イベントレポート
ソニー、シャープ、パナソニック、JVC、サムスン、LGの新製品を現地からレポート

【IFA 2018】4K?それとも8K?各社が目指す方向性が見えたIFA 2018のビジュアル製品群たち

【IFA 2018】4K?それとも8K?各社が目指す方向性が見えたIFA 2018のビジュアル製品群たち

IFA 2018ではオ−ディオ製品のほかにも、薄型テレビやプロジェクターといったビジュアル製品の出展も豊富だ。特に今年のポイントはすでに当然の製品になりつつある4K、そして次世代の8Kに向けた出展と各社の方針の違いだ。ソニーのオーディオ製品のレポートに引き続き、今回はビジュアル製品を中心にまとめてレポートしよう。

“MASTER series"で4K有機ELテレビと4K液晶テレビを展開するソニー

ソニーはIFAで7月に米国で先行発表していたブラビアの最新フラッグシップ“MASTER series"として4K有機ELテレビ「BRAVIA AF9」、4K液晶テレビ「BRAVIA Z9F」を発表した。いずれも今年1月にCESで披露していた次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate」を搭載する、今年の秋冬向けの新モデルだ。

ソニーは4K有機ELテレビ「BRAVIA AF9」、4K液晶テレビ「BRAVIA ZF9」からなる“MASTER series

ソニーは4K有機ELテレビ「BRAVIA AF9」、4K液晶テレビ「BRAVIA ZF9」からなる“MASTER series"を披露

共通の特徴となる次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate」は、現行プロセッサーよりリアルタイム処理能力を2倍に向上させたもので、CESでは8Kのデモでも用いられていた最新プロセッサーだ。“オブジェクト型超解像”の機能を新たに搭載し、オブジェクトを従来以上に高精度に認識・グルーピングして処理を実施することで、超解像の精度をさらに高めたほか、「新HDRマスター」で被写体を認識してコントラスト処理を行うことで、映像の立体感も高めている。

新搭載となる次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate」

新搭載となる次世代高画質プロセッサー「X1 Ultimate」

超解像とコントラスト処理により4K映像をさらに高精細化

超解像とコントラスト処理により4K映像をさらに高精細化

また、「Netflix Calibrated Mode」と呼ばれる映像モードを新たに搭載したのも見逃せない。その名の通り、世界最大の映像配信サービスであるNetflixに最適化した機能となっており、クリエイターの制作意図をより正しく再現してNetflixの配信コンテンツが本来持つ画質を楽しめるという。

「Netflix Calibrated Mode」に対応

「Netflix Calibrated Mode」に対応

65/55型をラインアップする有機ELテレビの「BRAVIA AF9」は、新たにソニー専用のパネルコントローラーと「X1 Ultimate」の組み合わせで実現する「Pixel Contrast Booster」を搭載し、ダイナミックレンジを最大まで高めるとともに、高輝度時の色再現性をより鮮やかに改善。 サウンド面では、ソニーの有機ELの特徴である画面から音を鳴らすシステムが3.2chの「Acoustic Surface Audio+」へと進化している。

65/55型の2サイズを展開する有機ELテレビ「BRAVIA AF9」

65/55型の2サイズを展開する有機ELテレビ「BRAVIA AF9」

3.2chとなった「Acoustic Surface Audio+」。5.1のサラウンドシステムのセンタースピーカーとして使用できる機能も用意されている

“MASTER series"のもうひとつの展開が液晶テレビ「BRAVIA ZF9」。高輝度パネル搭載で話題となったZ9Dシリーズの後継にあたるモデルだ。最大の特徴は、一般的な液晶パネル(VAパネル)の弱点である視野角を大幅に改善させる「X-Wide Angle」技術を搭載したこと。展示ブースで実際に見てみたが、VAパネルながら真横に近い位置まで色変化なく視聴できることに驚いた。

ちなみに、ソニー独自の輝度突き上げ技術である「X-tended Dynamic Range PRO」は“12x”というスペックだ。こちらは先代のZ9Dシリーズに比べて若干ダウンしている。そのかわり、Z9Dシリーズにはなかった動きボケ軽減技術の「X-Motiron Clarity」が新たに搭載されている。コントラストは有機ELテレビの「AF9」に譲るが、視野角の弱点を克服したハイエンド4K液晶テレビとして要注目だ。

75/65型を展開する4K液晶テレビ「BRAVIA ZF9」

75/65型を展開する4K液晶テレビ「BRAVIA ZF9」

シャープは早くも「AQUOS 8K」の第2世代パネルを出展

欧州で再度本格展開を狙うシャープは、8K中心の展開。シャープは欧州向けのラインアップとして、「AQUOS 8K」の最新シリーズとなる第2世代8K液晶モニターを出展した。新モデルの画面サイズは60/70/80型で、新たなUV2Aパネルを採用。8Kの120Hz表示、8Kへアップコンバート、LEDバックライトのマルチゾーン部分駆動に対応する。発売はアジアが先行する予定で、新4K8K衛星放送のスタートする日本から導入される可能性が高そうだ。

8Kテレビに合わせたDolby Atmosサウンドバーも出展。独自機能として、22.2chマルチチャンネルのサウンドを3.1.2chに変換して聴けるスーパーハイビジョン向けの機能が搭載されているのがポイントだ。

第2世代「AQUOS 8K」の80型モデル

第2世代「AQUOS 8K」の80型モデル

60/70型モデルも出展

60/70型モデルも出展

シャープブランドによるDolbyAtmos対応サウンドバーも披露

シャープブランドによるDolbyAtmos対応サウンドバーも披露

薄型テレビの目玉に「QLED 8K」を据えたサムスン

IFA 2018のテレビ関連の発表でもっとも大きな注目を集めていたのが韓国・サムスンだ。8Kテレビ「QLED 8K」の「Q900R」シリーズをプレスカンファレンスで発表し、9月の終わりから発売を開始する。

