レビュー
ギタリストの音楽生活をギュッと凝縮したような1台

どんなサウンド? ギターアンプにもなるソニーのBluetoothスピーカーをギタリストがレビュー

こんにちは、ギタリストの高村です。今回は、ソニーのBluetoothスピーカー「SRS-XP500」を、ギタリスト目線でレビューしたいと思います。……と言ってもなぜ、音楽リスニングのためのスピーカーをわざわざ“ギタリスト”の立場で紹介するのでしょうか? 普段私が価格.comマガジンで解説しているアンプやエフェクター類とは明らかに趣が異なります(→高村氏のギター関連記事はこちらをチェック!)。

もちろん、SRS-XP500でバッキングトラックを再生してギター練習のお供にすることもできるでしょうし、ポータブルの利点を生かしてストリートライブで音源を再生するという使い方もできるかもしれません。でも、それだけなら別にSRS-XP500である必要はありません。しかしこちら、実はギタリストにこそ使ってほしいBluetoothスピーカーなんです! その詳細を解説していきましょう。

スマホ1台で広がる音世界! 音楽を楽しめる重低音スピーカー

まずはSRS-XP500の外観から見ていきましょう。本体サイズは275(幅)×572(高さ)×295(奥行)mmで、重量は約11.2kg。個人的な最初の印象は……「未来的」でした! 普段自分が触れている楽器用の機材では見たことのない、スタイリッシュなフォルムにワクワク。しかも、電源を入れると始まる遊び心たっぷりのイルミネーションにトキメいてしまいます(笑)。ちなみにAC電源のほか、バッテリー駆動もできるようになっています。

楽器用機材にはない縦長のスタイルで未来的! 後述しますが、横置きで使うこともできるので、使用環境に合わせてセットできます

楽器用機材にはない縦長のスタイルで未来的! 後述しますが、横置きで使うこともできるので、使用環境に合わせてセットできます

内部には、約140mm×140mm口径の矩形ウーハー「X-Balanced Speaker Unit」と、50mm口径のツイーターを搭載。Bluetoothのコーデックは、SBC/AAC/LDACに対応しています。低音を強化する「MEGA BASS」モードや、圧縮音源の補完技術「DSEE」、推奨サウンド設定を実現する「ClearAudio+」など、ソニーが培った先進の高音質技術を搭載

内部には、約140mm×140mm口径の矩形ウーハー「X-Balanced Speaker Unit」と、50mm口径のツイーターを搭載。Bluetoothのコーデックは、SBC/AAC/LDACに対応しています。低音を強化する「MEGA BASS」モードや、圧縮音源の補完技術「DSEE」、推奨サウンド設定を実現する「ClearAudio+」など、ソニーが培った先進の高音質技術を搭載

ストンとしたなめらかなフォルムで、余計な突起物は一切ありません。物理ボタンも印字された個所を軽く押し込むだけの方式を採用しているため、全体的なデザインにまとまりがあります。無骨なものが多い制作用機材とは違い、こういう部分が未来的に感じさせるのかも。

ボタン部のデザインも統一感があります。しかも防滴対応なので、屋外でも安心して使えます

ボタン部のデザインも統一感があります。しかも防滴対応なので、屋外でも安心して使えます

本体上部がハンドルになっているデザインのおかげで、持ち運びしやすいのもポイント

本体上部がハンドルになっているデザインのおかげで、持ち運びしやすいのもポイント

さて、このように美しいフォルムのSRS-XP500ですが、気になるのはそのサウンドです。出力は電源コード接続時で60W+60W、バッテリー駆動時で28W+28Wを確保。見た目からして重低音がすごそうな予感はしていましたが、実際に音楽を再生してみると予想を上回るド迫力でした(笑)。

まず、本体の再生ボタンを長押しするとデモソングが再生されるのですが、すでにその迫力にアドレナリン大放出です。しかも、音に合わせてイルミネーションが動くという演出もあるため、さらにテンションが上がってしまいます!

