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14年ぶりに刷新されたフラッグシップモデル

ヤマハから「Z11」以来の11.2ch一体型AVアンプ“AVENTAGE”「RX-A8A」が登場

ヤマハは、同社のAVアンプ上位ライン「AVENTAGE」(アヴェンタージュ)シリーズの新モデルとして、「RX-A8A」「RX-A6A」「RX-A4A」の3機種を発表した。2021年7月より順次発売を開始する。

「RX-A8A」(11.2chモデル)418,000円(税込)

「RX-A8A」(11.2chモデル)418,000円(税込)/2021年8月31日発売

「RX-A6A」(9.2chモデル)275,000円(税込)

「RX-A6A」(9.2chモデル)275,000円(税込)/2021年8月31日発売

「RX-A4A」(7.2chモデル)132,000円(税込)

「RX-A4A」(7.2chモデル)132,000円(税込)/2021年7月30日発売

ヤマハAVアンプのラインアップは大きく分けて2種類あり、「RX-V」の型番が付く入門機「Vシリーズ」と、プレミアムラインのAVENTAGEシリーズとなる。今回は、そのAVENTAGE上位3機種が新モデルに切り替わった形だ。

3機種は、上述のようにグレードによって出力ch数が異なる。基本機能は3機種とも共通しているのだが、11.2ch出力に対応するフラッグシップのRX-A8Aのみ、中身がハイグレード仕様となっている。なお、ヤマハから11chのパワーアンプを内蔵する一体型AVアンプが登場するのは、2007年に発売された「DSP-Z11」以来のこと。今回はこのRX-A8Aを軸に、新世代のAVNETAGEに採用された技術を紹介していこう。

ヤマハのハイクラスAVアンプが新世代デザインに刷新

まず触れたいのは、新モデル3機種の外観デザイン。フロントパネルにボタンを極力配置しないシンプルなミニマルさが目を引く。これは、昨年登場したVシリーズの2020年モデルから新採用された設計で、電源ボタンや音量ノブ以外のインターフェイスをタッチパネル化したフラットなパネルが特徴となる。AVENTAGEシリーズとしては、先行発売された下位モデル「RX-A2A」から採用されている。あわせて内部設計も刷新され、型番も新しくなっている。

時代にあわせて進化してきたヤマハAVアンプのデザイン。エントリーラインのVシリーズも含めて、全機種が流線型のシンプルデザインに

時代にあわせて進化してきたヤマハAVアンプのデザイン。エントリーラインのVシリーズも含めて、最前線のモデルは流線型のシンプルデザインに

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14年ぶりに刷新される一体型AVアンプのフラッグシップ

それでは、RX-A8Aの詳細を見ていこう。AVアンプとしての基本スペックは、内部に11chのフルディスクリート・パワーアンプを搭載する11.2chモデルで、定格出力は150W/ch(THD 0.06%,8Ω)を確保する。繰り返しになるが、ヤマハの一体型AVアンプとしてはDSP-Z11以来の11chパワーアンプ内蔵モデルとなり、14年ぶりに一体型AVアンプのフラッグシップが刷新された形となる。

HDMIポートは入力7/出力3を装備し、すべて最大8K/60p、4K/120p(どちらも10bit/4:2:0非圧縮・10bit/4:4:4圧縮に対応)のパススルー伝送に対応。HDR規格はHDR10/Dolby Vision/HLGをサポートし、HDR10+も含めて後日アップデートで対応予定だ。

AVNTAGEのシンボルである「5番目の脚」もリニューアル。最も振動が大きい電源トランスの下に配置するようにした。これにより、振動のストローク量が10分の1に軽減。しかもRX-A8Aのみ、5番目の脚の中に真鍮パーツを追加するプレミアム設計

AVNTAGEのシンボルである「5番目の脚」もリニューアル。最も振動が大きい電源トランスの下に配置するようにした。これにより、振動のストローク量が10分の1に軽減。しかもRX-A8Aのみ、5番目の脚の中に真鍮パーツを追加するプレミアム設計

