レビュー

番組視聴が超快適! 全録テレビと4Kレコーダーのいいとこ取りした4Kレグザブルーレイが便利過ぎる

テレビ録画に欠かせないブルーレイレコーダーの中でも、ハイエンド機の定番になりつつあるのが、録画予約不要で指定したチャンネルの番組をすべて録画し、好きな番組を好きな時に視聴できる“全録”タイプのレコーダーだ。テレビの録画機能でも全録対応モデルを一部展開するTVS REGZAも、これまで全録対応のレグザブルーレイを展開していたが、4K放送の録画に対応するラインアップがなかった。そんな同社から、ついに4Kチューナー内蔵で4K放送録画や地デジの全録を楽しめる「4Kレグザブルーレイ DBR-4KZ」シリーズが登場した。

これまでの全録対応レグザブルーレイからシステムプラットフォームを刷新し、使い勝手がガラリと変わったという「DBR-4KZ」シリーズ。今回はHDD容量2TBの「DBR-4KZ200」をお借りすることができたので、さっそく実機レビューをお届けしよう。

今回使用したHDD容量2TBモデルの「DBR-4KZ200」。発売は6TBモデル「DBR-4KZ600」と同じ2022年1月発売で、市場想定価格は現時点では未定となっている。なお、4TBモデル「DBR-4KZ400」はすでに発売されており、こちらは市場想定価格137,500円前後となっている

今回使用したHDD容量2TBモデルの「DBR-4KZ200」。発売は6TBモデル「DBR-4KZ600」と同じ2022年1月発売で、市場想定価格は現時点では未定となっている。なお、4TBモデル「DBR-4KZ400」はすでに発売されており、こちらは市場想定価格137,500円前後となっている

まずは全録レコーダーのセットアップから開始

全録レコーダーなので、まずは全録機能「タイムシフトマシン」のセットアップから実施する。「DBR-4KZ」シリーズのチューナー構成は、タイムシフトマシン専用地デジチューナー×3、タイムシフトマシン専用地デジ/BS/110度CSチューナー×2、通常録画・タイムシフトマシン兼用地デジ/BS/110度CSチューナー×1、通常録画専用地デジ/BS/110度CS/新4K衛星放送チューナー×2の計8チューナー。「はじめての設定」では、このうちタイムシフトマシンで使える6チューナーをどう扱うかを設定する。

全録可能な6チューナーのうち、3チューナーはDRモード固定、3チューナーは長時間モードに対応する。長時間モードはAVC高画質、AVC中画質、AVC低画質を設定できるが……このモードが通常録画のモード名とまったく異なるのはやや不親切に感じた。3チューナーに長時間モードを使う=全録の保存期間が伸びることになるのだが、チャンネルに設置されたモードがダイレクトに反映さるのではなく、保存日数自体は全録する6チューナー全体で日数が伸びる仕様のようなので、初期設定時に気を付けておきたい部分だ。

全録可能な6チューナーのうち、3チューナーはDRモード固定、3チューナーは長時間モードに対応

全録可能な6チューナーのうち、3チューナーはDRモード固定、3チューナーは長時間モードに対応

ちなみに、初期設定の内蔵HDDの87.5%割り当て(0/25/50/75/87.5%で設定可能)の場合、6チューナーすべてをDRモードに設定すると保存日数は約1.6日、3チューナーをAVC低画質に設定すると約2.5日の保存が可能になる。「DBR-4KZ200」はHDD容量2TBなので全録レコーダーとして保存日数では短めだが、録画時間(時間帯)をゴールデンタイムのみなどに制限するなど、設定次第7日〜10程度まで伸ばすことができる。

内蔵HDD容量のうち87.5%をタイムシフトマシンに割り当て

内蔵HDD容量のうち87.5%をタイムシフトマシンに割り当て

タイムシフトマシンの設定を行い、ネットワーク設定やネットワークサービスの利用の設定が終われば、あとは「DBR-4KZ200」が自動で全録してくれる。通常のレコーダーだと“さあ録画予約をしよう”という流れになるが、録画予約をすることを一切考える必要がないのが全録レコーダーの圧倒的にラクなところだ。

タイムシフトマシン搭載レグザの操作UIとレコーダー機能のいいとこ取り

ここからは、「DBR-4KZ」シリーズの操作UIを紹介していこう。まず、リモコンに目立つ黄色のボタンのある「スタートメニュー」。あまりにシンプルな操作画面だが……実のところ各機能はリモコンから直接飛べるので、この画面を使う必要はあまりない。ちなみに、この画面は以前からあるレグザブルーレイの画面に似ている。

「DBR-4KZ200」の付属リモコン。レコーダーより4Kテレビのレグザに似ている

「DBR-4KZ200」の付属リモコン。レコーダーより4Kテレビのレグザに似ている

リモコンの黄色ボタンから呼び出せるシンプルなスタートメニュー

リモコンの黄色ボタンから呼び出せるシンプルなスタートメニュー

「DBR-4KZ」シリーズを使い始めて、圧倒的に利用する機会の多い画面が「過去番組表」。タイムシフトマシンを愛用しているユーザーにはおなじみの機能だ。一般的な番組表と見た目はとても似ているが、そのすべての番組がHDD上に録画済みで全部アクセス可能という点が異なる。この過去番組表が、正直言って4Kレグザの全録対応モデルの過去番組表の操作UIにソックリなのだ。“ソックリ”というのは褒め言葉で、画面は見やすいしレスポンスも高速、リモコンの上下左右のページ送りもでき操作性も優秀。全録対応の4Kレグザ現役ユーザーとしては、“ついにレコーダーが、テレビとまったく同じ操作UIになった”と安心した。

