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人の脳のように処理する認知特性プロセッサー「XR」搭載モデルも登場

4K/120p対応にGoogle TVも! 注目機能目白押しのソニー ブラビア2021年モデルをレポート

いよいよ今年も薄型テレビの新モデル発表シーズンに投入! ソニーからは、独自の「認知特性プロセッサー XR」を搭載した上位モデルを含む4K有機EL・4K液晶ブラビア(BRAVIA)のフルラインアップが発表された。

2021年のブラビア新モデル(写真左が4K液晶最上位モデルのXRJ-85X95J、右が4L有機ELテレビ最上位モデルのXRJ-83A90J)

2021年のブラビア新モデル(写真左が4K液晶最上位モデルのXRJ-85X95J、右が4L有機ELテレビ最上位モデルのXRJ-83A90J)

2021年のラインアップは、有機ELテレビがA90J、A80Jの2シリーズ、4K液晶テレビがX95J、X90J、X85J、X80Jの4シリーズ。昨年までのソニー薄型テレビから型番ルールが変更されているので、2020年の旧シリーズとの型番対応関係を抑えつつラインアップ全機種を紹介すると次の通りだ。

■4K有機ELテレビA90Jシリーズ(旧A9G相当)
XRJ-83A90J(83V型) 7月10日発売 市場想定価格1100,000円前後
XRJ-65A90J(65V型) 5月1日発売 市場想定価格550,000円前後
XRJ-55A90J(55V型) 5月1日発売 市場想定価格385,000円前後

4K有機ELテレビA80Jシリーズ(旧A8H相当)
XRJ-77A80J(77V型) 6月26日発売 市場想定価格660,000円前後
XRJ-65A80J(65V型) 6月12日発売 市場想定価格473,000円前後
XRJ-55A80J(55V型) 6月12日発売 市場想定価格308,000円前後

■4K液晶テレビX95Jシリーズ(旧X9500Hの上位相当)
XRJ-85X95J(85V型) 6月12日発売 市場想定価格605,000円前後
XRJ-75X95J(75V型) 6月19日発売 市場想定価格473,000円前後
XRJ-65X95J(65V型) 7月31日発売 市場想定価格352,000円前後

■4K液晶テレビX90Jシリーズ(旧X9500Hの下位相当)
XRJ-75X90J(75V型) 5月22日発売 市場想定価格385,000円前後
XRJ-65X90J(65V型) 5月1日発売 市場想定価格297,000円前後
XRJ-55X90J(55V型) 5月1日発売 市場想定価格264,000円前後
XRJ-50X90J(50V型) 4月24日発売 市場想定価格209,000円前後

■4K液晶テレビX85Jシリーズ(旧X8550H、X8500Hを統合)
KJ-75X85J(75V型) 6月19日発売 市場想定価格330,000円前後
KJ-65X85J(65V型) 6月19日発売 市場想定価格253,000円前後
KJ-55X85J(55V型) 6月19日発売 市場想定価格198,000円前後
KJ-50X85J(50V型) 6月19日発売 市場想定価格176,000円前後
KJ-43X85J(43V型) 6月19日発売 市場想定価格165,000円前後

■4K液晶テレビX80Jシリーズ(旧H8000Hよりも下の新ライン)
KJ-65X80J(65V型) 4月24日発売 市場想定価格154,000円前後
KJ-55X80J(55V型) 4月24日発売 市場想定価格121,000円前後
KJ-50X80J(50V型) 5月22日発売 市場想定価格105,000円前後
KJ-43X80J(43V型) 5月22日発売 市場想定価格92,000円前後

2021年モデルは多岐にわたるが、まずは押さえておきたい重要な3つのポイントから紹介していこう。

【ポイント1】人の認知特性に基づく認知特性プロセッサー「XR」の登場

2021年のブラビアの最も革新的な技術が、認知特性プロセッサー「XR」の搭載だ。2020年モデルの高画質プロセッサー「X1 Ultimate」の後継にあたるソニーの独自技術だが、高画質プロセッサーという呼称を用いなくなったのは、映像だけでなく音も同時に扱う技術として進化を遂げているためだ。

