新製品レポート
近日発表の“新フォーマット”にも対応

“音質改善”一点集中! デノン新AVアンプ「AVC-X6500H」「AVR-X4500H」

デノンAVアンプの新しいハイエンド機として、“AVセンター機能”に特化した「AVC-X6500H」

デノンAVアンプの新しいハイエンド機として、“AVセンター”に特化した「AVC-X6500H」

デノンから、AVアンプの新モデル「AVC-X6500H」と「AVR-X4500H」が登場した。いずれも9月中旬に発売予定。現在、デノンのAVアンプは、フラッグシップの13.2chモデル「AVC-X8500H」から、リーズナブルな5.1ch入門機「AVR-X550BT」まで全6機種をラインアップする。今回は、フラッグシップ機に次ぐハイエンド〜中級機の2機種がモデルチェンジする形だ。これにより、デノンAVアンプの2018年最新世代が出揃う。

しかも、近日中に発表されるという“新しいホームシアター用音声フォーマット”に、いち早く対応することもアナウンスされている。これまで、新規格が発表されるたびにデノンのAVアンプは他社に先んじて対応してきたが、2018年の最新モデルもその流れに沿った仕様だ。新モデルそれぞれの詳細を順番に見ていこう。

全6機種が出揃ったデノンAVアンプの2018年ラインアップ。それぞれの対応フォーマットやオーディオ性能のグレードを上図から比較されたい

フラッグシップ機に次ぐ11.2ch AVセンター「AVC-X6500H」

AVC-X6500Hは、実用最大出力250W(6Ω,1kHz)を確保する11.2ch出力モデル。製品の位置づけとしては2017年発売の「AVR-X6400H」の後継機となるが、フラッグシップ機AVC-X8500Hに次ぐハイエンド機として、AM/FM受信チューナー非搭載の“AVセンター特化仕様”になっている。そのため、前世代モデルとは違い「AVR(=AVレシーバー)」でなく、「AVC(=AVセンター)」の型番が付いた。

AVC-X6500H。メーカー希望小売価格は32万円(税別)。フラッグシップ機のイメージを汲む重厚な外観デザインにブラッシュアップしたことが特徴で、本体シャーシは5mm圧に設計し強度と安定性を高めている

機能面は、前世代モデルの基本スペックを踏襲。ホームシアター用音声フォーマットはDolby Atmos/DTS:Xのオブジェクトオーディオ関連に対応するほか、チャンネルベースのイマーシブオーディオ規格Auro-3Dもサポートする。また上述の通り、今後登場するという“新しいホームシアター用音声フォーマット”へのいち早い対応もアナウンスされている。そのフォーマットについて現段階では詳細を記述することはかなわないが、正式発表が待ち遠しいところだ。

HDMIは入力8/出力3を備えており、最新の4K規格にフル対応。最新世代AVアンプとしての新機能は、ファームウェアアップデートでeARC規格に対応予定であることと、HDMI 2.1の新機能である「ALLM(Auto Low Letancy Mode)」に対応すること。コンテンツの種類に応じて、画質とレイテンシーのどちらを優先するかを自動で切り替えてくれるものだ。

もちろんWi-Fi接続機能も搭載しており、専用アプリ「Denon 2016 AVR Remote」や「Auddysey MultEQ Editer Apps」を使用してスマートフォンからのコントロール/音場調整が行える。ネットワーク経由でハイレゾ再生も可能で、最大192kHz/24bitまでのWAV/FLAC/ALAC、5.6MHzまでのDSDをサポート。また、新しくAirPlayの最新規格「AirPlay 2」にも対応した。デノン独自のマルチルームオーディオ再生「HEOS」による連携操作も行える。

