レビュー
テレビの視聴スタイルがガラリと変わる

パナソニックの全録レコーダー「DMR-UBX8060」のスマホ連携が最強過ぎる!

テレビ番組を録画するブルーレイレコーダー。デジタル機器に強い人からはレガシーなAV機器ととらえられがちだが、“スマホ連携”を前面に打ち出して現在人のライフスタイル、テレビ視聴スタイルに合わせたレコーダーの再構築に積極的なブランドがパナソニックの「おうちクラウドDIGA(ディーガ)」だ。5月に発売したばかりの「全自動DIGA」の新モデル「DMR-UBX8060」を使って、今どきの視聴スタイルを践してみたので、今回はそのレポートをお届けしよう。

検証のため我が家のテレビラックに収納されたパナソニック「DMR-UBX8060」。実売価格は20万円弱

検証のため我が家のテレビラックに収納されたパナソニック「DMR-UBX8060」。実売価格は20万円弱

「おうちクラウドDIGA」の最上位モデルにあたるDMR-UBX8060の基本スペックは、内蔵HDDが8TB、11チューナーを搭載していて、最大10chの自動録画に対応する。上位機種が“全番組録画”になる理由は、全チャンネル24時間録画しておけばレコーダーの大敵である“録り逃し”が理論上発生しないためだ。

DMR-UBX8060のセットアップでは、最初に「全自動DIGA」としてチャンネル録画に導かれる。首都圏ではNHK+民法キー局で6ch、地方局を追加しても7、8局で足りる。ユーザーによってはBS/CSを追加するスタイルもあるだろう。DMR-UBX8060はチャンネル別に録画モードを1.5倍-15倍で選べる。

多機能を物語る「DMR-UBX8060」の付属リモコン

多機能を物語る「DMR-UBX8060」の付属リモコン

テレビのリモコンUIの細かな解説は省略するが、テレビ向けの操作性もサクサクで使いやすい

テレビのリモコンUIの細かな解説は省略するが、テレビ向けの操作性もサクサクで使いやすい

録画モードは細かく選べるので画質と保存期間との兼ね合いになるが、普段から地デジ放送を49型4Kテレビで視聴している僕の感覚では、5倍録画(9日録画)でまずまず、8倍録画(15日録画)はギリギリ実用といった程度。

より録画日数を伸ばすのであれば、録画モードより、録画対象を絞る方が有効だ。たとえば夜間(18-26時)のみの録画に限定すれば保存期間は3倍近くに増えるし、ジャンル別に録画モードの設定も可能となっているので、このあたりをうまく活用したいところ。

なお、過去の放送回を見る需要の大きいドラマやアニメ(初期設定は“ゴールデンタイムドラマ”)は、「おとりおき機能」によって約102日自動で保持され、デフォルトでスマホ視聴番組も作成される親切っぷりだ。

セットアップ時から「チャンネル録画」を設定

セットアップ時から「チャンネル録画」を設定

ドラマやアニメを自動保存する「おとりおき機能」はデフォルトでONだ

ドラマやアニメを自動保存する「おとりおき機能」はデフォルトでONだ

テレビ画面のリモコンUI。チャンネル録画一覧は番組表スタイルで、見たい番組を直感的に探せる

テレビ画面のリモコンUI。チャンネル録画一覧は番組表スタイルで、見たい番組を直感的に探せる

そんなパナソニックのDMR-UBX8060が、2019年夏にレコーダー操作性のさらなるアップデートとして取り入れているのが「どこでもディーガ」のアプリだ。

「どこでもディーガ」のアプリは、パナソニックが同社レコーダー(全録モデルに限らず)専用に無償で提供しているレコーダーの総合連携アプリ。特にリモート視聴は他社製のアプリを提供するメーカーが多い中、同社は全機能を「どこでもディーガ」アプリで提供している。

スマホ・タブレットが超便利なリモコンになる「どこでもディーガ」アプリ

アプリというと、レコーダーのオマケという印象も強いと思うが、このアプリとDMR-UBX8060を組み合わせた際の操作性は、なかなかよく作り込まれている。

DMR-UBX8060本体と登録したいスマホ・タブレットをWi-Fiに接続した状態で「どこでもディーガ」を起動すると、登録はリストから選ぶだけで完了。リモート視聴の回線速度チェック等が済むと、DMR-UBX8060にアクセスできる。

「どこでもディーガ」からアクセスできるのは、各種設定を除いたDMR-UBX8060の録画予約・番組再生全般。リモコンUIにもあった番組録画全てと番組予約を兼ねた「番組表」、録画番組の一覧、おすすめ番組、キーワード登録による新着番組、録画ランキング、再生数ランキングなど主要機能が、ほとんど全部アプリに移植されているのだ。

