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final、オーテク、パイオニア、オウルテックの注目モデルを紹介!

3,000円以下で買えて音もいい! 最新高コスパイヤホン5選

3,000円以下で買えて音もいい! 最新高コスパイヤホン5選

いやはや、なかなかよい時代になったものだ、とこの頃特に感心させられているのが、低価格イヤホンに関してだ。

おっさんが昔を振り返るのは我ながらうっとうしく思うが、20年前、いや10年前に比べても、イマドキの低価格イヤホンは“使える”ものがずいぶん増えてきたように思う。20年前は、イヤホンはインナーイヤー型が主流で、密着性が乏しいため音質以前に音漏れが大きかったり、耳からこぼれ落ちやすく使い勝手も悪かった。10年前ぐらいになるとカナル型イヤホンが普及し始めるなどいまとそう変わらない状況になってきたが、1,000円2,000円のイヤホンは音質的にも耐久性も不満が多く、安物買いの銭失いという印象のものが大半だった。3,000円以上の予算があれば、フィリップスの名機「SHE9700」シリーズやゼンハイザー「CX300」など、良質な製品は存在していたものの、オススメできる機種は極端に少なかった。

それがいまや、2,000円前後のクラスでも充分に1本の記事が成り立つくらい、質のよい低価格イヤホンが充実してきた。特にここ数年は、中国や韓国ブランドの躍進もあってか、音質的なクオリティアップと装着製の改善が格段に推し進められ、中高生や女性などにもオススメできる製品が、いくつも登場している。

そんな、純正付属品からのアップグレードや予備用としての確保にピッタリな、良質なサウンドを持ち、それでいてリーズナブルなカナル型イヤホン最新モデルを今回はいくつか紹介しよう。

オーディオテクニカ「ATH-CK350」シリーズ

オーディオテクニカ「ATH-CK350M」

エントリークラスから超高級モデルまで幅広いイヤホン/ヘッドホンを展開しているポータブルオーディオ業界屈指のオーディオメーカー、オーディオテクニカ。同社がラインアップしている製品のなかでも、特にエントリーユーザーにオススメしたいのが「CK350」シリーズだ。

こちら、オーディオテクニカのラインアップのなかでは決してボトムエンド(最安値製品)ではなく、どちらかというと純正アップグレードの“アップグレード”部分が強調されている少し上のクラスに位置づけされている製品。ヒットモデルとなった先代、先々代がもう少し上の価格帯に位置していたが、最新の「CK350」シリーズではさらにリーズナブルな、2,000円未満の価格で入手できる製品となった。標準モデル「CK350M」は10色のカラーバリエーションを取りそろえている。セレーションコードを採用するケーブル部は、「CK350M」では1.2mの長さを採用しているが、リモコン付(「CK350iS」)や長さが0.6mのモデル(「CK350S」)など、幅広いバリエーションが用意されている。いっぽうで、筐体デザインは上級モデル「CKR」シリーズのイメージを踏襲した、上質な印象に仕立てられているのも特徴だ。

かなり手頃な価格の「CK350」シリーズだが、音質的には先代を凌駕する良質なサウンドにまとめ上げられている。10mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載し、メリハリある低音を再生するため筐体内部に専用ダクトを装備した「CK350」のサウンドはというと、ひとことで表現するとメリハリのよいクリアな印象。低域はたっぷりとした量感を持つが、明瞭なうえ中域のボーカルなどにも被ることがないため、ダイレクト感の高い、メリハリのあるサウンドを楽しむことができる。高域はエッジの鋭いキレのある音色だが、中域の量感がしっかりしているためかそれが痛々しい表現には結びつかず、とてもクリアな印象となっている。結果として、女性ボーカル声質は個性がしっかりと伝わってくるし、普段よりも幾分ヌケのよい歌声に感じられる。なかなかまとまりのよいサウンドといえるし、この金額でこの音質を入手するのははっきりいってこれまで不可能だった。完成度の高い、とても良質な製品だ。

