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“究極の4K録画再生機”を目指したパナソニックプレミアム4Kディーガ「DMR-ZR1」堂々誕生

圧倒的な物量と独自の高画質・高音質設計で大きな話題を呼んだ、パナソニックのハイエンドUHD BDプレーヤー「DP-UB9000 (Japan Limited)」(以下、UB9000)。そんなUB9000の高画質・高音質技術を発展進化させて最新の4Kレコーダーと融合し、画質・音質を追求した“ハイエンド4Kレコーダー”という新たなジャンルを開拓する新製品、プレミアム4Kディーガ「DMR-ZR1」(以下、ZR1)が発表された。

プレミアム4Kディーガ「DMR-ZR1」。発売は1月下旬で、市場想定価格は36万円前後

プレミアム4Kディーガ「DMR-ZR1」。発売は1月下旬で、市場想定価格は36万円前後

ブルーレイディーガ15年の技術蓄積と、高級プレーヤー/高級アンプ/ハリウッド連携/テクニクス連携で培ったDNAを生かし、UB9000を大きく超える再生能力を備えた“究極の4K録画再生機”を目指して開発されたZR1の特徴を詳しく解説していこう。

UB9000と同じ筐体設計。デジタル/ドライブ系に物量を集中投下してベースの画音質をアップ

UB9000から3年ぶり、ブルーレイレコーダーのプレミアムモデルとしては「DMR-UBZ1」以来6年ぶりに登場したZR1。こちら、概要を端的にまとめると、UB9000からアナログ出力系をなくした代わりに4Kレコーダー機能を搭載し、パッケージのディスクメディアはもちろん、レコーダー機能で録画した番組でも、レコーダー内蔵の動画配信サービス経由の動画でも、ありとあらゆるソースのコンテンツを高音質・高画質で楽しめる、文字通り“究極の4K録画再生機”というコンセプトを体現した製品となっている。

筐体部分は、7mm厚のフロントパネルや3層構造のドライブベース、センタードライブ構成や4層構造ベースシャーシなど、UB9000をほぼそのままの形で踏襲している。いっぽう、内部設計については、アナログ出力系を廃止した利点を生かし、アナログオーディオ基板のあった部分にHDDドライブを格納するとともに、アナログ系で使用していた電源のスペースを活用してデジタル専用電源とドライブ専用電源を分けて搭載。ドライブノイズを完全にセパレートすることで、基本的な画音質アップを狙ったという。

左がZR1、右がUB9000。ほかの4Kディーガと合わせるため、フロントからプレーヤー系のボタン類がなくなり、ディスプレイがやや大型化しているが、サイズ感はUB9000とまったく同じ

左がZR1、右がUB9000。ほかの4Kディーガと合わせるため、フロントからプレーヤー系のボタン類がなくなり、ディスプレイがやや大型化しているが、サイズ感はUB9000とまったく同じ

筐体の基本的な部分は、UB9000をほぼそのままの形で踏襲

筐体の基本的な部分は、UB9000をほぼそのままの形で踏襲

レコーダーのHDDについてはディスクドライブの後方にレイアウトされている

レコーダーのHDDについてはディスクドライブの後方にレイアウトされている

ドライブ系で発生するノイズが回り込まないように、電源はデジタル専用電源とドライブ専用電源を完全にセパレートするとともに、それぞれの電源容量にも余裕を持たせたという

ドライブ系で発生するノイズが回り込まないように、電源はデジタル専用電源とドライブ専用電源を完全にセパレートするとともに、それぞれの電源容量にも余裕を持たせたという

