新製品レポート
進化した「8K e-shift」テクノロジー搭載

いよいよ8K時代へ! JVCから民生用初の8K対応D-ILAプロジェクター「DLA-V9R」

JVCケンウッドは、同社が展開するJVCブランドから、民生用として世界初となる8K対応のD-ILAプロジェクター「DLA-V9R」を発表した。先日、ドイツで開催されたヨーロッパ最大の家電見本市「IFA2018」にて披露されたプロダクトが、日本国内で正式発表された形だ。発売は2018年10月下旬を予定しており、メーカー希望小売価格は200万円(税別)。JVCが、他社に先駆けてホームシアターの8K時代を見据えての展開となる。

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また、ネイティブ4K表示に対応するハイエンドモデル「DLA-V7」「DLA-V5」も同時発表された。DLA-V9Rとあわせた新モデル3機種が登場したことにより、JVCの4Kプロジェクターはほとんどがネイティブ対応になり、さらに8K対応モデルが1機種加わるラインアップとなった。

ネイティブ4K対応モデル「DLA-V5」。リビングシアターでも使える高画質モデルとしてラインアップされる。詳細はのちほど

今回発表されたDLA-V9Rは、ネイティブ4K表示に対応するフラッグシップモデル「DLA-Z1」の次位に位置づけられる。また、4Kネイティブ対応のDLA-V7/DLA-V5も、それに続く中級〜ハイエンド機だ

JVCのD-ILA+e-shiftテクノロジーが、ついに8Kの世界へ

JVCのプロジェクターといえば、1997年から独自開発を続けている反射型液晶方式の「D-ILAデバイス」を採用し、高画質化を追求してきたのがポイントだ。また2011年には、フルHD(2K)解像度の素子から4K解像度の表示を行う画素ずらし技術「4K e-shift」を搭載した民生用プロジェクター「DLA-X90R/70R」を製品化したのもトピックだった。

以来、D-ILAデバイスとe-shiftテクノロジーの組み合わせはJVC製プロジェクターの代表的技術となっていたが、それがいよいよ8Kに対応したというわけだ。JVCの担当者によれば、ホームシアターの世界における8K表示への挑戦として、「黒」と「高精細感」の2点を大きく追求したという。それでは以下より、DLA-V9Rの詳細を見ていこう。

独自のD-ILAデバイスと共に進化を遂げてきたJVCのプロジェクター

独自のD-ILAデバイスと共に進化を遂げてきたJVCのプロジェクター

新開発ネイティブ4K D-ILAデバイスと、進化した8K e-shift

まずは、DLA-V9Rのスペックを確認しよう。表示素子には、新開発の0.69型ネイティブ4Kパネルを使用したD-ILAデバイスを3基搭載している。HDMI入力端子は2系統を装備し、4K/60p(4:4:4)映像など18Gbpsの伝送帯域に対応。投影サイズは60〜300型をカバーする。

DLA-V9Rの本体サイズは500(幅)×234(高さ)×518(奥行き)mmで、重量は21.8kg

DLA-V9Rの本体サイズは500(幅)×234(高さ)×518(奥行き)mmで、重量は21.8kg。ちなみに、「THX 4K DISPLAY」認証を取得予定とのこと

注目の8K表示機能に関しては、従来のe-shift テクノロジーをベースにした8K対応の新しい画素ずらし技術「8K e-shift」を採用している。4K解像度の素子をナナメに0.5画素シフトして8K(8,192×4,320)表示を実現する仕組みで、言うなれば従来の4K e-shiftが8K版に進化したものだ。

ネイティブではなく、4K映像をベースとした画素ずらし方式による8K対応であるが、そもそも現在は8K信号の入力に対応する端子がないため、DLA-V9Rの入力スペックは4K信号までの対応となる。ネイティブ4K D-ILAデバイスと8K e-shiftによって、現時点で可能な8K対応を実現した形だ。

本機に搭載される0.69型ネイティブ4K D-ILAデバイスは、フラッグシップモデルDLA-Z1に採用されたものをベースに新開発された。デバイスを平坦化し、反射効率を向上させるなどのプロセス改善を行うことで、高コントラスト化と高輝度化の実現を図っている

また、ネイティブ4K用デジタルドライバーLSIを新たに搭載していることもポイント。処理性能をアップさせたこのLSIによって、R/G/B各色に3枚のネイティブ4K D-ILAデバイスを同時に120fpsで高速駆動させる。このLSIには独自の残像低減技術「クリア・モーション・ドライブ」などの各種補正機能を搭載しており、安定した映像表示を行う。

