のノズル部分はそれほど長くなく、緩くはめ込むカタチとなっていて、サイズをしっかり合わせないと外れやすい。筆者は普段MかMSサイズのイヤーピースを使用しているのだが、「AirPods Pro」ではLサイズでピッタリだった。一般的なカナル型イヤホンとはホールドされる位置が異なっているので、同梱されているS/M/Lイヤーピースのうち、どのサイズがベストか、しっかりと試して欲しい。ちなみに、「AirPods Pro」にはうれしいことにイヤーピースの装着状態テストも用意されている(設定アプリの「Bluetooth」をタップして接続中の「○○ 's AirPods Pro」の横の「i」をタップするとAirPods Proの設定画面が表示されるのでその中の「イヤーチップ装着状態テスト」をタップ)ので、こちらを使ってフィット感を確認して欲しい。

「AirPods Pro」のイヤーピースは、楕円形の独自デザインが採用されていて、台座部分も一体化されており、イヤホン本体から簡単に外れないようになっている。イヤホンを外した際に耳からこぼれ落ちたり耳穴に残ったりしない点は大歓迎だが、その代わりにサイズ交換がかなりしづらい。実際、サイズ交換のため何回か試してみたが、シリコン部分を破ってしまわないか、かなりヒヤヒヤした。皆さんも、交換の際には十分注意して欲しい。

さて、音漏れに関してはもうひとつ、構造だけではなく新機能のノイズキャンセリングシステムもある程度の効果を発揮してくれている。「AirPods Pro」のノイズキャンセリング機能は、かなり強力なもので、環境騒音の中心である低域はもちろん、中域など人の声のあたりも含め、全体的に強く効かせている傾向にある。そのため、静粛性が高く、音楽の音量を自然と抑えるようになるため、音漏れが圧倒的に減ってくれるのだ。さすがに、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車では厳しいだろうが、多少混んでるくらいであれば大丈夫だろう。また、ノイズキャンセリング機能は外部音取り込みモードも用意されていて、こちらに変更すると外部の音がしっかりと届いてくれる。しかも、とても周囲の音がとても自然に感じられるので、徒歩などの移動中には積極的に活用したくなる。製品によっては、この外音取り込みモードがかなり不自然な音になるため、あまり活用したい気持ちにはならないのだが、「AirPods Pro」では普段から利用したくなる質の高さがある。このあたりも「AirPods Pro」ならではのアドバンテージといえるだろう。

もうひとつ、専用ケースは「AirPods」に比べて横幅が広がり、多少大きくなった印象があるが、持ち運びの点で特に不満はない。ただし、イヤホン本体の取り出しには多少コツが必要で、手前にくるりと回すようにして取り出すため、慣れるまではポロリと落としてしまう場合がある。取り出しの際には、十分注意して欲しい。

さて、肝心のサウンドはというと、基本的にはジェントルなサウンドキャラクターといえるもの。荒々しさをまったく感じさせない、ていねいな抑揚表現によって、落ち着きのある、聴き心地のよいサウンドを楽しませてくれる。男性ボーカルも女性ボーカルも、どちらかというとしっとりとした印象の朗々とした歌声て、聴き心地のよさはなかなかのもの。解像感はそれほど高くはないが、あまり気にならない良質な表現を持ち合わせている。その代わりに、ややパワー感に欠ける傾向はあるが、ハードロックばかり聴く人でもないかぎりは、それほど気にならないだろう。Jポップとの相性もまずまず良好なので、サウンドキャラクターを不満に思う人はそれほどいないだろう。

アップの初のノイズキャンセリング機能搭載カナル型イヤホン「AirPods Pro」は、なかなかに完成度の高い、充実した内容を持つ製品といえる。

イヤホン重量(片耳):約5.4g(片耳)
再生時間:最大4.5時間(アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードをオフにした場合は最大5時間)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで24時間以上の再生が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト

5. ソニー「WF-1000XM3」
ノイキャン性能や接続安定性を高めたソニーのハイエンド完全ワイヤレスイヤホン

ノイズキャンセリングをはじめ、多彩な機能が搭載されたソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000X」がモデルチェンジ。「WF-1000XM3」へと生まれ変わった。

