レビュー
Bluetoothスピーカーでアオハルだよ

思い出の名曲もイイ音で鳴る!「BALMUDA The Speaker」でフォークおじさんの青春輝く


筆者は小学校高学年のときにフォークギターを手に取り、中学まではフォークソングや歌謡曲、ニューミュージックを練習していた世代だ。そして高校に上がったタイミングで念願のエレキギターを手に入れ、高校〜大学はハードロック一色になった。青春時代に体に染み付いたビートは齢50を越えても抜けきらず、今でもディストーションサウンドは大好きだ。

ゆえに、ヘッドホンやスピーカーを買うときには低音重視で、腹と鼓膜にズンズン来るモデルばかりを選ぶ。バスレフ最高、パッシブラジエーター最高。こんなんだから難聴気味なのは言うまでもない。ただ、市販されているヘッドホンやポータブルスピーカーの多くが、うたい文句に「圧倒的な重低音」という表現を入れているところを見ると、低音ラブなのは筆者だけではないだろ?

しかし、そんな筆者が直近でハマったBluetoothスピーカーは、低音重視とは真逆。あのバルミューダが開発した「BALMUDA The Speaker」である。これがかなりイイのだ。以下、青春の音楽を聞きまくってみたり、アニメ視聴に活用したり、はたまたライト機能を使って仲間と遊んでみたりと、BALMUDA The Speakerを楽しみ尽くした様子をレポートしよう。

「そうだ、僕は歌が好きだったんだ」と思い出させてくれたスピーカー

BALMUDA The Speakerは、オシャレな白物家電の開発で有名なあのバルミューダ初のオーディオ機器。360°サウンドが特徴で、ライティング機能も付いたBluetoothスピーカーだ。製品スペック等の情報を含めたスタンダードなレビューは、既出の以下記事を参照されたい。

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これが、白物家電でおなじみのバルミューダが開発したBluetoothスピーカー!

というわけで、あのバルミューダが開発したBluetoothスピーカーを、発売に先駆けてお借りして使いまくってみた

バルミューダの寺尾玄社長はホームページの特設サイトで、「そもそも私たちは、スピーカーから鳴る「音」を聴いているのでしょうか? それとも「音楽」を聴いているのでしょうか? 現代音楽の中核はボーカルです。BALMUDA The Speakerの音づくりで目指したのは、シンガーの声が感動的に聴こえること。楽曲、そして歌へのリスペクトから音のチューニングがなされました」と語っている。

さっそくその音を聴いてみると、確かにボーカルが際立つ。男性ボーカルも女性ボーカルも、バックの演奏に埋もれがちな高音の伸び、ビブラート、息継ぎの吐息など、コモリのないクリアな音声で聴こえてくる。重低音を重視するあまり忘れていた、「歌」や「歌詞」を楽しむという、自分の音楽好きの根源をBALMUDA The Speakerが思い出させてくれた。

フルレンジユニットを搭載する360°スピーカーで、出力は8W、BluetoothコーデックはSBC。くわしくは後述するが、音楽を再生するとそれに合わせてライトが明滅するギミック付きで、その場がすごく豊かな雰囲気になる

フォーク熱が再燃!“あの頃”の楽曲もイイ感じで鳴らしてくれる

ふと少年時代を思い出した筆者は、自分の音楽の原点である、かぐや姫のCDを引っ張り出してみた。フォークギターを手に取った小学生のとき、最初に練習したのが、かぐや姫の「神田川」だった。愛用しているAstell&KernのDAP「AK70MKII」に「神田川」をリッピングし、Bluetooth接続したBALMUDA The Speakerで鳴らしてみる。

イントロの物悲しいバイオリンの旋律、その後ろで爪弾かれるアルペジオ。南こうせつのボーカル、そこに重なる伊勢正三と山田パンダのコーラスが、何にもじゃまされることなくすっと耳に入り、歌詞がじわりと胸に染みていく。生ギターとウッドベース、そして歌声。1つひとつの音がクリアに広がっていく。子どもだったので四畳半フォークが表現する青春は体験していないものの、昭和のあの時代の、ギターを練習した実家の茶の間の風景、それを見守る家族の顔が曲とともにクリアによみがえった。