2021年のブラビア上位モデルに搭載された認知特性プロセッサー「XR」

2021年のブラビア上位モデルに搭載された認知特性プロセッサー「XR」

認知特性プロセッサー「XR」の高画質化技術のキモになっているのが、映像を複数のゾーンに分割し、独自アルゴリズムで定義した「注視点」だ。注視点とは、画面上の色・明るさ・動きなどの要素の絶対量・相対量から視覚的顕著性を検出するもので、たとえば画面中央部の人物であったり、自然を写した映像では明るく動きのある波打ち際や走り抜ける動物などが注視点として設定される。この注視点を“XR Color”(色合い)、“XR Contrast”(コントラスト)、“XR Clarity”(明瞭感)、“XR Motion”(動き)と横断的に分析・処理して、映像を最適化している。

デモンストレーションで体験した認知特性プロセッサー「XR」の画質は、映像の立体感、奥行き感が強力で、昨年までの「X1 Ultimate」の路線を踏襲しつつ、注視点の設定と横断的な分析・処理によって効果をより高めているように見えた。

音については、認知特性プロセッサー「XR」で音声信号処理を高精細化するとともに、音の定位感を向上させる“XR Sound Position”、そしてあらゆる音源を5.1.2chの立体音響化する“XR Surround”により強化を図っている。また、リモコンのマイクを利用して部屋の音響特性に応じた最適化機能も提供。実際にデモンストレーションで体験してみたが、臨場感や定位感の向上といった部分がしっかりと感じられる仕上がりだった。

なお、認知特性プロセッサー「XR」は4K有機ELテレビのA90J、A80J、4K液晶テレビのX95J、X90Jの全4シリーズに搭載される。認知特性プロセッサー「XR」を搭載した機種は、薄型テレビの製品型番の頭2文字が従来の“KJ”から“XR”へと変更されており、今後ソニーの最先端技術を結集した「BRAVIA XR」とブランディングされる。

認知特性プロセッサー「XR」を搭載するモデルは、「BRAVIA XR」という名称で展開される

認知特性プロセッサー「XR」を搭載するモデルは、「BRAVIA XR」という名称で展開される

【ポイント2】4K有機EL、4K液晶の主要モデルで4K/120pなどのゲーミングスペックに対応

2021年のブラビアでは、PS5を始めとした次世代ゲーム機ですでに出力可能な高フレームレートのフォーマット「4K/120p」、PCゲーマーを中心に注目されている可変リフレッシュレートの「VRR」(※後日ソフトウェアアップデートにて対応)、自動低遅延モード「ALLM」、そしてゲーミング関連ではないがサウンドバー等との接続を容易にする「eARC」といったHDMI2.1によって規定されている各種機能への対応が進められている。

対象シリーズはA90J、A80Jの2シリーズ、4K液晶テレビがX95J、X90J、X85Jと、ローエンドとなるX80Jを除くすべて(X80JはeARCのみ対応)。PS5を擁するソニーグループだけに、ゲーマー向けの性能に率先して取り組む形となる。

【ポイント3】操作UIを「Google TV」に刷新。独自のコンテンツ配信サービス「BRAVIA CORE」も提供

2021年のブラビアは、UIについても大きな進化を遂げている。具体的には、従来の「Android TV」から「Google TV」へとプラットフォーム自体が刷新されている。Googleのテレビ向けUIというと、長らくAndroid TVのイメージが強かったが、Googleは昨年10月に発売した「Chromecast with Google TV」よりUIをGoogle TVに切り替えており、ブラビアもそれに続いた形だ。

Android TVからGoogle TVへとプラットフォーム自体が刷新された2021年ブラビア※Google、YouTube、GoogleTV はGoogleLLC の商標です。

Android TVからGoogle TVへとプラットフォーム自体が刷新された2021年ブラビア
※Google、YouTube、GoogleTV はGoogleLLC の商標です。

Google TVの特徴は、トップ画面の内容が従来のサービサー軸(アプリ別)から、レコメンド機能を強化したコンテンツ軸へシフトしていることがあげられる。この表示は“メインモード”と呼ばれ、外見としては大手映像配信のトップページに近いレイアウトになる。ただし“Google TV”はプラットフォームなので、複数の映像配信事業の提供するオススメのコンテンツが並ぶ。なお、家族のユーザーやレコメンド機能などを希望しない場合には“アプリモード”への切り替えも可能。また、X85J/X80Jを除くシリーズではハンズフリー音声検索も対応する。

