選び方・特集
PCのサウンドを手軽に強化!

売れ筋PCスピーカー全部聴きました! 2,000円〜16,000円の人気モデルをガチ比較

売れ筋PCスピーカー全部聴きました! 2,000円〜16,000円の人気モデルをガチ比較

予期しなかった新型コロナウイルス感染拡大で自宅で過ごす時間が増え、“おうちエンタメ”が盛り上がっている。テレビやスマホなど、自宅でエンタメを楽しむ接点はいろいろあるが、なんだかんだで1番長く触れるのがパソコンだろう。テレワークでの仕事はもちろん、Webブラウザー経由でYouTubeを観たり、PCゲームをプレイするなど、1台でなんでもできるPCが“おうちエンタメ”で一番活躍している人も多いはずだ。

PCデスクの前で過ごす時間が増えてくると、気になり始めるのがPCのサウンド強化。価格.comのPCスピーカーのカテゴリー、家電量販店のパソコン周辺機器コーナーに置かれている数千円から1万円程度で購入できるPCスピーカーは、定番化し過ぎてAVファン目線では放置されてきたが、今だからこそ音質をしっかりチェックするべきタイミングではないだろうか。

そこで今回は価格.comのPCスピーカーカテゴリーでランキング上位に位置する定番モデルを中心に、実売価格約3,000円〜1,6000円の全8機種の実機を僕の自宅にお借りしてガチで音質比較してみた。

音質検証は3,000〜5000円台の格安、5,000円〜1万円以下のスタンダード、1万〜2万円以下の高級の3つのグループに分けて検証。PCとスピーカーの接続は、ノートPCのヘッドホン端子、またはUSB接続で検証している。ハイレゾやUSB DACといったむずかしいことには手を出さず、ごく普通にスピーカー購入してPCにつなげただけのリスニング環境だ。

音楽はWindowsアプリ版のAmazon Musicで、宇多田ヒカル『あなた』、Official髭男dism『Pretender』、ビリー・アイリッシュ『bad guy』の3曲、そしてYouTube投稿のNHKニュースを視聴して、一般的な動画の声の聞き取りやすさもチェックしている。

評価項目は、「中高域」「重低音」「視聴位置」の3つ。中高域では歌声を中心とした解像感やクリアさ、重低音では低音の再現性を10点満で採点。視聴位置は、PC正面から上下左右にずれた位置で自然な音を聴けるかどうか、位置を変えて聴き比べたときのリスニングエリアについて評価している。

3,000〜4,000円台で買える格安クラス

気軽にポチっと買えるPCスピーカーが3,000〜4,000円台クラス。クリエイティブから、低価格機で定番と呼ばれている「Pebble V2」、そして本検証を始める直前に発表された新モデル「Pebble V3」を用意。Amazonで人気のTaoTronicsからは、PC用サウンドバーと呼ぶべきワンボディモデル「TT-SK028」を用意。これら合計3機種を聴き比べてみた。

4,000円以下で購入できる格安クラスの3機種をガチ比較!

4,000円以下で購入できる格安クラスの3機種をガチ比較!

クリエイティブ「Pebble V2」は驚きのハイコスパ

45度上向きにレイアウトした球型のサテライトスピーカーのステレオ構成という、現代的なデザインのPCスピーカー。クリエイティブ直販限定モデルとして登場したモデルだが、価格.comでも同社サイトの価格が掲載されている。

上向き球型スピーカーにフルレンジユニットというミニマムデザイン

上向き球型スピーカーにフルレンジユニットというミニマムデザイン

オーディオ信号は3.5mm端子で入力。給電はUSB経由だ

オーディオ信号は3.5mm端子で入力。給電はUSB経由だ

PC横に置くと自然とスピーカーユニットが顔を向く

PC横に置くと自然とスピーカーユニットが顔を向く

PCから音楽を流すと、左右スピーカー中間位置に音像が浮かぶすばらしいステレオ空間の再現力を持つスピーカーだ。女性・男性ボーカルとも歌声が鮮やかに空間に浮かび上がるところはさすがだが、サウンドバランスとして高域が若干キツめ。低音は適度なリズム感で再現してくれる。YouTube音声も声が鮮明で聞き取りやすかった。3,000円台の価格でこの音なら、なかなかのハイコスパだ。