かぐや姫「ベストドリーミン」

かぐや姫「ベストドリーミン」

そうなのだ。寺尾社長も製品公式ページで、「これは半ば偶然なのですが……直径77ミリという大きなスピーカーユニットを上向きに配置した構造と、ボーカル中心の音作りのミックスによって、その他の楽器の輪郭もはっきり聴こえ、かつ抜けがいいというマジックも生まれました」と言っていて、楽器の、特にアコースティックサウンドがとてもきらびやかで美しい。一音一音、心に響くように。

アコースティックの響きをもっと楽しみたくて、サイモン&ガーファンクルのCDも久しぶりに出してみた。2人のハーモニーとアコースティックギターの調べが美しい「Scarborough Fair」。言葉が出ない。シンプルなのに、なぜこんなに心に響くのだろう。何も足さない、何も引かない美しさだ。

サイモン&ガーファンクル「サイモン&ガーファンクル」

サイモン&ガーファンクル「サイモン&ガーファンクル」

男性ボーカルの美しさに酔いしれるならば、オフコースは外せない。特に、「夏の終り」が好きだ。美しいアカペラコーラスで始まるこの曲を聴くと、上京して1年目、初めて東京で迎えた夏を思い出す。右も左もわからずただがむしゃらに動き、出会い、悩んだあの夏。BALMUDA The Speakerを通して聴く小田和正のハイトーンなボーカルが、セピア色だった暮れゆく夏の夕暮れに彩りを与える。濁りのないクリアな歌声によって、これほどに思い出が鮮明によみがえるものなのか。

オフコース「OFF COURSE BEST ever」

オフコース「OFF COURSE BEST ever」

女性の歌手も試したくなった。大学時代に「斉藤由貴は現代のベートーヴェンだ」と大声で叫んでいたアホな同級生の影響で、筆者も斉藤由貴が好きになった。名曲「土曜日のタマネギ」では、アカペラコーラス1人ひとりのパートが鮮明に聴こえ、斉藤由貴のメロディラインと合体して複雑な旋律を奏でる。聴いているうちに涙が出そうになる。

「AXIA〜かなしいことり〜」は、決して実らない2人の悲しい恋を切々と歌い上げる。斉藤由貴の、派手さがなくクセもない、朴訥とした歌声が、まるでこの部屋で歌っているようなリアルな息遣いとともに部屋に響き渡る。こうしてボーカルを際立たせると、昭和の歌謡曲も古臭さを全く感じなくなる。むしろ、歌い手の魅力を引き出すための曲作りをしていることがよくわかる。

斉藤由貴「プラチナムベスト」

斉藤由貴「プラチナムベスト」

レトロな曲ばかりではない。最近のお気に入りである竹原ピストルも、BALMUDA The Speakerは魅力を存分に引き出してくれる。テレビドラマの主題歌に使われた「Forever Young」を聴くと、竹原ピストルの力強い歌声と生ギターの響きが、臨場感という陳腐な言葉で済まされないほどの音圧をもって部屋に広がる。竹原ピストルのツバが今にも降りかかってきそうな錯覚さえ覚える(笑)。

竹原ピストル「ピースアウト」

竹原ピストル「ピースアウト」

やはりBALMUDA The Speakerはアンプラグドによく合う。エリック・クラプトンやイーグルス、ロッド・スチュワートのアコースティックライブCDを次々と試してみたが、どれもライブ会場にいるような空気感で再生された。ネック上で指を滑らす“キュッ”という音、微妙なビブラートのゆらぎ、アタック音、目の前でクラプトンのギターに酔いしれる感覚。ロッドのしゃがれた声とロン・ウッドの軽快なギターのかけ合い。たまらない。

