映画やスポーツ、ゲームなどを大迫力で楽しめる大画面テレビ。数年前までは、大画面モデルといえば55V型クラスが主流でしたが、テレビの低価格化が進んだことに加え、パネルの薄型化や画面を囲うベゼルの極細化で同じ設置スペースにひと回り大きいテレビが設置できるようになったことで、どうせ買うならワンサイズ大きいモデルを導入したいという人が増えてきているようです。価格.comの「液晶テレビ・有機ELテレビ」カテゴリーでも、65V型以上のモデルがランキング上位に多数ランクインしてきています。
最近では、65V型超の画面サイズで10万円を切る低価格モデルも登場してきており、ユーザーの選択肢の幅はグンと増えてきていますが、いっぽうで大画面テレビはひんぱんに買い替えるものではないため、製品選びで失敗したくないという人も多いことでしょう。そこで本特集では、大画面テレビを選ぶ際に必ずチェックしておきたいポイントを詳しく解説するとともに、おすすめの大画面テレビ10モデルを一挙紹介。大画面テレビの選び方の参考にしてみてください。
押さえておきたいポイント
・将来を考えてできるだけ大画面なモデルを選ぶべき
・部屋の大きさに合わせた画面サイズは、10畳部屋なら55〜65V型、10畳を超える部屋なら65V型以上が目安
大画面テレビを買う際にまず決めるのが「画面サイズ」です。大迫力の映像を楽しみたいならできるだけ大きなサイズを選びたいところですが、適切な画面サイズがよくわからないという人も多いと思います。そういった人は、まずは部屋の大きさに合わせた最適な画面サイズから検討してみるのがいいでしょう。
部屋の大きさに合わせた画面サイズを調べるうえで参考になる情報のひとつに、テレビ画面の画素の粗さが目立たず、かつ迫力ある映像を楽しめる距離を示す「適正視聴距離」という指標があります。現在、大画面テレビは、フルHDの4倍の解像度を持った、いわゆる“4Kテレビ”が主流ですが、適正視聴距離は、フルHDテレビで画面の高さの約3倍、4Kテレビで画面の高さの約1.5倍が目安とされています。4KテレビはフルHDテレビと比べて同じ画面サイズであってもパネルの解像度が高くて粗さが目立たないため、適正視聴距離がフルHDテレビに比べて短くなっており、小さな部屋でもより大画面のテレビが置けるというわけです。
4Kテレビの画面サイズ別適正視聴距離。4Kテレビの場合、画面の高さ(本体の高さではありません)の1.5倍が適正視聴距離とされています
画面の高さが約81cmの65V型の4Kテレビの場合、計算式に当てはめた際の適正視聴距離は約122cm。テレビの設置場所や視聴位置にもよりますが、6畳の部屋でも65V型のテレビを十分置ける計算です。ただ、これはあくまでもテレビ画面の正面で見ることを想定した数値です。リビング・ダイニングに大画面テレビを設置した場合、家族揃ってソファで横並びに座って斜めから視聴したり、ダイニングテーブルに座って高い位置から視聴したり、ときにはキッチンで立ちながら視聴することもあり、視聴位置によっては適正視聴距離が必ず見やすいとは限りません。
また、見るコンテンツによっても大きく異なります。特に地デジなどの4K解像度に満たない解像度のコンテンツを視聴した際は、大画面がゆえにノイズなどが気になってしまうことも。ほかにも、大画面テレビの場合は目の前の画面が広くなるため、画面サイズが大きくなるほど画面の端を見るための視線の移動が大きくなり、目への負担を考えると、適正試聴距離よりも離れた距離からテレビを視聴することも必要になってくるでしょう。ある程度試聴距離に余裕を持たせた状態で画面サイズを選ぶのなら、10畳程度の部屋で55〜65V型、リビング・ダイニングなどの10畳を超える部屋なら65V型以上というのがひとつの目安と言えそうです。
4Kテレビの適正視聴距離はあくまでも真正面の正しい位置から視聴し、テレビの画素(ドット)が判別できない距離から算出されたもので、必ずしもその距離が見やすいわけではありません。さまざまな位置から視聴することを考えると、10畳程度の部屋で55〜65V型、リビング・ダイニングなどの10畳を超える部屋なら65V型以上というのがひとつの目安になるでしょう
上記の目安だと、65V型以上のテレビは部屋に対してちょっと大きすぎるかもと思うかもしれませんが、現在のテレビはパネルの薄型化や画面を囲うベゼルの極細化でかなりコンパクトになっており、10年ほど前の50V型テレビからの置き換えなら、現状の設置スペースのままより大画面なテレビを設置することはそれほど難しくありません。壁掛け設置などを活用すれば、より狭いスペースでもスマートに設置することができます。実際に設置してみると意外にすぐ慣れてしまい、後からもっと大きくておけばよかったと思うことも多いので、購入したタイミングだけでなく、購入してから5年後、10年後も末永く使うのであれば、できる限り大画面なテレビを選ぶべきでしょう。