新モデルの特徴をひとことで表すならば、それはズバリ、コンセプトの完璧な実現、といったイメージだろうか。先代「WF-1000X」は、完全ワイヤレスイヤホンとして世界初となったデジタル・ノイズキャンセリング機能の搭載や、フラッグシップモデルらしい上質なサウンドで大いに人気を得ることとなったが、ソニーとしては初めて手がける完全ワイヤレスイヤホンだということもあってか、接続安定性や装着感などで、ユーザーから不満の声が上がることもままあった。そういった部分をすべてしらみつぶしに解消していき、フラッグシップモデルに相応しい“理想の”完全ワイヤレスイヤホンを作り出そうとした様子が、新モデル「WF-1000XM3」の随所からうかがえるのだ。

たとえば、イヤホン本体のデザインは、ハウジング部のオーバル形状など基本的なスタイルこそキープコンセプトであるものの、まったくの新造形となっているし、さらに耳側、ノズルまわりの形状はまったく異なるデザインへと変わっている。これによって、先代に対して格別となる、高い装着感を実現していることを確認できた。また、内部に目を移しても、Bluetoothチップセットを新規に開発するなど、徹底した改良が行われている。名前は“M3”だが、完全新作といっていいほどのブラッシュアップが行われているのは確かだ。

ちなみに、2代目なのに何故“3”なのか疑問に思ったのだが、その旨をたずねてみると、ノイズキャンセリング機能搭載ヘッドホン「WH-1000XM3」のイヤホン版という位置付けとなっているため、この名前を採用したようだ。正直、M3をマーク3と捉えると多少の違和感をもつが、ソニーとしてはマーク3の略と明言している訳ではなく、世代で製品名末尾をそろえるのは製品特徴として分かりやすい面もあるので、これはこれで分かりやすいかも、とも思えた。

いっぽう、機能面でも先代モデルに対しての進化がいくつも見られる。デジタル・ノイズキャンセリング機能は、新たにヘッドホンの外側と内側に配置した2つのマイクを配置した「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を完全ワイヤレスイヤホンとして初めて採用。さらに、ヘッドホン「WH-1000XM3」用のノイズキャンセリングプロセッサー「QN1」を省電力/小型化した「QN1e」を新たに搭載することで、ノイズキャンセリング機能の精度も高めている。さらに、ノイズキャンセリング機能のオンオフに加え、「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」も、イヤホン本体のタッチパッドから操作できるようになった。もちろん、スマートフォン用アプリからの操作も引き続き行えるようになっていて、こちらは外音取り込みレベルを22段階で調整可能なほか、ボイスフォーカスをONにすることで外のノイズを低減しつつ人やアナウンス音のみを聞きやすくすることもできる。また、ペアリングしているスマートフォンの加速度センサーを読んで、止まっている時/歩いている時/走っている時/乗り物に乗っている時の4パターンを検出して、あらかじめ設定したノイズキャンセリング&外音取り込みのモードを自動で切り替えてくる「アダプティブサウンドコントロール」も健在。使い勝手については、大いに満足のいくレベルだ。

なお、付属の専用ケースは先代に比べると多少コンパクトになった印象だが、他社製品の最新状況を踏まえると、大柄と感じてしまうサイズかもしれない。とはいえ、NFC機能が付属してくれているのはとても便利だし、約3回分のフル充電が行えることを考えると、許容できる範囲かもしれない。ちなみに、バッテリー持続時間は、イヤホン本体で約6時間、ケースからの充電もあわせると最大24時間使い続けることができるようになっている。充分な数値といえるだろう。

さて、実際の使い勝手はというと、装着感についてはなかなかのもの。ホールド感がしっかりしていて、耳からポロリとこぼれ落ちることはまずない。先代では、安定した装着が適わなかった筆者としてはありがたいかぎり。また、接続安定性に関しても、特に気になるほどではなかった。ヘッドホンイベント会場という、かなり劣悪な環境でも試してみたが、他社製品に比べると優秀といえる接続安定性を示してくれた。もちろん、相当な悪環境だったので接続が切れることは何回もあったが、クアルコム社製「QCC3026」搭載モデルなど接続安定性をアピールする製品と同等か、それ以上のクオリティは持ち合わせていたように思う。