エリック・クラプトン「アンプラグド〜アコースティック・クラプトン」

エリック・クラプトン「アンプラグド〜アコースティック・クラプトン」

なおBALMUDA The Speakerは、ボーカルのピュアな歌声を引き出すことに振り切って開発されたため、やや低音が弱い面はある。バスドラがドコドコ、ディストーションギンギンなサウンドにはあまり合わないだろう。

ボーカルに合わせてアドリブギターの練習をしてみた

ボーカルが際立つサウンドゆえ、曲をかけながら合わせてギターを弾くのも楽しい。目の前にいるような澄んだ女性ボーカル、それに合わせてギターを爪弾くと、まるで屋根の上のヒデキになった気分である。隣にミヨちゃんがいたらなあ。まあ、50代以上にしか分からない比喩は置いといて、曲のトーンやボーカルの歌声に合わせてギターのアドリブパターンを組み立てる練習に、BALMUDA The Speakerはもってこいだ。

ボーカルも演奏もごろっとまとめて聴こえる安いスピーカーでは、自分のアドリブが曲に合っているのかがイマイチよくわからない。その点、BALMUDA The Speakerは楽器の音も1つひとつが聴こえやすいのでキーが探りやすい。耳を鍛えるのにもいいだろう。

BALMUDA The Speakerで音楽を聞いているうちに、夕暮れの土手で無性にギターを弾きたくなった。もちろん、恥ずかしいから周りに誰もいないことを確認してから(笑)。なお、本体は防水仕様ではないため水気は厳禁だ。戸外に持ち出すときには注意したい。バッテリー連続使用時間は約7時間

PCで動画を見るときのスピーカーとしてもアリ! 心地よい音はBGMにも最適

また、試してみて意外によかったのが、PCやタブレットでドラマやアニメを観るときに、外部スピーカーとして使用する方法だ。ボーカルが際立つチューニングが施されているので、ドラマ・アニメのセリフが明瞭に聴こえるようになる。

さらに、BALMUDA The Speakerは天面にスピーカーユニットを搭載し、上方に向けて音を放出する仕組みになっている。そのおかげで、PCやタブレットの裏側に設置と、見ている画面を中心に半球状に音場が形成され、視聴者は音に包まれるような感覚を覚える。臨場感というとちょっと大げさだが、セリフや効果音に立体感が生まれ、格段に楽しくなった。

「あれが夏の大三角形」。アニメのヒロインの囁き声を耳元で感じて身悶えする。これ、結構いいぞ

「あれが夏の大三角形」。アニメのヒロインの囁き声を耳元で感じて身悶えする。これ、結構いいぞ

BALMUDA The Speakerは、スピーカーを上方向に配置する設計。そのまま上に向けて音を放出する

BALMUDA The Speakerは、スピーカーを上方向に配置する設計。そのまま上に向けて音を放出する

澄んだ音色を奏でるBALMUDA The Speakerは、BGMの再生にも適している。庭やベランダにアウトドアテーブルを置き、夜風にあたりながら、好きな酒を片手にタブレットで電子書籍を読む。そんなときに重低音系のスピーカーはちょっと場違いだ。BALMUDA The Speakerを使うと、澄んだボーカルとストリングスの音色に合わせた光の乱舞に囲まれ、至福のひとときがやってくる。

あざとくバルミューダ製品で固めてみた(笑)。トースターで作った200スキおつまみを食べて、音楽聴いて、酒飲みながら読むラノベはサイコー。なお、近所迷惑になるから夜は音量を控えめにね

ミニコンポのグライコの光に見入った時代を思い出すライト機能

そしてBALMUDA The Speakerのもうひとつの注目機能が、楽曲とシンクロしてLEDの光が踊るユニークなギミック。3基の真空管を模したチューブのLEDライトと、チューブを取り囲む台座の3か所にステージライトを模したLEDが配置されている。これが、曲のリズムや楽器の音、メロディーに合わせて美しく光るのだ。

