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HDR10+、eARCなど最新世代AVアンプとしての機能に対応

デノンから税込10万円以下で買える8K/60p対応AVアンプ「AVR-X2700H」


デノンは、AVアンプの新しいミドルクラスモデル「AVR-X2700H」を発表した。メーカー希望小売価格は90,000円(税別)で、発売は2020年9月中旬を予定。税込10万円以下を実現しつつ、8K/60p信号のパススルー伝送やHDR10+をサポートする最新世代仕様としているのが特徴だ。

デノンのAVアンプは、フラッグシップの13.2chモデル「AVC-X8500H」を筆頭に全6機種をラインアップする。先日、ハイエンド〜中級機の2機種が8K対応にモデルチェンジすることが発表されたが、ミドルクラスの下位機種もそれに続く形となった。

デノンAVアンプの2020年ラインアップ。ハイエンド〜ミドルクラスの3機種が8K対応にモデルチェンジする。さらにフラッグシップの「AVC-X8500H」も8K対応アップデートを予定

10万円以下でしっかり8K対応の7.2chミドルクラスAVアンプ

それでは、AVR-X2700Hの基本仕様を見ていこう。本機は、7基のパワーアンプと2系統のサブウーハー出力を搭載する7.2chモデル。2019年に発売された「AVR-X2600H」の後継機にあたる。定格出力は95W/ch(8Ω,20〜20kHz,THD 0.08%,2ch駆動)を確保する。

本体サイズは434(幅)×167(高さ)×311(奥行)mm(アンテナを寝かせた場合)

本体サイズは434(幅)×167(高さ)×311(奥行)mm(アンテナを寝かせた場合)

2020年モデルの最大の特徴は、HDMIの新機能をサポートすること。HDMI端子は6入力/2出力を備えるが、そのうち入力1系統/出力2系統で最大8K/60p、4K/120pのパススルー伝送が可能となっている。このあたりの仕様は先行して発表された上位モデルAVC-X6700H/AVR-X4700Hと共通となる。8Kアップスケーリング機能も搭載しており、入力信号を8K/60pや4K/60pなどにアップスケーリングしてHDMI出力できる。

また、著作権保護技術HDCP 2.3や、BT.2020、VRR、QMS、QFT、ALLM、eARCなどの各規格にも準拠。さらにHDR規格も、HDR10+/Dynamic HDR/HDR10/Dolby Vision/HLGをすべてサポートしている。最新世代AVアンプとして、eARC規格や「ALLM(Auto Low Letancy Mode)」にもしっかり対応する。

「MPEG-4 AAC」フォーマットに対応

音声フォーマットは、「Dolby Atmos」「DTS:X」などのオブジェクトオーディオのほか、トップスピーカーやサラウンドスピーカーのない環境で、高さ方向を含むイマーシブオーディオ体験を可能とする「Dolby Atmos Height Virtualizer」や「DTS Virtual:X」もサポートしている。

さらに従来モデルからの進化点としては、BS 4K/8K放送で使用されている音声フォーマット「MPEG-4 AAC」(ステレオ、5.1ch)のデコードに対応したことがあげられる。こちらも上位モデルと同様で、4Kや8Kの超高解像度映像にただ対応したというだけではなく、その音声までデノンのAVアンプらしいストレートデコードで鳴らせる設計であることに注目したい。

モデルごとの対応フォーマットの違いはこの通り。IMAX EnhancedやAURO-3Dなどは上位機種のみ対応だが、AVR-X2700Hは基本仕様をしっかり押さえつつ、新たにMPEG-4 AACに対応したのがエントリーモデルとの差別化ポイント

音楽再生機能も充実! 音楽ストリーミングサービスにも対応

ネットワーク機能や音楽再生スペックも、引き続き充実している。まずWi-Fi接続に対応し、専用アプリ「Denon 2016 AVR Remote」や「Auddysey MultEQ Editor Apps」を使用してスマホからのコントロール/音場調整が可能だ。

ネットワーク/USB経由でのハイレゾ再生も可能で、最大192kHz/24bitまでのWAV/FLAC/ALAC、5.6MHzまでのDSDをサポート。さらにデノン独自のマルチルームオーディオ再生「HEOS」による連携操作に対応しているのはもちろん、最新世代AVアンプとして「Amazon Music HD」や「Spotify」など音楽ストリーミングサービスの聴取も行えるようになっている。またBluetooth周りは、音声入力に加えて外部機器へのBluetooth音声出力にも対応。

上位機種ゆずりの高音質設計

続いて、内部設計を見ていこう。その特徴は、デノンが開発するHi-Fiオーディオアンプの設計思想を継承し、全チャンネル同一構成のディスクリート・パワーアンプを搭載すること。さらに、パワーアンプ基板の信号ラインと電源供給ライン、パーツの配置を最適化することによって、ノイズの干渉を抑えるレイアウトとしている。

また、フラッグシップモデル「AVC-X8500H」などと同様に、パワーアンプ初段の差動増幅段に特性の揃った2つのトランジスタを内蔵するデュアル・トランジスタ構成を採用し、微小信号の表現力を高めて、低域の安定感を向上。細部まで上位機ゆずりのこだわり設計となっている。

全チャンネル同一構成の7chディスクリート・パワーアンプを搭載。さらに従来モデルから引き続き、電源ラインを2系統に分離する構成で、チャンネル間のクロストークやSN比を改善し、サウンドのフォーカス感を高めている

電源部にはカスタム仕様の大型EIコアトランスを採用する。このほか、電源部のブロックコンデンサーには、AVR-X2700H専用にチューニングされた大容量12,000uFのカスタムコンデンサーを2基搭載

また、かねてよりデノンがAVアンプ開発で掲げる「シンプル&ストレート」思想の信号経路を実現するため、入力セレクター、ボリューム、出力セレクターはそれぞれの機能に特化したカスタムデバイスを採用。プリアンプ電源部のグラウンドパターンを見直すことで対称性を向上し、より透明感の高いサウンド実現を図っている。

なお、上位モデルのAVC-X6700H/AVR-X4700Hと違ってDAC基板は独立構成ではないが、DAC自体は同2機種に搭載されているものと同じプレミアムDACを採用し、そのすぐれた解像感や繊細な空間表現力といった特性を引き出す設計に。DACのポストフィルター回路内のオペアンプ動作点を、AVC-X6700Hと同様のA級動作としているのもポイント。DAC電源供給ラインのコンデンサーの容量をアップし、力強さと解像度を高めた。

そのほか、チップ内部の構成やワイヤリングのリファインに加え、高音質オペアンプをD/Aコンバーターのポストフィルターに採用するなど、細部にまでこだわりを投入している

まとめると、AVR-X2700Hは最新世代AVアンプとして8K対応のHDMI仕様を備えつつ、ハイエンド向けの機能を省略することでコストを抑えているのが特徴と言える。もちろん内部設計も、上位機から継承した高音質設計を取り入れており、デノンならではの「ストレート」なサウンド再生思想を継承しているのがポイント。ぜひ注目されたい。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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