【音質評価】
中高域:★★★★
重低音:★★★★★
視聴位置:普通

【スペック】
総合出力:8W
入力:3.5mm
重量:0.64kg

USB接続で音質アップを果たした「Pebble V3」

本特集の検証を始める直前に発表されたPebble V2後継モデルが「Pebble V3」。見た目はPebble V2そっくりだが、実は変更点が多く、スピーカーユニットが2.25インチに大型化、USBオーディオ接続対応、Bluetooth内蔵となり、サイズもわずかに大型化している。

上向き球型スピーカーにフルレンジという構成はPebble V2と同じ

上向き球型スピーカーにフルレンジという構成はPebble V2と同じ

USBオーディオ対応で接続ケーブルを一本化。USB Type-Cのほか通常のA端子に変換も可能だ

USBオーディオ対応で接続ケーブルを一本化。USB Type-Cのほか通常のA端子に変換も可能だ

Pebble V2同様、PC横にセットして自然に聞けるデザイン

Pebble V2同様、PC横にセットして自然に聞けるデザイン

女性ボーカル、男性ボーカルともに歌声はスピーカー中央に鮮明な音像定位を生み出すサウンド。Pebble V2と比べて全体に音自体の情報量が向上し、高域までハキハキとした高解像サウンドを聴かせてくれる。楽器のサウンドフィールドの再現も見通しよく優秀だ。低音はゴリゴリとした情報系でデスクトップスピーカーとしては十分過ぎるボリューム。YouTubeの声を聴いてもクリアで聞きやすく、Pebble V2から約1000円の値上がり分以上に高音質は体感できるはずだ。

【音質評価】
中高域:★★★★★
重低音:★★★★★★
視聴位置:普通

【スペック】
総合出力:8W
入力:USB Type-C(Type-A変換アダプター付属)、3.5mm、Bluetooth
重量:0.67kg

TaoTronics「TT-SK028」はPC用サウンドバーという異色のコンセプト

ワイヤレスイヤホンで人気のTaoTronicsが手掛けるワンボディのPC用サウンドバー「TT-SK028」。PCモニターの下に置くとちょうどよい横長の筐体に合計6W出力のフルレンジスピーカー2基に低音増強振動板ユニットパッシブラジエーターを2基搭載と、最近の小型スピーカーの流行りを取り入れた設計。Bluetoothによる音楽リスニングも可能だ。

PC用としては異色のワンボディのサウンドバー型

PC用としては異色のワンボディのサウンドバー型

オーディオ信号は3.5mm端子で入力し、給電はUSBを利用する

オーディオ信号は3.5mm端子で入力し、給電はUSBを利用する

本来ならデスクトップPCのモニター下に置くべきだが、今回はノートPCと接続して検証した

本来ならデスクトップPCのモニター下に置くべきだが、今回はノートPCと接続して検証した

サウンドバーという独特の形状で音の広がりを想像しがちだが、スピーカーユニットの位置もよく分かる、昔ながらのPCスピーカーらしいサウンドだ。音楽を聴いても解像感よりもナローな迫力系で、女性ボーカルは若干クリアさに欠け、男性ボーカルもやや声が硬め。低音も情報よりも響きで出すタイプだ。YouTubeの音声もややこもりがちだが、サウンドバー型ということもあって、視聴位置が広めなのはほめてもいいだろう。

【音質評価】
中高域:★★★
重低音:★★★★
視聴位置:広い

【スペック】
総合出力:6W
入力:3.5mm、Bluetooth
重量:0.76kg

1万円以下のスタンダードクラス3機種

PCスピーカーでいい音を狙えるコスパ重視の価格帯が1万円以下のクラス。今回は、価格.comのPCスピーカーカテゴリーで売れ筋ランキング1位に長らく君臨している「JBL PEBBLES」、クリエイティブの「T15Wireless」、そしてモニタースピーカーのTASCAM「VL-S3」の合計3機種を聴き比べてみた。

