レビュー
Wi-Fiを使ったスマート機能に4K/HDR対応まで!

高画質+高音質が1台で揃うビューソニックの4Kプロジェクター「X10-4K」は結構スゴいかも!

今、AV家電界隈でひそかにブームになっているのが“プロジェクター”だ。特にWi-Fiを内蔵してYouTubeや映像配信サービスを視聴できるという、カジュアルなコンセプトなモデルが人気のようで、今までプロジェクターを使ってこなかったライトな層にも受け入れられつつあるようだ。

今回取り上げる「X10-4K」は、昨年12月に米ビューソニックが発売したプロジェクターだ。Wi-Fi内蔵という最近流行りのスマートさと、4K/HDR 830万画素のDLPデバイスと2,400LEDルーメンという高画質の両方を狙ったモデルとなる。2020年3月27日時点で価格.comの最安価格が159,800円と、Wi-Fi内蔵プロジェクターとしてはやや高価な部類だが、はたしてその実力はどれほどのものなのか。詳しくチェックしてみた。

プロジェクターっぽくないデザイン性の高い本体。設置も意外に簡単

最初に「X10-4K」の外見から紹介していこう。ガンメタ系の黒とレザー調のカバーを組み合わせた、プロジェクターでは類似品がないくらいの上質なデザインだ。激安プロジェクターのようなチープさはないし、高級なホームシアタープロジェクターとも違うテイストだ。

スクエアな形状で上質なデザインの本体

スクエアな形状で上質なデザインの本体

ダイヤル操作可能なリモコン。音量調整もリモコン下のレバーから操作可能だ

ダイヤル操作可能なリモコン。音量調整もリモコン下のレバーから操作可能だ

持ち運びに便利なハンドルも用意。レザー調のカバーの内側に各種端子が並ぶ

持ち運びに便利なハンドルも用意。レザー調のカバーの内側に各種端子が並ぶ

インターフェイスは、HDMIが2系統、USBが2系統、USB Type-Cが1系統、microSDメモリーカードスロット、光デジタル出力、アナログ音声入出力などが用意されている

Wi-Fiは付属のUSBドングルを使用する形。装着したまま蓋が閉まるので実質内蔵だ

Wi-Fiは付属のUSBドングルを使用する形。装着したまま蓋が閉まるので実質内蔵だ

プロジェクターを導入する際のハードルとなる設置場所。今回「X10-4K」を設置したのは、僕の自宅にある一部屋。スクリーン投写は予算的に諦めるとして、白系の壁紙で広い壁面を取れる部屋はここしかなかった、という理由だ。家庭では窓があったり家具があったりと投写できる広い壁面の確保も意外と難所だったりする。

模様入りの白い壁紙だが、投写すると意外と気にならないものだ

模様入りの白い壁紙だが、投写すると意外と気にならないものだ

「X10-4K」は、ズーム等の機能のない単焦点、そして投写距離の短い短焦点のプロジェクターだ。売り文句は約1.77mの距離で100インチの投写だが……検証した僕の部屋では、設置場所に選んだ壁付けの棚から投写面となる壁まで1.3mしかないので、自然と投写距離は決まった。「X10-4K」をセットして電源を入れると、起動後にAF(オートフォーカス)と自動台形補正が働き、クッキリとしてドット感のない4K映像を表示してくれた。投写サイズは幅157cm×高さ88cm。対角線180cmなので70インチという計算になる。

130cmの距離で投写すると約70インチの画面で投写できた

130cmの距離で投写すると約70インチの画面で投写できた

ちなみに、「X10-4K」の本体下には床などの設置用に上に角度を付けて投写するアジャスターフットが用意されており、115%オフセット、130%オフセット設置が可能だ。そのままだと台形型に投写されることになるが、自動台形補正が働くので、設置は思いのほか簡単だ。なお、横方向からずらして投写するための補正機能は存在しない点は注意しておこう。

アジャスターフッドによる角度調整にも対応する

アジャスターフッドによる角度調整にも対応する

電源を入れるとブートサウンドとロゴが表示され、約51秒で投写準備が完了した。初回起動時に日本語を選べばUIは日本語表記になる。あとはWi-Fiへの接続を済ませればセットアップ完了だ。

「X10-4K」のメイン画面

「X10-4K」のメイン画面

なお、「X10-4K」にはスマホで使える操作アプリ「vRemote」も提供されているが、最低限のリモコン操作以外に機能がない。Googleアシスタント、Amazon Alexa対応機能も、日本語環境下ではスマートスピーカー側のスキル提供がないので現時点では無視しておこう。

明るい部屋で画面と投写した様子

明るい部屋で画面と投写した様子

照明を落とすと画面はクッキリ

照明を落とすと画面はクッキリ

一般的なプロジェクターはここからソース機器側の話になるが、「X10-4K」は「aptoide」のストア機能によるスマート機能が利用できる。ただ、アプリはGooglePlayほど豊富ではないし、海外向けのものが多く、実際に日本のユーザーが使えそうなアプリは「YouTube(アプリ名はSmartYouTube)」、「Netflix」、「AbemaTV」くらいだろうか。

「aptoide」のストア機能からアプリ導入が可能

「aptoide」のストア機能からアプリ導入が可能

実際にそれぞれ使ってみると、「SmartYouTube」は表示解像度を選べる多機能版で、使い方も簡単で文句ナシ。「Netflix」はマウス接続推奨でリモコン操作が困難なほか、HD画質までの表示になる。「AbemaTV」もうまく操作できず、画面が動いてしまい挙動が怪しい。というわけで、追加できるアプリで実質的に活用できるのは「SmartYouTube」のみ。ログインも可能なので、YouTubeのアプリから動画を飛ばして再生も可能だ。

