レビュー
防水防塵性能、バッテリー性能、装着感、音質がさらにアップ

スポーツ用途に最適!AfterShokz「Aeropex」はこれまでの骨伝導ヘッドホンのイメージを覆す1台

耳をふさがずに、外音を聴きながら音楽を楽しめる“ながら聴き”。仕事や家事、ランニング中など、周囲の音を聴き逃せないといった状況でも音楽を楽しめるということで、にわかに注目を集めている。

首元にかけて使うネックスピーカーや、耳元近くまで音導管を伸ばして音を届けるイヤホンタイプなど、さまざまなタイプの製品が増えてきているが、今回はAfterShokz(アフターショックス)が7月22日に発売を開始した骨伝導ヘッドホン「Aeropex(エアロペクス)」を取り上げたい。

AfterShokz「Aeropex」

軽くなって防水防塵性能やバッテリー性能もアップした次世代骨伝導ヘッドホン

骨伝導ヘッドホンは、文字通り人の骨を振動させることで音を届けるヘッドホンだ。耳をふさいで空気伝導で音を伝えるイヤホンやヘッドホンと異なり、振動する物体を頭部にあてて聴覚神経に直接音を届けられるため、耳をふさがずに周囲の音を聴きながら、音楽を楽しめるのが特徴となっている。

2011年にニューヨーク州で設立されたAfterShokzは、骨伝導技術に特化したメーカーとして、世界中で300以上の特許を取得。一般的なイヤホンやヘッドホンに比べると技術的に高音質化が難しいといわれてきた骨伝導ヘッドホンの高音質化に注力し、これまで数々の骨伝導ヘッドホンを手掛けてきた。そんな同社が“次世代骨伝導ヘッドホン”と銘打って投入したのが、「Aeropex」だ。

バンド部を耳にかけ、耳の前あたりに骨を振動させるアクチュエーターが配置されるという製品の基本的な構造はこれまで同社が手掛けてきたワイヤレス骨伝導ヘッドホンと同様なのだが、次世代を名乗るだけあり、さまざまな進化を遂げている。

なかでも注目なのがボディの進化だろう。具体的には、従来機種の「TREKZ AIR」に比べ、25%の軽量化が図られたほか、充電端子に専用のマグネット式充電ポートを採用したことで、防水防塵性能も「TREKZ AIR」のIP55からIP67へと向上している。

耳をふさがないで音楽を楽しめるという製品の特性から、スポーツシーンでの利用を想定している人も多いと思うが、そういった人にとって汗をかいても水で洗え、雨で濡れても壊れないという防水性能はかなり重要な要素といえる。これまでの「TREKZ AIR」は、microUSB端子で充電する形だったため、水の侵入を防ぐキャップがあるとはいえ、水が入り込む可能性はゼロではなかったわけだが、専用形状の端子を採用することで、水の侵入によるトラブルが格段に少なくなったというわけだ。

専用の充電端子形状を新たに採用。キャップレスでIP67の防水防塵性能を確保した

専用の充電端子形状を新たに採用。キャップレスでIP67の防水防塵性能を確保した

専用充電ケーブルの先端にマグネットが仕込まれており、充電端子に近づけるとスっとくっついてくれる

専用充電ケーブルの先端にマグネットが仕込まれており、充電端子に近づけるとスっとくっついてくれる

本体の気密性が高まったことで、防水防塵性能が従来機種のIP55からIP67へとアップ。写真は水洗いだが、水の中に完全に水没させても大丈夫な防水性が確保されている

専用のマグネット式充電ポートになったことによるデメリットとしては、専用ケーブルでないと充電できないということがあげられるが、「Aeropex」では最初から専用のマグネット充電ケーブルが2本付属するほか、バッテリー駆動時間も従来モデル「TREKZ AIR」の約6時間から、「Aeropex」では約8時間へと拡大している。さすがに1日中装着したまま音楽を流しっぱなしといったことはできないが、フルマラソンくらいは余裕でこなせるくらいのバッテリーは確保できているので、普段使いで問題になるようなことはまずないだろう。

また、今回の「Aeropex」では後述する音のアップデートのためにアクチュエーター部分の形状を見直しているのだが、これにより従来機種の「TREKZ AIR」に比べてアクチュエーター部分と頭部の接触する面積が若干小さくなっているのも見逃せない。「TREKZ AIR」も、バンド部分に形状記憶素材を使用したことで、アクチュエーターを頭部に押し付けるような骨伝導ヘッドホン特有の装着感がかなり軽減されていたが、「Aeropex」ではアクチュエーター部分の形状変更と設置面積の減少で、側圧を感じるあの独特の装着感がさらに改善されていた。

