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着脱の容易さ・装着感・サウンドの3つのポイントをチェック

アップルAirPods Pro用イヤーピース 純正&サードパーティ全8種類を徹底比較

アップルAirPods Pro用イヤーピース 純正&サードパーティ全8種類を徹底比較

この春にもご紹介させていただいたが、ここ最近、イヤホンのイヤーピース交換がちょっとしたブームになっている。

元々イヤーピース、またはイヤーチップと呼ばれる部分とは、カナル型イヤホンの先端に付属している傘のような(マッシュルームキノコのような!?)カタチをしたパーツのこと。シリコンなどやわらかい素材を採用することで、カナル型イヤホンのノズル先端部分を耳穴にしっかりフィットさせる役目を果たすパーツで、これにより、イヤホン本体の密着度を高め、音漏れも防ぎつつ低域のヌケなども低減、イヤホン本来の音を存分に楽しませてくれる重要な役割を担っている。

イヤーピースの特徴ひとつで音が大きく変わってしまうこともある。だからこそ、昨今のイヤーピース交換ブームにつながっているのだが、実際にいろいろなイヤーピースを試してみるのはなかなかに楽しい。

今回はアップル「AirPods Pro」用の交換イヤーピースに的を絞って、製品をいろいろと紹介していきたいと思う。ちなみに、イヤーピースそのものの特徴に関して詳しく知りたいという人は、以前公開した記事『フィット感や音質が大きく改善! イヤホンの実力を引き出すイヤーピースの選び方と注目モデル9選』もあわせて参考にしていただけたらと思う。

1. AirPods Proイヤーチップ(純正イヤーピース)

AirPods Proイヤーチップ(純正イヤーピース)

AirPods Proイヤーチップ(純正イヤーピース)

サイズ:S/M/L
素材:シリコンタイプ

AirPods Proの純正イヤーピースには、シリコン系の素材が採用されている。カナル型イヤホンとして、ごく一般的な素材といえる。そのいっぽうで、内側のノズルと呼ばれる穴の部分が円筒形をしていたり、その底部にメッシュフィルターが配置されていたりと、造りに関してはなかなかにこだわりのある内容となっている。
サイズはS、M、Lの3タイプを用意。各サイズとも2ペアセットでの販売となっている。

■着脱の容易さ
かなりしっかり装着されているため、着脱は少々慣れが必要。本体との接続部、上下にある切り欠きに爪などを引っ掛けて取り外すと比較的容易に着脱が行える。

■装着感
やわらかめのシリコン素材を採用しているということもあって、装着感は比較的良好。ただし、(一般的なカナル型イヤホンに比べて)浅めの装着感であることもあってか、耳とのすき間が空きやすく、サイズをしっかり選びつつ、確実な装着を行わないとノイズキャンセリング機能に影響を与えてしまうこともあるため、注意が必要だ。オススメは、ちょっと大きめのサイズを装着すること。装着感はベストとはいえないが、機能性優先のためなら仕方の無いところだろう。

■サウンド
自然な音色であること重視した印象。リアル、とまではいかないものの、刺激的すぎる音や派手なメリハリ表現は忌避した、中域重視の聴きやすいサウンドを作り上げている。結果として、ボーカルがしっかりと表に出てきて、印象強い歌声を聴かせてくれる。

ここから紹介するサードパーティメーカーの製品については、こちらの音色傾向を基本として、各製品でどう音が変わったかを紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。

2.AZLA「SednaEarfit XELASTEC for AirPods Pro」

サイズ:SS/S/MS/M/ML/L
素材:シリコンタイプ

音質的な良好さとフィット感の高さの両立が好評となっているSednaEarfitの最新モデルにして、体温によって軟化変形し吸い付くようなフィット感を実現するTPE(サーマルプラスティックエラストマー)素材を採用した「XELASTEC(セラステック)」のAirPods Pro専用バージョン。傘の部分にはTPE素材が、AirPods Proと接続するアダプター部分にはウレタンコーティングを施したパーツを採用して組み合わせることで、イヤホン本体との密着性を高め、音漏れ防止やアクティブノイズキャンセリング性能を最大限確保したとアピールする。