続いて、自分のスマホをBluetoothで接続して手持ちの音楽を再生してみたファーストインプレッションは、「純粋に聴いていて楽しいスピーカー」というもの。普段私が仕事で使っているモニタースピーカーは「音を正確に再生する」という、音楽制作に求められる目的を果たしてくれる半面、リスニング時のおもしろさはあまりありません。対して、音楽リスニングのために開発されているBluetoothスピーカーのSRS-XP500には、「音楽を楽しく聴くための適度な色付け」が施されている印象です。

ちなみに「重低音」というと、クラブ系やダンス系の音源しか合わないようなイメージを持たれるかもしれませんが、SRS-XP500は全体的にバランスよいサウンドに仕上げられているので、ジャンルを選ばずにさまざまな音楽を楽しめます。

DSP処理によって歓声や拍手、余韻成分を効果的に拡散し、ライブ会場にいるような臨場感を実現する「ライブサウンドモード」も搭載していますし、「Music Center」という専用アプリを使えば、サウンドを細かく調整することが可能です。EQ(イコライザー)を調整して積極的にサウンドを仕上げていくこともできますし、「ClearAudio+」という機能を使えば、ソニーの推奨するバランスのよいサウンドに自動調整してくれますから、文字通り「スマホ1台あれば」簡単に理想の音環境を構築することができますよ。

端子群の中に見慣れたあの文字が……!? ギターアンプにもなる

続いて、本体の背面を見てみましょう。何やらパカっと開きそうなフタ状のものがあるのですが、この中には外部接続用の端子が用意されています。正直、Bluetooth接続がメインとなるワイヤレススピーカーなので、外部入力にはあまり力を入れていないんじゃないかと勝手に想像していましたが、実際には充実の端子群が用意されています。

ワイヤレスポータブルスピーカーですが、充実の端子群が用意されています

ワイヤレスポータブルスピーカーですが、充実の端子群が用意されています

そして、右端に用意されたある端子に大興奮です。なんと「Guitar」と書かれているではありませんか!

なんとギター接続端子(マイク/ギター兼用)が搭載されています!

なんとギター接続端子(マイク/ギター兼用)が搭載されています!

そう、今回私がSRS-XP500をご紹介したい理由は、まさにここにあるのです。このSRS-XP500、マイク端子を2系統備えており、そのうちひとつはギター兼用。なんと「ギターアンプ」としても使用することができるのです! しかも、ギター1系統とマイク1系統を同時入力することができるので、さまざまな音楽シーンで活用しそうです。ちょっとした弾き語りライブにも使えそうですね。

加えて、マイク端子とマイク/ギター端子にはそれぞれ独立したボリュームツマミが用意されていて、音量バランスをチャンネルごとに整えることができるため、PAのないカフェのような場所でも、本機を使えば安心してライブできちゃいます。

ギターサウンドは素直でバランス○! 自宅練習からストリート演奏まで使える

さて、ここで気になるのは、ギターを接続してアンプとして使用した場合の本機のサウンドですが、ひと言で言えば「素直」です。何しろBluetooth再生による音楽リスニングでは、重低音にパンチを効かせたド迫力サウンドだったので、ギターサウンドも重低音に寄ったサウンドになるんじゃないかと勝手に予想していました。

……が、アンプとして使用するとちゃんとギターらしいバランスのよい音で、これはイイ意味で期待を裏切られました。素直でクセのないサウンドですので、アコギならこのままでも十分使用できます。

問題は、エレキです。エフェクターが内蔵されているわけではないので、このままですと演奏ジャンルが限定されてしまいます。そこで今回は実験ということで、手持ちのエフェクターをギターとSRS-XP500の間に挟んでみました。するとどうでしょう、ギターアンプ並みにエフェクター乗りがよいではありませんか!

エフェクターをつなげればまさにギターアンプです!

エフェクターをつなげればまさにギターアンプです!