Google TVの新しいUI。サービサーを横断した強力なレコメンド機能で、観たいコンテンツが探しやすくなっている

Google TVの新しいUI。サービサーを横断した強力なレコメンド機能で、観たいコンテンツが探しやすくなっている

2021年モデルのリモコン。ダイレクトボタンにAmazonプライム・ビデオが新たに追加され、映像配信サービスとの融合もますます進んでいる

2021年モデルのリモコン。ダイレクトボタンにAmazonプライム・ビデオが新たに追加され、映像配信サービスとの融合もますます進んでいる

このほか、認知特性プロセッサー「XR」を搭載するモデルのみの限定特典として、ソニー独自のコンテンツ配信サービス「BRAVIA CORE」が提供されるのも見逃せない。特典対象の製品を購入後、アカウント登録をすることで、ソニー・ピクチャーズ提供の最新映画を10本まで購入者特典として見れるほか、名作映画が2年間見放題、4Kを最大80Mbpsで配信する「PURE STREME」、「IMAX Enhanced」認定の高画質、そしてBDなどの特典コンテンツに相当する作品の舞台裏を楽しめる「スタジオアクセス(英語のみ)」といった特典を利用できるという。

認知特性プロセッサー「XR」を搭載する「BRAVIA XR」の特典として提供されるソニー独自のコンテンツ配信サービス「BRAVIA CORE」

認知特性プロセッサー「XR」を搭載する「BRAVIA XR」の特典として提供されるソニー独自のコンテンツ配信サービス「BRAVIA CORE」

「BRAVIA CORE」のイメージ。ソニー・ピクチャーズ提供の最新映画10本や、名作映画2年間見放題といった特典を利用できる

「BRAVIA CORE」のイメージ。ソニー・ピクチャーズ提供の最新映画10本や、名作映画2年間見放題といった特典を利用できる

ちなみに、「BRAVIA CORE」はソニー独自のコンテンツ配信サービスではあるが、立ち位置的には認知特性プロセッサー「XR」を搭載するモデルの購入特典とも呼ぶべきもので、最新映画を10本で視聴し終えた後に有料で本数を追加するといった課金要素は提供されないとのことだ。

認知特性プロセッサー「XR」で高画質化を極める4K有機ELのA90Jシリーズ、A80Jシリーズ

ここからは、2021年のブラビア各シリーズの特徴を紹介していこう。まずは、ソニーの4K有機ELの最上位シリーズとなるA90Jシリーズ(2020年のA9G相当、83V/65 V/55V型)、そしてA90Jのひとつ下のグレードとなるA80Jシリーズ(2020年のA8H相当、77V/65V/55V型)だ。

ソニーの4K有機ELテレビの最新フラッグシップモデルA90Jシリーズ

ソニーの4K有機ELテレビの最新フラッグシップモデルA90Jシリーズ

最上位のA90JシリーズとA80Jシリーズの最大の違いが、「XR OLED コントラスト プロ」の有無だ。「XR OLED コントラスト プロ」に対応するA90Jシリーズは、有機ELパネル背面に独自の放熱用アルミシートが追加されているのがポイントで、有機ELパネルの輝度コントロールのキモとなる熱管理のための温度センサーの情報も認知特性プロセッサー「XR」で横断的に分析し、有機ELパネルの性能を最大限に引き出すことで、従来以上に明るく高コントラストな映像が楽しめるようになっている。

実際にA90Jシリーズの映像を見てみたが、暗部から明部まで、コントラスト感と輝度表現力が着実にアップしている。A80Jでも有機ELらしい高画質は体感できるが、明るい高画質を目指すなら、間違いなくA90Jに軍配が上がる。

サウンドについては、画面を振動させて音を鳴らす「Acoustic Suface Audio+」を引き続き採用。A90Jシリーズが2.2chで60W、A80Jシリーズは2.1で30W(77型のみ50W)出力だ。A90Jシリーズについてはアクチュエーターの形状を変更し、サウンドの一体感をさらに高めている。

A90Jシリーズはアクチュエーターの形状従来の楕円形状から正円形状に変更し、サウンドの一体感をさらに高めている

A90Jシリーズはアクチュエーターの形状従来の楕円形状から正円形状に変更し、サウンドの一体感をさらに高めている

ちなみに2021年モデルでは4K有機ELブラビアの48V型が発表されていないが、2020年モデルで48V型の小型有機ELテレビとして大ヒットした「48A9S」が販売継続となる予定だ。

A90Jシリーズはスタンド形状も変更。スタンドを両脇に寄せて画面に没入できる標準スタイル、画面を浮かせてサウンドバーを設置できるサウンドバースタイルを選べるほか、83V型はスタンドをセンターに寄せるスタイルも選択できる

