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Shure史上最小モデルや初のハイブリットモデルまで!

有線イヤホンの新定番になるか!? Shureの新世代イヤホン「AONIC 3/4/5」を試す

有線イヤホンの新定番になるか!? Shureの新世代イヤホン「AONIC 3/4/5」を試す

2020年春にShureから久々となるイヤホンの新製品が、しかも一気に3モデルも誕生した。

新しくAONICシリーズとしてリリースされたこれらの新製品、実質上はSEシリーズ「SE315」「SE425」「SE535」の後継と言えるモデルだが、プロユース用としてSEシリーズは継続販売されるため、あくまでもコンシューマー向けの製品ととらえたほうがよさそう。とはいえ、リスニング用としても高い人気を誇る「SE535」などの最新版にして、(コンシューマー向けという限定はあるものの)事実上の後継モデルとも呼べる製品だけに、そのサウンドは大いに気になるところ。ということで、今回は「AONIC 3」「AONIC 4」「AONIC 5」の3モデルについて、そのサウンドを紹介していこう。

3モデルともMMCX端子を採用し、リケーブルに対応。いずれも、標準ケーブルはインラインリモコン付きのものとなっている

Shureのロゴをあしらった専用のキャリングポーチも付属

Shureのロゴをあしらった専用のキャリングポーチも付属

イヤーピースは、シリコンタイプとフォームタイプの2種類が標準で添付されている

イヤーピースは、シリコンタイプとフォームタイプの2種類が標準で添付されている

BAドライバー1基の小型モデル「AONIC 3」

Shure「AONIC 3」。カラーバリエーションはブラック1色のみ。市場想定価格は21,800円前後だ

Shure「AONIC 3」。カラーバリエーションは、ブラックとホワイト(店舗限定)。市場想定価格は19,800円前後(税別)

まずは「AONIC 3」から紹介していこう。

3モデルのなかでも、もっともも価格が安い製品となるのが、単なる末弟モデルという範疇に収まらない、独特の個性を持ち合わせているのが特徴だ。まず、外観を見ると、イヤホン本体がかなり小柄なことに気がつく。あまりに小さくまとまっているので、よく純正MMCXリケーブルが装着できたな、と思うほど。実際、「SE215」よりもコンパクトで、さらにノズル部分の角度も絶妙ということもあり、装着感の確かさを持ち合わせている。これであったら、耳穴の小さな女性であっても十分に満足してもらえるはず。ちなみに、この小型軽量ボディのなかには、専用となるBAドライバーが1基搭載されている。確かに、構成としては「SE315」と変わりないが、デザインを見ても、まったくの別物と考えたほうがよさそうだ。

細長いイヤホン本体のギリギリまでうまく使ってMMCX端子を搭載

細長いイヤホン本体のギリギリまでうまく使ってMMCX端子を搭載

さて、実際のサウンドはというと、フルレンジBAドライバーならではの魅力を持ち合わせた、なかなかに魅力的な表現を楽しませてくれる。音色はとても自然で、明瞭度が高い。いっぽう、音場表現はフロントラインの存在感が強く、ボーカルやメイン楽器の存在感が際立っている。メリハリのしっかりした音だ。そのためか、ボーカルがとても魅力的に感じられる。サラ・オレインなど女性ボーカルは明朗快活な表現を楽しませてくれるし、ニルヴァーナなど男性ボーカルは、色っぽい歌声を聴かせてくれた。いっぽう、ギターの音は厚みよりも伸びやかさが印象的で、エレキギターよりもアコースティックギターのほうがマッチしているようにも感じた。総じて、ボーカル系やポップスをよく聴く人にピッタリなモデルだ。

Shure初のハイブリッドドライバー構成モデル「AONIC 4」

Shure「AONIC 4」。カラーバリエーションは、ブラックとホワイトの全2色。市場想定価格は32,800 円(税抜)

Shure「AONIC 4」。カラーバリエーションは、ブラックとホワイトの全2色。市場想定価格は32,800 円(税抜)

続いて「AONIC 4」を紹介しよう。

こちらは、Shure初のハイブリッドドライバー構成モデルで、BA型とダイナミック型、それぞれ1基ずつが搭載されている。とはいえ、イヤホン本体のシェイプはこれまでのSEシリーズとあまり変わらず。やや丸みを帯びていて、「SE535」などよりも「SE846」に近いイメージだ。