パネルの薄型化や画面を囲うベゼルの極細化で、以前よりも設置しやすくなった大画面テレビ。壁掛け設置などを活用すれば、よりスマートに設置することが可能です
とはいえ、65V型以上の大画面テレビになるとそれなりの存在感があるので、テレビラックにちゃんと収まるのか、すでにあるインテリアとの干渉はないかなど、設置に関していろいろと考慮する必要があるでしょう。メーカーによっては設置確認用に実寸の画面サイズをプリントした紙を配布したり、スマートフォンのAR(拡張現実)機能を活用し、設置した時のサイズ感をあらかじめ確認できるような無料アプリなども用意されています。ぜひこういったものを活用し、部屋の大きさにぴったりな画面サイズを見つけてください。
ソニーストアで配布している「ブラビア実寸サイズ用紙」(写真左)と、DENDOHが提供しているテレビサイズや配置位置をARで確認できるアプリ「TV fit」(写真右)。部屋の大きさにぴったりな画面サイズがわからないという人は、こういった、設置するテレビの大きさを事前に確認できるツールをうまく活用しましょう
押さえておきたいポイント
・同じ画面サイズなら有機ELよりも液晶のほうが高コスパ
・明るい部屋で見るなら画面の明るい液晶テレビが有利。画質重視なら、圧倒的コントラストの有機ELテレビがおすすめ
画面サイズが決まったら、次に選ぶのがテレビの種類です。現在、大画面テレビは大きく分けて、「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」の2種類に分けられます。
液晶テレビと有機ELテレビ(写真はソニー「BRAVIA X95J」シリーズと「BRAVIA A90J」シリーズ)
光源にバックライトを利用した液晶テレビは、自発光デバイスの有機ELを使った有機ELテレビに比べて画面全体が明るいのが最大の特徴です。地震の多い日本は柱や壁をうまく活用してきっちりと部屋を区切る家づくりが多いため、それぞれの部屋に1台の照明器具を設置して明るさをカバーする「一室一灯照明」というスタイルが主流となっています。明るくて長寿命なLED照明の普及も相まって、欧米などに比べると夜でも明るいのが日本の住宅環境の特徴になっており、特にリビングは、広々とした空間を明るく照らすために大型のシーリングライトを取り付けていることが多く、こういった明るいリビングなどに大画面テレビを設置するなら、画面全体が明るく鮮明な映像が得られる液晶テレビのほうが見やすさの面で有利です。
また、液晶テレビは有機ELテレビに比べて大型化しやすく、大画面サイズでも価格的に有利なのも特徴です。同じ予算なら、有機ELテレビに比べてひと回り以上大きい画面サイズを選べるので、コストを抑えて大画面テレビを導入したいのなら、液晶テレビが有力な選択肢になるでしょう。
いっぽう、自発光デバイスの有機EL(Organic Light-Emitting Diode)を使用した有機ELテレビは、バックライトを必要とせずにドット単位で明るさをコントロールできるため、明るい部分と暗い部分のコントラスト比が液晶テレビに比べて圧倒的にすぐれているのが特徴。素子の発光を止めることで漆黒の黒を再現できるのも液晶テレビにはない特徴で、映画などの質感重視のコンテンツを視聴するのに向いており、画質重視で選ぶなら有機ELテレビがおすすめです。また、バックライトが必要ないため、液晶テレビに比べて薄くて軽いモデルが多いのも特徴です。
ただし、液晶テレビに比べると画面全体の輝度が出しにくく、明るい部屋で視聴した際に画面が暗く感じる場合がある点は注意が必要です。また、有機ELテレビは大型化に不向きとされており、特に65V型以上の大画面モデルは液晶テレビに比べてまだまだ高価なのが難点です。
バックライトが必要ない有機ELテレビは、画面を1枚の薄い板のように仕上げることができるので、省スペースへの設置はもちろん、壁かけにも適しています(写真はパナソニック「VIERA TH-65JZ2000」)
それぞれの特徴を比較すると、明るい部屋での利用が多い人、コストを優先する人なら「液晶テレビ」、とにかく高画質な映像を楽しみたいという人は「有機ELテレビ」が向いていると言えるでしょう。
押さえておきたいポイント
・大画面モデルは映り込みや視野角にも注意
・映り込み具合は実際に目で見て確認すること