骨を振動させるアクチュエーター部分。従来モデルよりも皮膚に触れる面積が小さくなっている

骨を振動させるアクチュエーター部分。従来モデルよりも皮膚に触れる面積が小さくなっている

ずれ落ちない最適な側圧が得られる形状を維持できるよう、ワイヤー部分には形状記憶素材が使われている

ずれ落ちない最適な側圧が得られる形状を維持できるよう、ワイヤー部分には形状記憶素材が使われている

実際に「Aeropex」を装着したままランニングしたりサイクリングマシンに乗ったりしてみたが、フィット感もかなりよく、音楽を流していないと骨伝導ヘッドホンを装着していることを忘れるほどだった。骨伝導ヘッドホンの場合、アクチュエーターがベストなポジションから外れると音が変わったりすることがあるが、「Aeropex」ではそういったこともなく、装着感に関してはかなり優秀といってよさそうだ。

AfterShokz「Aeropex」を装着してみた。耳掛け部分の形状も工夫されており、適度な側圧とあわせて頭部にしっかりとフィットしてくれる。メガネとの干渉もまったくない

後頭部はこんな感じ。ケーブル一体型のスポーツイヤホンによくあるフィット感調整用のアジャスターなどはまったくなく、形状記憶素材のワイヤー部分のみで頭部にフィットしていることがわかるはずだ

骨伝導ヘッドホンとは思えないクリアな音質。音漏れには若干の注意も

ここまで「Aeropex」のボディの進化について紹介してきたが、「Aeropex」には次世代骨伝導ヘッドホンと呼ばれるもうひとつの理由がある。それが音のアップデートだ。

「Aeropex」には150を超える世界の特許技術が用いられているのだが、なかでも音のアップデートに寄与しているのがアクチュエーター部分だ。顔に対して30度の傾きになるように配置された振動板構造により、従来機種以上に深みのある低音の再生を実現しつつ、振動をより小さく抑えるようになったという。

大きく改良されたアクチュエーター部分。内部の振動板を顔に対して30度の傾きになるように配置することで、深みのある低音再生と振動の抑制の両立を実現した

実際、これまでの骨伝導ヘッドホンだと、ズンズンと重低音が響く曲を聴くと、皮膚から振動が伝わってきてムズムズするのが気になるといったことがあったが、「Aeropex」ではそういったことがかなり改善されていた。もちろん、ボリュームを極端に上げたり、EDMのような重低音がバリバリ出る楽曲なんかを聴くと、たまにこそばゆく感じるときがあるが、そういった場合は「Aeropex」のに内蔵されているイコライザー機能で、低域成分をカットしてくれるモードに切り替えてあげれば問題ないだろう。

また音質といった部分では、低域成分がはっきりしたことで、中高域の再現性が高まり、全体的にかなりクリアになった印象を受けた。さすがに同価格帯のイヤホンやヘッドホンと比べるとまだまだ改善の余地はあるが、筆者がこれまで抱いていた“骨伝導ヘッドホン=音があまりよくない”というイメージは完全に払しょくされた。これくらいなら、BGM的な使い方だけでなく、音楽リスニング用としてもある程度使えそうだ。

いっぽうで、若干注意したいのが音漏れだ。「Aeropex」では、先述した防水防塵性能の向上に向け、本体の気密性を高めるために従来機種にあった音漏れ防止用の穴を廃止。これにより、音漏れを50%カットしたとアピールしている。確かに従来製品に比べると音漏れするボリュームレベルは引き上げられているのだが、まだ完全に音漏れがなくなっているわけではない。ある程度周囲に配慮する必要のある場所では、iPhoneのボリュームでおおよそ半分くらいまでが限界とみておいたほうがいいだろう。

防水防塵性能やフィット感、音質の向上といった進化点と音漏れへの配慮を考えると、混雑する通勤通学の電車内などで使うモデルというよりかは、周囲の環境音が必要なキッチンでの料理中だったり屋外でのスポーツなどに適したモデルといえそう。ネックスピーカーよりもパーソナルなエリアで耳に何も入れずに音楽を楽しみたい、そして装着感もある程度求めたいという欲張りな人は、ぜひ「Aeropex」を試してみてほしい。骨伝導ヘッドホンの概念が大きく覆されるはずだ。

【関連リンク】
楽天AfterShokz販売サイト
アマゾンAfterShokz販売サイト

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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