パイオニア「SE-C1T」

パイオニア「SE-C1T」

パイオニア製イヤホンの新スタンダードモデル。9mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載し、ドライバーを耳穴に向けてレイアウトする「イヤーダイレクトマウント構造」によってさらなる音質向上が追求されている。カラーバリエーションは6タイプが用意されるが、それぞれ筐体やイヤーチップはもちろん、コードも含めてワントーンでコーディネイトされているのが特徴だ。ケーブルには、1ボタンタイプのマイクつきリモコンが採用されている。

カジュアルな外観、そして1,400円前後という価格も含めて、まさに“純正アップグレード”にピッタリの製品だが、決して侮るなかれ。そのサウンドはなかなかのものだったりする。ややウォーミーな、ややメリハリ表現に粗さのある音色傾向ではあるものの、解像感はしっかりと確保されているし、何よりも高域が鋭すぎたりざらついたりすることなく、迫力のよさと聴き心地のよさが巧みに両立された、良質なサウンドを実現しているのだ。おかげで、MYTH & ROIDのような音圧高く激しい演奏の楽曲を聴いても破綻なく、それでいて迫力満点のサウンドが楽しめる。いっぽう、アコースティック楽器の音色も良好で、チェロは幾分柔らかい表現の音を、ピアノはのびのびとしたクリアな音を楽しませてくれる。音楽ジャンルをそれほど選ばない音色傾向は、ありがたい限りだ。

とはいえ、もっとも好印象なのは女性ボーカルだ。中域にしっかりとした厚みがあり、高域への伸びが素直な恩恵か、グッと一歩前に出てきたかのような強い存在感がある。また、声質的には普段よりほんのちょっぴり大人っぽいイメージで、そのうえ言葉まわしがしっかりしているため、とても聴きやすい。ボーカル系をよく聴く人は、是非その音を一回チェックして欲しい、コストパフォーマンス抜群の製品だ。

オウルテック 「Samu SE01」「Samu SE02」

オウルテック 「Samu SE01」 オウルテック 「Samu SE02」

パソコンやスマホの周辺機器をメインに手がけるオウルテックが、近年はオーディオ製品にも積極的に展開している。その最新モデルがハイレゾ対応のカナル型イヤホン「Samu SE01」と「Samu SE02」だ。

こちら、金属ハウジングを採用する「Samu SE01」とジルコニア・セラミック製ハウジングを採用する「Samu SE02」、2機種が同時にリリースされており、どちらも8mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載し、ケーブル内部に2万回以上の折り曲げ試験をパスする耐久性と柔軟性をもつアラミド繊維を採用するなど、ハウジング素材&デザイン以外は共通となっている。しかしながら、実際に視聴してみると、両者で音色傾向が結構異なっていたりするので面白い。

まず「Samu SE01」は、メリハリのよい中高音とたっぷりとした量感を持つ低域が組み合わされたサウンドが特徴だ。このうち低域は、柔らかく広がるイメージで聴き心地がよい。音量はあるが一般的な重低音とは異なるイメージの質感だ。いっぽう、高域は鋭く立ち上がるタイプで、女性ボーカルを聴くとややハスキーな、同時にどこかちょっと可愛いイメージの歌声となる。また、ギターやドラムのスネア&ハイハットもキレがよく普段よりパワフルなので、グルーヴ感が高く迫力のある演奏になっている。DAPと組み合わせるとなりっぷりが奔放過ぎる傾向も垣間見られるので、もしかするとそれほどパワーのないプレーヤーでも充分に鳴ってくれることを重視しているのかもしれない。昔(ヘッドホン出力端子のあった頃)のiPhone 5sで視聴してみたところ、バランスのよいサウンドとなった。

対して「Samu SE02」のほうは、全帯域でフォーカス感が向上し、より細やかな音が聴こえるようになった、ジェントル方向にシフトしたサウンドだ。結果、アコースティック楽器との相性がよくなっているが、その分、人によっては低域の量感の多さや高域の鋭さが気になるかもしれない。