やや丸みを帯びたイヤホン本体は、「SE846」に近いイメージだ

やや丸みを帯びたイヤホン本体は、「SE846」に近いイメージだ

そのサウンドは、ニュートラルな音色をもちつつ、パワフルなメリハリ表現やワイドレンジさ、ほどよい量感の低域、伸びやかだけど鋭すぎない高域、次々と褒め言葉を並べたくなるような優等生ぶりを持ち合わせている。おかげで、どんな音楽ジャンルをそつなくこなしてくれる、懐の深さを持ち合わせている。特に高域が荒れず、コンプの強いJポップでも聴き心地のよさを感じられるのがいい。それ以上に相性がよかったのがJロックだ。OLDCODEXを聴くと、実際に楽曲をテストに用いてチューニングしたのでは、と思うくらいに躍動感のある、そして何よりもボーカルが魅力的に感じられるサウンドを楽しむことができた。Jロックのファンはもちろん、それ以外の人にも大いに注目してほしい、完成度の高いサウンドだ。

低域2基、中・高域1基の合計3基のBA型ドライバーを搭載した「AONIC 5」

Shure「AONIC 5」。カラーバリエーションは、ブラック、クリア、レッドの全3色。市場想定価格は54,800 円(税抜)

最後は「AONIC 5」を紹介したい。

こちら、人気モデル「SE535」と同じ構成、低域に2基、中域から高域に1基という合計3基のBA型ドライバーを採用している点はそのままに、「SE846」で培ったノウハウを投入。低域ユニットにローパスフィルターを組み合わせるとともに、交換式ノズルを採用。バランス(ノーマル)、ブライト(高域強調)、ウォームという3タイプのフィルターによって、音を自分好みにカスタムできるようになっている。ちなみに、バランスはオリジナル「SE535」、ブライトは「SE535LTD」に近いサウンドキャラクターになっているという。また、ノズル自身は「AONIC 5」専用のもので、「SE846」と互換性はない。

バランス(ノーマル)、ブライト(高域強調)、ウォームという3タイプの3タイプのフィルターから好みのものを選べる独自のギミックを搭載する

いっぽう、外観は「SE535」よりも「SE846」に近いイメージで、丸みが合って、小柄な筐体にまとめ上げられている。おかげで、装着感が(「SE535」に対して)さらに向上していて、とても快適に感じられた。

さて、肝心のサウンドはというと、ノズルによってキャラクターが変わっていくものの、基本的にはダイレクト感の高い、ストレートな表現のサウンドといっていい。なお、3つのフィルターで帯域バランスが変わるのだが、どれも極端なほどの変化にはならず、あくまでも好みの範疇、楽曲に合わせてベストマッチが変わっていく、といったレベルでの変化にとどまっている。基本的には、フォーカス感の高い、スピード感のあるサウンドを楽しませてくれる。モニターイヤホン、モニターヘッドホンを作り続けているShureらしいサウンドキャラクターだ。

なかでも、音のクリアさ、ダイレクト感の高さに関しては時に「SE846」を上まわるほど。ゴリゴリとした力強い低域によって、最高のグルーヴ感を楽しめる。また、中高域はフォーカス感の高さに加えて、倍音成分が整っているおかげでストレスのない、伸びやかなサウンドを楽しませてくれる。結果として、ボーカルはかなり距離感の近い、とてもダイレクトな歌声を聴かせてくれるし、エレキギターの音色も艶やかなうえとても厚みがある。音場的な広がりも良好で、大きく広がるステージングに加え、各パートの演奏がしっかりセパレートされて聴こえる。時に分析的だと感じてしまうくらい、Shureらしいサウンドだ。

しかしながら、それが嫌だと思うことはまったくない。逆に、音楽ファンにとっては曲の隅々まで感じ取ることができるので、うれしいかぎり。楽曲の新たなる一面を垣間見ることができる、すばらしい製品だ。

このように、Shureの新しいAONICシリーズは、それぞれが特徴的で、それぞれが魅力的なサウンドにまとめ上げられている。SEシリーズ同様、リファレンスイヤホンとして長い間使い続けられる、魅力的な製品と言えそうだ。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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