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37型フルHD液晶から55型4K有機ELへの買い替えも十分アリ!?

AV家電のプロがデジタル機器に詳しくない60代の両親のためにガチで選んだ薄型テレビとは?

4月上旬、近所に住む60代の母から「最近、テレビに縦線が入るようになって」と相談を受けた。実家のテレビは地デジ移行ブームの時期に買ったパナソニックの「TH-L37V1」(2009年モデル)という37型フルHD液晶テレビだが、液晶テレビで11年モノとなると故障しても仕方ない。そこで買い替えを薦めると、「じゃあ、プロなんだから選んで」と。そこから60代の両親のための薄型テレビ選びが始まった。

実家に設置していたテレビは、地デジ移行ブームの時期に買ったパナソニックの「TH-L37V1」(2009年モデル)

実家に設置していたテレビは、地デジ移行ブームの時期に買ったパナソニックの「TH-L37V1」(2009年モデル)

パネル部の故障か、画面の一部に縦線が入るようになってしまった

パネル部の故障か、画面の一部に縦線が入るようになってしまった

価格.comマガジンの読者の方は比較的デジタル機器に強い人も多いと思うが、今回は薄型テレビ選びの専門家である僕が、あまりデジタル機器にくわしくない60代の両親向けに、何を考えながら、どのような薄型テレビを選んだか、という購入記をお届けしたいと思う。

60代の両親のためのテレビ選びで考えることとは?

急遽始まった実家の薄型テレビの買い替え計画。そこで僕は、次のような購入ポイントの下調べから始めた。

1.60代の娯楽には4K放送がぴったり

最初に考えたことは、60代の両親にとって、テレビは貴重な娯楽ということだ。年金生活になると自宅で過ごす時間が長く、リビングのテレビは付けっぱなし。ネット配信に転向もしないだろう。そこで頭に浮かんだのが、2018年12月にスタートした4K放送だ。幸い、実家にはBS放送(右旋)を視聴できるアンテナは取り付け済みなので、4Kテレビを購入すれば素直に喜んでもらえそうだ。

高画質で落ち着いた番組の多い4K放送は両親の趣味にも合いそう

高画質で落ち着いた番組の多い4K放送は両親の趣味にも合いそう

2.今、4Kテレビを買うなら予算は10万円コースから

買い物をするにあたって、誰もが最初に検討するのは予算。僕の頭に浮かんだのは、「あまり予算をかけないなら10万円以内で探そう」「ちょっといい機種を選ぶなら15万円は欲しいな」というくらい。僕が昨年購入したテレビは東芝の65型有機ELテレビ「65X930」(4月中旬時点の価格.com最安価格で約34万円)だけど、そんな高級な機種は最初から検討もしていない。両親からの予算の回答は15万円だったので、予算15万円厳守で機種選びを始めてみた。

3.買い替えでは設置場所の寸法が重要

次に考えるのは設置スペースだ。今の4K薄型テレビは43型以上がほとんどで、主力となると50型以上となる。37型からの買い替えとなると、同じテレビラックの上に設置できるかどうかは導入可否の分かれ目だ。旧機種の37型テレビは実測で幅約91cm。最近の狭ベゼル化を考えると50型程度までは収まりそうだ。

設置面積は画面サイズではなく実寸サイズでチェック

設置面積は画面サイズではなく実寸サイズでチェック

4.テレビを視聴する位置を徹底的に確認

あまりテレビに高画質を求めないという人も、“部屋のどの位置からテレビを見るか”ということはよく考えてほしい。今の薄型テレビにはナナメから見ると色が変化する視野角の問題があるためだ。旧機種の「TH-L37V1」はIPSαパネルの広視野角だったので問題はなかったが、両親に確認すると案の定テレビ正面のソファだけでなく、隣のキッチンから結構な急角度でテレビを見たりする。こうしたケースでは、視野角は優先順位の高いスペックになる。

キッチンから見たテレビ(入れ替え時に撮影)

キッチンから見たテレビ(入れ替え時に撮影)

5.録画機器も一緒に見直そう

実家に出入りして気になっていたのが、BD/DVDレコーダーの存在。機種はパナソニックの「DMR-XP15」というHDD容量250GBのDVDレコーダーで、HDMIでテレビと連携し、番組録画に活用していた。だが、僕が「録画した番組ってディスクに保存してる?」「BD/DVDのディスク再生している?」と確認すると、前者はほぼゼロ、後者も1年近くゼロだった。録画して見たら消すということは結構な頻度であるが、光学ドライブの出番がないというケースは多い。新しいテレビにUSB HDDを外付けすれば、4K放送を含めて録画環境を揃えられるので、今回は思い切ってDVDレコーダーも処分することにした。

