連載
野村ケンジ 6畳間「ミニマムシアター」の4K HDR & Dolby Atmos化計画

決め手はMQAフル対応! 急遽導入を決定したOPPO最後のUHD BDプレーヤー「UDP-205」

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昨年末から、仕事場にある6畳間「ミニマムシアター」の4K HDR & Dolby Atmos化計画をスタートさせたが、いろいろ予定が立て込んでいて(さらに予算の都合もあり)スタート時点から芳しくない進行状況になってしまっているが、それでも計画内容は着実に完成させつつある。ということで、今回はそのパート2として、4K ULTRA HDディスクプレーヤーOPPO「UDP-205」の導入記をお届けしよう。

UDP-205

前回、散々悩んでテストしてパナソニック「DMR-UBZ2030」を導入したばかりだが、さらに追加で「UDP-205」を導入したのには訳がある。第1にもともとNAS内の音源を再生する環境をグレードアップしようと思っていたこと、第2にMQA-CD対応となったこと、そして第3にOPPOがAV機器の製造を終了することとなり、今後はこういった便利なユニバーサルプレーヤーが手に入りづらくなりそうだったからだ。

特に、3つめの“生産終了”が導入を決定づけたといっていい。迷っているうちに、手に入らなくなる可能性が高いからだ。生産は終了するものの、サポートはしばらく続けるという言葉も後押しになり、急遽導入することとなった。

4月3日に米OPPO Digitalから突如発表された新製品の企画・開発を終了するアナウンス。現行製品やリファービッシュ品の販売、ファームウェアの更新といったサービス体制は継続されるという。日本だけでなく、海外でもそのコストパフォーマンスの高さから人気があっただにブランドだけあり、かなり残念なお知らせだ

実際、SACDまで再生可能なユニバーサルプレーヤーはあまり製品数が多くなく、今や希少な存在となっている。さらに、ファームウェアのアップデートでMQA-CDにも対応し、さらに次のアップデートでMQAファイルにも対応する予定だというから素晴らしい。MQA-CD、MQA音源はまだまだタイトル数がそれほど多くないため、一般的にはあまり重要視するポイントではないかもしれないが、筆者の場合は必要となる機会が多く、導入に悩まされていたのだ。そういった視点で見ると、実は「UDP-205」がMQA-CD対応ディスクプレーヤーのなかで“最安値”だったりする。

もちろん、いちばん安価に済ませられるのはCDドライブ付パソコン+MQA対応DACの組み合わせだが、手元に光学ドライブ内蔵パソコンがないため(もちろんCDリッピング等に活用している単体ドライブは持っている)、新たにパソコン環境を整えようとするといろいろと欲が出て10万円じゃ済まないことになるのは明らか。ということで、ここは思い切って「UDP-205」を導入することにしたのだ。

メリディアン・オーディオが開発した「MQA」。は高音質なのにデータ量が圧倒的に小さいのが特徴。国内では、2016年に「e-onkyo music」がMQA音源の配信を開始し、最近では、ハイレゾDAPやDAC内蔵ヘッドホンアンプなどへの採用も増えている。MQA音源を収録した「MQA-CD」も2017年に発売が開始されているが、MQA-CD対応ディスクプレーヤーはまだまだ少ないのが現状

もちろん“4K ULTRA HDディスク再生環境を2つ持つのはスマートでない”と思わないこともない。しかしながら、NetflixやAmazonビデオ、テレビ録画などを見られて映像クオリティも気に入っている「DMR-UBZ2030」と、音質、なかでもステレオ再生のクオリティにアドバンテージを持つ「UDP-205」では、自ずと活躍の場が異なってくる。あくまでも重なっている機能性があるだけで、まったく別物の製品と捉えて、2台ともに活用していくことにした。いっぽう、4月末の時点で「UDP-205」の新品はかなり入手しづらくなっている様子で、ギリギリのタイミングながらも導入できたのでホッとしている。

さて、実際の製品が到着したので、まずは手元の「BDP-105D Japan Limited」と比較してみることにした。

4月3日のOPPO Digitalの発表で予約が殺到しているようで、受注停止となっている「UDP-205」。なかなか入手が困難な状況だったが、無事に到着してなにより

外観のイメージはほとんど変わらず。フロントパネルを見ると、ディスプレイがセンターに移動しボタン配置も変更、パネルの塗装も細かい梨地のようなものからヘアライン仕上げに変わっていたりと、かなり変化がある。また、重心を下げるためだろう光学ドライブの取り付け位置も下に移動していたりもする(個人的に好みだったOPPOロゴを押して電源オン!という部分も一般的な丸スイッチになっている)。しかしながら、最大の特徴だった垂直方向中央部に凹みを持たせたデザインが踏襲されているため、後継モデルということはひと目でわかるようになっている。