また、D/Aコンバーターなどのアナログ系がなくなったことで、回路資源をデジタル系に集中投下したのもポイント。システム用クロックには、UB9000比で約15dB改善したという超低位相ノイズ水晶発振器を採用。こちらは、あまりにも超高性能で軍事転用される可能性があるため、輸出規制がかかるほどのものになるそうだ。ほかにも、AVクロック用に超低ジッターPLLを採用したり、クロック近くに専用のチップフィルムコンデンサーやローカルレギュレーターを搭載したり、LAN端子に外付けの超低ジッター水晶発振器を搭載したり、USBやHDMIの入出力回路にUSBパワーコンディショナー回路(ルビーマイカコンデンサー+炭素被膜抵抗)を導入するなど、徹底したノイズ対策を実施。クロックジッターはもちろん、外部端子からの回り込みノイズにも対策を入れることで、S/Nの高い映像・サウンドを実現したという。

特に同軸出力については、出力トランスを搭載し、シャーシGNDから分離させ、シールド分離型同軸端子を採用するなど、テクニクスのリファレンスシリーズ「SU-R1」と同等の出力回路を採用。高性能な外部DACを組み合わせたハイエンドオーディオシステムのオーディオトランスポートとしても十分活用できるクオリティに仕上げたそうだ。

システム用クロックには、UB9000比で約15dB改善したという超低位相ノイズ水晶発振器を採用。AVクロック用にも超低ジッターPLLを採用し、徹底したノイズ対策を実施している

システム用クロックには、UB9000比で約15dB改善したという超低位相ノイズ水晶発振器を採用。AVクロック用にも超低ジッターPLLを採用し、徹底したノイズ対策を実施している

フロントのUSBポートだけでなく、HDMIポートにもUSBパワーコンディショナー回路を搭載し、外部接続機器由来のノイズ影響をシャットアウト

フロントのUSBポートだけでなく、HDMIポートにもUSBパワーコンディショナー回路を搭載し、外部接続機器由来のノイズ影響をシャットアウト

LAN端子の周辺回路。UB9000ではIC内部のものをそのまま用いていたが、ZR1では外付けの超低ジッター水晶発振器を搭載し、クロックジッターを徹底的に抑制

LAN端子の周辺回路。UB9000ではIC内部のものをそのまま用いていたが、ZR1では外付けの超低ジッター水晶発振器を搭載し、クロックジッターを徹底的に抑制

ZR1の背面インターフェイス。同軸出力は、テクニクスのリファレンスシリーズ「SU-R1」と同等の部材・回路設計を採用するなど、かなりこだわっている

ZR1の背面インターフェイス。同軸出力は、テクニクスのリファレンスシリーズ「SU-R1」と同等の部材・回路設計を採用するなど、かなりこだわっている

ブルーレイレコーダーということで、記憶デバイスのHDDによる振動も気になるところだが、こちらについては低回転で音質的にもよい高品位なHDDを選定して採用するとともに、3.2mmと0.8mmの鋼板を張り合わせたHDD専用ドライブベースにビス止めして搭載することで、徹底した振動対策を行ったという。

HDDの選定はもちろん、HDDの固定部材や固定方法に至るまで、内蔵HDDの制振対策はかなり手を入れている

HDDの選定はもちろん、HDDの固定部材や固定方法に至るまで、内蔵HDDの制振対策はかなり手を入れている

ソフトウェア処理による画質・音質の新機能も満載!

ここまで、ハードウェアを中心にZR1の特徴を紹介してきたが、ここからはデジタルAV信号処理、いわゆるソフトウェア的なアプローチでの画音質強化について触れていこう。

ブルーレイレコーダーとしても使えるZR1で、まず注目したい画質面での新機能が、4K放送の映画やドラマなどをオリジナルのフレームレートに変換して出力する「4K/24p・4L30p変換出力」。ZR1では、UB9000同様に独自の「4Kリアルクロマプロセッサplus」が搭載されているのだが、4K放送はHDMI伝送能力の制限でクロマアップサンプリング出力に制限がかかってしまい、4K/60pが4:2:2/12bit出力となり色信号が間引かれてしまうが、「4K/24p・4L30p変換出力」を使えば、4K/24pや4K/30pの4:4:4/12bitでの出力が可能となり、独自の「4Kリアルクロマプロセッサplus」のアップサンプリング性能を最大限に活用できるというわけだ。