1万以下で購入できる激戦クラスの3機種を聴き比べ

1万以下で購入できる激戦クラスの3機種を聴き比べ

価格.comのPCスピーカーカテゴリーで大人気! JBL「PEBBLES」

最近は若者の音楽カルチャー向けに向けた製品群で人気の米JBLによるPCスピーカー。独特ホイール型のスピーカー筐体にUSB DACを内蔵しており、PCとの間でデジタル接続が可能となっている。価格.comのPCスピーカーのカテゴリーで長らくトップに君臨する大人気モデルだ。

ホイールのような独特なデザイン。右スピーカーで音量調整が可能だ

ホイールのような独特なデザイン。右スピーカーで音量調整が可能だ

USB対応で、電源含めて接続はケーブル1本でOKだ

USB対応で、電源含めて接続はケーブル1本でOKだ

PC横にセットすると自然と顔の向きに音が流れる

PC横にセットすると自然と顔の向きに音が流れる

音楽を流すと瞬時に分かるズバ抜けて解像感の高いソリッド志向のサウンド。音楽を聴いても男性・女性ボーカルとも2本のスピーカーのセンターにシャープに浮かび上がる。歌声の音像のすばらしさだけでなく、バンド演奏のステージの立体感、臨場感まで見事に再現してくれる。低音は部屋のBGMとして通用するくらいパワフルで情報量もあり、リズムの刻みもテンポよく、音楽リスニング用にはぴったり。YouTubeも人の声だけでなく、周囲の環境音までしっかりと再現してくれ、臨場感もばっちり。驚きの超ハイコスパサウンドだ。

【音質評価】
中高域:★★★★★★★
重低音:★★★★★★
視聴位置:普通

【スペック】
総合出力:5W
入力:USB、3.5mm
重量:1kg

これぞPCスピーカー! クリエイティブ「T15Wireless」

クリエイティブ「GigaWorks T15Wireless」は、2013年発売のPCスピーカーだ。PCスピーカーには珍しいツィーター搭載の2ウェイユニットの構成を採用。背面にヘッドホン出力もあり、手元のインターフェースも兼ねられる。

PC横に縦長ボディというクラシカルなスタイル

PC横に縦長ボディというクラシカルなスタイル

バスコントロール、トレブルコントロールも搭載

バスコントロール、トレブルコントロールも搭載

PC接続時にも別途ACアダプター接続が必須となる

PC接続時にも別途ACアダプター接続が必須となる

音全体がふくよかと言うべきかボワつく癖があり、女性ボーカルは声がこもりがち。男性ボーカルも鮮明さは少なく、鈍く分厚くといったところ。TONEノブで高域を持ち上げると歌声も立体感も出るが、今度はバンドのシンバル音など高域はツィーターのおかげでシャキシャキと響く。低音は量的には出るが、やはりボワボワとした鳴りだ。YouTubeの音声を聴いても定位が怪しいのは頂けない。何せ2013年発売なので、よくも悪くも、昔のPCスピーカーのサウンドそのままといったところだろう。

【音質評価】
中高域:★★★★
重低音:★★★★★★
視聴位置:普通

【スペック】
総合出力:-
入力:3.5mm、Bluetooth
重量:2.1kg

コンパクトなモニタースピーカー TASCAM「VL-S3」

価格.comのPCスピーカーの人気売れ筋ランキングをながめていて予想外にランクインを発見したモデルがTASCAM「VL-S3」。デスクトップパワードモニタースピーカー、つまりDTM向けの小型モニタースピーカーだが、PC用スピーカーとして音楽リスニングにも利用できる2ウェイのブックシェルフスピーカーだ。

音楽制作向けのブックシェルフ

音楽制作向けのブックシェルフ

入力はRCAにも対応。給電は専用ACアダプター経由となる

入力はRCAにも対応。給電は専用ACアダプター経由となる

PC横にセットする際には高さ調整が必要

PC横にセットする際には高さ調整が必要

モニター系としてフラットな再現を期待してたのだが、女性ボーカル、男性ボーカルともやわらかで伸びやかに聴かせてくれる予想外の美音系だった。バンド演奏もソリッドさではなく曲のステージをやわらかなサウンドフィールドで再現。低音はライブな響きとして鳴らすが、リスニング用としてはパワー不足が否めない。YouTube用には少しやわらかめのトーンだ。率直に言って、オーディオ出力関係をしっかり揃えると高音質に化けそうなポテンシャルのある音だ。なお、耳とスピーカーの位置が揃わないと本来の実力とは掛け離れた音になるので要注意。