いずれにしろ、「Samu SE01」も「Samu SE02」もこの価格帯の製品としては良質なサウンドを持ち合わせているので、自分の好みに合うか、是非聴いてみて欲しい。

final「E1000」

final「E1000」

ひとつ上どころか、2つ3つ上のクラスにも迫るほどの極上サウンドを持ち合わせ、多くのユーザーの注目を集めてブランド最大のヒット作となったファイナル「E2000」「E3000」。その好評さを受けて、さらに徹底して音質を追求したモデル「E4000」「E5000」が追加され、さらにエントリー向けEシリーズとしてこの「E1000」がラインアップされた。

“イヤホンビギナーにもいい音を届けたい”“中高生の小遣いでも買える価格のEシリーズを”というテーマで作り上げられたというこの「E1000」は、2,500円前後という価格の縛りを前提としながらも、6.4mm口径のダイナミック型ドライバーユニットや、最新の音響工学と音響心理学を盛り込んだサウンドチューニング、耳道の傾きにジャストフィットするイヤーピーススィングフィット機構、さらにはこの価格帯では望外といえる5サイズ同梱のオリジナルイヤーピースなど、Eシリーズならではのこだわりは変わらず反映されている。上位モデルとの違いは筐体が樹脂製となり、ケーブルに異なるタイプが採用されるなど、数少ない。逆に、ケーブルは上位モデルより扱いやすくなっていて、幅広いユーザーにオススメしやすかったりする。装着感に関しても、ハウジングがとても軽量で快適だ。

さて、実際のサウンドはというと、クセのない素直なキャラクターが特徴だ。低域は余計なボリューム増しがなく、高域の伸びも穏やかでいっさいのピークがない。とても聴きやすい、演奏本来の姿がよくわかるニュートラルな表現だ。

上位モデルに比べると、空間的な広がりやメリハリのピークがやや抑えられ、やや客観的な方向にシフトした印象だ。当然のように、解像感も下がっている(とうか「E2000」「E3000」が価格に見合わない優秀さを持ち合わせているのだ)。とはいえ、決して演奏のノリや楽しさが薄まっているわけではなく、ほんのちょっと距離を置いて演奏の前回を眺めているイメージに近い。その分バンド編成のまとまりがよく感じられ、音楽を俯瞰的に眺められるので、こういったサウンドのほうが好み、という人も少なからずいそうだ。

いずれにしろ、この価格帯の製品としてはトップグルーブの音質的コストパフォーマンスの高さだし、何よりもこのサウンドキャラクター、低価格モデルではほとんど見かけられないニュートラルな音色傾向はとても希少だ。迫力やノリのよさも捨てがたいが、「E1000」で音楽の本質を正しく見据えるのも大いに推奨したい。

まとめ

実をいうと、ずっと以前から(実際15年以上にわたって)低価格エントリーイヤホンの音が“まとも”なことはとても重要、ということをアピールし続けきた。そういう人間にとって、いまの状況は嬉しいかぎりだったりする。

もちろん、あらゆる家電製品は安価なものよりも高価なもののほうが品質が良く、イヤホンも低価格モデルより高級モデルのほうが圧倒的に音質がよい。しかしながら、現在の低価格イヤホンは、スパイス効かして質の悪さを誤魔化すような手法が幅をきかせる時代は終わり、どんなサウンドをユーザーに聴いて欲しいか、メーカーの真意がしっかりと反映できる存在となってきている。ゆえに、明確なコンセプトや方向性を持っているメーカーは、こういったエントリークラスのモデルでもしっかりしたサウンドを作り上げている。

今回紹介したほかにも、ソフトバンクセレクション、MUIX、スカルキャンディ、SATOLEX、ZERO AUDIO、ELECOMなどからも良質な製品がラインアップされている。是非とも、多くの製品の音に触れてみて、自分にとってのいちばんを見つけ出して欲しい。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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