レビュー
日本人向けの専用モデルとして企画・開発

AIR by MPOWのワイヤレスイヤホン・ヘッドホンは価格を上まわる質感と音質に注目!

AIR by MPOW

群雄割拠の様相を呈しているヘッドホン・イヤホンジャンルに、また新しいブランドが誕生した。それが「AIR by MPOW(エアー・バイ・エムパウ)」だ。

こちら、中国本国はもとより、世界各国で人気を集め始めているMPOWが、日本人向けの専用モデルとして企画・開発、展開をスタートした新ブランド。通常モデルに対して、音もデザインも独自のものとして作り上げられているという。元々MPOWは、手頃な価格の割に良質なサウンドを持ち合わせていることが話題になったブランド。そのMPOWが、日本人向けにどういったチューニングを施し、どういったデザインに仕上げていったのか。そのあたりは、大いに気になるところだ。

スタート時の展開としては、「X1.1J」「X2.1J」「X4.0J」という3モデルがほぼ同時期にラインアップされた。3モデルともにBluetoothワイヤレス製品で、「X1.1J」はヌードルワイヤレスイヤホン、「X2.1J」はアクティブノイズキャンセリング機能搭載のネックバンド型ワイヤレスイヤホン、「X4.0J」はアクティブノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスヘッドホンとなる。今回は、この3製品について詳細を見ていこうと思う。

実売2,000円強のヌードルワイヤレス「X1.1J」

AIR by MPOW「X1.1J」

AIR by MPOW「X1.1J」

まずは「X1.1J」から。こちらの製品、いわゆるスポーツユースにも配慮した製品で、IPX5の防滴機能を持つほか、耳と接触する部分にシリコン素材を配して装着感向上と落下防止に配慮していたり、左右のイヤホン本体がマグネットでくっつくようになっていて外しているときはネックレスのように保持できたり、絡みにくい幅広ケーブルなどが採用されていたりする。

また、右側にある操作部はボタン部分にシリコンと思われる素材が使われていて操作しやすく触り心地も良好、ハウジング部分はつや消しのブラックで上品な印象に仕上げていたりと、細部まで丁寧な作り込みが行われている。外観からは、とても実売2,000円強の製品とは思えない良質さだ。

また、コーデックはSBCに加えてAACにも対応。バッテリーの持続時間も最大10時間と、十分なスペックを持ち合わせている。加えて、10分の充電で2時間の再生が可能な急速充電も備わっている。こちらも、価格以上の充実ぶりだ。

イヤホン本体をシリコン素材のパーツで覆うなど、装着感にもしっかりと配慮している

イヤホン本体をシリコン素材のパーツで覆うなど、装着感にもしっかりと配慮している

左右のイヤホン本体をマグネットでまとめられるギミックも搭載

左右のイヤホン本体をマグネットでまとめられるギミックも搭載

インラインリモコンはケーブル右側に配置

インラインリモコンはケーブル右側に配置

さて、6mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載し「日本人のサウンドエキスパートが監修し、日本人の需要に合わせてチューニングした」というサウンドはというと、パワフルだが節度ある表現、といったイメージ。低域はたっぷりとした量感を持つが、フォーカス感は決して悪くないため、ボーカルをマスクすることなく、それでいてドラムやベースが主張の強い演奏を聴かせてくれる。そのボーカルは、一歩前に出てきたかのような存在感の強さを持ち合わせている。声色はややハスキーだが、ヌケのよい伸びやかな表現が好印象だ。もちろん、全体的には取りこぼしている音もあるが、聴かせどころをしっかりと心得たサウンドバランスなので、解像感の不足はまったくといっていいほど意識しない。

正直、この価格でこの音質が実現できているのは驚くばかり。実機の質感もよく、企画力の高さと製造クオリティ管理にただただ感心させられた。なかなか、魅力的な製品だ。

ネックバンド型のノイキャンイヤホン「X2.1J」

AIR by MPOW「X2.1J」

AIR by MPOW「X2.1J」

続いて、「X2.1J」をチェックしていこう。

こちら、いわゆるネックバンド型のBluetoothワイヤレスイヤホンで、アクティブノイズキャンセリング機能が搭載されているのが最大のセールスポイントといえる。アクティブノイキャン搭載ネックバンド型Bluetoothイヤホンが、6,500円前後の実売価格で入手できるなんて、もう驚きしかない。いやはや、いい時代になったものだ。

ノイズキャンセリング機能のほかにも、「X2.1J」には注目ポイントがいくつかある。まず、こちらもスポーツユースに配慮されているようで、IPX5の防滴機能や耳からのこぼれ落ちを防ぐイヤーフィン、左右のイヤホン本体がマグネットでくっつくなど、使用時の快適性に関してさまざまな工夫が盛り込まれている。このほかにも、電話の着信を伝えるバイブレーション通知や、音声認識(SiriやGoogle Assistant)への対応など、最新モデルならではの多機能さだ。ちなみに、曲送り/曲戻しは音量ボタン長押しで操作できた。

バッテリーの持続時間は最大16時間、10分の充電で2時間の再生が可能な急速充電が備わるなど、こちらも十分。ちなみに、対応コーデックはSBCおよびAACとなっている。