・視野角を広げるメーカー独自のパネル加工を採用した広視野角モデルにも注目
大画面テレビの場合、画面サイズが大きくなる分、画面に映り込む範囲が大きくなるため、小型テレビ以上に映り込みが気になることがあります。陽光がたっぷり入る大きな窓の近くや、強い光を放つ照明が写り込むような場所に大画面テレビを設置した場合、画面がギラつくことがあるので特に注意したいところです。
大画面テレビは、画面サイズが大きくなる分、映り込む範囲が大きくなります。設置場所によっては、画面の映り込みが気になることがあるので注意しておきましょう
最近では、低反射で映り込みを抑えた表面加工をパネルに採用したモデルも増えつつありますが、いっぽうで締まった黒を再現するために、あえて光沢感のある表面加工を採用するモデルもあります。特に有機ELテレビは、高コントラストで高画質な有機ELの特性を最大限に生かすため、光を拡散させる低反射加工のパネルではなく、表面に光沢感のあるグレアパネルを採用したものが多いです。液晶テレビの光沢モデルに比べると反射は抑えられていますが、大画面モデルだと映り込みがやや気になるかもしれません。パネル表面の加工については、カタログスペックだけで判断せず、事前に店頭の実機でしっかりと確認しておくことをおすすめします。
有機ELテレビは表面に光沢感のあるグレアパネルを採用したものが多いですが、最近では低反射な表面加工を採用して映り込みを抑えたモデルも登場してきています(写真はTVS REGZA「REGZA X8900」シリーズ)
また、大画面テレビ選びでもうひとつ注意したい点が視野角です。自発光デバイスで元々の視野角が広い有機ELテレビではあまり気になることはないですが、バックライト光源を組み合わせた液晶テレビは、パネルの種類によっては視野角があまり広くなく、斜めから見るとコントラストが落ちたような映像になることも。特に広いリビング・ダイニングなどに設置し、正面だけでなく斜めから視聴することもある場合は、視野角の広いモデルを選ぶのがおすすめです。一部メーカーでは、大画面テレビのパネルの表面に独自の加工を施し、斜めから見ても色や解像感の低下を抑えた広視野角モデルをラインアップしているところもあり、斜めから視聴することがある場合は、そういったメーカーの広視野角モデルを選ぶのもいいでしょう。
斜めから視聴することがある場合は、画面表面に独自加工を施し、液晶テレビの視野角を改善したモデルを選ぶのがおすすめ(写真はソニーの一部液晶テレビで導入されている「X-Wide Angle(エックス ワイド アングル)」)
押さえておきたいポイント
・大画面テレビはスピーカーの位置と音の聴こえ方にも注目
・サウンドバーを増設するならスタンド形状に注意
昨今の薄型テレビは本体のスリム化の影響もあって、スピーカーを画面下部に下向きに配置するモデルが多くなっているのですが、画面サイズの大きい大画面テレビでは、画面下部のスピーカーだけで映像と音の一体感を再現するのが難しく、画面の表示位置に対して音が下のほうから聴こえることが課題となっていました。
そこで、国内のテレビ大手メーカーはこの問題に対応するため、画面を直接震わせて音を再生したり、テレビ後方上部にハイトスピーカーを配置して画面を包み込むように音を再生するなど、ハイエンドモデルを中心にさまざまなアプローチで、音が再生される位置を引き上げる工夫を盛り込んできています。テレビ内蔵のスピーカーだけでいい音を楽しみたいという人、サウンドバーなどの外部スピーカーなしですっきりと配線して設置したい人なら、こういったスピーカーユニットにこだわったモデルを最初から選ぶのがよいでしょう。
液晶テレビや有機ELテレビのハイエンドモデルではスピーカーユニットの大きさや配置などを工夫し、テレビ単体だけで大画面の映像に負けない迫力のあるサウンドを実現したモデルというのもラインアップされています(写真はパナソニック「VIERA JZ2000」シリーズ)
また、将来的にサウンドバーの導入を検討しているなら、テレビのスタンド形状にも注意しておきましょう。特にテレビラックに設置する場合、センタースタンドスタイルのため、サウンドバーがテレビラックの上にうまく配置できなかったり、スタンドの高さが低く、背の高い大型のサウンドバーを設置すると画面が隠れてしまうなど、スタンド形状のせいでサウンドバーの設置ができないということが起こるためです。テレビの音が思ったほどではなく、サウンドバーなどの外部スピーカーでサウンドを強化することは結構多いので、サウンドの強化を考えている人は、スタンド形状もしっかり確認しておきましょう。