ディスプレイやボタンレイアウトが大きく変わっているが、凹みを持たせた特徴的なデザインはしっかりと継承されているようだ

電源ボタンはロゴとは別になり、丸ボタンになった。フロントパネルもヘアライン加工が施されるようになり、かなりクールな印象だ

光学ドライブは本体底面近くに移動

光学ドライブは本体底面近くに移動

いっぽう、機能面では基礎体力が大幅に向上したこととトレードオフで、Netflix対応などネットワークがらみの便利機能がいくつか廃止されている。とはいえ、そのあたりは「DMR-UBZ2030」で充分以上にフォローできているし、肝心のネットワーク音楽再生機能は健在なので、使い勝手に不満はない。

ネットワーク機能が若干省略されたが、「DMR-UBZ2030」と併用する予定なので特に問題はない

ネットワーク機能が若干省略されたが、「DMR-UBZ2030」と併用する予定なので特に問題はない

逆に、「BDP-105D Japan Limited」にはない利点もある。それは、768kHz/32bitまでのリニアPCM、22.6MHzまでのDSDファイルに対応したUSB入力端子を搭載していることだ。実は、筆者が活用しているNAS、ASUSTOR「AS202TE」(生産終了モデル)は、USB DACと組み合わせることで32bitのリニアPCMや11.2MHzまでのDSDファイルをネイティブ再生することができる。今回のテスト時には、「AS202TE」の音楽プレーヤーがファイル情報を集めに行ったまま半日以上帰ってこなかったため(4TB中2TBを越える音楽ファイルが保存されているため?)実際の再生テストは行えなかったが、いずれかの機会に試してみたいと思う。もしUSB DACとしての認識がうまくいかなかったら、そのときは仕方がない、別途USB DACを利用する予定だが、「BDP-105D Japan Limited」のUSB DAC機能も特に問題が起きたことがないので、楽観視していて大丈夫だろう。

フロントパネルのイジェクトボタンの下部に設けられたUSB入力端子

フロントパネルのイジェクトボタンの下部に設けられたUSB入力端子

逆に、気がついていなかった部分で別の便利さも生まれていた。実は、先に導入した「DMR-UBZ2030」はe-onkyoで購入した音楽ファイルを自動ダウンロードしておいてくれる機能を持っているのだが、こちらの音源を「UDP-205」から手軽に再生できるようになっている。LAN上の共有ドライブとして認識されるので再生できて当たり前といえば当たり前だが、手間無くダウンロードされたばかりの最新音源を手軽に再生できるのはありがたい。この原稿を執筆している最中も、BGMとして聴きそびれていたアルバムを再生している。

「DMR-UBZ2030」にダウンロードしたMQA音源をネットワーク経由で「UDP-205」で再生できるのが便利

「DMR-UBZ2030」にダウンロードしたMQA音源をネットワーク経由で「UDP-205」で再生できるのが便利

さて、肝心な「UDP-205」のサウンドはというと、「BDP-105D Japan Limited」と比較して格別といえるクオリティアップを果たしていた。新たに採用されたESS社製DAC「ES9038PRO」のおかげか、SN感が数段といえるレベルで向上しており、結果としてとてもピュアな印象のサウンドとなっている。女性ボーカルは濁りのない美しい響きを聴かせてくれるし、ピアノの音も綺麗で伸びやか。まさにHiFiサウンドという比喩そのものといった印象の、上質で美しいサウンドだ。

いっぽうで、定位感の確かさもかなりのもの。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDを聴くと、左右だけでなく奥行き方向も広く使った巧みで繊細な音場表現をあまさず感じ取ることができた。表現力の確かさに関しては、素晴らしいの一言に尽きる。

もちろん、MQA-CDもきちんと再生することができた。24bit相当のクオリティをもつこちらの音質もなかなかで、16bit再生となってしまう「BDP-105D Japan Limited」とでは、音源と機器のダブルで差を付けられてしまい、同じディスクとは思えないほど空間表現やディテールの再現性などに差がついてしまう。やはり、MQA-CDは対応プレーヤーで再生するに限る。

もうひとつ、HDMI出力の音声について両者で違いがあるかどうかも試してみた。HDMI端子を直接テレビに繋ぎ、テレビのヘッドホン出力で両者の音の違いが発生するかどうか試してみたが、コレも結構違っていて興味深かった。「UDP-205」のほうが、圧倒的にピュアな音に感じるのだ。どうも、両者の音質の違いはDACの性能ばかりでなく、デジタル部を含む全体の設計や、電源部の違いも大いに関与しているようだ。「BDP-105D Japan Limited」を気に入り長期にわたって使い続けていた人間としてはじくじたる思いも抱くが、ここまで差を見せつけられてしまったら言い訳のしようがない。2台並べるようなことはせず、素直に「UDP-205」へと入れ替えようと思う。

DAC以外にも全体的な設計を見直したことで、HDMI出力時のサウンドクオリティも格段によくなっていた

DAC以外にも全体的な設計を見直したことで、HDMI出力時のサウンドクオリティも格段によくなっていた

このように、「UDP-205」は4K ULTRA HDディスクプレーヤーであると同時にユニバーサルメディアプレーヤーとして、ネットワークプレーヤーとしても魅力ある製品に仕上がっている。生産終了がとても惜しく感じる、素晴らしい製品だ。今後も、大いに活用していこうと思う。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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