レコーダー機能はまだ動くが、流石にBDも再生できない機種はお役御免

レコーダー機能はまだ動くが、流石にBDも再生できない機種はお役御免

機種選びは価格.comが便利

考えるべきポイントがまとまったら、具体的な機種選びを始めよう。4Kテレビ購入のトレンド感は僕が約半年前に書いた「今年の冬は値ごろ感がスゴイ! 4Kテレビバイヤーズガイド《2019年冬》」という記事も参考にしてほしいが、自分で絞り込みたい人には価格.comが便利だ。

価格.comの「薄型テレビ・液晶テレビ」カテゴリーにある人気売れ筋ランキングは、高画質・高機能だけでなく、発売から少し時間が経過して実売価格ベースでハイコスパな機種が上位にランクインすることが多く参考になる。

4月中旬時点の価格.comの人気売れ筋ランキング

4月中旬時点の価格.comの人気売れ筋ランキング

記事を執筆している時点で、価格.comの人気売れ筋ランキング1位はハイセンス「50E6800」。4月中旬時点で価格.com最安価格69,800円、画質も十分キレイと、10万円以下で選ぶなら有力機種だ。だが、液晶パネルがVA方式で広視野角ではないので、今回の候補から外れた。同じ10万円以下で視野角も考えると、IPSパネル搭載のLGエレクトロニクスの49型「49UM7100PJA」、43型「43UM7500PJA」辺りが候補になりそう。

製品選びを進めていくうちに、うってつけの候補を見つけた。4月中旬時点で人気売れ筋ランキング2位にランクインしていた、パナソニックの「VIERA TH-49GX855」だ。2019年秋発売で4Kチューナー搭載、49型というちょうどいいサイズで、4月中旬時点で価格.com最安価格で126,600円。IPSパネル搭載で視野角も問題ないし、僕も実際に視聴した機種だが4K放送も明るくて高画質。Dolby Atmos対応でサウンドも優秀だし、正直、この機種は条件としては申し分ない。

同じ条件が揃う機種としては、サイズ違いの43型「TH-43GX855」、下位機種でサウンド以外は共通点の多い43型「TH-43GX755」も予算を抑えられる候補だ。どの機種もバランスよく、手堅いラインアップだ。

60代の両親に有機ELテレビという選択肢もアリ?

僕の頭の中はパナソニック「VIERA TH-49GX855」購入に傾いてきた。同じパナソニック同士の買い替えだし、4月中旬時点で価格.com最安価格126,600円と、性能と価格のバランスもいい。だが、テレビは両親が今後長く使うものだし、予算も少し余裕があるのだから、近所の人や親戚に自慢できる高画質を届けたい気持ちになってきた。

見方を変えて、4Kチューナー搭載で15万円以下の有機ELテレビを価格.comで絞り込んでみると……存在するのだ。2019年発売のハイセンスの55型有機ELテレビ「55E8000」(4月中旬時点の価格.com最安価格138,000円)と、LGエレクトロニクスの55型有機ELテレビ「OLED55B9PJA」(4月中旬時点で価格.com最安価格で140,000円)だ。

4Kチューナー搭載の有機ELテレビは15万円で購入可能

4Kチューナー搭載の有機ELテレビは15万円で購入可能

なんと、ハイセンスの55型有機ELテレビ「55E8000」は、パナソニックの49型4K液晶テレビ「TH-49GX855」と価格.com最安価格で11,600円しか差額がない。有機ELテレビの画質ポテンシャルは液晶テレビとは別次元だし、有機ELテレビなら視野角も広い。「コスパで選ぶなら有機ELでしょと」と僕の頭の中は、完全に有機ELテレビに切り替わってしまった。

55型有機ELテレビのハイセンス「55E8000」(138000円)と、LGエレクトロニクスの同じく55型有機ELテレビ「OLED55B9PJA」の選択は、少し悩む。地デジも見るなら“レグザエンジンNEO plus”搭載のハイセンス「55E8000」が有利、操作性はLGエレクトロニクスの「OLED55B9PJA」はネット機能を融合させた高機能に対して、ハイセンスのUIは「55E8000」は東芝レグザをベースにネット機能を簡略化した作りだ。ネット配信なら断然LGエレクトロニクスだが、60代の両親は放送視聴がほとんどなので、ハイセンスの「55E8000」が扱いやすそうだ。

僕の心はハイセンス「55E8000」購入に決まったが、37型から55型への買い替えなので、設置スペースも再確認が必要だ。ハイセンスのホームページには外形寸法が公開されていて「55E8000」は横幅122.6cm。テレビラックの120cmから少しはみ出すが、問題のないサイズ。あとは、両親に製品をプレゼンして、画面サイズや収まりの了解を取って、いざ注文。

