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あのヒットモデルの後継機が3年半ぶりに登場

新機能「パラレルBTL」に注目! マランツのネットワークCDレシーバー「M-CR612」

マランツから、ネットワーク機能を搭載するコンパクトなCDレシーバー「M-CR612」が発表された。発売は2019年4月下旬で、メーカー希望小売価格は70,000円(税別)。

型番を見てピンと来た方も多いと思うが、本機は2015年に登場したネットワークCDレシーバー「M-CR611」の後継機となる。実に3年半ぶりとなるM-CRシリーズの新作登場に、期待の高まる方も多いのではないだろうか。実際、「パラレルBTL」など注目の新機能を搭載しているのが見どころだ。その進化ポイントを紹介していこう。

ついに登場! あの「M-CR611」の後継機

M-CR612は、シリーズ第5世代として登場したオールインワンタイプのオーディオレシーバー。1台でCD/ネットワーク/Bluetoothなどの再生が行える。Wi-Fiに準拠し、ホームネットワークを使用して音楽ストリーミングサービスの聴取、さらにスマートスピーカーとの連携にも対応しているほか、AM/FMチューナーも内蔵する。

こちらがM-CR612。フロントに視認性の高い有機ELディスプレイを搭載するシリーズ共通のシンメトリーデザインで、ハードコートのアクリルトップパネルを採用。4色イルミネーションのギミックも引き継いでいる。音声入力端子にはアナログと光デジタルを1系統ずつ、音声出力端子にはアナログ(固定/可変)、サブウーハープリアウト、ヘッドホンを1系統ずつ備えている。また、USB-A端子やAM/FMアンテナ入力なども装備

上のシルバーゴールドのほかに、ブラックモデルもラインアップ

上のシルバーゴールドのほかに、ブラックモデルもラインアップ。ブックシェルフスピーカーと組み合わせると、コンパクトさがよりわかりやすい

外付けUSB-HDD接続や、インターネットラジオの聴取も可能。詳細は後述するが、オールインワンコンポとして最新サービス各種に対応している

前世代モデルのM-CR611も、同じくネットワーク対応の一体型オーディオレシーバーとして登場した製品だった。デジタルアンプを使用して内部のスペースファクターを有利に使い、マランツのサウンドクオリティを維持しながら筐体の小型化に成功したことが特徴。さらにアンプを左右2組ずつ搭載する4chスピーカー出力構成で、コンパクトながらバイアンプ接続にも対応するというある種トガったスペックでありつつ、クオリティの高さでオーディオファンから好評を博した1台だったと言える。

新モデルM-CR612の特徴を簡単に言うと、そんなM-CR611の魅力を継承しつつ、音質と機能の両面で強化されていることだ。この3年半の間に大きく変わったオーディオシーンに対応すべく、進化を遂げている。

M-CR612(左)と、前世代モデルのM-CR611(右)を並べたところ。筐体の大きさはほぼ同じで、本体サイズ280(幅)×111(高さ)×303(奥行)mm、重量3.4kgというコンパクト化を実現。基本のデザインコンセプトも継承しているが、ボタンの配置などよりシンメトリー感が増している

高音質設計を大幅強化

まずは、要となる音質設計から見ていこう。M-CR612の特徴は、やはり従来モデルと同じくデジタルアンプを採用し、入力から出力までの全ステージをデジタル処理するフルデジタル構成。実用最大出力は60W+60W(6Ω、1kHz、THD+N 10%、JEITA)を確保している。

内部には、同社のプリメインアンプ「PM-10」「PM-12」の開発過程で蓄積されたノウハウが投入されており、デジタルパワーアンプの周辺回路が刷新されているのがポイントだ。具体的には、ほかの回路と共有していた電源回路をパワーアンプ専用とし、電源由来のノイズを大幅に低減させている。

もちろん使用パーツにもこだわっており、デジタルパワーアンプの要となるPWMプロセッサーにローノイズタイプを使用するほか、超低ESR伝導性ポリマーコンデンサーを採用して低ノイズ化するなど、細かい部分でより高音質化を図った。

内部は左右チャンネルの音質差を排除するために、グラウンドラインも含めたオーディオ回路を左右対称にレイアウト。基板上のグラウンドラインを最適化し、同社のSACDプレーヤー「SA-12」と同等の超定位相雑音クロックを搭載するなど、デジタル回路動作を高精度化している(写真はクロックを搭載するCD基板)

ローパスフィルター回路には、本機のためにチューニングを施したという専用設計のOFC線とマンガン亜鉛コアによるインダクター、高音質フィルムコンデンサーを採用。PWMプロセッサーには専用電源を配置し、従来モデルと比較して低ノイズ化を実現している

基板に使用する低ESR/ESL導電性高分子電解コンデンサーは、3メーカー3タイプを使い分けて配置。最適な個所に使用することで、低ノイズ化だけでなく高品位な音質も実現する

ヘッドホンアンプには、新しくHDAM-SA2型のディスクリート高速電流バッファアンプを採用。ハイスルーレートオペアンプに高速電流バッファアンプを組み合わせた構成で、ヘッドホン再生時のサウンド強化を図っている。3段階のゲイン切替機能付き

新機能「パラレルBTL」に注目!

