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「Apple Music」を家で楽しみつくそう!

発売直前レビュー! アップル「HomePod」は“音楽”のためのスマートスピーカー

アップルのスマートスピーカー「HomePod(ホームポッド)」が夏に日本で発売される。アップルストアでの価格は32,800円(税別)。米国やイギリスでは2018年にすでに発売されており、1年半遅れでの日本発売となる。発売前に試すことができたので、さっそくレビューをお届けしよう。

※アップルがHomePodの日本発売日を発表。発売日は2019年8月23日(金曜日)です。【2019年8月19日 10:55分】

日本での発売を待っていた人も多かったはずのHomePodが今年の夏に発売される。今回は発売前にスペースグレーモデルを試用した

どんな部屋にも馴染むシンプルなデザイン

まずはお決まりの開封の儀から。白い箱のふたを開けると、メッシュ生地で覆われたHomePodが出てくる。メッシュ生地は上部にも下部にもつなぎ目がいっさいなく、どの角度から見ても美しい。円筒形のボディは小さな「MacPro」のようだ。

カラーはホワイトとスペースグレーの2色が用意されており、今回はスペースグレーを試用。落ち着いた雰囲気で、どんな部屋にもマッチしそうなカラーだ。ホワイトモデルの実物も見たが、陶器のような美しい色だった。

本体は1本の電源ケーブルが伸びているだけのシンプルな作り。ボタンやスイッチの類は一切ない。電源ケーブルは布で覆われており、高級なオーディオ機器のようだ。ケーブルは太めだが、それほど堅くなく、絡まりにくいのがうれしい。本体デザインへのこだわりはさすがアップルと言ったところだ。

HomePodのパッケージ

HomePodのパッケージ

パッケージの中身はほかのアップル製品と同じく必要最小限。手前の丸い紙がマニュアル

パッケージの中身はほかのアップル製品と同じく必要最小限。手前の丸い紙がマニュアル

HomePodのサイズは高さ172mm、幅142mm。人によっては思っていたより大きい、小さいとさまざまな意見だったが、個人的には写真で見るよりも小さく感じた。サイズよりも2.5kgという重さに少々驚いた。強力なウーハーを搭載しているため、ある程度の重さが必要なのだと考えられる

本体から伸びる電源ケーブルは、高級オーディオ機器のような布で覆われた太いタイプ

本体から伸びる電源ケーブルは、高級オーディオ機器のような布で覆われた太いタイプ

セットアップは「AirPods」のペアリング方法と同じ

続いてセットアップ。電源ケーブルをコンセントに接続すると天面に埋め込まれたLEDがぼんやりと光る。この状態でiPhoneを近づけると、同社のワイヤレスイヤホン「AirPods」のセットアップ時と同じように、iPhoneの画面の下にHomePodの写真と「設定」の文字が表示される。「設定」の文字をタップし、使用する言語と設置する部屋をリストから選び、後述する「パーソナルリクエスト」を使用するかどうかを決める。

HomePodにiPhoneを近づけるとセットアップがスタート。画面の指示に従って、数回タップすればセットアップは完了する

セットアップ画面の一部。右の「パーソナルリクエスト」を使用すると、セットアップに使用したiPhoneが同じWi-Fiネットワークに接続れているときに、HomePodでメッセージのやりとりや電話の発信などができる

Wi-FiルーターのSSIDを選んでパスワードを入力したり、Bluetooth機器のようにペアリングしたりする必要はない。「Apple Music」を使うためにApple IDを入力する作業もいらない(Apple Musicに加入している場合)。ほかのスマートスピーカーのようにアプリをインストールすることもない。

なお、HomePodには設定用アプリはなく、既存の「ホーム」アプリから、設定の変更や後述する「ステレオペア」の構築などができる。これでセットアップは完了。拍子抜けするほど短時間かつ簡単に設定が済んでしまった。セットアップのシンプルさで、HomePodに勝てるスマートスピーカーはないだろう。