A90Jシリーズはスタンド形状も変更。スタンドを両脇に寄せて画面に没入できる標準スタイル、画面を浮かせてサウンドバーを設置できるサウンドバースタイルを選べるほか、83V型はスタンドをセンターに寄せるスタイルも選択できる

認知特性プロセッサー「XR」搭載4K液晶ハイエンドモデルのX95Jシリーズ、X90Jシリーズ

4K液晶テレビは2020年の4K液晶ブラビアとして最上位だったX9500Hから、85/75/65V型と4K液晶最上位シリーズで大型サイズ中心のX95Jシリーズ、75/65/55/50V型の4サイズ展開で一部画質機能が省かれるX90Jシリーズの2系統に分かれた。

4K液晶最上位モデルのX95Jシリーズ(写真左)とひとつ下のグレードとなるX90Jシリーズ(写真右)

4K液晶最上位モデルのX95Jシリーズ(写真左)とひとつ下のグレードとなるX90Jシリーズ(写真右)

X95J、X90Jに共通する特徴として認知特性プロセッサー「XR」と共に直下型LEDを搭載。輝度スペックが非公表のため両機種の違いはわかりにくいが、X95JシリーズとX90Jシリーズの違いは画質性能。ソニーが液晶テレビの高コントラスト化技術として公開している「XDRコントラスト」の数値を見ると、X95Jシリーズが10倍、X90Jシリーズが5倍となっている。2020年モデルのX9500Hシリーズは6倍だったため、X95Jシリーズは大幅にコントラスト性能アップ、X90Jシリーズは若干性能が落ちたことになる。X90Jの立ち位置は、2019年に存在していたX9000Fシリーズの復活に近い形だ。ちなみに「XDRコントラスト」の最高性能モデルは8K液晶テレビ「Z9H」の20倍で、2021年も販売は継続される。

X95JシリーズとX90Jシリーズはパネル仕様にも違いがあり、X95Jシリーズのみ広視野角技術「X-Wide Angle」、そして新機能として低反射パネル「X-Anti Reflection」が採用されている(65V型を除く)。実際にデモンストレーションでX95Jシリーズを視聴したが、特に「X-Anti Reflection」の効果が非常に高く、明るい環境下では画面の映り込み低減効果の高さを実感できた。ただし、X95Jシリーズのラインアップから65V型を除くと残るは85/75V型のみなので、「X-Anti Reflection」はX95Jシリーズの超大型モデルでしか体験できないのは残念だ。また、2020年のX9500Hシリーズでは55V型から存在していた「X-Wide Angle」搭載モデルが、2021年モデルではX95Jシリーズでは65V型以上のみになった点も注意したいところだ。

画質は、認知特性プロセッサー「XR」搭載の上位モデルということもあり、立体感と色バランスのよさはさすが。X95Jシリーズは夜景などのコントラスト、輝度感がX90Jシリーズからさらにアップしたようなイメージだ。

スピーカー仕様はX95Jシリーズ/X90Jシリーズともに、ポジショニングツイーターを追加して映像と音の一体感を高める「Acoustic Surface Audio」で、X90Jシリーズのみ「X-Balanced Speaker」を採用。実用最大出力はX95Jシリーズが50W、X90Jシリーズが20Wだ。

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エントリー機のX85Jシリーズ、ローエンドのX80JシリーズまでGoogle TVの新UIを展開

4K液晶テレビのエントリーは、従来のX8550/8500シリーズを統合する形で75/65/55/50/43V型のX85Jシリーズを展開。高画質エンジンは従来からミドル機以下で採用している「X1 HDR」。スピーカーは「X-Balanced Speaker」で、最大出力は20Wだ。画質については全体の色バランスもしっかりしていて、ソニーらしい安定感あるミドル機といったところ。

新たに追加されるX80Jシリーズは、65/55/50/43V型で展開。高画質エンジンは「X1 HDR」とX85Jシリーズと共通だが、液晶パネルが倍速(120Hz)ではなく60Hz仕様。またゲーミング関連の新機能も対象から外れる。Google TV採用は上位機種と同じだが、ネット機能の強力なローエンドモデルとして人気が出そうだ。

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新たに追加されたX80Jシリーズ。ネット機能の強力なローエンドモデルとして人気が出そうだ

新たに追加されたX80Jシリーズ。ネット機能の強力なローエンドモデルとして人気が出そうだ

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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