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蛇腹型の振動ユニットで臨場感たっぷりの映像体験を実現!

ウェアラブルネックスピーカーに本命登場!? シャープ「AN-SX7A」速攻レビュー

昨年11月に“AQUOSサウンドバートナー”という新ブランドを立ち上げ、首に乗せて装着するウェアラブルネックスピーカーに参入したシャープ。第1弾製品の登場からまだ半年も経っていないが、早くも第2弾モデル「AN-SX7A」が登場する。発売は3月16日、価格はオープンプライス、市場想定価格は3万円前後(税別)を想定している。また、第1弾モデル「AN-SS1」のカラーバリエーション2色も追加もあわせて発表された。

シャープからウェアラブルネックスピーカー“AQUOSサウンドバートナー”の第2弾モデルが登場

シャープからウェアラブルネックスピーカー“AQUOSサウンドバートナー”の第2弾モデルが登場

新モデルの「AN-SX7A」は3月16日発売。市場想定価格は3万円前後

新モデルの「AN-SX7A」は3月16日発売。市場想定価格は3万円前後

“AQUOSサウンドバートナー”の初代モデル「AN-SS1」からわずか約4か月間という短期間で登場した「AN-SX7A」、どんなコンセプトの棲み分けがなされているのか? という所が気になる所。商品企画を担当した片山氏の語る所によると、昨年11月に発売した「AN-SS1」は約88gという軽量で家事、散歩をしながら流す“ながら派”に向けた製品として開発されたのに対し、「AN-SX7A」は音楽や映画に集中する音質重視の“没入派”に向けた製品とのこと。

“AQUOSサウンドバートナー”の新モデルを解説するシャープ片山氏

“AQUOSサウンドバートナー”の新モデルを解説するシャープ片山氏

「AN-SX7A」最大の特徴は、“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”と呼ばれる、迫力の重低音と振動による臨場感を実現するシステムを搭載したこと。それでいて、サイズは227×181×46mm、本体重量は280gに抑えている。これは先行するソニー、JBL、BOSEの3社のなかでもっとも軽いBOSE(266g)に次ぐ軽さだ。連続再生時間も約13.5時間と、かなりのスタミナを確保している。

製品パッケージにはテレビ接続用にBluetooth送信機を同梱。テレビからの音声入力は新たに光デジタルと3.5ミリステレオミニのアナログの2系統となった。スマホとBluetoothでのペアリングも可能で、Bluetoothは5.0を採用。対応コーデックはSBC/AAC/apt X/apt-X LL(Low Latency)対応と、「AN-SS1」のSBCのみから対応コーデックを大幅に増やしている。

初代モデル「AN-SS1」よりもやや大柄になった本体

初代モデル「AN-SS1」よりもやや大柄になった本体

テレビとの接続用にBluetooth送信機を同梱。アナログと光デジタルの2系統の入力端子を備える

テレビとの接続用にBluetooth送信機を同梱。アナログと光デジタルの2系統の入力端子を備える

Bluetotoh接続機と接続する際の接続コーデックは「AN-SS1」で利用していたクアルコム社のFastStreamから、「AN-SX7A」では同じクアルコム社のapt-X LL(Low Latency)への変更となった。変更の理由は、どちらもクアルコム社による低遅延コーデックで同等程度の効果があるということと、apt-X LL(Low Latency)はスマホ等にも対応機種があるためメジャーコーデックに切り替えた、という意味合いが大きいとのことだ。

6年の設計・試作を経て搭載された“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”

「AN-SX7A」のサウンドのポイントである“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”についても、開発の背景とともにその設計思想の解説が行われた。

“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”を解説するシャープ簑田氏

“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”を解説するシャープ簑田氏

「AN-SX7A」はネックバンドの先端部にスピーカーを搭載

「AN-SX7A」はネックバンドの先端部にスピーカーを搭載

“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”のスピーカー構造についてはバスレフ型とパッシブラジエーター型構造を組み合わせたハイブリッド型。スピーカーユニットはウェアラブルネックバンドスピーカーの一番前の位置に左右ステレオ構成で付けられているが、その後ろのバスレフダクトの周囲に、スピーカー背面に放出される音の圧力よって伸び縮みし、パッシブラジエーターの役割をする蛇腹型の振動ユニットを搭載。低音の音自体はバスレフダクトで再現し、振動ユニットはほぼ振動に特化という役割分担になる。この構造により、音量を大きくすると振動まで極端に大きくなることを抑えられたのだという。

