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防水・防汗性能や装着性だけじゃない!

実際に走ってテスト! ガチにスポーツ向きなワイヤレスイヤホン4機種を実機レビュー

ワイヤレスイヤホンのなかでも“スポーツイヤホン”は、ランニングを始め運動をしながら音楽を聴く用途で常に人気のカテゴリーだ。

ここで言う“スポーツイヤホン”とは、防水・防汗性能や装着性がそろったモデルが分類されることが多いが、最近は「IPX5以上の防水で装着性バッチリ」というイヤホンも増えてきた。

そこで防水・防汗性能や装着性だけじゃない、本当にランニング向けのスポーツイヤホン4機種を今回はピックアップ。JVCケンウッド「HA-ET870BV」、ソニー「WF-SP900」、JayBird「Vista」、パナソニック「RP-BTS55」を実際に装着した状態で走ってテストしてみた。

VCケンウッド「HA-ET870BV」、ソニー「WF-SP900」、JayBird「Vista」、パナソニック「RP-BTS55」をレビュー

VCケンウッド「HA-ET870BV」、ソニー「WF-SP900」、JayBird「Vista」、パナソニック「RP-BTS55」をレビュー

フォームコーチング機能対応の「JVC HA-ET870BV」はやる気の出るイヤホン

ワイヤレスイヤホンのなかでもガチにランナーに向けたイヤホンがJVC「HA-ET870BV」だ。一見するとスポーツ向きに大きめのイヤーサポート付きのワイヤレスイヤホンだが、秘密は本体内蔵の専用モーションセンサー「BiomechEngine」。音楽を聴くイヤホンというだけなく、装着して走ることで、声でコーチングしてくれるという代物だ。

一見すると普通のワイヤレスイヤホンのJVC「HA-ET870BV」

一見すると普通のワイヤレスイヤホンのJVC「HA-ET870BV」

JVC「HA-ET870BV」を装着してスマートフォン向け専用アプリ「Runspect」を起動、アカウントを登録した上で、まずはアプリを通して正面の基準値を調整したら初期設定は終了。あとはアプリからランニングボタンをタップしてランニングを始めると、リアルタイムでフォーム分析をし始める。

アプリ「Runspect」を起動してセットアップ

アプリ「Runspect」を起動してセットアップ

実際にJVC「HA-ET870BV」を装着して走り出すと……

「頭の角度が低すぎます。もっと前を向いてください」
「着地の衝撃が強すぎます。着地をもっとやわらかくしてください」
「右足の踏み込みが弱いです。左右のバランスに気をつけてください」
「ピッチが遅いです。ステップをもっと速くしてください」

と、実際のフォームに即した音声コーチングが流れる。

JVC「HA-ET870BV」を装着して実際にランニング

JVC「HA-ET870BV」を装着して実際にランニング

僕は走りのフォームなんてまったく意識したことがなかったので、このコーチングは目からウロコ。フォームを修正すると「よくできました」「○○は正常です」と即座に音声で応えてくれるので、納得感もある。

ちなみに、別のアプリで音楽を流していても、音楽の音量を落として音声が流れるのでまったく問題ナシだ。

ランニングを終えた後にはアプリ画面にアプリ画面からGPSと地図を使った走行ログの記録、そしてランニングフォーム、ケガのリスクの分析まで入る。これはイヤホンと呼ぶより、ランナーに向けた、コーチングデバイスと呼ぶべきなのではと思った。

ランニング初心者としてもコーチングはモチベーションアップにつながるし、経験者でもログとフォーム分析は有用だ。

「ランニングフォーム」の分析データ

「ランニングフォーム」の分析データ

「ケガのリスク」の分析データ

「ケガのリスク」の分析データ

JVC「HA-ET870BV」のスポーツイヤホンの基本性能は、IPX5相当の防水仕様で連続再生6時間(コーチングON時)。

スポーツ用として重要な安全確保には開口部が大きくスリットの入った「低遮音イヤーピース」も付属。実際にランニング時に装着していても、音楽の音量を小さめに抑えれば、車の走行音などくらいなら感じとれるので、ランニング用としても安心。音質は低音強めのスポーツイヤホンらしいサウンドで、低遮音イヤーピース装着時にはバスブーストモードで音質のカバーも可能だ。JVC「HA-ET870BV」は、本当にガチにランニングしたい人に推奨したいスポーツイヤホンだ。

