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AVアンプも8K時代へ

デノン、8K対応の最新AVアンプ「AVC-X6700H」「AVR-X4700H」発表


デノンから、AVアンプの新モデル「AVC-X6700H」と「AVR-X4700H」が発表された。2020年7月中旬から順次発売予定。いずれも、8K/60p信号のパススルー伝送などに対応するのが大きな特徴となる。

デノンのAVアンプは、フラッグシップの13.2chモデル「AVC-X8500H」を筆頭に全6機種をラインアップする。今回、フラッグシップ機に次ぐハイエンド〜中級機の2機種がモデルチェンジし、先んじて最新の8Kスペックをサポートした形だ。

AVアンプも8K時代へ! 11.2chの「AVC-X6700H」と9.2chの「AVR-X4700H」

まずは、2機種の基本仕様を見ていこう。AVC-X6700Hは実用最大出力250W(6Ω,1kHz)を確保する11.2ch出力モデル。AVR-X4700Hは同235W(6Ω,1kHz)の9.2ch出力モデルとなる。それぞれ、2018年に発売された「AVC-X6500H」「AVR-X4500H」の後継機にあたる。

上位モデルのAVC-X6700H。メーカー希望小売価格は330,000円(税別)で、2020年8月下旬発売

上位モデルのAVC-X6700H。メーカー希望小売価格は330,000円(税別)で、2020年8月下旬発売

次位モデルのAVR-X4700H。メーカー希望小売価格は180,000円(税別)で、2020年7月下旬発売

次位モデルのAVR-X4700H。メーカー希望小売価格は180,000円(税別)で、2020年7月下旬発売

2機種とも基本機能はほぼ共通で、それぞれHDMIは入力8/出力3を装備。うち入力1系統/出力2系統で、最大8K/60p、4K/120pのパススルー伝送が可能となっているのが大きな特徴だ。8Kアップスケーリング機能も搭載しており、入力信号を8K/60pや4K/60pなどにアップスケーリングしてHDMI出力することができる。

HDR規格も、HDR10+/Dynamic HDR/HDR10/Dolby Vision/HLGをすべてサポート。そのほか、著作権保護技術HDCP 2.3や、BT.2020、VRR、QMS、QFT、ALLM、eARCなどの各規格にも準拠する。

左がAVC-X6700Hで、右が「AVR-X4700H」。外観デザインはほとんど同じ

左がAVC-X6700Hで、右がAVR-X4700H。外観デザインはほとんど同じ

BS/CS放送やオンライン配信をはじめ、家庭でさまざまな4K/8Kコンテンツが楽しめるようになっている今、8K/60p、4K/120pを含むスペックに対応するAVアンプとして登場

こちらは、AVC-X6700Hで2K→8Kにアップスケーリングしたデモの様子

こちらは、AVC-X6700Hで2K→8Kにアップスケーリングしたデモの様子

フラッグシップ機と同じDSPを採用! 最大13.2chプロセッシングに対応

ホームシアター用音声フォーマットは、「Dolby Atmos」「DTS:X」のオブジェクトオーディオ関連に対応するほか、「IMAX Enhanced」対応モデルでもある。さらにAVC-X6700Hのみ、発売後のアップデートにより「DTS:X Pro」への対応も予定している。

なお、2機種ともフラッグシップモデルのAVC-X8500Hと同じDSP「Griffin Lite」を新たに採用することで、プリアンプモードにも対応した。さらに演算処理能力のアップグレードにより、AVC-X6700Hは最大13.2ch、AVR-X4700Hは最大11.2chの拡張プロセッシングに対応する。

「Dolby Atmos Height Virtualizer」「DTS Virtual:X」などにも対応。チャンネルベースのイマーシブオーディオ規格「Auro-3D」もサポートする

BS 4K/8K放送に採用される「MPEG-4 AAC」フォーマットに対応

また、新たに「MPEG-4 AAC」(ステレオ、5.1ch)に対応していることにも注目したい。これは、日本のBS 4K/8K放送が採用する音声フォーマット。現在、日本で4K/8Kコンテンツを楽しむ方法のひとつとしてBS 4K/8K放送があるので、それに対応したものとなる。従来のMPEG-4 AAC非対応AVアンプでは、本フォーマットの音声が入ってきた場合はPCM変換されていたのだが、ついにネイティブで鳴らせるようになった。

というのも、デノンのAVアンプは一貫して「ストレートデコードのクオリティ」にこだわって開発されてきた。AVC-X6700HとAVR-X4700Hは、ただ4K/8Kに対応しましたというだけではなく、その音声もしっかりとストレートデコードで鳴らせる設計となっているわけだ。

Wi−Fi/Bluetooth機能ももちろん充実!

もちろんWi-Fi接続にも対応しており、2機種とも高性能ネットワーク機能を従来モデルから踏襲。専用アプリ「Denon 2016 AVR Remote」や「Auddysey MultEQ Editer Apps」を使用して、スマートフォンからのコントロール/音場調整が行える。

ネットワーク経由でのハイレゾ再生も可能で、最大192kHz/24bitまでのWAV/FLAC/ALAC、5.6MHzまでのDSDをサポート。デノン独自のマルチルームオーディオ再生「HEOS」による連携操作も行えるほか、「Amazon Music HD」や「Spotify」など音楽ストリーミングサービスの聴取も可能となっている。