SSからLまでサイズは6サイズを用意。各サイズ2ペアのパッケージに加えて、SS/S/MS各1ペアセット、MS/M/ML各1ペアセット、M/ML/L各1ペアセットも用意されている。

■着脱の容易さ
純正と同じく上下に切り欠きが用意されていること、アダプター部分が硬めの素材ということもあって、着脱は容易。傘の部分をいったん取り外してからアダプター部分を外すとさらに楽。純正イヤーピースの着脱に苦労している人にとっては、これだけでも大きな魅力に感じられるかもしれない。

■装着感
吸い付くようなフィット感は、純正とはまったくの別物。実際、しばらく装着した後に取り外そうとすると、結構な抵抗感があるほど。AirPods Proが電車内や屋外で外れそうになった、という人にはぜひ試してみてほしい。ややサイズが大きめな印象があり、自分が普段使っているものよりも半サイズほど小さいタイプがよさそうだ。

■サウンド
ダイレクト感が高まった、清々しいサウンドに大きく変化。聴感上の解像感も高まって聴こえ、ステレオイメージも把握しやすくなる。また、ボーカル、特に女性ボーカルの歌声がさらに聴きやすくなるので、Jポップなどとも相性がよい。いっぽう、男性ボーカルはやや鼻にかかった歌声になり、アコースティックギターはドライな音色へと変化。こういった表現もなかなかに魅力的だ。純正に比べて低域の量感が減る傾向にあるものの、好みの範疇といえる。

3.オウルテック「SAMU Foam tips OWL-FTA」

サイズ:S/M/L
素材:フォームタイプ

ポリウレタン素材を採用するフォームタイプのAirPods Pro用イヤーピース。体温でやわらかくなる低反発素材を採用していることから、高い遮音性と引き締まった低音を確保したとアピールする。ノズル部分にはメッシュガードを備え、イヤホン内部へほこりや耳アカの侵入を防いでいる。

カラーはブラックとグレーを、サイズはS/M/Lの3タイプを用意。各パッケージには同サイズのイヤーピースが3ペアセットされているほか、キャリングケースも同梱されている。

■着脱の容易さ
フィット感が高く、上下の切り欠きもないため着脱に多少コツはいるが、イヤーピースのアダプター部分が比較的硬質な素材を使用しているため、いちど慣れてしまえばそれほど難しくはない。左右方向、細い側へ押して外すのも試してみて欲しい。

■装着感
フォームタイプということもあって、装着感は良好。しっかりと装着されつつも、感触自体はなかなか心地よい。ちなみに、メッシュガードは純正とは異なり耳側によっているため、メインテナンス(掃除等)はしやすそうだ。

■サウンド
AirPods Proらしい音に、さらにダイレクト感を向上させたようなイメージ。やや鼻にかかった女性ボーカルや、一体感のあるバック演奏、パワフルではあるけれどもやわらかい広がりを持つ低域表現など、AirPods Proの音が好みという人にぴったりだ。

4. SOSO.LABO「S-EPS01 AirPodsPRO」

サイズ:S/M/L
素材:フォームタイプ

フォームタイプのイヤーピース。低反発素材を採用することで、しっかりと耳の形状にフィットし、ズレにくく、かつ長時間の利用時にも疲れにくい特徴を持ち合わせている。サイズはS/M/Lの3タイプ。いずれのサイズであっても、本体に装着した状態でしっかりケースに収納でき、充電も問題なく行えるよう配慮されている。

また、イヤーピースのノズル部分にはメッシュガードを用意し、ほこりや耳アカなどからAirPods Pro本体を守るように工夫されている。パッケージはS/M/Lそれぞれ2ペアがセットされている。