4K/60p(4:4:4)/HDCP2.2/BT.2020/HDRなどの最新4K規格に準拠。HDRも、HDR10/Dolby Atmos/HLGをサポート

4K/60p(4:4:4)/HDCP2.2/BT.2020/HDRなどの最新4K規格に準拠。HDRも、HDR10/Dolby Atmos/HLGをサポート

そのほか、機能面では「セットアップアシスタント」を搭載しており、誰でも簡単にセットアップができる仕様としているのもデノンAVアンプのいいところ

“音質向上”一点集中。低域特性の徹底改善でグレードアップ

その内部も、おおまかな設計は従来モデルを踏襲している。全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを搭載し、チャンネルごとにパワーアンプ回路を個別の基板に独立させた、11chの「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」構造を採用する。

サラウンド回路には、全チャンネルの信号を32bitアップコンバート処理する「D.D.S.C -HD32」や、アナログ波形再生技術「AL32 Processing Multi Cannel」を搭載。DAC部も32bit/8ch DAC「AKM4458VN」を2基装備するという、従来と同じ仕様だ。

本体のトップカバーを開けたところ。フラッグシップに次ぐパーツ量が投入されている

本体のトップカバーを開けたところ。フラッグシップに次ぐパーツ量が投入されている

しかし、従来モデルの技術をしっかり継承しながら、プリアンプ部とパワーアンプ部それぞれの音質チューニングを見直し、さらなる音質向上を図っているのがAVC-X6500Hの特徴だ。たとえば、ポストフィルターにおける動作点を改善したり、同部に薄膜抵抗を採用することによって、DACの性能を大きく引き出せるようにしている。特に低域の伝送特性を改善させたのがポイントで、これにより全帯域の表現力を向上した。

チャンネルごとに独立基板のパワーアンプを搭載する11chの「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」構造によって、チャンネル間の影響やクロストークを抑え、チャンネルセパレーションを高めている

AVC-X6500Hの「D.D.S.C -HD32」基板。全チャンネルの信号を32bitアップコンバート処理することで、理想的な波形再生を狙うデノンAVアンプの中核技術

パワートランスのマウント部にトランスベースを配置した「ダブルレイヤードシャーシ」構造とすることで、強度や安定性を向上(※後述するAVR-X4500も同じ構造)

DAC回路はデジタル回路から基板を独立させている。DAC出力のポストフィルターに使用するオペアンプに定電流負荷を付けてA級動作させるなど、DACの実力を引き出す設計を新規採用

電源部も強化しており、カスタム仕様の大型EIコアトランスを搭載するほか、PN接合タイプだった整流ダイオードを、フラッグシップ機AVC-X8500Hと同じ高速のショットキーバリアダイオードにグレードアップした。さらに、パワートランジスタをヒートシンク上に格子状にレイアウトする「チェッカー・マウント・トランジスタ・レイアウト」など、従来モデルの高品位仕様も引き続き採用している。

パワーアンプ帯域幅の拡張、整流回路パーツやプリアンプ用電源コンデンサーのグレードアップなど、電源部に多くの音質改善対策を施している

パワーアンプ用のブロックコンデンサーには、AVC-X6500H専用にチューニングされた大容量15,000μFのカスタムコンデンサーを2基搭載。また、プリアンプ電源回路用のコンデンサーも、ELNA社製の高品位なパーツになった

「チェッカー・マウント・トランジスタ・レイアウト」によって放熱性を向上させ、スピーカー駆動の安定性を高めている

音質チューニングを徹底した9.2ch AVレシーバー中級機「AVR-X4500H」

続いて、中級機に位置づけられるAVR-X4500Hを見ていこう。本機は、実用最大出力235W(6Ω,1kHz)の9.2ch出力モデル。2017年に発売された「AVR-X4400H」の後継機となり、こちらは引き続きAVレシーバーとしてAM/FMチューナーを内蔵する「AVR」型番のモデルだ。

