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飛行機内の騒音を一番低減できるのはどのモデル?

AirPods Pro・WF-1000XM3・WI-1000XM2…最新ノイズキャンセリングイヤホンを飛行機でガチテスト

AirPods Pro・WF-1000XM3・WI-1000XM2…注目のノイズキャンセリングイヤホンを飛行機でガチテスト

2019年は“ノイズキャンセリング”のキーワードが飛び交った1年となった。特に10月30日に発売したアップルの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」、7月に登場したソニーの完全ワイヤレスイヤホン第2弾「WF-1000XM3」、そして12月7日に発売予定のワイヤレスイヤホン「WI-1000XM2」と、従来選択肢の少なかったイヤホン型のノイズキャンセリング対応機種が出揃い始めた。

海外出張の多い人だと“飛行機内用にノイズキャンセリングヘッドホンを用意する”というのも定番だが、荷物としてかさばるヘッドホンより、コンパクトなイヤホン型でノイズキャンセリング対応を済ませたい需要も少なからずあるだろう。

そこで今回は2019年に登場した注目のノイズキャンセリングイヤホンとして「AirPods Pro」「WF-1000XM3」「WI-1000XM2」の3機種を機内に持ち込んで、ノイズキャンセリング効果の比較レビューを検証した。検証したのはカタール空港の羽田空港からカタール・ドーハ経由を経てイタリア・ヴェネツィアへと至る、ドーハ−ヴェネツィアの約6時間半のフライトだ。

今回搭乗したのはカタール航空のエコノミークラスのフライト

今回搭乗したのはカタール航空のエコノミークラスのフライト

レビュー方法は、実際にフライトに搭乗して機上でノイズキャンセリング効果を確かめるのみ。飛行機内の騒音は飛行中の振動とともに感じる“ゴー”と響く重低音、今回のフライトでは控えめだったが“ブーン”と響くような中域ノイズ、主にエアコンに由来する“シー”という騒音が機内を快適に過ごす妨げになるので、それぞれの騒音についてコメントしている。

検証にあたっては、AirPods ProはiOSの設定画面上から装着性等のチェックを済まし、「WF-1000XM3」「WF-1000XM3」は「Headphones Connect」のアプリから個別に初期設定を済ませている。

カタール・ドーハからイタリア・ヴェネツィアの約6時間半のフライトで検証

カタール・ドーハからイタリア・ヴェネツィアの約6時間半のフライトで検証

ソニーの大人気ノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」

7月の発売以来、大ヒット中のソニー「WF-1000XM3」

7月の発売以来、大ヒット中のソニー「WF-1000XM3」

「WF-1000XM3」は、今年7月に発売されたソニーのノイズキャンセリング対応完全ワイヤレス第2弾。すでに多数のレビューが掲載されているが、高音質とともに“ノイズキャンセリングならソニー”という存在感を発揮した大ヒットモデルだ。ノイズキャンセリングの技術は「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1e」「デュアルノイズセンサーテクノロジー」。ノイズキャンセリングプロセッサーは、ヘッドホン「WH-1000XM3」に搭載されているものをベースに省電力を図ったカスタムチューン版という位置付けだ。

飛行機内で「WF-1000XM3」を検証

飛行機内で「WF-1000XM3」を検証

さっそく飛行機の機内で「WF-1000XM3」を装着してみる。“ゴー”という重低音は確実に低減しているが、それでもしっかり聴こえる程度だ。中域の“ブーン”という規則性のある騒音も残る。高域は“シー”という音は残っているが、ホワイトノイズは気にならない。なお、音量を大きめにして音楽を聴いていても、騒音がある程度聴こえることは覚悟しておきたい。騒音低減の全体的な効果としては遠くで鳴るような感じで、聴感上も自然。アプリから外音取り込みを1段階上げてみると、飛行機の騒音が飛び込んでくる。「アンビエントサウンド機能」の出番はないだろう。

完全ワイヤレスイヤホンという形状も考えて、騒音を低減する効果は一定レベルにあるが、航空機内は想定範囲外というのが正直な所かもしれない。なお、ノイズキャンセリングONの状態で連続再生時間6時間なので、今回のフライトとしてはギリギリ合格だ。

12月7日発売のソニーのノイキャンイヤホン最新モデル「WI-1000XM2」

発売前のサンプルをお借りしたソニー「WI-1000XM2」

発売前のサンプルをお借りしたソニー「WI-1000XM2」

12月7日に発売予定のソニーのワイヤレスイヤホン「WI-1000XM2」は、ネックバンド型ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンで業界最高性能を誇るというノイズキャンセリング対応モデル。「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」と「デュアルノイズセンサーテクノロジー」という組み合わせは、ノイズキャンセリングヘッドホンの定番「WH-1000XM3」と同じ。最上位仕様なのでアプリ「Headphones Connect」から装着性と気圧に対する最適化の機能まで用意されている。

ネックバンド型のソニー「WI-1000XM2」も検証

ネックバンド型のソニー「WI-1000XM2」も検証

“ゴー”という重低音は感覚的に1/5程度に落ちるイメージで、この時点で「WF-1000XM3」とはまったく別格の騒音軽減効果。中域の“ブーン”という騒音も、意識を騒音に集中すれば感じられるが、あまり気にならない程度に抑える。高域の“シー”という音は多少残るようだ。それでも騒音全体のレベルが1/5程度に抑えられているので実用性は十分。音楽を流すこと前提なら飛行機内の騒音軽減としてまったく問題ないだろう。

飛行機内に持ち込むノイズキャンセリングイヤホンとして考えると、ノイズキャンセリングONの状態で最大10時間というバッテリー駆動は心強いし、航空機用アダプターも付属しているので機内エンターテイメントと有線接続も可能。トータルパッケージとして、飛行機用持ち込みとして扱いやすいモデルだ。

アップル初のノイズキャンセリング付き完全ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」

発売日に購入したアップル「AirPods Pro」

発売日に購入したアップル「AirPods Pro」

10月30日に発売されたアップルの最新完全ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」は、同社初のノイズキャンセリング対応イヤホンだ。完全ワイヤレスイヤホンでノイズキャンセリング対応という、ソニーの牙城にいきなり切り込んできた注目モデルだ。

「AirPods Pro」は飛行機で想像以上のノイズキャンセリング効果を発揮

「AirPods Pro」は飛行機で想像以上のノイズキャンセリング効果を発揮

実際に飛行機内で「AirPods Pro」を装着してみると……このノイズキャンセリング効果はすごい。装着した瞬間、すっと騒音が消える静寂の世界が訪れる。飛行機の走行にともなう“ゴー”という効果は本当にゼロに近いレベルまで低減される。イメージ的に騒音は1/10以下レベルだろうか。音楽をかけずに騒音に集中すれば“ゴー”という騒音も分かるが……それが耳から聴こえる音なのか、体で感じている騒音なのか区別が付かないほど。中域のノイズも聴き取れないレベル。ただし、“シー”というワイヤレス部のホワイトノイズが強めに出る所が少し気になる。それを踏まえて考えても、トータルでみて飛行機内の騒音軽減効果はトップだ。

予想をはるかに超えて「AirPods Pro」騒音軽減効果がすばらしいので、飛行機内では音楽を聴いていなくても「AirPods Pro」を耳栓代わりに付けることも推奨したくるほど。ただし泣き所はノイズキャンセリングONの状態で最大4.5時間の再生時間。航空機用としては連続再生時間はまったく足りず、休み休み充電ケースで使うハメに。航空機用としての実用性はフライト時間次第だが、短時間フライトなら確実にトップモデルと言えるだろう。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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