レビュー
りんごほどの大きさなのにWi-Fi内蔵で動画配信サービスにも対応

約3万円でもちゃんと使える! Anker「Nebula Astro」はガジェット感覚のプロジェクター

現在の小型プロジェクターブームをけん引するAnkerのNebulaシリーズに9月、直販価格で29,900円(税込)というお手軽価格が魅力の「Nebula Astro」が新たに加わった。Wi-Fi内蔵に動画配信サービス対応、そしてHDクラスの画質の絶妙なバランスで大ヒットしたNebulaシリーズだが、「Nebula Astro」は“子供と一緒に楽しむ”という新たなコンセプトを掲げ、りんごほどの大きさの小型筐体に作り上げた入門機となる。さっそく自宅に「Nebula Astro」の実機を設置し、いろいろと試してみたので、その模様をレポートしていこう。

最初に「Nebula Astro」のスペックを押さえておくと、表示デバイスは0.2インチのDLPで、解像度は854×480。輝度スペックも最大100ANSIルーメンと控えめだ。画質性能はソコソコだけど、Wi-Fi内蔵と動画配信サービス対応といった欲しい機能はしっかりと押さえているという、Nebulaシリーズコンセプトを先鋭化したモデルといえる。

AnkerのWi-F対応モバイルプロジェクター「Nebula Astro」。直販価格は29,900円(税込)

AnkerのWi-F対応モバイルプロジェクター「Nebula Astro」。直販価格は29,900円(税込)

りんごくらいの大きさの本体。重量は約380gで、底面には三脚穴も用意されている

りんごくらいの大きさの本体。重量は約380gで、底面には三脚穴も用意されている

「Nebula Astro」の設置はズームレンズもないので、壁に向けてポンと置いてフォーカスをあわせるだけ。フォーカスは手動だが、本体左側のダイヤルを軽く回すだけで終わる。説明書には投写距離は100インチが3.08m、60インチが1.73m、30インチが0.87mと表記されているが、自宅のちょうどいい棚の約1.3mから投写すると、画面幅100cm×高さ58cmで対角1.156m、約45.5インチになった。バッテリー内蔵で動画再生時間約2.5時間なので、底面の三脚穴を使っていろいろな場所に設置して使用することを前提に考えてもよさそうだ。

セットアップ時には子供が覗き込んでも目を痛めないように感知する「Eye Guard Tech」を設定可能

セットアップ時には子供が覗き込んでも目を痛めないように感知する「Eye Guard Tech」を設定可能

Wi-Fi接続などが完了するとメインのUIが映し出される

Wi-Fi接続などが完了するとメインのUIが映し出される

内蔵ソフトウェアはAndroid 7.1だが、実際の操作画面は独自UIとなっている。Wi-Fi接続を済ませるとデフォルトではキッズモードに設定されていて、トップには「YouTube」「Netflix」「プライム・ビデオ」とネット動画視聴という狙いが明確だ。ただ、UIを見た瞬間にわかるが、フォーカスが合っていても映像はぼやけ気味だ。完成度云々ではなく表示デバイスが854×480である限界なのだろう。壁がスクリーンに変わる非日常感の演出と割り切るべきだろう。輝度も暗室なら問題ないが、日中の視聴は厳しい水準だ。

「YouTube」「Netflix」「プライム・ビデオ」とアイコンが並ぶ

「YouTube」「Netflix」「プライム・ビデオ」とアイコンが並ぶ

拡大画面。大きめのアイコンの文字だと少々ぼやけしまう

拡大画面。大きめのアイコンの文字だと少々ぼやけしまう

照明の付いた部屋での見え方

照明の付いた部屋での見え方

日中では輝度不足でかなり厳しい

日中では輝度不足でかなり厳しい

「YouTube」「Netflix」「プライム・ビデオ」のアイコンは、正確には内蔵アプリではなくインストールするためのショートカット。ちなみに、UIの操作はリモコン以外にスマホアプリ「Nebula Connect」による操作も可能。スマホからのミラーリング機能もあるので、iOSはAirPlay、AndroidはGalaxyのSmartViewの機能で試してみた。

