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2019年AV家電業界を振り返る【映像機器編】

2019年の映像機器は4K放送対応が一段落。プロジェクターは映像配信対応で一発逆転!?

2019年を振り返ってみると、AV機器というカテゴリーで常に主役級に扱われる「4Kテレビ」、そして「プロジェクター」のカテゴリーが例年以上に話題豊富だった。

2019年AV家電業界を振り返る【映像機器編】

4K放送対応テレビが当たり前になった4K液晶・有機ELテレビ

4K放送対応テレビが当たり前になった4K液晶・有機ELテレビ

2019年の話題の導入として、まずは4Kテレビ関連の中から2018年12月1日にスタートした新4K衛星放送の普及状況について触れておこう。JEITAが発表した新4K8K衛星放送の視聴可能機器台数は11月末の集計で累計270万台。ふたを開けて見れば1年で4K放送の普及が一気に進んだ……というか、正確には4K放送チューナーの搭載が進んだ。

昨年12月の放送開始にチューナー搭載が間に合ったのは東芝映像ソリューション・シャープ・三菱の3社のみだった(ハイセンスも2018年12月に4Kチューナー搭載モデルを発売)。発売に間に合わなかったメーカーはこの遅れを取り戻すべく、2019年はパナソニックが1月に新機種を発売、ソニー、LGエレクトロニクスら残りの大手メーカーも夏商戦で新4K衛星放送対応モデルを取り揃えた。

パナソニックは2019年1月に4Kチューナーを搭載した4K液晶ビエラ「GX850」「GX750」を投入

パナソニックは2019年1月に4Kチューナーを搭載した4K液晶ビエラ「GX850」「GX750」を投入

ソニーはやや遅れ、2019年4月のタイミングでの4Kチューナー搭載モデルの投入となったが、4K液晶テレビだけでなく、4K有機ELテレビにもチューナー搭載モデルをラインアップした

そんな4Kチューナー搭載のテレビだが、プレミアが付くこともなく、価格.comでは40型クラスで10万円以下というモデルも登場してきている。4Kチューナーは特別な付加機能ではなく付いていて当たり前になり、統計上は毎年4Kテレビの出荷台数分だけ普及していくような状況になっているのだ。

いっぽう、この流れに乗り遅れたのが数年前から市場を賑わしてきた、いわゆる格安4K液晶テレビ。元々在庫処分のパーツを買い集めて数量限定の単発で勝負していたメーカーは4Kチューナーを搭載できず、コスパ勝負では苦しくなり始めた。

また、2019年は、総合家電メーカーを目指し、「音声操作4K対応液晶テレビ LUCA」を発売したアイリスオーヤマ、「P8」シリーズで4Kチューナーなしを補う激安プライスを付けてきた中国TCLなどの新規参入メーカーの話題もあったが、やはり見逃せないのが、中国ハイセンスの躍進だろう。

海外メーカー勢の中でいち早く4Kチューナー搭載モデル「A6800」を投入したハイセンス。今や、価格.comの「薄型テレビ・液晶テレビ 」カテゴリーのランキング常連メーカーだ

ハイセンスといえば、格安4K液晶テレビとして名前をあげられがちだが、本来は世界シェア4位で世界規模の大手ブランド。日本国内のモデルはグローバル機ではなく、昨年子会社化した東芝映像ソリューションによる開発で4Kチューナーも搭載。映像エンジンのハードウェアは東芝映像ソリューションと同じものを搭載していて画質も非常にハイレベルになっている。

たとえば、50型の4K液晶テレビ「50E6800」は6万円台後半とREGZAブランドより約2万円安く、格安テレビメーカーとも真っ向勝負できる価格になっている。そんな価格戦略もあって、わずか1年で国内シェア上位に上り詰めてしまったのだ。

4K液晶テレビ「50E6800」はそのコスパの高さから、価格.comでも発売直後から常にランキング上位に位置している人気モデル

ちなみに、ハイセンス傘下となった東芝映像ソリューションのREGZAも価格を下げていて、12月25日時点では、4K液晶テレビの最上位モデル「REGZA 49Z730X」が、の価格.com「薄型テレビ・液晶テレビ」カテゴリーの人気売れ筋ランキングでトップとなっている。“全録”も付いた4K液晶テレビが10万円台前半で買えるとは、いい時代になったものだ。

東芝映像ソリューション「REGZA 49Z730X」。全録などの高い機能性が評価され、発売直後から価格.comのランキング上位をキープしている人気モデルだ

有機ELテレビも10万台、20万円台からと手の届く価格に。8Kテレビは足踏み!?