肝心のサウンドはというと、SBC、AACコーデックのみの対応とは思えないほど、質感のよい表現を持ち合わせている。ピアノはタッチのニュアンスがしっかりと伝わってくることに加えて、倍音がしっかりと乗っているので、のびのびとした演奏に感じられる。ボーカルも迫力のある、メリハリのよい歌声を聴かせてくれる。アコースティック楽器が得意だった先代に比べると、オールラウンダータイプにシフトしたというべきか。ボーカルの押し出し感や、ドラムやベースのグルーヴ感の高さなど、メリハリのしっかりしたサウンドとなっている。幅広いジャンルの音楽が楽しめるようになったのは嬉しいかぎり。これでSBC/AACコーデックのみの対応というのはもったいない、もしLDAC対応であればさらに良質なサウンドが楽しめただろうと、少々残念な気持ちにはなっている。とはいえ、「WH-1000XM3」の音質、機能性は一級品といえるもの。上級クラス完全ワイヤレスイヤホンのリファレンスといえる、とても優秀な製品だ。

イヤホン重量(片耳):約8.5g
再生時間:最大6時間(NC ON)/最大8時間(NC OFF)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック/プラチナシルバー

6. Jabra「Elite 75t」
ファームウェアアップデートでノイキャン機能が追加され、使い勝手がさらに向上!

ウェアラブルデバイスとしてだけでなく、オーディオ用イヤホンとしても評判の高いJabraから、「Elite」シリーズ第4世代となる完全ワイヤレスイヤホン「75t」が発売されたのは2019年のこと。前モデルに対してイヤホン本体と充電携帯ケースが一段とコンパクトになったほか、連続再生時間も約1.9倍に伸びたことで好評を博していたが、なんと先日、ファームウェアのアップデートによってノイズキャンセリング機能が追加されることとなったのだ。アップデートでノイキャンが追加されるのは、完全ワイヤレスイヤホンでは初めてのことかもしれない。ということで、あらためて「Elite 75t」の詳細を紹介していこう。

まずは外観から。イヤホン本体のハウジング部分、Jabraロゴの入った円形のボタン部分からマイクの備わった部分が横に(少し)伸びている独特のデザインは先代から受け継いでいるものの、全体的に小型化され軽快な装着感となった。その結果、左側のボタン左右で音量調整ができた(右端が音量アップ/左端が音量ダウン)が廃止され、音量アップは右側イヤホン本体のボタンを長押し、音量ダウンは左側イヤホン本体のボタンを長押し、というように変更された。とはいえ、ごく一般的な操作系に変更されただけなので、一度説明書を読めば迷わず操作できるはず。逆に、長押し操作でワンステップずつではなく連続して音量がアップダウンしてくれるので、なかなか便利だったりする。

ちなみに、ノイズキャンセリング機能の効き具合は、フィット感のよい本体とも相まって、暗騒音の解消をメインとしたしっかりとした効果が体験できる。追加機能とは思えない良質さだ。また、追加されたノイズキャンセリング機能には、「HearThrough」と呼ぶ外音取り込み調整機能も備わる。スライドボタンひとつで外音取り込みの状態が変更できるのは便利だ。

バッテリー持続時間は本体のみで最大5時間、専用ケースからの充電を含めると最大24時間となっている。ちなみに、ノイズキャンセリング機能をオフにすると、これまで同様に、最大7.5時間、専用ケースと合わせると最大28時間の再生が可能。また、15分の充電で最大1時間の音楽再生が可能な急速充電機能が備わっている。いっぽうで、IP55の防塵防滴性能や、4マイク搭載による方向性をしぼった外音取り込み、AlexaやSiri、Google Assistantなどの音声コントロール、アプリを使ったサウンド調整など、好評だった機能性、ウェアラブルデバイスとしての良質さはしっかりと受け継がれている。ちなみに、コーデックはSBCとAACの2つに対応している。