「AN-SX7A」には、標準、ダイナミック、ボイスの3つのサウンドモードが搭載されている。振動を増やしたい場合には、サウンドモードを標準からダイナミックに切り替えることでレベルを引き上げられ、逆にボイスモードでは人の声をクリアにするため、振動を最小限に抑えた設計となっている。

“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”の音響設計

“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”の音響設計

振動を生み出す構造は蛇腹型の振動ユニット

振動を生み出す構造は蛇腹型の振動ユニット

3つのサウンドモードは、それぞれ周波数特性が異なっており、こちらで振動をコントロールしている

3つのサウンドモードは、それぞれ周波数特性が異なっており、こちらで振動をコントロールしている

「AN-SX7A」に採用された“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”に至るまでのシャープ社内でのウェアラブルネックスピーカーの開発の歴史は実は2013年までに遡り、当時栃木県矢板市にある薄型テレビの音響設計をしていた開発陣による“アイラボ”という有志メンバーによる集まりから試作がスタート。バスレフ型、パッシブラジエーター型、骨伝導型、蛇腹振動+バスレフ型、無線化という変遷を経て、現在の“ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM”のシステムが出来上がったそうだ。

昨年大ブレイクを果たしたウェアラブルネックスピーカーという商品カテゴリにシャープも後追いで商品を出したと誤解されがちだが、“AQUOSサウンドバートナー”の登場の前には6年も前から試作検討を重ねていた上での商品化があったというわけだ。

2013年からスタートしたウェアラブルネックスピーカー開発の歴史

2013年からスタートしたウェアラブルネックスピーカー開発の歴史

「AN-SX7A」のサウンドを速攻チェック

製品説明会の会場ではNetflixのオリジナルドラマ作品、そして8K放送の大相撲中継を使った「AN-SX7A」のデモンストレーションが行われていたので、僕自身も装着して効果のほどを体験してみた。

Netflixのオリジナル作品などでデモを実施

Netflixのオリジナル作品などでデモを実施

まず、「AN-SX7A」を身に着けた感想は、見た目以上に軽く負担がないということ。本体重量は266gで首への負担もほとんどないし、首回りにゆったりと収まるイメージ。なお、「AN-SX7A」の首周りのネック部分も曲げられる構造なので、調整幅も確保されている。

「AN-SX7A」を装着すると前方位置にスピーカーが来る形

「AN-SX7A」を装着すると前方位置にスピーカーが来る形

首元はスッキリしていて重量感はほとんど感じない

首元はスッキリしていて重量感はほとんど感じない

ネック部分は柔軟性のあるエラストマー素材を採用

ネック部分は柔軟性のあるエラストマー素材を採用

テレビから「AN-SX7A」にワイヤレスで接続した音を流してみると、まず特筆するべきことがちゃんと顔の前方あたりに音が定位するということ。先行した3社のレビューの際には(https://kakakumag.com/av-kaden/?id=12289)、実際には首の横あたりから上向きに音の出ているはずが、首の後ろあたりに音像定位するモデルがあったのだ。「AN-SX7A」の音像定位は正面、首の前あたりで、画面を見ながらドラマのセリフを聴いても違和感は少ない。銃を発砲するようなアクションも音が下から出るイメージもさほどなく、自然に耳を包み込むような空間と銃声のキレを再現できていた。

轟音の低音も鋭く沈み、程よく感じる振動で臨場感を生み出している。なお、もっとド派手にズンズンとした振動が欲しい!という人は、サウンドモードを“ダイナミック”に切り替えると、派手派手しく低音に反応してくれる。

8K AQUOSによる8K放送と組み合わせて試聴した相撲中継は、国技館の雑然として雰囲気、行事の声と自然な音の広がりとクリアさで聴き取れ実用性はかなり高いと感じた。

シャープの“AQUOSサウンドバートナー”第2弾「AN-SX7A」は、ウェアラブルネックスピーカーの製品のなかでも特に完成度の高さが光るモデル。先行した3ブランドのようなコンセプチュアルな製品から一歩踏み出して、“普通に使える”と呼べる完成度が魅力だ。

同時に発表された「AN-SS1」の新色”ROSE GOLD”と”MINT GREEN”。こちらは“ながら派”に向けた製品だ

同時に発表された「AN-SS1」の新色”ROSE GOLD”と”MINT GREEN”。こちらは“ながら派”に向けた製品だ

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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