アンビエントサウンド+音楽プレイヤー内蔵で身軽に使える! ソニー「WF-SP900」

現在販売されている完全ワイヤレスイヤホンのなかでもスポーツ用としてもっともマッチする機種がソニー「WF-SP900」だ。2018年10月発売なので製品自体はすでにご存知の方も多いと思うが、水中に30分沈めても、水泳も大丈夫なIP65/IP68の防水防塵性能に、本体に音楽プレイヤーと4GBのメモリーを内蔵。外音取り込み機能の「アンビエントサウンド」も利用可能だ(もちろん、普通のBluetoothイヤホンとしても利用可能)。

完全ワイヤレスのスポーツ用といえばソニー「WF-SP900」

完全ワイヤレスのスポーツ用といえばソニー「WF-SP900」

IP68と業界最強クラスの防水で水洗いしても安心!

IP68と業界最強クラスの防水で水洗いしても安心!

スポーツ用のイヤホンとして、まず利用を推奨したい機能が、この「アンビエントサウンド」。左イヤホンのボタンを1回押すと、音楽を聴きながら外の音もハッキリと聴こえるようになる。実際に「WF-SP900」を装着し、「アンビエントサウンド」をオンにして路上を歩いてみると、近づいてくる車の騒音は確実に気付くし、音量を上げすぎなければ、自転車の通る音も聴こえるし、周りのランナーと会話もできるほど。これなら路上のランニングで使っても安心だ。

左イヤホン操作で「アンビエントサウンド」に切り替え

左イヤホン操作で「アンビエントサウンド」に切り替え

スマホも持たずに身軽にランニングしたい! という人に向けた機能が音楽プレイヤーの内蔵。あらかじめPCとUSBケーブルで接続してドラッグ&ドロップでMP3/AAC/WAV/FLAC形式など音楽ファイル(16bit/48kHzまで)を転送しておくと、本体のみで音楽再生(フォルダー単位)ができる「プレイヤーモード」にできる。スマホ(Bluetooth接続)との切り替えも左ボタンのトリプルクリックで操作可能だ。ちなみに、再生時間は「プレイヤーモード」で6時間、スマホと接続する「ヘッドホンモード」で3時間となっている。

「WF-SP900」はランニング時の身軽さがポイント

「WF-SP900」はランニング時の身軽さがポイント

僕はランニングの時にパンツのポケットにスマホを入れていて、ランニング中のショックで重みを感じるところが嫌だったので、「WF-SP900」の軽さ(と言うかスマホの無さ)は快適。再生/停止、曲送りと再生系操作が右イヤホンのボタンにまとまっているのもわかりやすい(音量操作は左右のタッチセンサーに割当られていて、誤操作しにくいのもポイント)。

サウンドはスポーツ用らしくパワーとヌケ感のあるタイプ。特に楽曲を内蔵プレイヤーで音楽を再生した時の音質は、情報をしっかり出す感じで好印象。ランニングの時に、安全に音楽だけ聴ければよい、という人にはベストの機種だ。

“片耳=外音取り込み最強”のJayBird「Vista」

続いて紹介するのは、ランナー向けのイヤホンを積極的に展開しているJayBirdが8月8日に発売した完全ワイヤレスイヤホン「Vista」だ。防水機能はIPX7に加えて、汗や泥までのタフネスを配慮した「アース・プルーフ・カプセル・コンストラクション」構造。充電ケースまで含めてタフネス感たっぷりだ。

「Vista」は、スポーツ向けブランドとして定着しているJayBirdから発売された最新の完全ワイヤレスイヤホンだ

IPX7の防水+汗や泥にも配慮したタフネス設計

IPX7の防水+汗や泥にも配慮したタフネス設計

スマホとペアリングして使うシンプルな完全ワイヤレスイヤホンとも呼べるJayBirdだが、ユニークな機能がランナーの安全を確保への取り組み。Jaybird「Vista」は、シンプルに片耳だけを装着して音楽を聴くことを想定している。