■着脱の容易さ
着脱は比較的容易。簡単に付くが、外れにくい。そのため、外したいときは少々コツがいるが、いちど慣れてしまえば難しくはない。

■装着感
フォームタイプのため、良好なフィット感をもたらしてくれる。素材がやや固めなのか、心地よさというよりはしっかり感を感じる傾向がある。

■サウンド
ずいぶんと落ち着きのあるサウンドに変化。AirPods Proならではのボーカルの存在感の強さを保ちつつ、各楽器の音が少し前に近寄ってフォーカス感を上げたかのような、バランスのよい音に変化している。低域の量感も純正以上にしっかりしていて、演奏に躍動感を感じる。意外にも装着感ではなく音質重視の視点で注目のイヤーピースだ。

5. ADV.「Eartune Fidelity UF-A」

サイズ:S/M/L
素材:フォームタイプ

イヤーモニターやイヤホンアクセサリーを展開するADV.がリリースする、AirPods Pro専用のフォームタイプイヤーピース。ブルー/グレー/ピンクというカラフルな3色のバリエーションをラインアップしているのが特徴となっている。実際、ブルーやピンクのカラーバリエーションはあまり見かけないため、カラフルなイヤーピースが欲しいという人にとっては注目度の高い製品となる。

また、快適な付け心地とフィット感、すぐれたノイズアイソレーションが追求されたほか、装着した状態でも専用ケースに収まるよう設計されているなど、使い勝手の面でも配慮がなされている。サイズはS/M/Lサイズを用意。各サイズのパッケージには3ペアずつセットされている。フォームタイプは素材の特性上どうしてもシリコンタイプに比べて交換ペースが速くなるため、3ペアがセットになっているのはありがたい。

■着脱の容易さ
かなりしっかりした装着感を持つものの、純正と同じ切り欠きが上下に用意されているので、着脱は比較的スムーズに行える。

■装着感
フォームタイプならではの心地よい感触をもつ。他の製品に比べるとほんのわずかに細身のシェイプを採用しているので、本来使用しているサイズか、もしくはひとつ上のサイズをチョイスしたほうがよさそうだ。

■サウンド
フォームタイプのイメージからはやや離れた清々しい音。AirPods Pro持ち前の中域のダイレクト感がさらに高まり、同時に低域がほんのちょっと控えめになったためか、全体のバランスが整い、バックの演奏もクリアさが増してよく耳に届くようになった。特にちょっとハスキーで艶のある(正確には艶やかさが増した、だが)女性ボーカルはなかなかに魅力的。カラーバリエーションだけでなく、音の傾向でもチョイスできる、なかなかの注目製品といえる。

6. Dekoni Audio「Bulletz AirPods Pro」

サイズ:S/M/L
素材:フォームタイプ

イヤーパッドなどのヘッドホンアクセサリーを展開するDekoni Audioが手がけるAirPods Pro向けのフォームタイプイヤーピース。さらりとした感触の表面が特徴で、フォームタイプ素材によって高い遮音性を確保している。カラーはブラックのみ。S/M/Lの3サイズが用意され、パッケージは1ペアでの販売となっている。

着脱の容易さ
上下に切り欠き等は付いておらず、着脱には少々コツがいる純正とは違い左右方向に押すのが外しやすい。

■装着感
フォームタイプ然とした、ふわふわとした感触の装着感を持つ。特に他のフォームタイプのそう違いはないが、微妙に密度が高いというか、微妙に固めの素材かもしれない。今回テストした製品の中では、高さがほんの少し短めなので、やや大きめのサイズをチョイスするのがよさそうだ。

■サウンド
とてもバランスのよい音に。基本的なキャラクターは純正とそう変わらないものの、中域&センターのダイレクト感が高まり、より躍動感のあるサウンドとなった。いっぽうで、低域は相対的に控えめな印象になり、ややポップなサウンドキャラクターへの変化も感じられる。たとえば女性ボーカルは、いつもより高域が伸びやかな、若々しい歌声に聴こえるし、スネアの音は普段よりも軽やかだ。音質的にも純正より多少高まっている傾向もあるので、音色さえ好みに合えばベストな製品となってくれるだろう。