「SmartYouTube」はアプリ起動時に解像度設定などを選べる以外は通常のYouTubeとほぼ同じ見た目なので使いやすい

「X10-4K」でYouTubeの音楽PVを再生してみると……さすがに70インチの大画面ということもあり、4Kテレビとも違った非日常的な大画面を体験できた。YouTubeを視聴する上では画質的な不満もまったくナシ。色は若干鮮やか寄りで照明を付けた部屋でちょうどいいくらい。照明を落とした部屋ではもう、ちょっとしたホームシアターのようだ。

非日常感たっぷりの大画面プロジェクター生活を楽しめる

非日常感たっぷりの大画面プロジェクター生活を楽しめる

なお、リモコンの設定ボタンから映像調整のメニューに入れるはずなのだが、呼び出せるのはYouTubeなどの映像再生中やHDMI入力の表示時のみと扱いにくい。もっとも、ほとんどの用途で映像モードのデフォルト設定“明るい”で問題ないだろう。

映像モードは輝度や色温度などさまざまな調整が可能だが、モード設定のデフォルト値“明るい”のままでも十分キレイだ

スティック型のストリーミングデバイスを組み合わせるとさらに快適に

「X10-4K」の4K/HDRというスペックを生かすには、2系統あるHDMI入力頼みになる。BDレコーダーやUltraHD BDプレーヤーを接続してもいいが、NetflixやAmazonプライム・ビデオを観る目的なら、Amazon「Fire TV Stick 4K」を導入するのが手っ取り早い。実際に「Fire TV Stick 4K」でプライム・ビデオ作品『フォーガットン・アーミー』を鑑賞してみると、やはり4K/HDR映像の高画質は別次元。上を見れば数百万円の製品までキリのないホームシアターだが、「X10-4K」の価値は、カジュアルな製品から一歩以上ホームシアターに踏み出したクオリティという所にありそうだ。

NetflixやAmazonプライム・ビデオを4K/HDRで視聴するなら、Amazon「Fire TV Stick 4K」が便利だ

NetflixやAmazonプライム・ビデオを4K/HDRで視聴するなら、Amazon「Fire TV Stick 4K」が便利だ

HDR10方式の4K/HDR映像の表示も確認できた

HDR10方式の4K/HDR映像の表示も確認できた

「X10-4K」には、もうひとつ映像の表示手段がある。それはスマホの画面ミラーリングだ。iPhoneなどのiOSデバイスではAirPlayの画面ミラーリング、AndroidスマホなどではChromeCast準拠のミラーリング機能(僕が試したGalaxyではSmartViewの名称)と互換性があり、Wi-Fiさえ接続してあれば、すぐに「X10-4K」を検出してくれる。

Wi-Fi経由のミラーリングなので画質はHDまで、NetflixやAmazonプライム・ビデオは著作権保護のため映像本編のミラーリングは不可となる。本来の用途はスマホの写真やビデオ、ゲーム画面などを大画面で映すものだが、地デジの見逃し放送を配信している「Tver」のアプリはミラーリングに制限がないので、テレビ放送を観たい人にはオススメだ。

iPhone、Androidともにスマホ画面のミラーリング表示が可能だ

iPhone、Androidともにスマホ画面のミラーリング表示が可能だ

プロジェクター内蔵スピーカーとは思えない高音質

「X10-4K」はHarman Kardonのスピーカーを搭載しており、プロジェクターとしては異例なほどに高音質だ。サッカーの動画を観ていても実況はクリアに聴けるし、YouTubeで音楽PVを視聴していても、歌声はクリアだしバンド演奏の広がりもしっかりと再現できている。低音はバンドのベースくらいまで聴かせるくらいで、出過ぎず程よいバランスだ。プロジェクター内蔵スピーカーの音質は手抜きされがちなので、こと音質に至っては「X10-4K」は本当にトップ級の高音質と言えるだろう。

大型ボリュームダイヤルも搭載。ちなみに、「X10-4K」はBluetoothスピーカーとしても利用できる

大型ボリュームダイヤルも搭載。ちなみに、「X10-4K」はBluetoothスピーカーとしても利用できる

いっぽうで、実機レビューでこれは言わなくてはならないと思ったのが動作中の駆動音。騒音レベルはファンの真横では約48dbだが、高域の騒音なので数値以上に耳についてしまった。排熱が必要なプロジェクターにとって騒音はつきものなの致し方ない部分ではあるが、音楽や映画を大音量で流して気にしないでおくといったようにうまく付き合っていく必要があることは覚えておいたほうがよさそうだ。

高画質と高音質とスマート機能のすべてが1台で揃う注目機種

Wi-Fi内蔵のプロジェクターが増えつつあるが、「X10-4K」のよさは設置の簡単さと、4K/HDRの高画質、そしてプロジェクターのなかでは最高クラスに高音質な内蔵スピーカーが1台で手に入るということだろう。騒音が多少気になるのとスマート機能のアプリ部分の作り込みだけやや気になるが、Amazon「Fire TV Stick 4K」などのスティック型ストリーミングデバイスを組み合わせて使うなど工夫すれば、いろいろと大活躍してくれそうだ。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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