正面の星マークがついたチューブが最初に光り、後ろの2本のチューブがわずかに遅れて光ることで躍動感が生まれる

3基のLEDユニットは、低い音に呼応して下部が、高い音には上部が光るように設定されている。また、星マークがついたメインユニットが最初に光り、後ろの2基はわずかに遅れて光るという演出も加わる。いっぽう、ステージライトは音楽のエネルギーがある一定を超えたら輝くようになっている。つまり、サビのときにもっとも明るく輝く。まるでライブ会場のステージライトのようだ。消えるときも少しゆっくりめで、まさにライブの残像があるようなイメージだ。

チューブ内の下部LEDは低音に反応して光る

チューブ内の下部LEDは低音に反応して光る

同上部LEDは高音に反応して光る

同上部LEDは高音に反応して光る

台座に埋め込まれている2つのLED×3基は曲のサビの部分で最も明るく輝く

台座に埋め込まれている2つのLED×3基は曲のサビの部分で最も明るく輝く

往年のオーディオ少年ならば、曲に合わせて光が踊る楽しさは理解できるのではないか。少年時代、親にねだって買ってもらったミニコンポのイコライザーの光が曲に合わせて上下するのを、飽きずにずっと見ていた君たちならば。

なお、LEDの光には3つのモードがある。激しい曲の時には「Beat」モードにしてダイナミックな光の乱舞を楽しみ、静かな曲には「Ambient」モードでほどよい抑揚の明かりを楽しむ。「Candle」モードはその名のとおり、ろうそくのゆらぎのような静かな明かりで、読書のBGMをかけるときに最適だ。

ライトの明滅だけで楽曲名を当てる、超難問イントロ・ドン!

最後に、音楽のリズムやメロディーに合わせて光が踊るというBALMUDA The Speakerの特徴を応用して、新しい遊び方を考えてみたのでご紹介したい。ライトの明滅だけで楽曲を当てる「超難関イントロ・ドン」ゲームだ。

さっそくだが、下の2本の動画はそれぞれある有名な洋楽ロックをかけたときのBALMUDA The Speakerの様子を収録して、音声をカットしたもの。ぜひ光の動きだけで曲名を当ててほしい。ほら、アレですよアレ(笑)。答えは本記事の最後に記載する。

というわけで、仲間を集めたオンライン飲み会で、この「超難問イントロ・ドン!」をやってみた。筆者がBALMUDA The Speakerで音楽をかけるのだが、パソコンのマイクはオフにしているのでほかの参加者は光の動きだけで曲名を当てなければいけない。これが非常に難しい。マイクオフが可能なオンライン飲み会だからこそできる遊びである。

BALMUDA The Speakerの光の明滅だけで曲を当てるという超難問イントロ・ドン。オンライン飲み会でやったら盛り上がりました

さすがにノーヒントで当てるのは不可能だったので、参加者からチャットでリクエストをもらい、その中からかける曲を選ぶという方式に切り替えたら徐々に当たりはじめた。さらに、ときどきマイクをオンにして断片的に音を聴かせたり、YouTube動画を再生しているスマホをカメラでチラ見せしたりしてヒントを出すと、より盛り上がった。当たった曲をそのままYouTubeで画面共有し、曲にまつわる思い出やウンチクを語りながら一緒に観るのも楽しい。BALMUDA The Speakerの使い方としては開発陣の狙いから相当外れているだろうが(笑)、新たな楽しみ方としていいと思う。

というわけでBALMUDA The Speakerは、青春の楽曲を魅力的に再生してくれたり、普段の生活を心地よいBGMで彩ってくれたり、オンライン飲み会でイントロ・ドンができたりと、楽しさ満載のBluetoothスピーカーである。ぜひ皆さんも、新しい楽しみ方を見つけてみては?

【イントロ・ドン動画クイズのこたえ】
動画1…DEEP PURPLE「SMOKE ON THE WATER」
動画2…QUEEN「WE WILL ROCK YOU」

近藤克己(プラスワン・クリエイティブ)

近藤克己(プラスワン・クリエイティブ)

1966年生まれ、福島県出身。大学では考古学を専攻。家電製品のフリーペーパーを発行しつつ、ライターとしても活動中。得意分野は家電流通、生活家電。趣味は、ゴルフ、ギター、山登り、アニメ、漫画。

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