液晶ディスプレイも、視認性の高い表示デザインに刷新された

液晶ディスプレイも、視認性の高い表示デザインに刷新された

新しいYPAOとDSPチップで、ホームシアター機能がグレードアップ

ホームシアター機能としては、ヤマハ独自の音場補正機能としておなじみの「YPAO」を搭載。部屋固有の初期反射音を積極的に制御する「YPAO-R.S.C.」や、各スピーカーの距離と方角、プレゼンススピーカーの高さを自動計測する「YPAO 3D 測定」を含む64bitハイプレシジョンEQに対応プロフェッショナルグレードとなるのがポイント。さらに、低域を調整するパラメトリックEQオプション「Low Frequency」が新しく追加された。残響低域をカットして15.6Hzからの低域を最適化する機能で、スッキリと見通しのいい音場を実現する。

付属のYPAOマイク

付属のYPAOマイク

また、独自の立体音場創成技術「シネマDSP」は、最大11.2ch環境までバーチャル再現する「シネマDSP HD3」を搭載する。加えて、コンテンツのシーンをAI技術で解析し、最適なサラウンド効果を生み出す「SURROUND:AI」機能にも対応している。

「SURROUND:AI」は、セリフやBGM、環境音、効果音などの要素に着目してシーンを瞬時に分析し、サラウンド効果を自動的に最適化するAI技術

「SURROUND:AI」は、セリフやBGM、環境音、効果音などの要素に着目してシーンを瞬時に分析し、サラウンド効果を自動的に最適化するAI技術。Dolby Atmos/DTS:Xとのかけ合わせ再生も可能

なお、これまではDSP部にヤマハオリジナルのSoCを使用していたが、RX-A8Aを含む新モデル3機種では、クアルコム製「QCS407」を新規採用したこともポイント。汎用性の高いクアルコム製チップを使うことで、常に新しい機能を追加していけるようにした。またこの新チップにより、「SURROUND:AI」の処理が、従来の32bitから64bit演算にパワーアップ。より透明感があり、サウンドの輪郭が鮮明な表現を実現したのも強みとなる。

ホームシアター関連フォーマットは、「Dolby Atmos」「DTS:X」などのオブジェクトオーディオに対応。「シネマ DSP HD3」とDolby Atmos/DTS:Xとのかけ合わせ再生も行える。加えて、トップスピーカーやハイトスピーカーが設置されていない場合でも、高さ方向を含むサウンドを再現できる技術「Dolby Atmos with Height Virtualizer」もサポート。さらに、従来ユーザーから多くの要望があったという「Auro-3D」に対応したのもトピックだ。ドルビーやDTSのクロスアップミックが可能な「Auro-Matic」にも対応する(※Auro-3D関連機能に対応するのはRX-A8AとRX-A6Aのみ。RX-A4Aは非対応)。

そのほか、次世代ゲーミング機能であるVRR、QMS、QFT、ALLMなどの規格もサポート。最新世代の映像やゲームを楽しめる全部入りスペックとなっている。

ネットワーク関連機能も充実

本体にはWi-Fi機能を内蔵し、ハイレゾ音源を含むネットワーク上の音楽コンテンツやインターネットラジオの再生も可能となる。ハイレゾは、最大384kHz/32bitまでのWAV/FLAC、11.2MHzまでのDSDをサポート。音楽ストリーミングサービスにも対応しており、「Amazon Music HD」や「Spotify」などの聴取も行える。また、Alexa対応スマートスピーカーとの連携も可能だ。

さらに、ヤマハAVアンプ独自のネットワーク機能として、リアスピーカーとのワイヤレス接続が行える「MusicCastサラウンド」機能にももちろん対応している。各種機能設定や、ネットワーク音楽再生、「MusicCastサラウンド」なども含めて、各機能は専用アプリ「MusicCast CONTROLLER」から操作が可能で、シームレスなコントロールが行えるのもポイント。

ヤマハのワイヤレスストリーミングスピーカー「MusicCast 50」「MusicCast 20」をリアスピーカーに使った場合、AVアンプとリアスピーカーをネットワーク経由でワイヤレス接続できる「MusicCastサラウンド」機能。AVアンプでワイヤレスリアスピーカー機能を搭載するのはヤマハ製品だけ