スマホ版の「どこでもディーガ」

スマホ版の「どこでもディーガ」

iPadでは広々とした番組表の表示が可能

iPadでは広々とした番組表の表示が可能

スマホアプリ側から見られる「おすすめ番組」

スマホアプリ側から見られる「おすすめ番組」

「おとりおき」の番組はフォルダ風に表示可能

「おとりおき」の番組はフォルダ風に表示可能

実際に「どこでもディーガ」のアプリから番組を再生する操作は、スマホやタブレット上の「番組表」で番組を開いて、「見る」をタップするだけ。「テレビでみる」「スマホで見る」はすぐに切り替え可能で、「テレビでみる」の状態ではすぐにテレビ画面に番組を映せるし、「スマホで見る」ではリモート視聴になる。「テレビでみる」までの一連の流れはアプリが完全にリモコンの代わりになるので、Chromecast等で動画を飛ばすような操作イメージだ(もちろん、実体はネットワークではなくHDMIで接続したテレビとレコーダーによる再生)。

番組を選んで右下の「見る」ボタンを押すとテレビ画面で再生スタート

番組を選んで右下の「見る」ボタンを押すとテレビ画面で再生スタート

ここまでだと“操作くらいできるのは当たり前だろ”と叱られそうだが、DMR-UBX8060のアプリが本領発揮するのは、リモコンでは少々面倒なここから先だ。

パナソニックは「DiMORA(ディモーラ)」の有料サービス(月額税別300円。新規機器登録の翌月末まで無料)で、録画番組内のシーン情報と連動する機能を提供している。「どこでもディーガ」のアプリはこのシーン情報も最大限利用して、番組再生中に手元のスマホ・タブレットでシーンスキップできるのだ。

録画番組に一定期間後に付与されるシーン情報をスマホ上に表示

録画番組に一定期間後に付与されるシーン情報をスマホ上に表示

タップすると該当番組の該当シーンにジャンプできる

タップすると該当番組の該当シーンにジャンプできる

サッカー中継の頭出しスキップもラクラク

サッカー中継の頭出しスキップもラクラク

さらにこのシーン情報、実は番組表の検索にも対応している。HDD録画済みの全番組を対象としてシーン単位で検索までできるなんて、相当マニアックだ。

そんなシーン情報を活用した番組表検索は、どんな時に活用できるのか。

個人的な興味を元に語ると、たとえば、6月5日に日本中を賑わせたお笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太さんと女優・蒼井優さんご結婚のニュース。ビッグカップル誕生だけに各局のワイドショーや報道番組で報じられたが、番組検索でヒットしても番組冒頭から目的のコーナーを探すまでかなり手間だ。

そこで、「どこでもディーガ」のアプリからシーン単位で「蒼井優」で検索すると、番組内のシーン情報がヒット。ワンタップでさまざまな番組の該当シーンに直接飛べる。ヒットしたいろいろな局の映像を見比べられるし、コメンテーターの解説も見比べつつ、幸せな気分に浸れた。

チャンネル録画にキーワードを入れて「シーン検索」

チャンネル録画にキーワードを入れて「シーン検索」

ニュース番組内の該当コーナーに一気にジャンプできる

ニュース番組内の該当コーナーに一気にジャンプできる

普段なら、たとえば好みの芸能人の出演番組を探したり(レギュラーだけでなく、映画やドラマの番宣など短時間の出演を探すのにも便利)、スポーツ大会の番組で特定競技のハイライトを探すような時にも大活躍してくれるだろう。

そして、「どこでもディーガ」のアプリは、スマホ・タブレットの画面による番組再生にも対応している。

宅内でもスマホ・タブレット視聴、そしてリモート視聴も当たり前に!?

「どこでもディーガ」のアプリによるスマホ・タブレットの番組再生は、Wi-Fiによる宅内視聴とスマホ回線による宅外視聴をひっくるめた「リモート視聴」と、「番組持ち出し」の2通りの手段が用意されている。

DMR-UBX8060らしいスタイルとしては、まず宅内視聴の視聴から活用して欲しい。

操作の方法は、あらかじめスマホ・タブレットの「どこでもディーガ」アプリを入れてDMR-UBX8060に登録しておき、番組を選んで見るボタンを押すのみ。この方法なら、録画モードなどの事前準備なく前番組を視聴できてしまう。宅内配信の画質設定は3.5Mbps/2.0Mbpsの2種類で、僕が試した限りだと9.7型のiPad Proでも1.5Mbpsでも実用になる画質だ。