実際に4K放送のドラマコンテンツを同モードのON/OFFで見比べてみたが、画質性能をフレームレートではなく階調性に振ったことで、人の肌や自然光が反射する紅葉や木の縁側の細部の階調表現がグンとよくなり、全体的にヌケのよい映像に仕上がっていた。4K放送だけでなく、1080/60iのハイビジョン放送にも使えるそうなので、録画番組の視聴にぜひ積極的に活用していきたい機能だ。

4K放送の映画やドラマなどをオリジナルのフレームレートに変換して出力する「4K/24p・4K/30p変換出力」

4K放送の映画やドラマなどをオリジナルのフレームレートに変換して出力する「4K/24p・4K/30p変換出力」

4K/30p 4:4:4/12bit出力の威力はかなりのもので、4K/30p変換出力をONにすると階調表現がグンとよくなる

4K/30p 4:4:4/12bit出力の威力はかなりのもので、4K/30p変換出力をONにすると階調表現がグンとよくなる

放送コンテンツ系の画質機能でもうひとつ注目したいのが、「映像字幕の輝度低減機能」だ。これまでもパッケージメディアでは字幕データの輝度を調整できたが、ZR1では独自のアルゴリズムで映像を解析し、映像データそのものに字幕を埋め込んだ放送波コンテンツでも画面下に表示されている字幕のみを高度に抽出して輝度を3段階で調整できるようになっている。暗いシーンの映像字幕がまぶしくて困るという人にとっては待望の機能と言えそうだ。

ZR1で追加された「映像字幕の輝度低減機能」。効果は3段階から選べる。一番下の機能OFFの状態と比べると、画面自体のまぶしさはもちろん、ラックに反射する光の量もかなり低減されていることがおわかりいただけるだろう

ZR1で追加された「映像字幕の輝度低減機能」。効果は3段階から選べる。一番下の機能OFFの状態と比べると、画面自体のまぶしさはもちろん、ラックに反射する光の量もかなり低減されていることがおわかりいただけるだろう

UB9000でも好評だった、「ダイナミックレンジ調整」や「システムガンマ調整」といった画質のカスタマイズ機能も引き続き搭載されている。新たに、システムガンマの調整精度がUB9000の±6段階から2倍の±12段階に向上し、より細かく画質を追い込むことができるようになったほか、ダイナミックレンジ調整を行うだけでシステムガンマの値が自動的に連動して設定される「ダイナミックレンジ/システムガンマ連動調整モード」が新たに追加され、画質調整がより簡単に行えるようになっている。

また、ZR1では動画配信サービスを視聴中でも画質/音質のカスタマイズ機能が行えるようになったのも見逃せない。さらに、Amazonプライム・ビデオ限定にはなるものの、4K/24p出力に対応し、映画本来の画質を楽しめるという点も映画ファンにとってはうれしいポイントと言えるだろう。

ダイナミックレンジ調整を行うとシステムガンマの値が連動して設定される「ダイナミックレンジ/システムガンマ連動調整モード」。画質を追い込む際に地味に便利な機能だ

ダイナミックレンジ調整を行うとシステムガンマの値が連動して設定される「ダイナミックレンジ/システムガンマ連動調整モード」。画質を追い込む際に地味に便利な機能だ

画質面の話題が多かったが、もちろん音質面でもいろいろと強化されている。たとえば、デジタル音声出力。これまでの4Kディーガは4K放送のMPEG4-AAC音声のビットストリーム出力ができなかったが、ZR1ではついにMPEG4-AAC音声のビットストリーム出力が可能となった。