テレビラックの幅を測ると120cmとテレビの幅ギリギリ

テレビラックの幅を測ると120cmとテレビの幅ギリギリ

注文は旧機種の家電リサイクル法の都合もあり、設置作業込みの販売店で「55E8000」が149,495円、家電リサイクル料金4,070円、4TBの外付けUSB HDDで9,480円の合計162,545円。15万円を少しオーバーしているが、ポイント分で取り戻せる計算だ。

ハイセンス「55E8000」を実家に搬入へ

数日後、購入したハイセンスの55型有機ELテレビ「55E8000」がやってきた。僕も実家で待ち構えて、搬入を手伝いつつ様子を撮影していく。設置と旧機種のリサイクルを申し込んでいたので、スタッフ2名でテキパキと搬入と設置が進んでいく。4月に入ってからは外出自粛の影響で店舗の休業もあり、薄型テレビの設置依頼も普段の1/3程度にまで減っているそうだ。

注文して数日で実家に届いたハイセンスの有機ELテレビ「55E8000」

注文して数日で実家に届いたハイセンスの有機ELテレビ「55E8000」

家電リサイクルで旧機種も引き取られていく

家電リサイクルで旧機種も引き取られていく

設置サービスのスタッフはスタンド組み立ても手早い

設置サービスのスタッフはスタンド組み立ても手早い

4TBの外付けUSB HDDもセットアップ

4TBの外付けUSB HDDもセットアップ

アンテナ線も手早くつないで地デジの受信確認へ

アンテナ線も手早くつないで地デジの受信確認へ

自宅にハイセンス「55E8000」の搬入スタッフが来てから約30分で設置とセットアップまで完了。地デジだけでなく、BSアンテナによる4K放送(右旋)の受信チェックも問題なし。購入時のダンボールや梱包材まで片付けてくれるので、すぐに購入したテレビを使い始められる。

設置が完了したハイセンス「55E8000」。買い替えを機に置き場も移動している

設置が完了したハイセンス「55E8000」。買い替えを機に置き場も移動している

37型の液晶テレビからの買い替えなので、55型の有機ELテレビとなると“大き過ぎ”“圧迫感がある”という先入観もあるかもしれない。だが、最近のテレビは狭ベゼル化が進んでいるので、両親に感想を尋ねてみても「案外気にならないね」「大きくて文字が見やすい」とまずまず好評。

有機ELは視野角も広く、急角度になるキッチン側から見ても画面はクッキリ

有機ELは視野角も広く、急角度になるキッチン側から見ても画面はクッキリ

僕のテレビではないが、こだわりの設定も少しだけをしていく。映像モードは、設置場所の窓が広いため部屋の明るさに応じて画質を調整するデフォルトの“自動”。地デジも4K放送も若干鮮やかだが、これは好みの範疇。動き補完は僕の好みで“オフ”に設定しておいた。

設置直後に動き補完は“オフ”に設定

設置直後に動き補完は“オフ”に設定

両親にテレビを買って設置するだけでは仕事は終わりではなく、リモコンを手に持って、選局や録画予約、番組再生の操作手順まで教えていく。約10年ぶりの買い替えながら旧機種でも地デジを視聴して番組表も録画再生も使っていた訳で、リモコンのボタン位置を教えるとすぐにマスターできた。

ハイセンス「55E8000」の番組表。画面デザインも操作性も東芝レグザとそっくり

ハイセンス「55E8000」の番組表。画面デザインも操作性も東芝レグザとそっくり

録画予約と番組再生くらいなら60代の両親でもすぐマスターしてくれる

録画予約と番組再生くらいなら60代の両親でもすぐマスターしてくれる

最後に、僕の実家にはWi-Fi環境を整備してあるので、ハイセンス「55E8000」もネットワーク接続。YouTubeと共に専用ボタンのあるNetflixも視聴できるセットアップを済ませておいた。専用ボタンがあるとデジタル機器が得意でない人に教える際に説明もしやすい。

Netflixのセットアップも済ませておいた

Netflixのセットアップも済ませておいた

急遽始まった実家の薄型テレビの買い替えだが、若干僕のこだわりも入り、最終的にはハイセンスの55型有機ELテレビ「55E8000」購入というマニアックなチョイス。これも利用シーンに合った、僕なりにいい機種を選んだ結果。僕と同じように実家のテレビを買い替える人、これから4Kテレビを購入したい人も参考にしてもらえると幸いだ。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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