特別企画
7月13日に発売した完全ワイヤレスイヤホン最新モデル

ソニー「WF-1000XM3」のノイズキャンセリングの実力を飛行機内に持ち込みガチ検証


ソニーから7月13日に発売となった完全ワイヤレスイヤホンの最新モデル「WF-1000XM3」。2017年10月発売ながら、ノイズキャンセリング機能を備えた完全ワイヤレスイヤホンとして未だに根強い人気を誇る「WF-1000X」の後継モデルだ。

7月13日に発売となったソニー「WF-1000XM3」

7月13日に発売となったソニー「WF-1000XM3」

「WF-1000XM3」でアップデートされたポイントは音質、接続性の改善などさまざまあるが、今回注目するポイントは「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e」搭載によるノイズキャンセリング性能の強化だ。イヤホン片側に2つのマイクを搭載する「デュアルノイズキャンセリングテクノロジー」搭載に最新チップとなるとオーバーヘッド型の「WH-1000XM3」にも近い仕様。

そこで、7月中旬に国内旅行で飛行機に搭乗する機会のあった僕は、「WF-1000XM3」を飛行機に持ち込みノイズキャンセルの検証を試みた。今回は比較用としてソニーのノイズキャンセリング機能対応の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000X」「WF-SP700N」も持ち込み、合計3機種を同一条件で比較した。

今回搭乗したのはANAによる羽田-高松間の国内便

今回搭乗したのはANAによる羽田-高松間の国内便

飛行機の座席に「WF-SP700N」と「WF-1000XM3」、「WF-1000X」を持ち込んで検証

飛行機の座席に「WF-SP700N」と「WF-1000XM3」、「WF-1000X」を持ち込んで検証

さっそく、「WF-1000XM3」、「WF-1000X」、「WF-SP700N」の3機種をチェックしてみた。

まずは、ノイズキャンセリング機能を備えた完全ワイヤレスイヤホンの元祖、「WF-1000X」の機上でのノイズキャンセリング性能から確認。飛行機の“ゴー”という重低音の轟音のノイズキャンセリング性能は、「WF-1000X」でもある程度抑え込んでくれて、少し遠から聴こえてくる感じになる。騒音を聴感上1/3〜1/4程度に抑える程度だが、轟音が耳に付くことはないので一定の効果はある。意外と気になったのが、音楽を流していない状態で“シー”という高域が聴こえ続けることだ。航空機用のノイズキャンセルとして一定の効果はあるが、あと少しといったところ。

2017年11月発売の「WF-1000X」

2017年11月発売の「WF-1000X」

次に「WF-SP700N」だ。機上でのノイズキャンセリングは、“ゴー”という重低音を聴感上1/4〜1/5程度抑えるが、こちらは重低音の騒音に少し芯が残る。また中域の“ブーン”という風のような騒音も気になるし、高域の“シー”という騒音も多少聴こえる。得意不得意の差はあるが、トータルでは「WF-1000X」「WF-SP700N」のノイズキャンセル性能は同程度だろう。

2018年4月発売でスポーツモデルでもある「WF-SP700N」

2018年4月発売でスポーツモデルでもある「WF-SP700N」

では今回の本題、「WF-1000XM3」をチェックしよう。

「WF-1000X」、「WF-SP700N」の次に「WF-1000XM3」をチェックしてみると、まず装着時にノイキャンイヤホン特有の吸い込まれるような違和感が強めに現れるが、すぐに収まった。先に試した2機種とはうってかわって静寂……とまでは呼べないが、ワンランク上の快適な環境が機内に訪れた。

「WF-1000XM3」も機内に持ち込み騒音テスト

「WF-1000XM3」も機内に持ち込み騒音テスト

「WF-1000XM3」では“ゴー”という重低音の騒音軽減効果は大きく、聴感上は1/8程度までに下がるイメージ。騒音の尖りもなく、音も遠くで響くように聴こえる。風の音のような中域の騒音も相当抑えられ、ほとんど気にならない。高域の“シー”という音は若干だが残るようだ。それでも、あらゆる騒音に対しノイズキャンセリングの効果は「WF-1000X」「WF-SP700N」より一枚も二枚も上手。飛行機の騒音軽減として通用するレベルに到達している。

サウンドについても、「WF-1000XM3」は音空間が広く、みずみずしくレスポンスにすぐれたダイナミックなサウンド。ノイズキャンセリングをONにして騒音の少し残る機上で聴いても、高音質の進化は歴然としてわかるほどだ。

また「WF-1000XM3」には「アンビエントサウンドコントロール」で外音取り込みを設定できるが、飛行機内では最低の1でも騒音が大きすぎて音楽を聴いていてもわかるほどだった。常にノイズキャンセリングON、外音取り込みはなしで使う以外の選択肢はなさそうだ。

なお、「WF-1000XM3」のデフォルト設定では、左イヤホンボタンを押し続けると「クイックアテンション」になり、即座に外の音を取り込めるようになっている。キャビンアテンダントさんに飲み物をリクエストする際には、こちらを活用すると便利だった。

今回の検証で、「WF-1000XM3」のノイズキャンセリング性能は、飛行機内の騒音でも十分効果が得られるレベルにまで到達したことが確認できた。これは完全ワイヤレスイヤホンの性能アップとしては快挙といえるだろう。元々音楽リスニングに使えるノイズキャンケリング対応の完全ワイヤレスイヤホンはソニーしか発売していないが、相当レベルアップしている。

だが、「WF-1000XM3」が飛行機に持ち出すノイズキャンセルイヤホンの定番になるか? というと頻繁に搭乗するフライト次第。「WF-1000XM3」はイヤホン本体での連続再生時間が最大6時間(NC ON時)なので、たとえば成田-ホノルル間の6時間40分(復路は10時間)には届かない。

そう考えると、「WF-1000XM3」の本命は通勤・通学の電車やバスの騒音軽減だろう。加えて、近場の国内外フライトの騒音軽減もこなせる、といくらいがターゲットとしている利用スタイルといえそうだ。

帰路の空港での一幕。搭乗アナウンスも「アンビエントサウンド」で聞き逃さない

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折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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