最近では、将来的なサウンドバーの拡張を想定し、スタンド形状を設置方法に合わせて変更できるテレビも登場しています(写真はソニーの55V型以上の「BRAVIA XR」で採用されている3-way スタンド)
押さえておきたいポイント
・4Kチューナー搭載・録画機能は当たり前
・ネットワーク機能は使いたいサービスがあるかどうか事前にチェック
・最新のゲーム機でプレイするならHDMI2.1対応モデルを選択
大画面テレビに限ったことではないですが、最後にテレビをフル活用するうえで押さえておきたい機能性についても触れておきましょう。
まずは利用の多い録画機能です。2〜3年ほど前までは、4K放送を視聴・録画するなら4Kチューナー内蔵で録画できるモデルをチョイスしようと言われていましたが、すでに国内で発売されている大画面テレビの大多数が4Kチューナーを内蔵しています。モデルによって4Kチューナーの数が違うため、同時録画できる番組数に違いはありますが、4K放送の録画機能はどのメーカーも搭載しているので、基本的には4Kチューナー内蔵モデルであればどのモデルを選んでも問題ないでしょう。もし4K放送をたくさん録画する機会が多いというなら、4Kチューナーを2つ内蔵し、4K放送の2番組録画機能を備えたモデルを選べば安心です。
もはや当たり前になりつつある、大画面4Kテレビの4Kチューナー内蔵&4K放送録画機能。テレビの録画機能の使用頻度が高い人は、4K放送の2番組同時録画機能を搭載したモデルがおすすめです
次に確認したいのが、インターネットの動画配信サービスへの対応です。「Netflix」や「Amazonプライム・ビデオ」といった動画配信サービスの専用アプリも、ここ1〜2年に発売された4Kテレビであればほぼ搭載されており、メーカーによっては、テレビリモコンから動画配信サービスにダイレクトにアクセスできる機能なども用意されています。いっぽうで対応する動画配信サービスについてはメーカーごとだけでなく、同一メーカーでもモデルによって異なることがある点には注意が必要です。イマドキのテレビであればHDMI端子も用意されており、テレビ側で対応していない動画配信サービスでも、Amazon「FireTV」シリーズやGoogle「Chromecast with Google TV」、アップル「Apple TV」といったメディアストリーミングデバイスを活用して対応することは可能ですが、テレビリモコンだけで動画配信サービス機能を完結したい場合は、テレビ側で利用したい動画配信サービスが対応しているかどうか事前に確認したほうがいいでしょう。
リモコンに専用ボタンを搭載するなど、テレビでもインターネットの動画配信サービス対応モデルが増えています。なお、Google TVやAndroid TVを採用したモデルはアプリをダウンロードすることで動画配信サービスを追加することが可能ですが、独自のOSを採用したモデルはインストール済みの動画配信サービスしか利用できないということもあります。利用したい動画配信サービスが対応しているかどうかは、事前に確認しておきましょう
このほか、テレビでゲームを存分に楽しみたい人は、テレビのHDMIポートにも注目しておきましょう。ソニー「PlayStation 5」やマイクロソフト「Xbox Series X」など、4K/120pに対応した最新の家庭用ゲーム機のスペックを余すことなく楽しみたいなら、HDMI 2.1に対応したモデルがおすすめです。なお、HDMI 2.1対応でも4K/120pやVRR(可変リフレッシュレート)への対応が見送られているモデルも一部ありますので、最新の家庭用ゲーム機の接続を考えている人は、事前にスペックをよく確認しておいたほうがいいでしょう。
PlayStation 5などの最新の家庭用ゲーム機が持つパフォーマンスを最大限に引き出すのなら、HDMI 2.1の4K/120pやVRR(可変リフレッシュレート)に対応したモデルがおすすめ。FPSや格ゲーをプレイするなら、専用処理で表示遅延を抑えたゲーミングモードを搭載したモデルがいいでしょう
ソニー「BRAVIA KJ-65X80J」
「BRAVIA KJ-65X80J」は、ソニー「ブラビア」の2021年液晶テレビラインアップのエントリーモデル「X80J」シリーズの65V型モデルです。ブラビアシリーズは、全体的に価格が高めのモデルが多いですが、本機は上位モデルに搭載される倍速パネルではなく等速パネルを搭載することで価格をぐっと抑え、65V型という大画面モデルでありながら、価格.com最安価格では10万円台前半で購入できるという高コスパモデルとなっています。