大口径100mmレンズ搭載。新しい光学系で輝度2,200lmに対応

レンズ部は大口径100mmサイズで、16群18枚構成のオールガラス・オールアルミ鏡筒レンズを採用。電動レンズシフト機能に対応し、上下±100%、左右±43%の範囲をカバーしている。R/G/B各色の屈折率の違いを加味した5枚の特殊低分散レンズを備えることにより、シフト時の色収差やにじみなどを低減し、8K解像度を高品位に表示できるようにした。

レンズは口径100mmの大型サイズ。ちなみに画像に写っているのは海外版モデルで、日本版モデルはレンズの周囲にゴールドのリングをあしらうデザインとなるので注意されたい

さらに光学系もブラッシュアップしており、265Wの超高圧水銀ランプと効率化した光学エンジンを組み合わせることで、2,200lmの高輝度を実現する。ネイティブコントラスト比は100,000:1で、ダイナミックコントラスト比は1,000,000:1を確保している。

HDR規格は、HDR10/HLGの2種類に対応しており、BT.2020の広色域規格や10bit階調などの豊富な映像情報をサポートする。さらに、新しいシネマフィルターを採用することにより、DCI-P3色域を100%カバーするというのもポイントだ。

入力映像を解析し、黒のレベルを自動補正する「インテリジェント・レンズ・アパーチャー」も搭載し、コントラスト比を高めている

HDR10映像を最適画質に自動調整する「オートトーンマッピング」

もうひとつ、DLA-V9Rの機能として注目したいのが、HDR10映像の自動調整機能「オートトーンマッピング」だ。これは、コンテンツごとに明るさの異なるHDR映像を最適画質に調整するもの。映像データに含まれるメタ情報の中から、明るさを示すマスタリング情報を参照して、最適値に自動設定する。

いわばUltra HD Blu-ray再生時に、Dolby Vision的な調整をプロジェクター側が自動で行うようなものだ。こういった、HDRの表現に配慮した機能を備えているのは大きなポイントだろう。

オートトーンマッピングを適用した場合の画質イメージ。HDR映像の明るさの最大値=MaxCLLと、フレームごとの平均最大輝度=MaxFALLを参照し、最適な画質となるように自動調整を行う。なお、映像データにメタ情報が埋め込まれていない場合は適用できない

設定メニューを見ると、オートマッピング機能をオンにした場合は自動で値が調整されているのがわかる。ちなみに、オートマッピング機能をオフにして手動で画質調整も行える

ネイティブ4K対応モデル「DLA-V7」「DLA-V5」も

続いて、同時発表された「DLA-V7」「DLA-V5」を紹介しよう。2機種とも、ネイティブ4K表示に対応するD-ILAプロジェクターで、発売時期はDLA-V9Rと同じ2018年10月下旬を予定している。

DLA-V7。メーカー希望小売価格は100万円(税別)

DLA-V7。メーカー希望小売価格は100万円(税別)。下のDLA-V5と外観デザインは共通している

DLA-V5。メーカー希望小売価格は75万円(税別)。こちらはブラックとホワイトの2色がラインアップされる

DLA-V5。メーカー希望小売価格は75万円(税別)。こちらはブラックとホワイトの2色がラインアップされる

上位モデルのDLA-V7は、フラッグシップ機DLA-Z1に次ぐネイティブ4K対応のハイエンド機としてラインアップされる。DLA-V9Rと同じく新開発の0.69型ネイティブ4K D-ILAデバイスを3基搭載し、ネイティブ4K用デジタルドライバーLSIを採用。レンズは口径65mmサイズで、15群17枚構成のオールガラスレンズを搭載している。こちらも、電動レンズシフト機能に対応。明るさは1900lmで、ネイティブコントラスト比は80,000:1、ダイナミックコントラスト比は800,000:1。DLA-V9Rと同じくDCI-P3の色域を100%カバーするという。

下位モデルのDLA-V5は、高品位なリビングシアター用途にも使えるモデルとして位置づけられていて、ブラックモデルとホワイトモデルの2色をラインアップする。新開発の0.69型ネイティブ4K D-ILAデバイスや専用デジタルドライバーLSI、口径65mmレンズを搭載するなどのスペックはDLA-V7と共通。光学系の仕様が若干スペックダウンしており、明るさは1800lmで、ネイティブコントラスト比は40,000:1、ダイナミックコントラスト比は400,000:1となる。こちらはBT.709規格の色域に準拠する仕様だ。

また2機種とも、DLA-V9Rと同じくHDR10映像を自動で最適化する「オートトーンマッピング」機能を搭載するのも特徴だ。最新世代のネイティブ4Kプロジェクターとして、HDR映像の表現を高めていることに注目したい。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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