続いて、機能面で注目したいのがこちら。上述のフルディスクリート・デジタルアンプ構成の魅力をよりよく楽しめる機能として搭載された「パラレルBTL」だ。以下に説明していこう。

M-CR612は、左右に2組ずつ合計4組のアンプを搭載する「4chスピーカー出力設計」を前世代から継承している。スピーカーに接続した際のアンプモードは、「標準」(※本機は、標準のシングルワイヤー接続がBTL駆動モードとなる)と、バイワイヤリング対応スピーカーを接続した場合の「バイアンプ」に対応する。ここまでは従来と同じだ。

そこに新しく加わったのが、新機能「パラレルBTL」である。これは、スピーカーをシングル接続したときに、内蔵する4組のアンプを全部使って駆動するというモード。バイワイヤリング非対応のスピーカーでも、シングルワイヤー接続のままで全内蔵アンプの地力を享受できる機能である。

内部接続イメージ図は上記の通り

スピーカーの接続イメージは上図の通り。スピーカー接続モードを変更すると、内部で上の図のようにリレーが切り替わる仕組みになっている

というわけで、アンプモードは「標準」「パラレルBTL」「バイアンプ」の3モードを搭載。設定はメニューから行う。デフォルト設定は「標準」になっているが、電源をOFFにしても最後に使用したモードのまま設定が保存される。シングルワイヤー接続する場合は「パラレルBTL」に、バイワイヤー接続する場合は「バイアンプ」にしておくのがよさそう

マランツの発表によれば、この「パラレルBTL」接続を行うと、ダンピングファクターが通常のBTL接続に比べて約2倍に向上するという。そのおかげで、中低域の量感が増し、締まりも生まれるのが特徴だ。なお、接続するスピーカーに合わせて、低域の周波数特性を5段階で設定できるモードも搭載している。

ネットワーク接続能力も向上。最新サービス各種に対応

上述の通り、M-CR612はネットワーク接続に対応している。Wi-Fi規格はIEEE 802.11 a/b/g/nに準拠し、2.4GHz/5GHzの両方に対応。こういったネットワーク機能やサービスに関連する部分は、世の中的にこの3年半で大きく変わった部分だ。

本機はネットワーク経由で、最大192kHz/24bitまでのFLAC/WAV/ALAC、最大5.6MHzまでのDSD(再生時はPCM変換)をサポートする。加えて、マランツとデノン独自の「HEOSテクノロジー」に対応し、両ブランドのオーディオ機器とホームネットワーク内でシームレスに連携できる。

さらにアップルのワイヤレス再生機能「AirPlay 2」にも対応するほか、Amazon Music、AWA、Spotifyといった音楽ストリーミングサービスの再生にも対応。加えて、スマートスピーカー「Amazon Alexa」と連携し、音声での操作も行えるようになっている。シリーズ最新モデルとして、この3年半の間に登場した新しいネットワーク機能やサービスへの対応を果たした形だ。

HEOSテクノロジーに対応し、専用アプリを使ってシームレスな操作も可能に

HEOSテクノロジーに対応し、専用アプリを使ってシームレスな操作も可能に

まとめ

というわけで、M-CR612を見てきたが、いかがだっただろうか? そのほかでは細かいところだが、ボリュームのステップが60から100へ細分化されたことにも注目したい。小音量時でも細かくボリュームを調整できるように施された改良だ。

加えて、テレビと光デジタル接続した際に、テレビと連動して電源が入る設定も可能になった。このように、リビングに置いて使用しやすいスペックになっているのもポイントだろう。マランツのサウンドクオリティを担保しつつ、現代のオーディオシーンに合わせて機能強化されているのがわかる。

なお、新機能の「パラレルBTL」に関しては、前世代モデルのバイアンプ対応設計を継承し、さらに発展させるというM-CRシリーズならではの進化と言えるもの。実際、通常のBTL接続時の状態と聞き比べてみると、「パラレルBTL」接続時のほうがサウンドの密度感が上がり、ボーカルものは声の厚みが増しているように感じられるほどだった。ぜひ、多くの方にそのサウンド効果を体験していただきたい。

リビングでの設置イメージ。B&WやDALIのスピーカーとのセット販売も予定されている

リビングでの設置イメージ。B&WやDALIのスピーカーとのセット販売も予定されているので、こちらにも注目

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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