HomePodの設定はホームアプリから行う。Siriの声(男性か女性)の選択や、パーソナルリクエストのオン・オフなどが可能

音質はスマートスピーカーとしてはトップクラス

セットアップが済んだら、Apple Musicで好きな音楽を楽しむだけ。「Hey Siri、○○(曲名)をかけて」「Hey Siri、○○(アーティスト名)をかけて」と言えば、5000万曲という膨大なApple Musicのライブラリーからその曲を再生してくれる。「リラックスできる曲」「盛り上がる曲」「80年代のロック」という漠然としたお願いでもOKだ。

iPhoneでApple Musicを毎日使っていて、好みの曲にハートをつけているという人なら、ユーザーの好みを学習しているので、「Hey Siri、好きな曲をかけて」とお願いすれば、好みの曲を再生してくれる。HomePodでも、「Hey Siri、この曲好き」と話して、好みを学習させることが可能だ。また、Apple Musicはユーザーがいつどんな曲を聴いているのかも学習しているので、「Hey Siri、朝の曲」とお願いすると、朝によくかけている曲を再生してくれる。

肝心の音質は、スマートスピーカーとしては間違いなくトップクラスだろう。本体上面に上向きに配置されたウーハーは、最大2cmも動く強力なもので、テーブルの上で再生すると、振動が伝わってくるほどだ。音量を小さくしても、低音はしっかりと感じられる。本体の下のほうには、狙ったところへ音を届ける7つのビームフォーミングツイーターが円形にずらりと配置されている。ソフトウェア面ではダイナミックプロセッシングがどんな音楽かを分析して、最適なサウンドに調整してくれる。

本体の中央には6つのマイクが搭載されている。このマイクはSiriを利用するためのものだが、同時にHomePodが置かれている環境の音響特性をリアリタイムに測定するためのものでもある。HomePodには空間認識機能が搭載されており、設置されている環境を自分で把握し、その環境に最適なサウンドに自動で調整してくれる。たとえば、部屋の真ん中のテーブルの上に設置した場合は、音が360°広がるように調整され、壁の近くに設置した場合は、ボーカルやギターなどの直接音は前方へ、周辺の音は左右のチャンネルに拡散し、壁に反射させることで、ボーカルが前に出てくるようなサウンドに調整される。

リビング、書斎(仕事部屋)、寝室などいろいろな部屋に設置して試してみた。最初は360°に音が広がる感じだが、空間認識の処理が終わると、格段に音がよくなる

音量はこのサイズからは考えられないほど大きく、「Hey Siri音量をマックスにして」とお願いすると、「驚くほど大きな音が鳴りますよ。大丈夫ですか?」と心配してくれるほどだ。結果は、すぐに音量を下げることになったのは言うまでもない。

HomePodには、音質をさらにアップする方法も用意されている。2台のHomePodを使ったステレオペアだ。空間認識機能を使って、2つのHomePodがバランスをとって、ステレオ再生してくれる。この高度な処理は、iPhoneにも搭載されている「A8チップ」が担当している。実際に試してみたが、音像が真ん中にできあがり、曲によってはだが、目の前でライブを聴いているような感覚を味わえる。2台なので低音もパワーアップ。音質にこだわりたいという人はぜひステレオペアを試してみてもらいたい。リビング用と寝室用に2台購入して、休みの日だけ、寝室用のHomePodをリビングに移動して、ステレオペアで楽しむといったこともできる。

2台目のHomePodをセットアップするときに、ステレオペアとして使用するかどうかを確認される。ステレオペアで使用する場合は「ステレオのペアとして使用」をタップ(画像左)。ホームアプリから設定画面に入ると、左右チャンネルの確認や入れ替えなどが可能(画像右)

AirPlay対応で「Apple Music」以外の再生もOK

HomePodは「AirPlay 2」に対応しているので、iPhoneやiPadで音楽や動画の再生先にHomePodを指定すれば、HomePodのスピーカーで音を楽しめる。ちょうどBluetoothスピーカーと同じだ。Spotify、YouTube、RakutenTVなど筆者がよく使うサービスで試してしてみたが、問題なく動作した。

AirPlay 2はマルチルーム再生も可能。2台のHomePodをリビングと寝室に設置して試したが、同時に同じ楽曲を鳴らしたり、「Hey Siri、寝室のHomePodで曲を流して」とリビングから寝室のHomePodを再生したり、いろいろ楽しめる。

秋にリリース予定のiOS13では、Hand Off機能が追加される予定だ。これは、帰宅中にiPhoneで聞いていた曲を、HomePodで引き継いで再生してくれる機能。iPhoneをHomePodに近づけるだけで、音楽が引き継がれる。

Apple Music以外の音楽サービスを利用している場合は、AirPlay 2を使ってHomePodで再生できる。ジャケットを見ながら選曲したいという場合は、iPhoneから聴きたい曲をチョイスすればいい

