レビュー
純粋なオーディオ製品としても大満足!

おしゃれで高音質で高コスパなSonos×イケアのコラボスピーカー「SYMFONISK」

米国発のWI-FiスピーカーブランドSonosが、あの家具メーカーのイケア(IKEA)とコラボしたことで話題となったWi-Fiスピーカー「SYMFONISK(シンフォニスク)」。日本でも2月1日にようやく発売がスタートした。普段からイケアで買い物をする人は“SYMFONISK”というスウェーデン語の名前(交響曲という意味)でピンときた人が多いと思うが、商品としてはイケアの店舗やオンラインストアで販売される。製品概要については発表会のレポート記事がすでに上がっているので、本稿では実際にどれだけ高音質で、イケアっぽいのかを、自宅に設置して確かめてみた。

SYMFONISKを実際に自宅に設置して検証

SYMFONISKを実際に自宅に設置して検証

なお、SYMFONISKには、ブックシェルフ型(14,990円)とテーブルランプ型(24,990円)と1万円差で2製品が存在する。区別が付きにくいので、以降は“ブックシェルフ型”“テーブルランプ型”と呼んでいく。

組み立てほぼ不要。Wi-FiスピーカーのセットアップはSonos製スピーカーそのもの

まずは箱から出してセットアップを開始。イケアの製品というと購入後の組み立てが付き物だが、ブックシェルフ型は箱から出して電源ケーブルをつなぐだけという非常にシンプルな作りとなっている。

SYMFONISKのブックシェルフ型

SYMFONISKのブックシェルフ型

Sonosとイケアのロゴが並ぶ

Sonosとイケアのロゴが並ぶ

本体フロントには、再生/停止と音量調整ボタンが用意されている

本体フロントには、再生/停止と音量調整ボタンが用意されている

ブックシェルフ型の本体は、ファブリック製のカバーが付いており、縦置き・横置きの両方が可能となっている。本体サイズは、150(幅)×100(高さ)×310(奥行)mm。一般的な一体型スピーカーなどを想像すると、少し大きめのサイズだ。ただし、縦置きができるので実際には省スペースにも設置可能で、文字通り本棚にも収納できる。

縦置きもでき、省スペースにも設置できる

縦置きもでき、省スペースにも設置できる

テーブルランプ型は電球を取り付け、ランプシェードを固定するのみだが、電球は別売り。ソケットのサイズは、一般的なE26タイプよりひと回り小さいE17タイプとなっている。設置を始めて間もなく“しまった!E17タイプの電球なんて家にあったかな?”と一瞬手が止まったが、寝室のベッドサイドにあったイケアの「TARNABY(テールナビー)」で使っていた、イケア製のE17タイプのLED電球「ROLLSBO”(ロルスボ)」を拝借することにした。ムラのある吹きガラスのランプシェードもイケアらしい味だ。

SYMFONISKのテーブルランプ型

SYMFONISKのテーブルランプ型

E17タイプの電球(別売り)を接続

E17タイプの電球(別売り)を接続

テーブルランプ型の本体サイズは、216(幅)×401(高さ)×216(奥行)mmで、ホテルにあるような大きめのテーブルランプくらいの大きさ。本体下側がスピーカー、上側がランプという1台2役の構造だ。外見としては、スピーカー部分がファブリック素材というところも、イケアっぽさを感じる。ダイヤルはランプとしての電源ON/OFFの機能がアサインされており、ガチャガチャと回すアナログっぽい操作感だ。ランプ部分はリモコンがなく、アプリ連動もしない、完全に独立して動作する形で、ランプだけなら電源コードをつなげるだけですぐに使用できる。

ランプのスイッチはダイヤル式

ランプのスイッチはダイヤル式

ランプ部分のみだけならセットアップ不要だ

ランプ部分のみだけならセットアップ不要だ

SYMFONISKの製品情報にはオーディオ機器としてのスペックの記載がないのでまとめておくと、ブックシェルフ型はウーハー+ツイーターの2ウェイ構成のフロントバスレフ型。モノラルスピーカーなので縦横をこだわる必要はないだろう。テーブルランプ型の中の構造は直接見えないが、音の聴こえ方からすると下向きのユニットで360度に音を拡散させる構造のようだ。

ブックシェルフ型は2ウェイスピーカー構成

ブックシェルフ型は2ウェイスピーカー構成

テーブルランプ型は下向きスピーカーで360度に音を鳴らす形のようだ

テーブルランプ型は下向きスピーカーで360度に音を鳴らす形のようだ

ブックシェルフ型とテーブルランプ型に共通する仕様として、再生ソースはWi-Fi及び有線LANのネットワークのみ。Bluetoothには対応せず、バッテリーも内蔵せず、外部入力端子もない。純粋にWi-Fiスピーカーと設計されているので、自宅にWi-Fi(又は有線LAN)の環境が必須、スマホとセットだけでは使えない点は注意してほしい。

Wi-Fiスピーカーとしてのセットアップは、Sonos製スピーカーそのものだ。Sonosアプリを使って、Wi-Fiの接続、部屋の登録、そしてSonosの特徴的な機能であるスマホ内蔵マイクを使った部屋の音響測定「Trueplay」へとセットアップを進めていく。音楽リスニングは定額音楽配信サービスを利用する形で、日本国内向けのメジャーサービスではSpotify、Amazon Music、Apple Music、YouTube Musicなどが登録可能だ。ちなみに僕はAmazon Music(HD)を選択してセットアップを進めた。

