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全機種新4K放送ダブルチューナー。最上位はタイムシフトマシンも搭載

映像制作のプロ仕様満載な東芝有機ELレグザ2019年モデル「X930」「X830」登場

有機ELレグザ2019年モデル「X930」「X830」

有機ELレグザ2019年モデル「X930」「X830」

東芝映像ソリューション(以下、東芝)の薄型テレビREGZAの最上位モデルとなる有機ELテレビの2019年モデルがついに発表された。今年はタイムシフトマシン4K有機ELレグザ Pro「X930」シリーズ(65/55型)、4K有機ELレグザ Pro「X830」シリーズ(65/55型)と、有機ELテレビだけで2シリーズ展開。「X930」シリーズは7月中旬、「X830」シリーズは6月下旬の発売予定だ。

「X930」シリーズ、「X830」シリーズの価格は以下の通り。

■「X930」シリーズ
65X930(65型/7月中旬発売/市場想定価格55万円前後)
55X930(55型/7月中旬発売/市場想定価格35万円前後)

■「X830」シリーズ
55X830(65型/6月下旬発売/市場想定価格49万円前後)
55X830(55型/6月下旬発売/市場想定価格29万円前後)

東芝有機ELレグザ2019年モデル最初の疑問は「X930」「X830」の違いは!? という所だと思うが、「X930」「X830」の差分は全録機能である「タイムシフトマシン」の有無とデザイン、スピーカーの違い。画質については完全に共通となっている。

2019年の有機ELレグザのキーワードは“プロスペック”

2019年の有機ELレグザのキーワードは“プロスペック”

「X930」は「タイムシフトマシン」の全録に対応

「X930」は「タイムシフトマシン」の全録に対応

「X830」は「タイムシフトマシン」に非対応

「X830」は「タイムシフトマシン」に非対応

「X930」「X830」の2シリーズとなった東芝4K有機ELレグザ Proは、東芝の薄型テレビのなかでも最上位モデルに位置付けられる。REGZAシリーズを担当するマーケティングブランド統括マネージャーの本村裕史氏は「有機ELの輝度が上がり昼間のリビングも含め、どんな状況でも有機ELが有利になった」、「有機ELにあった焼き付きリスクに対してかなりの改善が進んだ」、「有機ELの価格が下がり10年前の液晶テレビから買い替えられる価格になった」という3点を理由に、数年先を見据えても有機ELテレビを本命と位置付ける。

有機ELモデルの特徴を解説する東芝映像ソリューションの本村裕史氏

有機ELモデルの特徴を解説する東芝映像ソリューションの本村裕史氏

「X930」「X830」は映像制作のプロフェッショナル向けの機能が満載

2019年モデルの「X930」「X830」の特徴は、まず新4K放送チューナーが新たにダブルチューナー搭載となり裏番組録画対応となったこと。有機ELパネルは2019年仕様の新世代有機ELパネルを採用により同社モデル専用にガンマ特性、輝度特性のチューニングを実施。映像エンジンはすでに発表済みの4K液晶レグザ「Z730X」と共通の「レグザエンジンProfessional」を搭載している。

2019年仕様となった新世代有機ELパネルを独自チューニング

2019年仕様となった新世代有機ELパネルを独自チューニング

HDRの対応信号フォーマットについても、以前から対応するHDR10、HLGに加えて、新たにDolby Vision、HDR10+に対応。現在一般的に用いられている4方式全対応という業界トップの汎用性を備える。

 高画質処理エンジンは引き続き「レグザエンジンProfessional」

高画質処理エンジンは引き続き「レグザエンジンProfessional」

対応HDR信号にDolby Vision、HDR10+も加わり4方式に対応

対応HDR信号にDolby Vision、HDR10+も加わり4方式に対応

2019年の有機ELレグザ「X930」「X830」のキーワードが“プロスペック”だ。プロの意味する所は、単に最高画質というだけでなく、「X930」「X830」には本当に映像制作のプロフェッショナルが用いる業務用モニターとして必要な機能が実装されている所にある。

「X930」「X830」に搭載される映像制作のプロフェッショナルに求められる機能はいろいろあるが、代表的なのがHDR信号を受ける際にEOTF(Electro-Optical Transfer Function/電気光伝達関数)のメタデータがなくても手動指定が可能な「強制モード設定」。映像制作の現場で編集過程の映像を映すために求められる機能だ。さらに映像信号の確認用にHDRの詳細情報を表示する「ダイナミックメタデータ表示」、「色空間マニュアル設定」、そして「映像情報分析」にも対応。ほかにもHDR入力に対して手動でMaxCLL(コンテンツ最大輝度)情報を選択できたりと、ひたすらにマニアック。