倍速パネルではないため、HDMI 2.1規格の4K/120pやVRRは利用できませんが、ネットに強いブラビアならではの機能はしっかりと搭載。Googleの最新テレビ向けプラットフォーム「Google TV」を搭載し、各種動画配信サービスにもばっちりと対応。動画配信サービスを横断したレコメンド機能も便利で、動画配信サービスを大画面で楽しみたい人にもってこいの1台です。
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TVS REGZA「REGZA 65Z670K」
Android TV搭載4K液晶レグザの最上位モデルで、4K液晶レグザ全体としては「Z740XS」シリーズに次ぐハイミドルクラス「Z670K」シリーズの65V型モデル。“Z”を冠したシリーズとなっていますが、レグザおなじみの全録機能「タイムシフトマシン」は搭載されておらず、バックライト制御も部分駆動なしのグローバルディミング方式になるなど、「Z740XS」シリーズと比べるといくつかの機能が削られていますが、その分価格はかなり抑えられており、倍速パネル搭載の65V型モデルながら、価格.com最安価格なら15万円前後で購入することが可能です。
スピーカーシステムは、計9基のスピーカーユニットを組み合わせた「重低音立体音響システムZP」で、立体音響技術のDolby Atmosにも対応。テレビのUIには、Android TVプラットフォームを採用し、人気の「Netflix」には対応していませんが、アプリの追加でさまざまな動画配信サービスを利用できるのもポイントです。HDMI2.1規格の4K/120pやVRR、ALLM、eARCに対応したHDMIも2系統備えており、家庭用の最新ゲーム機の接続にもしっかりと対応しており、ゲーミング用途にも使える倍速液晶搭載の大画面テレビを探しているなら候補のひとつになるでしょう。
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ハイセンス「65U8F」
ハイセンスの4K液晶テレビは、10万円を切る高コスパな65V型のエントリー液晶テレビもラインアップされていますが、「65U8F」は4K液晶テレビの2020年最上位モデルになります。エントリークラスとの大きな違いが、映像エンジン。「65U8F」には、グループ会社のTVS REGZAと共同開発し、レグザブランドの映像エンジンの技術を取り入れた「NEOエンジン 2020 Plus」を搭載。地デジを高精細にアップコンバートする「3段階超解像処理」や、動画配信サービスごとの特性に合わせて高画質化する「AIネット映像高画質処理」などを備えており、地デジやネット動画をより高画質で楽しめるのがポイントです。
液晶パネルは倍速駆動対応VAパネルで、バックライトの部分駆動(ローカルディミング)にも対応するなど、動画応答性やコントラスト性能が高い点もポイントです。なお、本製品は倍速駆動対応ですが、2020年モデルということで、HDMI 2.1規格の4K/120pやVRRには残念ながら非対応です。最新ゲーム機を余すことなく楽しむといった用途には不向きですが、テレビ放送や動画配信サービスの視聴がメインなら、価格も安く、画質性能にもすぐれている本機はなかなかの狙い目と言えそうです。
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パナソニック「VIERA TH-65JX950」
パナソニックの4K液晶ビエラ最上位シリーズ「JX950」シリーズの65V型モデル。この画面サイズの製品では珍しく、広視野角なIPSパネルを採用した貴重なモデルとなっています。パナソニックでおなじみとなっている「転倒防止スタンド」にスイーベル機能も用意されており、広視野角のIPSパネルと合わせて、家族が集まり、さまざまな視聴位置から見ることの多いリビング・ダイニングに設置するのに向いています。
ほかにも、視聴コンテンツのシーンをリアルタイムに認識して最適な画質・音質に自動でチューニングする「オートAI画質」や「オートAI音質」、テレビにリモコンを向けなくても操作できるBluetooth接続の新型リモコン、「Googleアシスタント」「Amazon Alexa」を使った音声操作対応、外付けUSB HDDを利用した4K放送の2番組同時録画対応、最新の家庭用ゲーム機を接続して高画質なゲームを楽しめる4K/120p対応のHDMI端子の搭載など、いろいろなシチュエーションで使いやすい便利な機能も満載で、オールラウンドで使える大画面液晶テレビとして選びやすいのもうれしいところです。