ヤマハのワイヤレスストリーミングスピーカー「MusicCast 50」「MusicCast 20」をリアスピーカーに使った場合、AVアンプとリアスピーカーをネットワーク経由でワイヤレス接続できる「MusicCastサラウンド」機能。AVアンプでワイヤレスリアスピーカー機能を搭載するのはヤマハ製品だけ

セパレート型モデル「5200」の技術を継承した、一体型の最高峰

もちろん上位グレードのAVアンプとして、音質に関わる内部設計にも妥協はない。まず、RX-A8Aを含む新モデル3機種とも、プリント基板や電源トランス周りの構成が全面的にリニューアルされているのが大きなトピック。AVENTAGEシリーズとして、内部の基板まで含めて構成を刷新するのは、2014年に発売された「RX-A3040」以来となる。

その進化部分を細かく見ていくと、まずプリアンプ部に多層基板を採用することでSN比とクロストークを改善。また、電源増幅部用トランスと電圧増幅部用トランスの巻き線を分離することで、クリーンな電源供給を行い、微細音と表現力を向上させている。そのほか、音楽再生時の「Pure Direct」モード適用時に、アナログ映像回路をはじめとする不要な電源や回路をオフする設定を見直すことで、より高品位なステレオ再生を実現する。

新メカニカル構造により、トランスからアンプ回路への共振を最小化

新メカニカル構造により、トランスからアンプ回路への共振を最小化。振動を抑制するため、トランスと底板の間にパーツをかませることで、底板からの振動がトランスに伝わらないようにしている

AVENTAGEシリーズ共通の特徴であるH型クロスフレームも強化され、剛性を高めることで安定性を向上

AVENTAGEシリーズ共通の特徴であるH型クロスフレームも強化され、剛性を高めることで安定性を向上

上記はRX-A6A/RX-A4Aとも共通する点だが、これに加えてRX-A8Aだけに採用された設計のポイントがある。それは、ヤマハのセパレート型AVアンプ「CX-A5200」「MX-A5200」のコンセプトやアーキテクチャ、素材を継承した上位グレード構造。これにより、RX-A8Aは「ヤマハ一体型アンプの最高峰」として構築されている。

たとえば、底板にしっかりとした厚みを確保することで不要振動を軽減する設計となっているほか、パワーアンプ基板とアナログ電源用基板には厚銅箔を用いて、低インピーダンス化を徹底。プリアンプ部にはESS製DAC「ES9026PRO」を2基採用し、広ダイナミックレンジの実現と非常に低い高調波歪を両立する設計としている。

また、パワーアンプ部にはMX-A5200と同グレードの内線材を採用し、専用のカスタムコンデンサーを搭載する仕様となっており、これより電源供給を改善し低域再生の安定性を強化。電源トランスは115×145mmサイズ/重量6.7kgで、22000μFのブロックコンデンサーなどの高音質パーツを配置するなど、AVENTAGE基準の高品位設計を投入している。

そのほか、パワーアンプ部のスルーレート(入力レベルの急激な変化にアンプがどれだけすばやく対応できるかを表す指標)を、従来モデルの2倍以上に改善。高スルーレートでありながら、安定した信号伝送を両立するようになっており、同社のAVパワーアンプ「MX-A5200」と同レベルの性能を実現したという

そのほか、パワーアンプ部のスルーレート(入力レベルの急激な変化にアンプがどれだけすばやく対応できるかを表す指標)を、従来モデルの2倍以上に改善。高スルーレートでありながら、安定した信号伝送を両立するようになっており、同社のAVパワーアンプ「MX-A5200」と同レベルの性能を実現したという

まとめ

というわけで、RX-A8Aを軸にして新しいAVENTAGEシリーズについてご紹介してきた。ヤマハの一体型AVアンプのフラッグシップモデルが久しぶりに刷新されたということで(AVNENTAGEシリーズとしてラインアップされるのは初)、ぜひ注目していただきたい。最上位機種ならではの高音質設計はもちろん、最新のHDMIスペックに準拠し、最新世代の映像やゲームなどを高品位に楽しめる基本性能もしっかり確保した多機能なAVアンプに仕上がっている。

杉浦 みな子(編集部)

杉浦 みな子(編集部)

オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。

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