プレスカンファレンスで熱狂的に迎えられたサムスンの「QLED 8K」

プレスカンファレンスで熱狂的に迎えられたサムスンの「QLED 8K」

サムスンブースでも広大なエリアで「QLED 8K」を展開

サムスンブースでも広大なエリアで「QLED 8K」を展開

搭載パネルは液晶によるリアル8Kパネルで、HDRの映画スタジオの基準である4,000nitのピーク輝度も実現と輝度性能もトップ級。パナソニックとともに推進しているシーン毎のメタデータでHDRを最適化する「HDR10+」にも対応する。映像エンジンは8K信号の処理に対応した「Quantum Processor 8K」で、機械学習をベースにした「8K AI Upscaling」処理を搭載。サウンドについても「Smarter Sound」の技術で高音質化が行われる。

バックライトと色再現については「Quantum dot」技術と「Direct Full Array Elite」技術を搭載。VDEのカラーボリューム比で100%の色域を備える。

サムスンブースで披露された85型の8K液晶テレビ

サムスンブースで披露された85型の8K液晶テレビ

同じく82型の8K液晶テレビも出展

同じく82型の8K液晶テレビも出展

AIを活用した高画質プロセッサー「Quantum Processor 8K」

AIを活用した高画質プロセッサー「Quantum Processor 8K」

なお、IFA 2018のプレスカンファレンスでは、以前からIFA 2018の会場で披露していたマイクロLEDを使ったモジュール型のディスプレイ「THE WALL」のオーダーを開始したことも発表された。

マイクロLEDディスプレイの「THE WALL」

マイクロLEDディスプレイの「THE WALL」

モジュール型ながら高輝度で鮮明な画質を実現

モジュール型ながら高輝度で鮮明な画質を実現

ブースにはほかにも、薄型テレビに枠を付けたようなデバイスに写真をダウンロードして壁紙のように利用する「THE FRAME」など、薄型テレビの技術を応用した展示が行われていた。日本の薄型テレビ市場への参入はまだないものの、世界的なトレンドリーダーであることを改めて印象付ける出展だった。

「THE FRAME」にはMAGNUM PHOTOSの写真を提供

「THE FRAME」にはMAGNUM PHOTOSの写真を提供

同じく韓国のLG電子は、88型の8K OLEDをIFA 2018で初公開したとニュースリリースで発表した。ただし、IFAのLGブースの一般エリアでは展示がなく、限定的な公開にとどまっているようだ。

LGはニュースリリースで8K OLEDを披露

LGはニュースリリースで8K OLEDを披露

JVCが民生初となる8Kホームシアタープロジェクターを披露

JVCは、ホームシアター向けの民生用プロジェクターとして初の8Kプロジェクター「DLA-NX9B」をIFA 2018で初披露した。パネル部は、新開発の0.69型ネイティブ4Kパネルを使用したD-ILAデバイスを3基搭載。同社のプロジェクターに搭載されている独自技術「e-shift」がベースの「8K e-shift」を新たに搭載し、斜めに0.5画素シフトすることで8K解像度を実現している。なお、4K映像に対して適用することで8K相当の表示が可能となっているが、現時点では搭載できる8K入力端子がないため、4K入力までの対応となる。

JVCのプロジェクターとしてプラットフォームやレンズをはじめとしてすべてを新規開発したという注目のモデル。欧州での販売価格は17,999ユーロで、10月下旬発売予定だ。

JVCは欧州で8K/4Kプロジェクターの最新モデルを披露

JVCは欧州で展開予定の8K/4Kプロジェクターの最新モデルを出展

民生用プロジェクターとして初の8Kプロジェクター「DLA-NX9B」。価格は17,999ユーロ

民生用プロジェクターとして初の8Kプロジェクター「DLA-NX9B」。価格は17,999ユーロ

「8K e-shift」で4K映像を8K表示できる

「8K e-shift」で4K映像を8K表示できる

4Kプロジェクター「DLA-N7」「DLA-N5」も同時に登場予定だ

4Kプロジェクター「DLA-N7」「DLA-N5」も同時に登場予定だ

パナソニックはUltraHD Blu-rayプレーヤーの最新モデルを披露

パナソニックは、薄型テレビこそ夏発売の「FZ1000」「FZ950」のままだったが、関連する出展としてUltraHD Blu-rayプレーヤーの最新モデル「DP-UB9000」(ドイツ版の型番は「DP-UB9004」)を初披露。映像処理エンジンには「HCX」プロセッサーを搭載し、マルチタップ処理によるクロマアップサンプリング処理に対応。「HDR10+」「DolbyVision」とメタデータ付きの映像回路信号をすべてサポートするなど、UltraHD Blu-rayプレーヤーの決定版とも呼べるモデルに仕上がっている。

音声出力については、2系統のHDMI端子のほか、XLRバランス出力も搭載。欧州でも人気の高いホームシアターモデルとして登場する。欧州での販売価格は1,000ユーロで9月から発売を予定。Google、Amazonの音声アシスタントにも対応している。

欧州向けのハイエンドUltraHD Blu-rayプレーヤー「DP-UB9000」

欧州向けのハイエンドUltraHD Blu-rayプレーヤー「DP-UB9000」

有機ELテレビの「FZ1000」でメタデータ付きHDRの「HDR10+」への対応も改めてアピールしていた

有機ELテレビの「FZ1000」でメタデータ付きHDRの「HDR10+」への対応も改めてアピールしていた

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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