宅内試聴で大活躍するのはやっぱりiPad

宅内試聴で大活躍するのはやっぱりiPad

試聴までの操作はリモコン操作とまったく同じで見るボタンをタップするだけ

試聴までの操作はリモコン操作とまったく同じで見るボタンをタップするだけ

今どきスマホ・タブレット視聴は当然の機能ではあるが、「どこでもディーガ」は無料で、DMR-UBX8060なら全番組録画、操作が簡単で番組も探しやすいまでそろうと、視聴スタイルとしても変化がある。家族のiPad Proに「どこでもディーガ」のアプリを入れて“このアプリでテレビ全部見られるよ”と教えたら、すぐに部屋で、浴室で使いこなしてしまう。ここまで来ると、“レコーダーはテレビで視聴するものでアプリはオマケ”という感覚も揺らいでくる。

「どこでもディーガ」では、同じ操作方法で宅外からのリモート視聴も可能だ。1時間ほど電車で移動する際にiPad ProとiPhoneを持ち出して実際に視聴してみたが、 “今朝放送分の朝の連続テレビ小説『なつぞら』を電車の移動時間で見よう”と、事前準備なしに視聴できるのはやはり便利だ。ちなみに、宅外配信の画質設定は3.5Mbps/1.5Mbps/650bps/400kbps/150kbpsと選べるが、画質は通信容量のギガ消費との兼ね合いで少し妥協したいところ。僕はiPad Proでは若干画質を落としても650kbps、スマホでは400kbpsに落ち着いた。

スマホ回線による宅外試聴は5段階で画質モードを選べる

スマホ回線による宅外試聴は5段階で画質モードを選べる

宅内からリモートで録画番組を見る際の操作もまったく同じ

宅内からリモートで録画番組を見る際の操作もまったく同じ

4G LTE回線ならリモートでも途切れなく試聴できる

4G LTE回線ならリモートでも途切れなく試聴できる

なお、DMR-UBX8060のスマホ・タブレットでリモート試聴を活用しようと考えている人に注意点もある。全番組録画の追加チャンネル(最大10ch録画可能のうち、9、10ch目)を設定している状態で、DMR-UBX8060本体の電源が入っていると、リモート視聴や持ち出しができない(番組持ち出し作成済み番組は可)。アプリ画面にメッセージが出るので原因不明で途方に暮れることはないが、スマホ・タブレット視聴を多用するなら追加チャンネルを使わない最大8chの運用を推奨する。

「どこでもディーガ」アプリで、DMR-UBX8060からの番組持ち出しも可能だ。持ち出しは宅内のWi-Fiで手動操作なのでひと手間があるが、宅外からリモート再生するとスマホ回線のギガを減らすことになるので考えると、代用手段として必要な機能だろう。

注意して欲しいのはDMR-UBX8060の録画番組で高速伝送できるのはスマホ転送番組が作成済みの番組のみであること(高速でなくてよければ全番組可能)。もっとも、チャンネル録画で「おとりおき」として設定してあるドラマやアニメはデフォルトでスマホ転送番組も作成済みになるところが、うまくこの制約をカバーしている。高速伝送のできる番組では家庭内のWi-Fiで1、2分で高速ダビング可能なので、毎朝通勤用として転送を日課にできる人や、出張用前に転送するなどして活用したい。

「おとりおき」を設定したドラマ・アニメは高速伝送対応

「おとりおき」を設定したドラマ・アニメは高速伝送対応

持ち出しながらギガを使わないし、通信の安定しないところでも使えることがメリット

持ち出しながらギガを使わないし、通信の安定しないところでも使えることがメリット

まとめ

今回、スマホ・タブレットユーザー目線で「どこでもディーガ」アプリ中心にDMR-UBX8060を使い込んでみた。レコーダーのメインの機能は依然としてリモコン操作による録画や再生、編集や保存、はたまた音声操作、Ultra HDブルーレイ再生といったテレビ側の機能と考えがちだが、それらほとんど無視してもDMR-UBX8060は録画機として使えてしまう。「おうちクラウドDIGA」には、スマホの写真やビデオを取り込み管理する機能も一体化されているので、紹介した内容以外も連携機能は奥が深く、非常にバラエティに富んでいる。

冒頭にレコーダーはレガシーなAV機器ととらえられがちと書いたが、DMR-UBX8060を実際に触れてみた感想はまったく別モノ。むしろテレビ放送、テレビ番組を快適に視聴する機能を考え尽くした製品がDMR-UBX8060なのだ。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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