4Kテレビの中でも、ハイエンドクラスは国内外メーカーとも有機EL化が一気に進んだのも見逃せない。高価なイメージがある有機ELテレビも、年々テレビの価格レンジは下がっており、価格.comで探せば65型30万円台という製品も出てきている。

価格.comではソニーの55型有機ELテレビ「BRAVIA 55A9G」がユーザーから高い支持を集めたが、価格が安めのLGエレクトロニクスやハイセンスなら、同じ55型の有機ELテレビが10万円台後半で選べるし、逆に高価格機種ではパナソニックの有機ELテレビ「VIERA 55GZ2000」が55型で30万円台という高価格モデルながら、独自の有機EL構造による画質がすばらしく、2019年の高画質筆頭モデルとしてヒットを記録している。

パナソニック「VIERA GZ2000」シリーズは、独自の有機EL構造によりピーク輝度を高め、画質を重視するユーザーを中心に高い評価を得ている

メーカー毎の画質差はともかく、有機ELテレビであることによるコントラスト、視野角などの画質メリットは非常に大きい。液晶テレビと比べると高価ではあるが、“メインのテレビを探しているならプラス10万円頑張って有機ELを買っちゃいなよ”というところまで来ている(実際に僕は65型の東芝映像ソリューションの有機ELテレビ「REGZA 65X930」を購入した)。

さらなる高級機となると8Kテレビだが、実は4K放送と同時期昨年12月にスタートした8K放送、2019年が終わった時点で8Kチューナーを搭載した製品がシャープの「AQUOS 8K AX1」シリーズのみというなんともさびしい状況となっている。8Kチューナー非搭載であれば、シャープ「AQUOS 8K BW1」シリーズとLGエレクトロニクスの8K有機ELテレビ「OLED 88Z9PJA」が発売されているが、8Kチューナーを搭載しないとなると、感覚としてはディスプレイ扱いだろう(いずれも4Kチューナーは搭載している)。来年8K放送チューナー搭載機が他社からも登場してくれば、8Kもより現実味を持って迎えられるようになりそうだ。

シャープは、8Kチューナーレスにすることでコストを抑えた8Kレディの液晶テレビ「AQUOS BW1」シリーズを投入し、8Kテレビ市場への積極的な商品展開を進めている

ちなみに、個人的には“8K放送も体験してみよう”とシャープから80型の8K液晶テレビ「AQUOS 8K 8T-C80AX1」を自宅にお借りして満喫している。8K解像度、明るい、デカイが揃った究極の臨場感は本当にすばらしい。80型という画面サイズになると、テレビを見るという行為が、映画館のスクリーンのような体験になる。「8T-C80AX1」は80型のフラッグシップなのでさすがに高価(価格.comでも約150万円)だが、来年は東京五輪もあるので、奮発して8Kの世界に踏み出してみてもいいかもしれない。なお、8Kチューナー非搭載の「AX1」シリーズは年末にかけて大きく値下がりしているようで、6型の「8T-C60AX1」なら65型の有機ELテレビに近い30万円台半ばで購入できるようになっている。

8K液晶テレビ「AQUOS 8K 8T-C80AX1」を自宅で試しているが、80型の大画面はまさに圧巻だ

8K液晶テレビ「AQUOS 8K 8T-C80AX1」を自宅で試しているが、80型の大画面はまさに圧巻だ

最後にレコーダーについてだが、4Kチューナーを搭載した製品がパナソニック、シャープ、ソニーの3社からついに出揃った。なかでも4K放送の長時間録画に対応する「おうちクラウドDIGA DMR-4W200」は価格と性能の全体的なバランスがよく、価格.comでも人気が出ている。4Kチューナー搭載モデル以外だと、最大10ch×28日間の全録機能を備えたモンスターマシン「DMR-UCX8060」や、スマホの写真やビデオを自動で保存してくれるモデルなども登場してきた。今後も、テレビ番組の録画・保存だけでなく、ネットワークを絡めてユーザーのやりたいことを吸い上げて進化していきそうな予感だ。

この冬、4Kチューナー搭載ブルーレイレコーダーの最新モデルがパナソニック、シャープ、ソニーの3社からついに出そろった。いずれも4Kダブルチューナー仕様となり、4K番組録画周りの制約がだいぶ改善されている

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