音作りをしたあと、バッキング音源を本機から流しながら演奏してみましたが、迫力のある伴奏とリッチなギターサウンドが見事に溶け合ってスピーカーから再生され、その心地よさに時間を忘れて弾き続けてしまいました。

こういう気持ちよい練習環境が整うと、自然にギターが上達していきそうです。ちなみに、今回は軽い歪み系と空間系を使用して音作りをしてみましたが、空間系のかかりもよく、意図した通りの立体的なサウンドに仕上がりました。

なお、アコギで弾き語りをする人であれば、上述の通りマイクとギターを同時入力できるので、ストリートライブでも大活躍するはずです。1台で練習からライブまでまかなえるのは便利ですよね。演奏していないときはスマホやDAPを接続してSEを再生しておくこともできますし、イルミネーションを点灯させてストリートでの演奏を華やかに演出することもできます。

このように、発想次第でストリートライブを新たな次元に引き上げることができるのも、SRS-XP500の魅力でしょう。本体は防滴に対応していますので、突然の雨に降られても安心ですし(ギター本体は安心できませんが……)。

▼マイク入力2系統に切り替えて、ギター以外にも使い方広がる

SRS-XP500のマイク/ギター兼用端子は、ボタンひとつでギター入力とマイク入力を切り替えることができます。つまり、単体のマイク入力とあわせて、マイクが2本同時接続できるんです。

これで何ができるのかというと、カラオケアプリや動画サイトにあるカラオケ音源をスマホで再生しながらデュオでカラオケできたり、生音をマイクで拾うような楽器であれば(管楽器や擦弦楽器など)、2台まで個別に音を拾って拡声させることができます。

たとえば、バッキングトラックを再生しながら管楽器2本でアンサンブルしたり、歌とクラシックギターでデュオ演奏するなど、さまざまなシーンで活躍することでしょう。

地味にココがイイ! SRS-XP500の使い勝手

ここからは、実際にSRS-XP500を使用してみて、使い勝手の面で気に入った部分をご紹介します。まず、真っ先によいと思ったのはバッテリーの持ち。今回SRS-XP500をお借りしている約2週間、最初に1度充電しただけで、その後は一切充電せずに使い続けることができました。公式スペックでは、3時間の充電で約20時間再生できるとされているので、安心して屋外に持ち出せそうですね。

屋内でも、コンセントの場所を気にすることなく好きな場所に設置できるので、レイアウトの自由度が飛躍的に高まります。小型のスピーカーではなく、本格的なサイズのスピーカーでこれができるのはとてもありがたいと感じました。

次に、個人的にとてもうれしかったのが、縦置き・横置き、どちらもイケるということ。ギターを弾いていると立って弾いたり座って弾いたり、シーンよって演奏フォームは一定ではありません。そんな中、通常のギターアンプはたとえ音が聴こえづらくても特殊なアンプスタンドを使用しない限り、基本的にアンプ自体の置き方や角度を変えたりすることはできません。

その点、SRS-XP500は、簡単に縦置きにも横置きにもできます。座って演奏するときは横置き、立って演奏するときには縦置きといった形で、シーンに合わせて聴きやすい角度を付けることが可能なのです。

横置きにしても少し上向きに角度が付いているため、とてもよく聴こえます

縦置きも横置きも自由自在! 横置きにしても少し上向きに角度が付いているため、とてもよく聴こえます

さらに、スピーカー部が少し上向きになっているのもグッドです。この角度が絶妙で、縦置きにすれば、座って演奏する時にちょうど顔の方向を向いてくれるのです! ちょっとしたことですが、普通のギターアンプにはない配慮なので、かなりポイントが高いと感じました。

まとめ

最初は、ポータブルで使うにはちょっと大きいかな? とも思ったSRS-XP500ですが、あらゆるシーンに使用できることを知った今、逆に小さくすら感じてきています(笑)。普段は迫力の重低音サウンドでスマホから音楽を楽しむことができ、ギター練習のときにはギターアンプとして活躍、さらに屋外に持ち出してちょっとしたライブもこの1台でこなせてしまう……そんな、ギタリストの音楽生活をギュッと凝縮したような使い勝手を持つSRS-XP500は、音楽リスニングと楽器演奏の新しい可能性を見せてくれる新世代スピーカーでした。

高村尚平

高村尚平

藤沢市のギター教室「ギターの処方箋TAKAMURA」を運営するギタリスト兼講師。ギターと機材が三度の飯より好き。過去には機材メーカーに在籍し、全国で実演セミナーを開催していたほど。

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