映像制作のプロフェッショナル向け機能を搭載

映像制作のプロフェッショナル向け機能を搭載

HDRの映像信号に含まれるMaxCLL(コンテンツ最大輝度)を手動設定

HDRの映像信号に含まれるMaxCLL(コンテンツ最大輝度)を手動設定

HDRの方式とメタデータに含まれる情報も表示

HDRの方式とメタデータに含まれる情報も表示

これらは前機種の「X830」を業務用として販売する際にはカスタムファームウェアとして提供していた機能がベース。一般の家電量販店で購入できる「X930」「X830」に、映像制作の現場で求められる機能がそのまま搭載されるのは異例だ。

また、「X930」は外部入力端子のスペックも強力だ。HDMI端子は業界最高の7系統を搭載していて、すべての端子がハイスピードの18Gbps対応。なお、HDMI 1-4までは映像エンジンに直結、HDMI 5-7はシステムSoC経由の接続になるので、高画質にこだわるマニアはHDMI 1-4の優先を推奨したい。

ハイスピード18Gbps対応のHDMI端子7系統というスペックも圧巻

ハイスピード18Gbps対応のHDMI端子7系統というスペックも圧巻

映像制作会社に対しては発売前からコミュニケーションが行われ、株式会社IMAGICA Lab.、映画監督樋口真嗣氏のプライベートスタジオ、NTT MEDIA LAB、株式会社ピクチャーエレメントがすでに導入を決定している。

複数の映像制作会社がすでに導入を決定

複数の映像制作会社がすでに導入を決定

「リビングAIピクチャー」搭載で設置場所や照明環境に応じて高画質化

一般家庭向けの高画質技術としては、新たに「リビングAIピクチャー」が搭載されたのがトピック。

今年発売された「Z730」までのREGZAの既存モデルは、明るさセンターを使って計測した周囲の明るさにあわせて映像を自動調整する「おまかせ」に対応していたが、「X930」「X830」では新たに色温度センサーを搭載。外光の明るさだけでなく、照明色なども自動で認識し、設置環境に応じてホワイトバランスや輝度をリニアにコントロールすると同時に、映画やスポーツといった視聴しているコンテンツをAI技術で判別して画質調整を行うことで、従来の「おまかせ」から高画質技術を大幅に強化しているのだ。

色温度センサーによる映像最適化「リビングAIピクチャー」

色温度センサーによる映像最適化「リビングAIピクチャー」

実際に照明の色や明るさに応じて色が少しずつ変化していく様子も披露された

実際に照明の色や明るさに応じて色が少しずつ変化していく様子も披露された

高画質エンジンについては「レグザエンジンProfessional」と4K液晶テレビの2019年夏モデル「Z730X」に先行して搭載されたものと共通。「AI超解像技術 深層学習超解像」、「AI超解像技術 バリアブルフレーム超解像」、「AI機械学習HDR復元」、「美肌リアライザーHDR」といった最新の4K液晶レグザに搭載されている高画質機能はすべて搭載される。

サウンドについては「X930」「X830」で差分のあるポイントだ。

「X930」は「有機ELレグザオーディオシステムPRO」を搭載。新型対向型パッシブラジエーター方式BOXと新型フルレンジスピーカー&シルクドームツイーターによる対向型パッシブラジエーター方式2ウェイスピーカーという構成で、豊かな低音再生と透明感あるクリアな音質を再現。

「X830」は「有機ELレグザオーディオシステム」だが65型と55型でさらにスピーカー構成が異なり、65型は新開発ダブルウーハー+シルクドームツイーター+バスレフ型BOX、55型は新開発ウーハー+シルクドームツイータ+バスレフ型BOXを搭載している。

もちろん、「Z730X」と同じ音質補正技術の「レグザサウンドプロセスVIR」も搭載し、「VIRイコライザー」や「レグザサウンドリマスター」は「X930」「X830」とも対応している。

「X930」搭載の「有機ELレグザオーディオシステムPRO」

「X930」搭載の「有機ELレグザオーディオシステムPRO」

「X830」搭載の「有機ELレグザオーディオシステム」

「X830」搭載の「有機ELレグザオーディオシステム」

冒頭でも触れた通り、「X930」は東芝の自由な視聴スタイルを実現する「タイムシフトマシン」を搭載したのに対して「X830」は非搭載となる。ただし、4Kダブルチューナー、地デジ/BSのダブル録画搭載の3チューナー、クラウド連動の「みるコレ」は「X930」「X830」で共通。薄型テレビの業界全体で考えると、「X830」も十分多機能なテレビに数えられるだろう。

「X930」「X830」付属のリモコン

「X930」「X830」付属のリモコン

昨年4月より中国ハイセンス傘下のブランドとなっている東芝映像ソリューションによるREGZA。だが、2019年の有機ELテレビ「X930」「X830」となっても高画質を追求する姿勢はまったくブレず、プロフェッショナル向け機能の実装と尖った方向に突き抜けてきた。プロフェッショナル向けの機能は一般ユーザーが一生触る必要もない機能ばかりだが、AVファン向けに趣味性を極めた製品としての作り込みは歓迎したい。

レグザ純正壁寄せテレビローボード「RWB-S150A-O/W」も発表された。6月下旬発売で、市場想定価格は7万円前後

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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