こちらも操作ボタンは右側に配置されている

こちらも操作ボタンは右側に配置されている

イヤホン本体をシリコン素材のパーツで覆うのも「X1.1J」と同じ

イヤホン本体をシリコン素材のパーツで覆うのも「X1.1J」と同じ

さて、音質の前に、まずはアクティブノイズキャンセリング機能のチェックから。「X2.1J」のアクティブノイズキャンセリング機能は、どちらかというとやや弱めの効きにしているようで、オンにすると、低域の暗騒音をメインに低減し、全帯域に渡ってはほどよく消されていることが感じられる。よりピュアなサウンドが楽しめる、それでいて外界を遮断しすぎないバランス派のセッティングといえるだろう。

続いて音質をチェック。10mm口径ドライバーを搭載した「X2.1J」のサウンドはというと、「X1.1J」に比べてかなりジェントルな印象へとシフト。落ち着きのある歌声や演奏を楽しませてくれる。低域の量感は十分以上に確保されているのだが、あまり主張することなく、添えるような音色で全体をバランスよく聴かせてくれる。特に女性ボーカルは、低域側の付帯音がしっかりと目立ち、落ち着きのある、しっとりとした歌声を聴かせてくれる。

とはいっても、全体的なフォーカスが甘いというわけではなく、ピアノは軽やかなタッチを聴かせてくれるし、アコースティックギーターのつま弾きも明瞭でリズミカルな演奏に感じられる。決して高解像度というわけではないが、帯域バランスの良好さと音の明瞭さで、音楽を存分に楽しむことができる。「日本人のサウンドエキスパートが監修し、日本人の需要に合わせてチューニングした」といううたい文句がダテじゃないと思える、なかなか絶妙なチューニングといえる。

アラウンドイヤータイプのノイキャンヘッドホン「X4.0J」

AIR by MPOW「X4.0J」

AIR by MPOW「X4.0J」

さて、ここからは最後の1台「X4.0J」について。

こちらは3製品中唯一のBluetoothヘッドホンで、「X2.1J」同様アクティブノイズキャンセリング機能を搭載している。ハウジング部は、アラウンドイヤータイプのイヤーパッドと密閉型ハウジングが採用されており、屋外でも室内でも活用できるように配慮された様子がうかがえる。また、IPX5の防滴機能を持っている点も好ましい。

このほか、折りたたみ可能だったり、音声認識(SiriやGoogle Assistant)へ対応していたりと、最新ポータブルヘッドホンとしてのトレンドはしっかりフォローされている。また、曲送り/曲戻しは「X2.1J」と同じく音量ボタン長押しで操作できた。

バッテリーの持続時間は最大20時間と必要十分な数値を持つ。10分の充電で1.5時間の再生が可能な急速充電が備わっているのもありがたい。対応コーデックはSBCだ。

外観デザインは、他の2モデル同様、つや消しブラックでまとめられ、ヘッドバンドの一部にメッキパーツがあしらわれているため、上品に感じられる。ハウジング部分が波打った造形になっているなど、8,000円前後という価格が想像できない作り込みの細やかさも感じられる。このあたりは、「AIR by MPOW」ブランドとしてのこだわりなのかもしれない。

音量調整などのボタンは右側に、ノイズキャンセリング機能ON/OFFのスイッチは左側に用意されている

音量調整などのボタンは右側に、ノイズキャンセリング機能ON/OFFのスイッチは左側に用意されている

ハウジング部分はつや消し仕上げだ

ハウジング部分はつや消し仕上げだ

さて、こちらもアクティブノイズキャンセリング機能の印象から。「X4.0J」のアクティブノイズキャンセリング機能は、右側のスライドスイッチを操作することでオンオフができる。その効き具合は、「X2.1J」と同じ傾向で、暗騒音をメインとしたキャンセリングだが、耳を完全に覆うタイプのメリットか(はたまたそれに合わせたセッティングなのか)、全帯域で強めの消音が行われている印象が感じられた。騒音レベルの高い場所で静かに音楽を聴きたい、などの使い方をする場合は、こちらの「X4.0J」のほうが向いていそうだ。

音質に関しても、この「X4.0J」はかなりの有利さを持ち合わせている。イヤホン2製品に比べて、音場的な広がり感がしっかりと保たれ、明瞭なステレオイメージが再現されている。それでいて、ボーカルの立ち位置が近くに感じられたりとなかなかに面白い、絶妙な音場表現だ。加えて、十分な解像感をもち、ボーカルもメイン楽器も、細部の表現までしっかりと伝わってくるのだ。正直、こちらも1万円以下クラスのBluetoothヘッドホンの音質ではない。なかなかの優秀さを誇っている。

いっぽうで、帯域バランスとしては低域の量感が多め、高域の伸びがよいのは他の2製品と変わらず。このあたりは、サウンドチューニングの方向性となっているのだろう。実際、Jポップとの相性はなかなかに良好だ。ちなみに、今回試聴した個体は新品だったため、最初はややくぐもった音がしていたが、しばらく聴いているとだんだん音の抜けがよくなっていったので、多少エージングすることをオススメしたい。

まとめ

ここまで「AIR by MPOW」の3製品を見てきたが、価格を上まわる質感と音質を持った、なかなかに優秀な製品たちだった。新ブランド立ち上げからこのクオリティレベルの製品を揃えてくるMPOWの実力と本気度に、大いに感心させられたのは確か。手頃な価格という絶対的な価値も相まって、多くの人に手に取っていただきたい製品だ。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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