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シャープ「AQUOS XLED 4T-C65DP1」
液晶テレビに強いシャープが、有機ELテレビと液晶テレビのいいとこどりをした第3のテレビとして開発した「AQUOS XLED」。8K液晶と4K液晶の2タイプが展開されていますが、そのうち4K液晶タイプの最小サイズとなる65V型モデルが、この「AQUOS XLED 4T-C65DP1」です。約8,000個のミニLEDをバックライト光源として搭載し、コントラスト性能を従来のLEDバックライトを採用した液晶テレビから飛躍的に向上させたほか、バックライトの光波長を変換して色純度を高める量子ドット技術を搭載することで、広色域で鮮やかな発色を実現。液晶テレビの明るい画面、有機ELテレビが得意とするコントラスト性能の両方をあわせ持った、画質にとことんこだわったモデルとなっています。
サウンドについても、画面背面上部に大型のハイトスピーカーを搭載。ハイトスピーカーの開口部を斜め前方に20°傾けることで、包み込まれるようなパワフルなサウンドを実現しています。ミニLEDや量子ドット技術といった最新のディスプレイ技術を搭載しているため、価格はややお高めですが、有機ELテレビのコントラスト感は好みだけど、明るいリビングなどで楽しむには輝度感が物足りないと感じていた人には、うってつけの1台と言えそうです。
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ハイセンス「75A6G」
高コスパな4Kテレビを数多く取り揃えるハイセンス。なかでも「75A6G」は、75V型という超大画面モデルながら、価格.com最安価格で15万円前後という高コスパが魅力の1台です。
価格を抑えるために液晶パネルの倍速機能は非搭載ですが、バックライトを高速で点滅させることで映像の残像感を低減させる「SMR120」や、斜めから見てもきれいなADSパネルを採用して視野角をしっかり確保している点は好印象。「Amazonプライム・ビデオ」や「Netflix」、「hulu」など、動画配信サービスへの対応も、メジャーどころをしっかり押さえており安心です。スピーカーは本体下部のみなので、映画や音楽などを本格的なサウンドで楽しむなら、サウンドバーなどを追加したほうがよさそうですが、とにかく低価格で75V型の大画面テレビを導入したい人にはおすすめの1台です。
ソニー「BRAVIA XRJ-75X95J」
ソニーの液晶ブラビアにおける2021年最上位モデル、「X95J」シリーズの75V型モデルが「BRAVIA XRJ-75X95J」です。人間の脳と同じように映像を横断的に分析・処理する最新の認知特性プロセッサー「XR」や、暗部の電流を明部に集中させ明るさを高める独自の高コントラスト技術「XR コントラストブースター 10」、斜めから見ても正面から見た時と同等の高コントラストな映像を表現できる独自の広視野角技術「X-Wide Angle」、明るい環境下でも映り込みを抑える「X-Anti Reflection」、画面上部にサウンドポジショニング トゥイーターを搭載し、映像と音の一体感を高める独自の音響技術「アコースティック マルチ オーディオ」など、液晶テレビの最上位モデルにふさわしい高画質・高音質機能を多数備えています。
もちろん、ネットに強いブラビアらしく、最新の「Google TV」を搭載しており、動画配信サービス対応もばっちり。HDMI 2.1規格の4K/120pやVRRにもしっかりと対応しているほか、「PlayStation 5」との連携機能もあり、「PlayStation 5」と組み合わせて使うテレビとしても最適です。画面全体が明るく、映り込みも少なくて広視野角という、明るいリビングでも見やすい大画面テレビに求められる画質性能と充実のエンタメ機能を備えた、イマドキの使い方にマッチしたオールラウンドな1台と言えるでしょう。
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TVS REGZA「REGZA 65X8900K」
「REGZA 65X8900K」は、有機ELレグザの2021年最新モデル「X8900K」シリーズの65V型モデルです。65V型の最新有機ELテレビというと、価格.comの最安価格でも30万円を超える製品がほとんどですが、「REGZA 65X8900K」は、グループ会社と共同開発した金型を使用することで開発コストを抑制。価格.com最安価格で20万円台中盤という、65V型4K液晶テレビのハイエンドモデルと同程度の、かなり手の届きやすいプライスを実現しています。