過去番組表のデザインはタイムシフトマシン4Kレグザによく似ている

過去番組表のデザインはタイムシフトマシン4Kレグザによく似ている

過去番組表の番組を選ぶともちろん番組を再生できるが、再生がスタートすると……画面左下に「再生コース切替」と表示されて、「らく早見」などの機能を使える。これはレグザブルーレイが以前から搭載している強力な早見再生の機能だが、「DBR-4KZ」シリーズでは全録した番組にも使える。「らく見」を使うと番組本編のみを再生するのでスキップいらずだし、「らく早見」では1.3倍/1.5倍再生も可能、さらに「飛ばし見」なら強制的に5分間にダイジェスト化。これは結構スゴイ。

HDD上の番組を再生する際にはらく早見などの機能も利用可能

HDD上の番組を再生する際にはらく早見などの機能も利用可能

それから、タイムシフトマシン搭載レグザにあった「シーン検索」の機能も使える。全録などの録画番組に対して、クラウドから番組コーナーごとのチャプター情報を引っ張ってきており、お気に入りのシーンに素早く飛んで再生できる。クラウド……と言いつつ人力作成なので放送後2〜3時間のタイムラグがあるが、ニュースやバラエティ、音楽番組の視聴の効率がアップすること間違いなしだ。

シーン検索を使うと、番組のコーナーなどを目次化して素早くジャンプできる

シーン検索を使うと、番組のコーナーなどを目次化して素早くジャンプできる

このほか、「見るコレ」機能も新たに利用できるようになった。これはテレビのレグザで発展してきたクラウド機能で、視聴履歴などを元に録画番組をレコメンドしてくれるというもの。「DBR-4KZ200」で使うと、全録で録画済みの番組からもレコメンドしてくれるので、新しい発見がある。ここまで使った時点で「DBR-4KZ」シリーズって、テレビの全録と4Kレコーダーのいいとこ取りをしてるんじゃ?と思い始めてきた。

AIなどでおすすめ番組をピックアップする見るコレも利用可能

AIなどでおすすめ番組をピックアップする見るコレも利用可能

4K放送のBD保存も対応。チャプター編集によるカットもできる

「DBR-4KZ」シリーズは通常の録画予約の機能も利用可能だ。全録のレコーダーだし、全録の番組を過去番組表から通常録画領域に保存する機能もあるので通常の録画予約なんて……と思ってしまうが、4K放送は全録の対象ではないので、必要に応じて手動で録画予約をすることになる。なお、4K放送は長時間録画に対応せず、4K DRモードのみ対応となる。ちなみに、地デジなどの2K録画モードはAF(2倍)/AN(3倍)/AS(4倍)/AL(5.5倍)/AE(16倍)に対応。ただし2K録画の長時間モードはリアルタイム圧縮ではなく後変換の形になる。

4K放送の番組は4K DRモードで録画。ちなみに2番組同時録画中は番組視聴ができなくなる

4K放送の番組は4K DRモードで録画。ちなみに2番組同時録画中は番組視聴ができなくなる

4K放送などの通常録画番組もらく見を利用できる

4K放送などの通常録画番組もらく見を利用できる

もうひとつ、忘れてはいけないレコーダーらしい機能がBD-Rメディアへの保存だ。「DBR-4KZ」シリーズは2K、4Kの番組ともBDメディアにダビングして保存できる。保存にこだわる人となると「カットして保存は可能か?」と気になるところだが、結論としては「DBR-4KZ」シリーズではカットして保存も可能。「DBR-4KZ」シリーズには単純なA-B消去や分割機能はないが、チャプター編集によって自動チャプターの働く本編とCMの間以外にも編集点の追加が可能。そして、ダビングの際に1タイトル内の指定したチャプターのみを保存できるので、実質的にカットできるというわけだ。ちなみに、単純に本編のみ残すだけなら「おまかせダビング」で半自動化できる。

BDレコーダーなので録画番組はもちろんBDに保存可能

BDレコーダーなので録画番組はもちろんBDに保存可能

編集機能はチャプター編集系の機能が充実

編集機能はチャプター編集系の機能が充実

チャプター選択ダビングによって実質的なカットも可能

チャプター選択ダビングによって実質的なカットも可能

久々にレグザブルーレイを試してみたが、自分で事前に予想していた以上に気に入った。理由はハッキリしていて、まず全録レコーダーとしての機能が薄型テレビの4Kレグザが基本になっていて、レスポンスも操作性も優秀であるということ。レグザブルーレイの古い操作UIが一掃され、とにかくストレスがない。らく見を始めとしたレコーダーの機能も取り込み、とにかく完成度が高い。他社と比べると4K長時間録画に対応しない点や、スマホによる録画番組視聴がないところが弱点となるが、全録によってテレビ視聴を快適するという思想がハッキリしている。

独自の連携機能として、ネットワークによる「レグザリンク・シェア」も用意されており、テレビ側の機能として全録機能搭載モデルとして使用可能。レグザユーザーは元から「DBR-4KZ」シリーズに近い操作UIを搭載しているわけで、迷わず導入できるはずだ。

ただ、これをレグザユーザーだけのものにしておくのはもったいない。全録やレグザの操作UIに縁のなかった他社製テレビユーザーも、ぜひ「DBR-4KZ」シリーズを使って、その便利さ、快適さを体験してみてほしい。

折原一也

折原一也

PC系版元の編集職を経て2004年に独立。モノ雑誌やオーディオ・ビジュアルの専門誌をメインフィールドとし、4K・HDRのビジュアルとハイレゾ・ヘッドフォンのオーディオ全般を手がける。2009年より音元出版主催のVGP(ビジュアルグランプリ)審査員。

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