さて、肝心のサウンドはというと、先代から続く、明瞭快活ないい意味でのドンシャリという方向性は変わらず。シンバル、ハイハット系の音はクリアで鋭く、ピアノの音もタッチが軽やかな、ノリのよい演奏を聴かせてくれる。いっぽう、低域は十分な量感を備え、ドラムやベースの演奏はかなりの迫力を感じる。イマドキの最新モデルと比較すると楽曲によってはやや明瞭さに乏しい印象も持つが、それは静かな場所で視聴した際の印象で、屋外など騒音レベルの高い場所ではそれほど気にならなかった。総じてまとまりのよいサウンドチューニングといえる。アプリのイコライザーを使えばある程度は好みのサウンドバランスに調整できるので、機能性の多彩さと合わせて多くの人が満足できるはずだ。

イヤホン重量(片耳):6.75g
再生時間:最大5.5時間(ANC ON)/最大7.5(ANC OFF)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで3.4回のフル充電が可能※ANC ON時)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック/ゴールドベージュ/チタニウム

7. アップル「AirPods」(第2世代モデル)
「Siri」による音声操作に対応したAirPodsの第2世代モデル

完全ワイヤレスイヤホンの牽引役にして、ジャンル最大の販売数を誇るアップル純正モデル「AirPods」が新モデルへと進化した。本体に関して外観の変更はほとんど見られず、ケースも同じデザインながら、Qiによるワイヤレス充電に対応したこと(非対応ケース付属の製品も用意される)、LEDが外部に移動されて充電状況が外からわかりやすくなったことなど、いくつかの利便性向上が図られている。

とはいえ、イヤホン本体も情報をよく見てみると、いくつかの性能アップが盛り込まれているのがわかる。「AirPods」はもともと、取り出すだけでiPhoneと簡単に接続でき、左右を意識せず(実際形状的にはLRはあるが)装着するだけで音楽再生を楽しむことができるうえ、同じApple IDを登録したiPadやMacなどとペアリング情報が共有されるため、機器ごとに設定する必要もない。これまでもアップル製品のユーザーには、とても使い勝手のよい製品となっていたのだが、新世代の製品では声で音声アシスタント「Siri」を呼び出せるなど、いくつかの機能性アップも行われている。

これは、ワイヤレスモジュールの変更によって実現した機能性だと思われる。初代「AirPods」では「W1」というチップを採用していたが、新モデルでは「H1」へと変更され、低消費電力化や接続機器の切り替え速度向上など、主に使い勝手の面でグレードアップが行われている。使いやすさを重視した製品作りは、アップルらしい方向性だといえる。

しかしながら、「AirPods」も純然たるオーディオ機器であるのも確か。一番重要なのは、その音質だろう。ということで、さっそくiPhoneに接続して、そのサウンドをチェックしたが、初代「AirPods」に対して、ややニュートラルなサウンドキャラクターにシフトしたイメージだ。初代「AirPods」は、昔のBoseのようなアメリカ東海岸サウンドとも呼ぶべき音色傾向を持ち合わせていたが、最新の「AirPods」は、逆に中域重視のキャラクターが強まり、奔放さよりもまとまりのよさを重視したような印象となった。

ややウォーミーな音色傾向を持ち、女性ボーカルはいつもよりハスキーだが、高域への伸びやかさはしっかりと保たれていて、印象的な歌声を聴かせてくれる。ピアノの響きも伸びやかだ。解像感も高まってくれているのだろう、楽器の音色もリアリティが高まっている。音質については、確実なグレードアップを果たしている印象を持った。機能性といい音質といい、グっと完成度の高まった製品に生まれ変わったと思う。

インナーイヤー型なので、当然音漏れはある。また、街中で耳からポロリとこぼれ落ちた人を何人も見ている(そのうち2人の女性は線路に吸い込まれていった)。電車内で使用する際は音量に気を使う必要があり、歩きながらの使用は(こぼれ落ちるのを回避するためにも)避けてもらいたい製品だが、いっぽうでこの扱いやすさは大きな魅力といえる。特にアップル製品ユーザーにとっては、最有力候補となる製品だ。