「Nebula Astro」の付属リモコン

「Nebula Astro」の付属リモコン

スマホ用の「Nebula Connectアプリ」からも操作も可能だ

スマホ用の「Nebula Connectアプリ」からも操作も可能だ

実際に「Nebula Astro」でYouTubeを上映してみると、見慣れたテレビ用の「YouTube」が表示されひと安心。リモコン操作もアプリ操作も完璧だ。スマホ用のYouTubeアプリと連携再生も可能(なぜかFireTVとして認識される)。壁を大画面スクリーンにして音楽PVを流す、スポーツを観戦という非日常感はすばらしい。「Nebula Astro」は内蔵スピーカーが3Wながら音質もハッキリしていて、5,000円程度のBluetoothスピーカーくらいの音質はある。ちなみに、動作時のファン音は約38dbでノートPC程度の騒音はあるようだ。

YouTubeは操作性含めてしっかり対応

YouTubeは操作性含めてしっかり対応

YouTubeで公開されている音楽やスポーツ上映にピッタリ

YouTubeで公開されている音楽やスポーツ上映にピッタリ

「Netflix」「プライム・ビデオ」についてはアイコンがデカデカとある割りには実際にはブラウザベース。残念ながらリモコンの上下左右でサクサクと操作はできない。リモコンにあるマウスのボタンを押してカーソルを表示するか、「Nebula Connectアプリ」で同じくカーソル操作をすれば、なんとか作品も選べて実用になる。なお、「Netflix」「プライム・ビデオ」ともスマホ用のアプリから連動も、AirPlayやAndroidの画面ミラーリングによる連動も不可だった(AirPlayによる画面ミラーリングでは操作画面までは出るが、再生時にエラーメッセージが出る)。

Netflixは起動こそ簡単だが、上下左右の操作はできずマウスカーソルを表示して操作する形になる

Netflixは起動こそ簡単だが、上下左右の操作はできずマウスカーソルを表示して操作する形になる

となると「Nebula Astro」で完全対応と呼べるのは「YouTube」のみ。もっとも、「Netflix」「プライム・ビデオ」は作品を選んで視聴も可能なので、ギリギリ合格点といったところだろうか。よりマニアックに使い込むには、設定のアイコンからメニューに入っていくと、AnkerのNebulaシリーズで実績のあるアプリストアも利用可能で、Huluのアプリも導入可能。その他のアプリも、背面のUSB type-C端子を利用して、ストレージからapkファイルから直インストール……なんて使い方も可能だ。

Nebulaシリーズのアプリストアも利用可能

Nebulaシリーズのアプリストアも利用可能

なお、内蔵のWi-Fiを利用しない場合でもHDMI入力によってゲーム機の画面投写なども可能。HDMI端子による映像入力は映像信号としては1080pまで対応しているので、大画面でプレイしたいという時に活用したい。ちなみに、ボタンでBluetoothスピーカーモードに切り替えるとスピーカーのみの利用も可能だ。

HDMI端子による外部入力も対応。映像信号はHDMI1.4仕様で1080p対応

HDMI端子による外部入力も対応。映像信号はHDMI1.4仕様で1080p対応

とにかく大画面でゲームをプレイしたい時にも活用できる

とにかく大画面でゲームをプレイしたい時にも活用できる

Bluetoothスピーカーとして音楽リスニングも可能だ

Bluetoothスピーカーとして音楽リスニングも可能だ

AnkerのNebullaシリーズの最新作「Nebula Astro」。実際に使ってみてわかったのは、冒頭でも触れた通り「Wi-Fi内蔵」と「動画配信サービス対応」を押さえつつ、限界までコストダウンしたモデルであるということ。854×480ドットの画質は正直言ってほめられないし、肝心のアプリも「YouTube」対応は完璧だが、「Netflix」「プライム・ビデオ」は操作性の制限がある。

だが、Wi-Fi内蔵のプロジェクターで29,900円(税込)という価格は、やはり魅力的だ。同価格の機種は動画配信に対応していなかったりする中で、「Nebula Astro」は限られたコストの中で目立つ弱点もなく、しっかりと使えるモデルに仕上がっている。約3万円の価格相応に遊べるガジェット感覚のプロジェクター、また子供と一緒に使うアイテムとしてはなかなかおもしろい製品じゃないかと思う。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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