【音質評価】
中高域:★★★★★★
重低音:★★★★★
視聴位置:普通

【スペック】
総合出力:28W
入力:3.5mm、RCA
重量:2.1kg

1万円オーバーの高級クラス2機種

PC用スピーカーで1万円以上の機種となると、かなりハイエンドの領域。そんな高級クラスでも価格.comのPCスピーカーの人気ランキングで上位にランクインするモデルがJBL「JBL 104-Y3」とEdifier「ED-R1280T」の2機種。いずれも音楽制作向けのパワードモニターだ。

パワード・スタジオモニターの新定番!JBL「104-Y3」

プロ向けのブランドJBL PROFESSIONALの音楽制作向けラインのスピーカーとして昨年発売された楕円形の独特なデザインのスピーカーがJBL「104-Y3」だ。低域ドライバーの中心に高域ドライバーをレイアウトした同軸構造を採用。前面にはヘッドホン出力端子も用意されている。

楕円形のボディは若干サイズが大きめ

楕円形のボディは若干サイズが大きめ

背面入力はRCA端子とフォーン端子、前面にも3.5mm入力を備える

背面入力はRCA端子とフォーン端子、前面にも3.5mm入力を備える

実際に設置してみると、プロ用音楽制作機材らしい風格だ

実際に設置してみると、プロ用音楽制作機材らしい風格だ

モニタースピーカーは本来音楽制作の過程で音を確認する目的のものだが、予想以上に音楽リスニングにも通用する。歌声は男性・女性ボーカルとも声の抑揚までていねいに描くし、高域までくせなく伸びてくれるので、ステージ上の演奏も誇張感なくしっかり再現されている。分解能にすぐれて情報量も豊富だが、音楽的に突っ走ることのない素っ気なさがモニタースピーカーらしいチューン。低音は沈みパワーもあるが、音楽制作向けのバランスなのでやや控えめ。YouTubeの音声も必要以上に克明で生々しい。

【音質評価】
中高域:★★★★★★★★★
重低音:★★★★★★★
視聴位置:普通

【スペック】
総合出力:60W
入力:3.5mm、RCA、バランス型フォーン
重量:3.9kg

新発想のブックシェルフ型マルチメディアスピーカー Edifier「ED-R1280T」

価格.comのPCスピーカーの人気上位にランクインしているEdifier「ED-R1280T」は、公式にはブックシェルフ型マルチメディアスピーカーという位置付け。前面にバスレフポートのある2ウェイスピーカーを備え、それを42Wの内蔵アンプで駆動するパワード設計だ。本体右にコントロールダイヤルを搭載。リモコンが付属しているところはPCスピーカーとしては貴重だ。

外見はクラシカルなEdifier「ED-R1280T」

外見はクラシカルなEdifier「ED-R1280T」

右スピーカーから音量、高域、低域を調整可能

右スピーカーから音量、高域、低域を調整可能

PCとセットするとスピーカーの存在感が大きめ

PCとセットするとスピーカーの存在感が大きめ

これぞモニター系スピーカーと呼ぶべき、音源の情報をていねいに引き出しつつ、音の尖りのないナチュラルサウンドだ。男性・女性ボーカルとも音楽のなかで声がクッキリ立つようなことはなく、むしろ歌声と音楽とのバランスを崩さず、バンドのギターの音もナチュラルに再現。低音は見た目ほど出ないところもモニターサウンドの味付けだろう。右スピーカーに搭載されたノブによる音質調整は、高域は金属音がやや存在感を増す程度、低域も音の厚みを少し意識する程度とニュアンス調整に有用。YouTubeの動画も人の声が妙に目立たないフラットバランス。リスニング用には地味な音だが、味付けない音を聞きたい人に推奨したい。

【音質評価】
中高域:★★★★★★★★★
重低音:★★★★★★
視聴位置:広い

【スペック】
総合出力:42W
入力:RCA×2
重量:4.3kg

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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