高コスパモデルですが、映り込みが少ない低反射有機ELパネルの採用、最新設計の高画質映像処理エンジン「レグザエンジン ZR1」の高い処理能力を生かしたレグザならではの多彩な高画質化機能の搭載、「重低音立体音響システムXP」による大迫力のサウンド、アプリによる機能拡張が可能な「Android TV」プラットフォームの採用など、画質や音質、使い勝手についてはしっかりと作り込まれています。特に、4K/120pやVRRに対応した強力なゲーミング機能は、有機ELレグザ最上位モデル「X9400S」シリーズを上回るスペック。低反射パネルなので、ゲーム用のテレビとしてもうってつけです。全録機能の「タイムシフトマシン」が必須なら「X9400S」シリーズ一択になりますが、最新ゲーム機の接続なども含めてオールラウンドで使える有機ELテレビをできるだけ安価に手に入れたいという人なら、「X8900K」シリーズはかなり有力な候補になるはずです。
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パナソニック「VIERA TH-65JZ2000」
パナソニックの有機ELビエラのフラッグシップモデル「JZ2000」シリーズの65V型モデル。前世代モデルの「HZ2000」シリーズも、自社設計・組み立ての「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」を搭載し、有機ELならではの引き締まった黒と圧倒的なピーク輝度による圧倒的な高コントラスト性能で大きな話題となりましたが、最新の「JZ2000」シリーズでは、有機ELパネルの設計をさらに追い込み、放熱性能をさらに高めて有機ELパネルのポテンシャルを最大限に引き出すことで、「HZ2000」シリーズを上回るビエラ史上最高のコントラスト性能を実現。有機ELテレビとは思えない、明るく鮮やかな映像が楽しめるモデルとなっています。
また、テレビ背面上部のイネーブルドスピーカーや左右側面のワイドスピーカーなど、7.1ch/総合出力125Wの超本格的なスピーカーシステムを搭載しているのもポイント。立体音響技術のDolby Atmosにも対応し、画面の大きさに負けない迫力のある立体的なサウンドをテレビだけで楽しめるようになっています。65V型のハイエンド有機ELテレビということで価格はやや高価ですが、画質にも音質にも一切妥協したくないという人には、ぜひ注目していただきたい1台です。
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ソニー「BRAVIA XRJ-65A90J」
人間の脳と同じように映像を横断的に分析・処理する最新の認知特性プロセッサー「XR」を搭載した、ソニー有機ELブラビアの最上位モデル「A90J」シリーズの65V型モデルです。ソニーの有機ELテレビには、「A80J」シリーズという下位モデルもラインアップされていますが、最大の違いは有機ELパネルの性能を最大限引き出す「XR OLED コントラスト プロ」と呼ばれる独自のパネル技術を搭載していること。放熱用アルミシートとパネルの温度を検知する温度分布センサーを搭載し、認知特性プロセッサー「XR」で横断的に処理することで、これまでの有機ELパネルでは難しかったWRGB全色同時点灯を実現。フラッグシップモデルにふさわしい、明るく高精細な映像が楽しめるようになっています。
また、ソニーの有機ELブラビアといえば、画面自体をアクチュエーターで振動させ、画面から直接音を再生することで、映像と音の一体感を高める独自の音響技術「アコースティック サーフェス オーディオ プラス」を搭載するのが大きな特徴ですが、「A90J」シリーズでは、アクチュエーターの形状やサブウーハーの数、スピーカーユニットのレイアウトなどを大きく変更。従来モデル以上の音の広がり感と迫力の低音再生が楽しめるようになっています。最新の「Google TV」の搭載、HDMI 2.1規格の各種ゲーミング機能をフルサポートするなど、機能面もばっちり。3通りの設置方法が可能な「マルチポジションスタンド」の採用で、さまざまな環境に設置しやすいのもうれしいところです。価格はやや高価ですが、画質・音質・機能・使い勝手のバランスにすぐれた満足度の高い有機ELテレビと言えるでしょう。
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