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薄型AVアンプにも8K&HDR10+対応モデルが登場

マランツ、8K/60p対応の新世代薄型AVアンプ「NR1711」発表


マランツから、薄型AVアンプの新モデル「NR1711」が発表された。メーカー希望小売価格は90,000円(税別)で、発売は2020年9月中旬を予定している。薄型AVアンプならではのスリムさは継承しながら、8K/60p信号のパススルー伝送やHDR10+をサポートする新世代仕様となっているのが特徴だ。

先日、同じD&Mグループのデノンが先行して8KやHDR10+対応のAVアンプを発表していたが、マランツからは売れ筋の薄型デザインモデルがこれに続く形となった。新しい8K対応機能をサポートしながら、メーカー希望小売価格は従来モデルから据え置きなのもうれしいポイントである。

テレビと組み合わせやすいスリムサイズで8K対応

マランツの薄型AVアンプは、本体高さ約10.5cmというスリムな筐体でラックに設置しやすく、リビングのテレビと組み合わせられるモデルとして大人気。昨年発売された前世代機種「NR1710」が、いまだに価格.comのAVアンプカテゴリー売れ筋ランキング1位(2020年8月7日時点)を獲得しているほどだ。そんなヒットモデルをベースに、HDMIの新機能に対応したのがNR1711の特徴となる。

まずは、その基本仕様を見ていこう。スリムな本体に7基のフルディスクリート・パワーアンプを内蔵する7ch出力モデルで、定格出力は50W/ch(8Ω、20Hz〜20kHz、THD+N 0.08%)を確保。2.2chプリアウトを装備しており、外部パワーアンプを追加したり、サブウーハーを2台接続するといった使い方も可能だ。

本体サイズは440(幅)×105(高さ)×378(奥行)mm(アンテナを寝かせた場合)で、従来モデルを踏襲したスリムさ。カラーはブラックとシルバーゴールドの2色をラインアップする

本機の最大の特徴であるHDMIの新機能についてだが、HDMIポートは入力6/出力1を装備し、そのうち入力1/出力1で最大8K/60p、4K/120pのパススルー伝送が可能となっている。このあたりのスペックは、先行して発表されたデノンのAVアンプ「AVC-X6700H」などと共通しており、入力信号を8K/60pや4K/60pなどにアップスケーリングしてHDMI出力することも可能。HDR規格も、HDR10+/Dynamic HDR/HDR10/Dolby Vision/HLGをフルでサポートしている。

なお、実は従来モデルと比較すると、HDMI入力端子の数が8系統から6系統に減っている。こういった細かい仕様変更により、最新機能に対応しつつも、従来モデルと同じ価格設定を実現。従来モデルのユーザーを見ても、6系統の入力があれば必要十分な場合が多いと思われたことから、同社ではコストダウンして価格を据え置きにする方法を採ったという。

従来モデルNR1710との主要機能の比較はこちら。新世代AVアンプとして、著作権保護技術HDCP 2.3や、BT.2020、VRR、QMS、QFT、ALLM、eARCなどの各規格にも準拠

先行発表されたデノンのAVアンプもそうだが、VRR、QMS、ALLMなど、次世代ゲーミングデバイスで採用されるフォーマットに積極対応しているのは注目ポイント

BS 4K/8K放送で採用される「MPEG-4 AAC」フォーマットに対応

ホームシアター用オーディオフォーマットは、「Dolby Atmos」「DTS:X」のオブジェクトオーディオをサポートしており、スリムタイプながら本格的な機能性を引き続き装備。トップスピーカーのない環境でイマーシブオーディオを再現する「DTS Virtual:X」や「Dolby Atmos Height Virtualizer」にも対応している。音場補正機能は、マランツ製AVアンプでおなじみの「Audyssey MultEQ」を搭載。