ネットワーク性能のコネクティビティも、デノンAVアンプがこだわってきた部分

ネットワーク性能のコネクティビティも、デノンAVアンプがこだわってきた部分

Bluetooth機能については、従来の受信機能に加えて、新たに送信機能も追加された。AVC-X6700H/AVR-X4700Hで再生中の音楽を、Bluetooth経由でヘッドホンやスピーカーに伝送してワイヤレス再生することができるようになっている。

AVC-X6700HとAVR-X4700Hの違い

ここまでを見るとAVC-X6700HとAVR-X4700Hは、HDMI入出力ポートの搭載数や基本機能など、チャンネル数以外はほとんど共通だ。では2機種の違いは何かというと、特に大きいのが内部のパワーアンプ部と電源部の設計。これによって、音質クオリティに差がある。

というわけで、続いてはそれぞれの内部設計を見ていこう。ちなみに、2機種とも従来モデルより搭載パーツを高品質化しているほか、基盤も刷新しており、パターンを見直すことで経路の最短化を実現している。

▼11ch独立基盤のAVC-X6700Hと、9chを2枚の基板に分けたAVR-X4700H

上位モデルのAVC-X6700Hは、全チャンネル同一クオリティのディスクリート・パワーアンプをそれぞれ個別基板に独立させた、11chの「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」構造を採用。電源供給もそれぞれ独立させることにより、チャンネル間の干渉やクロストークを抑えている。ヒートシンクには共振の少ないアルミ押し出し材を採用。またパワートランジスタには、フラッグシップモデルのAVC-X8500Hと同じ大電流タイプの「DHTC」を使用し、安定したバイアス特性を確保した。

AVC-X6700Hの内部構造

AVC-X6700Hの内部構造

チャンネルごとに独立したパワーアンプ基板を持つ「モノリス・コンストラクション・パワーアンプ」と、熱集中しない効率的な配置で、安定したアイドリング電流特性と電流供給能力を実現する「チェッカーフラッグマウント・パワートランジスタ」を採用

対してAVR-X4700Hも、全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを採用するが、こちらは放熱効率にすぐれるアルミ押し出し材のヒートシンクに、2枚の基板に分けた9chアンプを搭載する仕様となっている。入力段のフィルムコンデンサーのグレードを上げたり、DCサーボ回路に大容量コンデンサーを投入するなどして、表現力と臨場感の向上を図った。

AVR-X4700Hの内部構造

AVR-X4700Hの内部構造

こちらは、2枚の基板に分けた9chアンプを搭載する仕様

こちらは、2枚の基板に分けた9chアンプを搭載する仕様

▼電源部

続いて、2機種で異なるのが電源部の仕様だ。

AVC-X6700Hは、カスタム仕様の大型EIコアトランスを搭載するほか、整流回路のダイオードに高速のショットキーバリアダイオードを採用。ブロックコンデンサーには、AVC-X6700H専用にチューニングした大容量15000μFのカスタムコンデンサーを2基装備する。プリアンプ電源回路用のコンデンサーにはELNA社製の高品位パーツを選択するなど、高グレードな設計としている。

AVR-X4700Hも、カスタム仕様の大型EIコアトランスを搭載し、専用チューニングされた15000μFのブロックコンデンサーを2基搭載するのはAVC-X6700Hと同じ。こちらはACエッチング方式の高倍率箔により、約10%の低ESR化を行いロスの少ないクリアな音質を実現するほか、スリーブの材質にもこだわり、固有振動の少ないポリオレフィンを採用した。

AVC-X6700Hの電源トランス部

AVC-X6700Hの電源トランス部

AVR-X4700Hの電源トランス部。なお、2機種ともデジタル電源回路のスイッチング周波数を通常の約3倍とすることでスイッチングノイズを可聴帯域外へシフトさせ、再生音への影響を排除。デジタル回路用のスイッチングトランスにはシールドプレートを追加し、さらに電源回路全体をシールドプレートで覆うことによって周辺回路への干渉を抑えている

▼サラウンド回路やDAC部

そのほかに採用されるデノン独自の基本技術は、いずれもサラウンド回路には全チャンネルの信号を32bitアップコンバート処理する「D.D.S.C -HD32」を採用。従来と同じアナログ波形再生技術「AL32 Processing Multi Cannel」も搭載する。

DAC部には、フラッグシップモデルのAVC-X8500Hと同じ32bitのプレミアムDACを専用基盤にマウントする構成で、その性能を引き出すために周辺回路を改良した。また、上述の通りDSP部は、AVC-X8500Hと同じ「Griffin Lite」を採用することにより、演算処理能力をアップさせている。

2機種ともDAC周辺回路の設計をさらに推し進め、その性能をより引き出すことで、エネルギッシュで引き締まった低域とひずみ感のない高域特性を実現。AVC-X6700Hは、DAC部に専用電源を持たせているのも特徴

フラッグシップ機と同じ「Griffin Lite」を採用したDSP部

フラッグシップ機と同じ「Griffin Lite」を採用したDSP部(写真はAVC-X6700H)

まとめ

というわけで、ざっとだがデノンの最新AVアンプ2機種の概要を見てきた。近年のホームシアターは従来のディスク再生だけではなく、放送や配信、ゲームなど幅広いソースの再生が増えている。AVC-X6700HとAVR-X4700Hは、最新の8Kコンテンツも含めた多彩な映像ソースをカバーするマルチセンターとしての機能性を持ったAVアンプだ。

しかし同時に注目したいのは、2機種ともスペック表に現れる機能だけではなく、アンプとしての本質的なサウンドクオリティを高めていること。ストレートデコードにこだわりながら、最新のAV規格をいち早く取り込んできたデノンAVアンプならではの対応力と言える。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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