イヤホン重量(片耳):約4g(片耳)
再生時間:最大5時間
充電方法:専用ケース(15分の充電で最大3時間の再生、内蔵バッテリーで24時間以上の再生が可能)
対応コーデック:SBC、AAC
カラーバリエーション:ホワイト

8. JBL「CLUB PRO+ TWS」
初のハイブリッド式ANC搭載完全ワイヤレスとは思えない完成度の高さに注目

JBL製イヤホン&ヘッドホンの最上位ラインである「CLUB(クラブ)」シリーズの完全ワイヤレスイヤホン。JBLブランドとしては初めてハイブリッド式ANC(フィードフォワード+フィードバックのアクティブノイズキャンセリング)を搭載し、ステレオ使用に加えてどちらか片方でも使用可能な「Dual Connect」機能を装備。片方のイヤホンだけで通話はもちろんのこと、音楽再生を行うこともできる。

イヤホン本体は若干重い部類に入るが、装着センサーを装備しており、外すと自動的に音楽再生が止まってくれるのは便利だ。また、スマートフォン用アプリ「My JBL Headphone」の「最適なフィット感をチェックする」というメニューを活用することで、自分の耳の大きさに最適なイヤーチップサイズを確認することもできるなど、随所にユーザビリティに対する配慮がうかがえる。

再生時間に関しては、イヤホン本体で約8時間(ANCオンで約6時間)、専用ケースからの充電を含めると約32時間(ANCオンで約24時間)の連続再生が可能となっている。また、イヤホン本体は急速充電にも対応しており、約10分の充電で1時間の再生が可能となっている。Bluetoothはバージョン5.0を採用し、コーデックはSBCとAACに対応。イヤホン本体はIPX4の防滴性能も備えている。いっぽう、専用ケースはワイヤレス充電にも対応しているので、iPhoneなどワイヤレス充電対応スマートフォンを所有している人は、より手軽な充電がおこなえるようにもなっている。

ちなみに、JBLからの説明だと“CLUB”という言葉にはプロフェッショナルユースとしての意味合い、「音楽制作のシーンなど、厳しい品質を求められるプロフェッショナルの現場でもお使いいただけるような音質を持ち合わせた製品」という意味が込められているのだという。“CLUB”という略称表現がもつ世間一般のイメージ(言葉そのものの意味ではなく音楽やオーディオシーンでクラブといえばどういう意味が連想されるかということ)とはずいぶんとかけ離れている気がするので、何だかモヤモヤした気分になるが、“何のクラブ”だかは名付け手次第なので、JBLはそう考えているのだととりあえずは納得しようと思う。

実際、「CLUB PRO+ TWS」のサウンドはとても良質かつクリアだ。低域の量感がかなり多めで世間一般のCLUBイメージを裏切らない帯域バランスではあるが、変に荒々しくなったりせず、素直な表現で楽曲本来の魅力をわかりやすく伝えてくれる。当然、重低音系の製品とは音色も異なっており、耳障りのよい音色にも感じられた。たとえば凛として時雨などを聴くと、グルーヴ感がしっかりと保たれたノリノリの演奏であることに変わりないものの、音色の荒々しさが少しだけ控えめになり、ずいぶんと聴きやすいサウンドへとシフトしている。音量を大きめにして音楽に集中するだけでなく、やや控えめの音量でBGM的に音楽を聴くこともできる、絶妙なチューニングといえるだろう。ANC機能に関しても、強すぎず弱すぎず。当然のごとく外音取り込みモードも用意されており、実用性の高い内容。初のANC搭載完全ワイヤレスイヤホンとしては、トータルバランスにすぐれた完成度の高い製品と言えそうだ。

イヤホン重量(片耳):13.7g
再生時間::最大6時間(アクティブノイズキャンセリングをオフにした場合は最大8時間)
充電方法:専用ケース(内蔵バッテリーで約3回のフル充電が可能)
対応コーデック:SBC/AAC
カラーバリエーション:ブラック

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