Wi-FiスピーカーとしてのセットアップはSonosアプリを使う

Wi-FiスピーカーとしてのセットアップはSonosアプリを使う

基本的に再生ソースは定額音楽配信を利用する形だ

基本的に再生ソースは定額音楽配信を利用する形だ

Sonosでは、家の中に複数台の対応スピーカーを設置して、ルーム単位で同期して流したり、ステレオペアとして利用したりと、家の音楽を管理する作りとなっている。細かな操作性についてはSonosのレビュー記事も参照してほしい。初期設定さえ済んでしまえば、同じWi-Fiの中にあるデバイスからAirPlay2で音楽を飛ばして再生するといったことも可能だ。

純粋なオーディオ製品としても大満足度

ここからは、実際に音楽を聴いて音質をチェックした模様をレポートしよう。

まずはブックシェルフ型から。音楽を流してみて最初に気付いたのが、Wi-Fiスピーカーという製品の見た目に反して、Hi-Fiオーディオ寄りの真面目にバランスを取ったサウンドだということ。KingGnuの『白日』では2人の男性ボーカルの歌声を聴き分けることができたし、ドラムの音の響きもしっかりと伝わってきた。宇多田ヒカルの『あなた』では歌声の高域が若干立つが、声の情報量とバックバンドの演奏が非常に繊細なのが好印象だった。ビリー・アイリッシュの『バッド・ガイ』では30畳の部屋でも余裕で重低音を満たせるパワーを備えつつ、量感を行き過ぎずコントロールすることで気持ちいいリズムを聴かせてくれた。ちなみに、音量は日本の家庭では余裕で足りるが、スピーカーの外見通りに真正面に指向性があるので、自然に聴くなら正面位置を推奨したい。

約30畳あるLDKひと続きの大空間で音質をチェックしてみた

約30畳あるLDKひと続きの大空間で音質をチェックしてみた

テーブルランプ型も基本的なサウンドチューニングの方向性は同じで、Hi-Fi志向だ。ブックシェルフ型との違いとしては、KinGnuの『白日』も宇多田ヒカル『あなた』も、ボーカルあたりの中域に少し厚みのあるバランスになっている。そして、360度サウンドで部屋のどの位置で聴いても、ボーカル含めて自然に聴こえるところがすばらしい。バンドの演奏のスケール感や、音楽のライブ感のような広がりも、テーブルランプ型のほうが余裕がありナチュラルだ。重低音は30畳の部屋も満たした上で余裕たっぷりで、音量を上げ過ぎると家の外壁を越えて屋外にも漏れるくらいのパワーがある。それでも聴感上出過ぎと感じないのは、セットアップ時の音響測定のたまものだろう。音量を小さくBGMで流れる程度に絞っても雰囲気をしっかりと残して聴かせてくれるチューニングも見事だ。

純粋なオーディオ製品としての満足度も高く、価格を考えるとかなりのハイコスパモデルだ。特にブックシェルフ型は14,990円という価格が、テーブルランプ型は音の広がりで扱いやすい点がうれしい。Sonosの「Sonos One」(税込み26,180円)と勝負できる高音質をこの価格で実現できているのはかなり魅力的と言えるだろう。

そして、SYMFONISKは紛れもなくイケアの製品だという点も見逃せない。「Sonos One」の無駄を省いたミニマムデザインもクールでカッコイイが、SYMFONISKは素材を生かした家具的な暖かみがある。だからこそイケアっぽく、部屋のインテリアにもマッチする。

今回、音質的な検証を終えた後に家の中で“映える”場所を探してみた。ブックシェルフ型は、インテリアや小物を置いている棚の上に置くと、それだけおしゃれに馴染んでしまった。縦置きもできるので、キッチンにさりげなく置いてもスタイリッシュでよかった。

ブックシェルフ型は棚に置くだけでも絵になる

ブックシェルフ型は棚に置くだけでも絵になる

キッチンに縦置きでセットしてみてもスタイリッシュ

キッチンに縦置きでセットしてみてもスタイリッシュ

テーブルランプ型が活躍する場所は、やはり寝室のベッドサイド。元々イケアのTARNABYというテーブルランプを置いていたので、そのままSYMFONISKに置き換えてみた。デザイン的には文句ナシのおしゃれさ。気持ちサイズが大きめだが、このワンボディでランプとスピーカーを兼ねるなら、むしろ省スペースとも言える。

テーブルランプ型は定番のベッドサイドに設置

テーブルランプ型は定番のベッドサイドに設置

イケアの製品というと、デザインがよくて、安くて、品質もそこそこというイメージだったが、SYMFONISKはSonosと共同で開発したということもあり、本気で評価できる高音質なスピーカーに仕上がっていた。Sonosがこれまで手がけてきたスピーカーと比べてもかなりお得な価格だし、イケア製品としてのおしゃれさもしっかりと兼ね備えている。がっつりと音楽を楽しみたい人はもちろんのこと、日々の生活の中で音楽を気軽に楽しみたいという人にもベストマッチしそうな製品だ。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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