7. NOBUNAGA Labs「NL-APF」

サイズ:S/M/L
素材:フォームタイプ

リケーブルをメインとしたイヤホン用アクセサリーを展開するジャパンブランド、NOBUNAGA LabsのAirPods Pro対応イヤーピース。メイン素材にはポリウレタンを採用。装着時の圧力を均一に分散することで、フィット感/遮音性を高めつつ耳への負担を軽減している。また、高密度でやわらかいポリウレタンならではの特徴によって、高音域の減衰も抑えてられこもりの少ない自然でクリアなサウンドを実現しているとアピールする。

装着したまま専用ケースに収まるようデザインされているほか、ほこりや耳垢がイヤホン内部に侵入することを防ぐガードフィルターも採用。サイズはS/M/Lの3タイプで、1ペアずつの販売となっている。

■着脱の容易さ
上下の切り欠きはないが、アダプター部分がガチガチに硬くはないため、比較的容易に着脱できる。左右方向に押しで外すのがオススメだ。

■装着感
フォームタイプの中でも、かなりしっとりとした装着感を持ち合わせている。結果として、しっかりした装着感と遮音性を実現できている。

■サウンド
遮音性の高さのおかげだろう、一段とダイレクト感の高まったストレートな表現が楽しめる。元々AirPods Proはボーカルなどがしっかり存在感を示すタイプだが、歌声が一段とピュアになり、それぞれの魅力をしっかりと聴かせてくれるようになった。特に男性ボーカルとの相性がぴったり。かなり距離感の近い立ち位置のなるため、普段より魅力がマシマシの歌声を楽しむことができる。全体的には、JポップやJロックとの相性が良好だった。

8.【番外編】コンプライ AirPods Pro用イヤーピース(製品発売前サンプル)

サイズ:-
素材:フォームタイプ

フォームタイプのイヤーピースを代表するブランド、コンプライもAirPods Pro用イヤーピースが発売予定となっている。今回、製品発売前のサンプルをお借りすることができたので、こちらについても詳細をお届けしよう。

以前、「AirPods」「EarPods」をカナル化するイヤーピースを展開していたが、今回のAirPods Pro用イヤーピースはオーソドックスなタイプ。最新タイプと同じ、さらっとした表皮の低反発ポリウレタン素材が採用されている。諸事情により発売予定が延期されているが、今回試聴サンプルを借用することができたので、その感触の程をお届けしよう。

■着脱の容易さ
着脱については、比較的容易に行える。現在のサンプルでも十分だと思われるが、製品版ではさらなる改良を行う予定のようだ。

■装着感
今回テストしたほかのフォームタイプとまったく異なる、体積的にも比較的大きい、独自の形状を持っていて、しっかりとした装着感をもたらしてくれる。また、サラサラしている触り心地の表現の処理も特徴で、付け心地はなかなかに良好といえる。

■サウンド
純正で感じられたボーカルの距離感の近さはそのままに、余計な付帯音が徹底排除されたのだろう、ダイレクト感の高いストレートな表現のサウンドとなった。低域も量感とフォーカス感の両方が増し、ノリのよいパワフルな演奏へとシフトしている。AirPods Proの実力を十二分に発揮してくれる、良好なイヤーピースといえる。逆にいえば、AirPods Proの限界すら感じられる上出来さをもつ。製品の発売がいまから楽しみだ。

【まとめ】

このように、AirPods Pro用のイヤーピースはフォームタイプが多く存在しているが、同じフォームタイプであっても微妙に装着感や音色傾向が変わっていたりと、それぞれに特徴を持ち合わせていた。イヤーピースは人によって装着感が変わるため、ぜひ、いろいろと試してみて、自分にとってのベストなひとつを探し出して欲しい。

野村ケンジ

野村ケンジ

ヘッドホンなどをはじめ幅広いジャンルで活躍するAVライター。ハイレゾ音源についても造詣が深く、アニソンレーベルのスーパーバイザーを務めるほか、TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNハイレゾ」コーナーではアドバイザーとしてレギュラー出演している。

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