AVR-X4500H。メーカー希望小売価格は17万円(税別)。本体シャーシは4mm圧に設計しなおされた

AVR-X4500H。メーカー希望小売価格は17万円(税別)。本体シャーシは4mm圧に設計しなおされた

基本スペックや機能面は上述のAVC-X6500Hと共通しており、HDMIは入力8/出力3を備え、4K/60p(4:4:4)/HDCP2.2/BT.2020/HDRに準拠。こちらもファームウェアアップデートでeARC規格に対応予定で、HDMI 2.1の新機能「ALLM」にも対応する。音声フォーマットも、Dolby Atmos/DTS:XやAuro-3Dのサポートはもちろん、近日発表予定の“新しいホームシアター用音声フォーマット”に対応することも同じだ。

Wi-Fi機能も、専用アプリでスマホからのコントロール/音場調整が可能。ネットワーク経由によるハイレゾ対応仕様もAVC-X6500Hと同じで、最大192kHz/24bitまでのWAV/FLAC/ALAC、5.6MHzまでのDSDをサポートし、もちろん「HEOS」テクノロジーにも対応する

専用ブロックコンデンサーを新規開発! 電源部を大幅強化

内部も、全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを採用し、「D.D.S.C -HD32」「AL32 Processing Multi Cannel」などデノンの中核技術を搭載する点は従来モデルと同じ。DAC部も前世代から引き続き、32bit/8ch DAC「AKM4458VN」を2基装備している。

AVR-X4500Hのトップカバーを開けたところ

AVR-X4500Hのトップカバーを開けたところ。上位機種と違い「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」構造ではない

「ダブルレイヤードシャーシ」構造は上述のAVC-X6500Hと共通している

「ダブルレイヤードシャーシ」構造は上述のAVC-X6500Hと共通している

AVR-X4500HのDAC基板。デジタル回路から独立させた設計はAVC-X6500Hと同じ

AVR-X4500HのDAC基板。デジタル回路から独立させた設計はAVC-X6500Hと同じ

しかし、こちらも小信号系のキーパーツを見直し、DAC部のポストフィルターに使用する抵抗を薄膜抵抗に変更するなど、徹底して音質チューニングを見直しているのが特徴だ。さらにチューニングポイントがAVC-X6500Hとは異なっており、特に電源部を大きくブラッシュアップして音質向上を図っていることに注目したい。

その仕様をざっと書き出すと、まずプリアンプ部、パワーアンプ部とも、AVR-X4500H専用にニチコン社と共同で新規開発した大容量電源ブロックコンデンサーを搭載する。また、パワーアンプ部の入力結合コンデンサーを従来の47μFから100μFへ大容量化したほか、プリアンプ部の整流ダイオードをFast recovery typeに変更し、パワーアンプに直結するボリューム出力提供を0Ω化するなど、AVC-X8500Hで培った設計手法を応用したことに注目だ。

パワーアンプ部の電源ブロックコンデンサーは、直径・内部材料・スリーブ材質を変更。オーディオ用ACエッチング方式の高倍率箔を使用し、ケースも40mmサイズに大型化した。約10%の低ESR化を図り、ロスの少ないクリアな音質の実現をめざしている。また、プリアンプ部の電源ブロックコンデンサーも、従来の4700μFから6800μFへ大容量化

整流ダイオードをFast recovery typeに変更したことで、逆方向電流が発生する時間を短くすることができ、エネルギーロスを低減している

“フラッグシップ直系サウンド”を目指した2機種

というわけで、今回発表されたAVC-X6500H/AVR-X4500Hとも、基本のサウンド技術は従来モデルをしっかり継承しながら、デノンAVアンプの最新世代として徹底的に音質チューニングを見直しているのがポイントだ。

そもそもシャーシ/トップカバーの構成や、搭載するDACまで、2機種には共通項が多い。そこに、フラッグシップに次ぐ物量を投入したのがAVC-X6500Hであり、いっぽうのAVR-X4500Hは電源部の設計にフラッグシップのノウハウを集中させたという形だ。デノン開発陣の言葉を借りると、2機種のサウンドコンセプトは、フラッグシップ機AVC-X8500H直系の“Adventurous(冒険心あふれる)なサウンド”の実現だという。ぜひ多くの方に、その音を体感していただきたい。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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