MacのiTunesの再生先をHomePodに指定することも可能

MacのiTunesの再生先をHomePodに指定することも可能

認識率が高く、お願いにしっかりと答えてくれるSiri

HomePodはSiriを使って声で操作する。ボリュームの調整、次の曲、前の曲、停止、再生など音楽再生に関する基本操作はすべて声だけですむ。音楽再生中であっても、「Hey Siri」と声かけると、ボリュームが下がって、音声操作を受け付けてくれる。6つのマイクを搭載していることもあって、小さな声で「Hey Siri」と話しかけても聞き逃すことはほとんどなかった。認識率はほかのスマートスピーカーよりもワンランク上に感じた。

声以外でも、本体上部をタッチして操作することができる。タップで再生/停止、ダブルタップで次の曲、トリプルタップで前の曲といった具合だ(このルールはAirPodsと同じ)。ボリューム調整は、「+」「-」をタップすればいい。数秒タッチすればSiriが起動する。手の届く場所にHomePodがある場合は、上部をタップして操作するほうが早くて便利だ。

本体上部をタップして操作することが可能

本体上部をタップして操作することが可能

音楽再生以外でもSiriは活躍してくれる。天気やニュース、スポーツ(日本ではプロ野球とJリーグに対応)、株価のチェック、アラーム、タイマー、日本語→英語/中国語の翻訳など、一通りの機能がそろっている。

前述のパーソナルリクエストを有効にしておけば、カレンダーで予定の確認や設定、リマインダーの確認や設定、さらにメッセージや電話もできる(同じWi-Fiネットワーク内に自分のiPhoneがあるのが条件)。実際にSiriを使ってメッセージを作成してみたが、音声認識の精度が高く、話したことを正しくテキスト化してくれる。もちろん、手元にiPhoneがある場合は、iPhoneで入力したほうが短時間で済む作業だが、キッチンで料理をしているときや、小さな子どもを世話をしているときなど、iPhoneを使いにくいシーンで重宝するだろう。

アップルはセキュリティとプライバシーを大切にする企業であり、Hey Siriの後に話した内容を広告やマーケティングなどに利用しないことを明言している。この安全性もHomePodとSiriの特徴のひとつだ。

ただ、今のところ1人のiPhoneとしか連携できないので、たとえお父さんのiPhoneとHomePodを連携して、パーソナルリクエストをオンにしていると、奥さんや子どもが、お父さんのスケジュールやリマインダーを確認できてしまう。聞かれたくない場合はオフにしておくといいだろう。ただ、今秋には複数のユーザーがHomePodを利用できる機能が追加される予定なので、この問題もすぐに解消されるはずだ(ただし、機能追加は英語圏から開始され、日本語はいつになるのかは決まっていない)。

今回は試していないが、「HomeKit」に対応した家電をコントロールすることも可能だ。ライトの点灯/消灯や室内の温度チェックなどが声でできる。国内だとHomeKit対応機器は少ないが、先日、Natureのスマートリモコン「Nature Remo」がSiriショートカットに対応したのは朗報。HomeKitに対応していない機器でもNature Remoを使ってHomePodから操作できる。ぜひ試してみたいところだ。

まとめ HomePodは音楽のためのスマートスピーカー

「Reinvent home music(ホームミュージックの再発明)」――。アップルのティム・クックCEOは2年前のHomePod発表時にこう宣言した。ご存じのように、アップルは「iPod」と「iTunes」で音楽を再発明して、大きな成功を収めている。これと同じ成功を家庭でも、というのがHomePodとApple Musicの狙いだ。

そこで力を入れたのが、スピーカーにとって一番大切な「音」だ。家のどこに置いても、自動で音を調整する空間認識機能も、ホームミュージックの再発明に欠かせない重要な機能と言えるだろう。スマート家電との連携も重要な機能なので、対応機器の増加に期待したいところだ。

ほかのスマートスピーカーと比べた場合、価格は絶対的に高いが、他社のスマートスピーカーは、音声アシスタントを使う(使ってもらう)ためのスピーカーなのに対して、HomePodは音楽を楽しむために作られたスピーカーだと感じた。Siriは音楽をコントロールする上では、ユーザーの好みを理解しており、選曲のセンスも抜群にいい。Apple Musicのユーザーという縛りはあるが、他社のスマートスピーカーの音質に不満を持っている人は、HomePodをぜひ試してみてもらいたい。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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