新製品レポート
クラウドファンディングで先行販売

オンキヨーの「桐ヘッドホン」がついに製品化! 価格は30万円から

オンキヨーから、ヘッドホンのハウジングに桐(きり)を採用した「桐ヘッドホン」が発表された。これまでさまざまなイベントで試作機が公開されてきた“変わり種ヘッドホン”が、ついに製品化された形となる。

なお、当面はクラウドファンディングサイト「未来ショッピング」にて出資を受け付ける。価格は30万円(税別)から。受付期間は2018年8月1日〜9月30日までで、限定15セットでの販売となる。

素材に桐を用いていることや、30万円という価格設定からして、これまでのオンキヨー製ヘッドホンとは全く異なったコンセプトで企画されたものだ。オンキヨーいわく「演奏者が目の前にいるかのような、生々しい音のヘッドホンをめざして開発した。ただ作りたいものを作った」という潔さ。それでは、2年という開発期間をかけて完成した個性派ヘッドホンの詳細を見ていこう。

というわけでこちらが「桐ヘッドホン」。本体重量は400g(ケーブル含まず)。再生周波数帯域は10Hz〜80kHzで、出力音圧レベルは99dB、最大入力は1,000mW。インピーダンスは40Ωとなる。ケーブルは着脱式で、製品には3.0mの3.5mmステレオミニケーブルと、1.6mの2.5mm 4極バランスケーブルの2種類が同梱されるそう。標準プラグアダプターも付属する

「桐ヘッドホン」単体販売のほか、特製のヘッドホンスタンドがセットになったメニューも

「桐ヘッドホン」単体販売のほか、特製のヘッドホンスタンドがセットになったメニューも

ハウジングに桐を使う効果とは?

「桐ヘッドホン」は、その名の通りハウジングに桐材を使用した密閉タイプのオーバーヘッド型ヘッドホンだ。採用されているのは日本有数の福島県産「会津桐」で、古くから筝(そう)や和太鼓など高級和楽器に使われている素材である。そして、ハウジングの内側に、同じく和楽器に用いられる彫り構造「綾杉彫り」を施しているのもポイント。

この「桐をハウジングに使用し、内側に綾杉彫りを施す」という構造により、ハウジング内部の定在波を抑制し、不要反射を抑えるのだとか。また、ハウジング全体が均一に応答する効果もあるそうで、より美しい響きを狙っている。

会津のきびしい冬を越えて育つ「会津桐」は、外国産の桐と比べて年輪が詰まって粘り強く、美しく育つという。しかも今回の「桐ヘッドホン」には、伐採したのち10年ほど寝かせて熟成したものを採用しており、これが響きのよさに影響しているとのこと

「桐ヘッドホン」のハウジング内側には「綾杉彫り」が施されている。「和太鼓など、いくつかの和楽器も内側がこの「綾杉彫り」仕様になっていて、それによって心地よい響きを作り出しているそうだ

セルロースナノファイバー100%の振動板

内部には、新開発の50mmドライバーを搭載している。振動板には、自然由来のセルロースナノファイバー素材を100%使用。また、ホームオーディオ用のスピーカーユニットと同じフリーエッジ構造を採用しており、エッジには不要共振の少ないエラストマー素材を採用する。これらのドライバー構造により、再生周波数帯域は10Hz〜80kHzという広帯域をカバー。ハイレゾの高音域も美しく表現できるようこだわってチューニングされた。

左がセルロースナノファイバーの原液で、右がそれを用いて製造した振動板。セルロースナノファイバーは軽量かつ剛性の高い素材で、これを100%使ったヘッドホン用振動板はこれが世界初だという

また、ドライバーを背面から抱え込んでマグネシウム合金のベースに固定し不要共振を抑える「フルバスケット方式」や、ハウジングとハンガーの連結部にゴム部材を配置して左右間の相互干渉を抑制する「フローティング構造」など、オンキヨー&パイオニアグループが培ってきたヘッドホンの設計ノウハウを投入していることも特徴だ。

高級素材“アルカンターラ”のイヤーパッドで、装着感もよい

耳をすっぽりと包み込むイヤーパッドとヘッドバンドには、高級車のシートなどに使われるアルカンターラ素材を採用している。ハンガーの素材は軽量かつ剛性の高い超ジュラルミンで、軽さと耐久性の高さを両立。肌ざわりのよさや着け心地にはかなりこだわったそうで、実際に耳が包み込まれるような高い装着性を実現した。

オンキヨーによれば、「ヘッドホンを着けていることを忘れさせたい」という思いで、とにかく装着感にこだわって開発したとのこと

アコースティック楽器の音色がしっくり美しい

さて、「桐ヘッドホン」を見てきて、何よりも気になるのはそのサウンド。筆者がハイレゾスマホ「GRANBEAT」と組み合わせて、あくまでもパッと聴いた感じではあるが、クラシックではバイオリンの弦の質感や高域の伸び、ジャズではベースの響きやドラムの胴鳴り感など、アコースティック楽器の鳴り方がしっくりときれいで印象に残った。やはり、和楽器に用いられる素材と構造を採用した効果だろうか。また、密閉型ながら広がり感があるのも好印象だった。以下より、実際に「桐ヘッドホン」を体験したユーザーの声として、太鼓芸能集団「鼓童」の住吉佑太さん、指揮者の佐渡裕さんのコメントを紹介したい。

▼住吉佑太さんの試聴コメント
「太鼓をヘッドホンで聴くと、たいてい、低い音が強く響いてしまって他の音を阻害しますが、それがありません。それに、ヘッドホンでは、太鼓の音は耳の近くでどんと鳴る感じがするのですが、音の距離感がしっかり感じられて、とても自然ですね。今までヘッドホン聴いた太鼓の音で、いちばん、太鼓の音がしていると感じました」(一部抜粋)

何よりも多く耳にしている太鼓の音が、「桐ヘッドホン」ではちゃんと“太鼓らしい音”で聴こえたという住吉さん

▼佐渡裕さんの試聴コメント
「音がとてもクリアですね。透明感があって、雑音がない。それに、立体的に音が聞こえて、空間を感じる。低音から高音まですごくバランスがいい。ピアノの音も、難しい太鼓の音もきれいに再生されている。低い音にも透明感があって奥行きがあるのが、とてもおもしろいですね。具体的に、何人の人が、どれくらいの距離で、どれくらいの広さの空間で演奏しているかが、ビデオを観ているみたいに想像がつきます」(一部抜粋)

いい意味でも悪い意味でも録音の状態が明確にわかる、とまでコメントした佐渡さん

いい意味でも悪い意味でも録音の状態が明確にわかる、とまでコメントした佐渡さん

上述の通り、「桐ヘッドホン」は当面、クラウドファンディングでの限定販売となる。一般発売については未定のことで、オンキヨーとしてはユーザーのフィードバックを得ながら様子を見ていくとのことだ。

なお、東京・秋葉原の「マーチエキュート神田万世橋」内にあるオンキヨーのショールーム「ONKYO BASE」では、誰でも「桐ヘッドホン」の試聴が行えるコーナーを設けている。興味の湧いた方は、ぜひONKYO BASEでまずそのサウンドを体感してみてはいかがだろうか?

「秘密基地」をテーマにしたONKYO BASEで、「桐ヘッドホン」を体験しよう

「秘密基地」をテーマにしたONKYO BASEで、「桐ヘッドホン」を体験しよう

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杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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