さらに、こちらもデノンAVアンプと共通の新機能であるが、BS 4K/8K放送で使用されている音声フォーマット「MPEG-4 AAC」(ステレオ、5.1ch)のネイティブ再生に対応している。4Kや8Kの超高解像度な映像を、臨場感豊かなサラウンドサウンドとともに楽しめるようになっていることに注目されたい。

ネットワーク機能も充実! 音楽ストリーミングサービスにも対応

マランツの薄型AVアンプは、映画視聴だけではなく、リビングルームの中心でゲーム機やスマホ、音楽プレーヤーなどさまざまな機器を操作できる“マルチコントロールセンター”として評価が高い。

そのポイントとなるのがネットワーク連携機能だ。もちろんこちらも引き続き充実しており、Wi-Fi接続で専用アプリを使用することで、スマホからのコントロール/音場調整を行える。Amazon Alexa搭載スピーカーからの音声操作にも対応しており、機能面もばっちりだ。

さらにネットワーク/USB経由でのハイレゾ再生も可能で、最大192kHz/24bitまでのWAV/FLAC/ALAC、5.6MHzまでのDSDをサポート。独自のネットワーク技術「HEOS」テクノロジーもサポートし、「Amazon Music HD」や「Spotify」など音楽ストリーミングサービスの聴取も行える。

HDMI/ネットワークオーディオ系の音質をブラッシュアップ

そしてNR1711は、ただ上述の機能強化を行っただけではなく、全般的な音質強化も実施している。その内部は、従来モデルから引き続き実用最大出力100Wのフルディスクリート・パワーアンプを搭載。サラウンドバックを含む全7chを同一構成、同一クオリティとしている。

ディスクリート構成であるため、回路設計およびパーツ選定の自由度が高く同社の、Hi-Fiアンプと同様に徹底した音質チューニングを行っている。使用コンデンサーのグレートアップなどを行い、オーディオ信号ラインの低インピーダンス化を追求した構成としている

設計面で特にポイントとなるのは、新仕様のHDMI入力およびネットワークオーディオ周りの音質向上をテーマに設計が行われたこと。同社によれば、開発時には8Kデバイスのパフォーマンスを最大限に引き出すための回路とパーツを選定し、HEOSモジュール周辺の電源やパターンの引き直しを実施したという。

具体的には、コンデンサーや抵抗など数多くのパーツの品種や定数の見直し、基板上のパターンの強化、クロックモジュールの振動対策など、従来モデルと比較してかなり時間をかけて入念なサウンドチューニングを行ったそうで、これにより音のS/N感や明瞭感、音像の立体感、音場感などの向上を実現した。

電源回路のキーパーツには、厳選された高音質パーツをふんだんに採用。パワーアンプ回路用のブロックコンデンサーには、NR1711専用に新規開発された6,800μFのカスタムコンデンサーを2基搭載する。電源部の強化と同時にパワーアンプなどの周辺回路の細部に至るまで徹底した音質チューニングを行っている

そのほか、DSP部には高性能な32bitフローティングポイントQuad Core DSPを採用。DAC部には、上位モデルでも採用実績のある旭化成エレクトロニクス製32bit/8ch DAC「AK4458VN」を搭載するなど、評価の高い従来モデルの仕様を引き継いだ。

DAC部はディテールの表現力向上のために、出力抵抗に高精度な薄膜型金属皮膜抵抗を使用

DAC部はディテールの表現力向上のために、出力抵抗に高精度な薄膜型金属皮膜抵抗を使用

DSPやネットワーク、USBなどのデジタル回路への電源供給には専用のトランスを使用し、アナログ回路との相互干渉を排除する構成としている

というわけで、ざっとNR1711の特徴を見てきたが、いかがだっただろうか? BS4K/8K放送もスタートし、ネット配信やゲームなどでも超高解像度映像のコンテンツが増えている今、リビングに設置しやすい薄型AVアンプで8K対応モデルが登場したのはうれしいニュースだろう。4K/8K時代にテレビと組み合わせる新世代AVアンプとして、機能的にもサイズ的にも音質的にも、NR1711は有力な1台となりそうだ。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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