Jaybird「Vista」の動作は“左右接続するはずのイヤホンの片方”というイレギュラーなものではなく、“充電ケースから片側のイヤホンだけを取り出すと、片側だけで音楽を聴くモードになる”という正規の利用方法。片耳だけの特別なペアリングを設定する必要もなく、両耳で音楽を聴ける状態で、左右どちらを取り出しても片耳イヤホンになる。

両耳用にペアリングした状態で片耳を取り出すと、片耳イヤホンとして利用可能

両耳用にペアリングした状態で片耳を取り出すと、片耳イヤホンとして利用可能

片耳イヤホンのオープンの実用性は? というと、もう騒音だろうが、セミの鳴き声だろうが全部聴こえるので、安全確保の観点としては間違いナシ。ただ、片耳がオープンだと、他方から流れる音楽にはまったく集中できない。音質云々より、音楽リスニングとしてはBGMがかかっている程度だろうか。

Jaybird「Vista」も実際にランニングして検証

Jaybird「Vista」も実際にランニングして検証

もうひとつJaybird「Vista」の面白いところがボタン操作。通常はイヤホン表面のタッチ操作で再生/停止、トラック送り、音量の+/-までできるのだが、JayBird「Vista」は無料の専用アプリ「JayBird App」からカスタム登録が可能となっているのだ。そしてこの「JayBird App」は「Spotify Premium」のプレイリストと連動していて、カスタムに登録するとボタンひとつでスタッフのおすすめや、お気に入りのプレイリストを直接呼び出せるようになる。スマホ操作による選曲を飛ばして一気に音楽再生までショートカットできるところは(再生状態によってアプリ画面の通知で止まることがあるが)、BGMとして音楽を聴きたい人に特に扱いやすいだろう。

「JayBird App」と連動してボタンから選曲できるのがポイント

「JayBird App」と連動してボタンから選曲できるのがポイント

イヤホンを両耳にしっかりつけた状態の音質は、音の情報量、ライブ感ともに、なかなかの高音質。アプリからは音質イコライジング機能、さらには聴力測定をして音質調整できる「パーソナルEQ」まで搭載と本格派。普段はしっかり音楽を聴き、時々ランニングで片耳リスニングしたい、という人にピッタリだ。

夜間の安全確保は超重要! パナソニック「RP-BTS55」は光る個性派モデル

ワイヤレスイヤホンのなかでも、ランニング向けの個性派と呼ぶべきイヤホンがパナソニック「RP-BTS55」だ。

見た目にもスポーツ用と自己主張するグリップ付きのイヤホンだけでなく、耳の後側にあたる位置に「ブルーエッジLED」が搭載されていることが最大の特徴だ。

パナソニックのワイヤレスイヤホン「RP-BTS55」

パナソニックのワイヤレスイヤホン「RP-BTS55」

この「ブルーエッジLED」、ペアリングの時などに、ちょっと光るどころじゃない。音量+-のボタンを同時押しすると、もう点灯しっぱなし。ちなみに、+-の2秒長押しで消灯もできる。

イヤホンがブルーに光るだけ? と突っ込まれると、その通りなのだが、他には類似製品のない光るイヤホンだ。夜に路上でランニングをしている人は“夜道で後ろから来た車にひかれそうになった”なんて経験のある人も多いはず。ランニング中の身の安全を確保する上では、車に対して自分の存在を主張できる「ブルーエッジLED」の光こそ、重要な機能なのだ。

「ブルーエッジLED」で夜間でも目立ち安全を確保!!

「ブルーエッジLED」で夜間でも目立ち安全を確保!!

「RP-BTS55」のスポーツイヤホンとしての基本性能はIPX5相当の防滴に、連続再生時間6時間。装着感としてグリップ付きで落下する心配はないのだが、個人的にはピッタリとはフィットしない。お陰で外の音も漏れ聴こえるので、ちょうどいい感じだった。「RP-BTS55」のサウンドは、ライブ感重視で迫力あるタイプ。適度にラフでスポーツ用イヤホンらしいモデルだ。

装着感はゆるめだが、グリップのおかげで落下の心配はナシ

装着感はゆるめだが、グリップのおかげで落下の心配はナシ

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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