また、業界初となる4K放送の22.2ch音声をDolby Atmos信号に変換して出力する「22.2ch⇒Dolby Atmos変換」機能も注目機能のひとつだ。4Kディーガは4K放送の録画データに22.2ch音声のデータを保持しているが、ZR1ではこの22.2chの信号データをMPEG-4AACストリーム出力ではなく、レコーダー側でPCMにフルデコードし、Dolby Atmos用スピーカーシステムに割り当てるメタデータ情報とともに送り出すことができるようになっている。22.2chの立体的な音場空間を、Dolby Atmosは受けられるが22.2ch信号はフルデコードできない一般的なAVアンプを中心としたサラウンドシステムでも楽しめるというのはZR1ならではの大きな特徴と言えるだろう。

4K放送の22.2ch音声をDolby Atmos信号に変換して出力する「22.2ch⇒Dolby Atmos変換」機能。Dolby Atmos対応のAVアンプを使ったシステムで22.2chの立体的な音場空間を楽しめるのは画期的だ

4K放送の22.2ch音声をDolby Atmos信号に変換して出力する「22.2ch⇒Dolby Atmos変換」機能。Dolby Atmos対応のAVアンプを使ったシステムで22.2chの立体的な音場空間を楽しめるのは画期的だ

4Kレコーダーとしての機能はほぼ2021年モデルだが、一部に新機能あり

最後に、ZR1のブルーレイレコーダーとしての機能について紹介していこう。

最初に結論から言ってしまうと、4Kレコーダーの基本機能としては、2021年発売の4Kレギュラーディーガとほぼ同じだ。4Kトリプルチューナー仕様なので、4K放送は3番組同時録画に対応。内蔵HDDは6TBで、4K DRモードでは約390時間録画できる。2021年発売の4Kレギュラーディーガで搭載された、ジャンル(アニメ/ドラマ)と時間帯(朝/午後/ゴールデン/深夜)を指定するだけで最大3chまで自動録画してくれる「お撮りおき」機能や、情報量をアップして見やすくなった「新 ジャンル別録画一覧」、2K/4Kの1.3/1.6倍再生機能などもすべて搭載する。

4Kトリプルチューナー仕様で、4K放送は3番組同時録画に対応

4Kトリプルチューナー仕様で、4K放送は3番組同時録画に対応

2021年モデルの4Kディーガ同様、最大3chまで自動録画してくれる「お撮りおき」を利用できる

2021年モデルの4Kディーガ同様、最大3chまで自動録画してくれる「お撮りおき」を利用できる

いっぽう、ZR1のみの新機能となるのが、4K長時間録画の「1.3倍モード」の追加だ。4K DRモードではBD-R/25GBディスクに2時間番組をダビングする際に微妙に収まらないケースが多いことから、BD-R/25GBディスクに2時間ぴったりダビングできる「1.3倍モード」を追加したという。また、4K長時間録画の画質アルゴリズムについても改善したそうで、動きが少ない映像でビットレートが下がりすぎないよう最適化することで、画質低下をより抑えて録画できるようになったそうだ。

なお、ZR1には、Ultra HD Blu-rayなどのディスクメディア再生時に、音質に影響のあるノイズや振動を低減させるため、HDDやチューナーなどの動作を停止させる「シアターモード」が搭載されているが、「シアターモード」動作中は録画機能が一切動作しなくなってしまうので、あらかじめ録画予約している場合は注意してほしい。

リモコンについては、レコーダー機能が搭載されたこともあり、だいぶデザインが変更されている。ディーガとして初めて自照型となったほか、再生機・録画機としての使い勝手を考慮し、十字キーや再生コントロールボタン近くにレイアウトしていた誤操しやすいボタンを排除したり、ディスクメディア再生中はレコーダーで使うホームや番組表ボタンを無効化するなど、ZR1専用の制御を入れたそうだ。

左がUB9000、右がZR1のリモコン。レコーダー機能が搭載されたこともあり、レイアウトがだいぶ変更されている

左がUB9000、右がZR1のリモコン。レコーダー機能が搭載されたこともあり、レイアウトがだいぶ変更されている

ディーガとして初めて自照型リモコンとなり、暗室での視聴が快適に行えるようになったのもポイントだ

ディーガとして初めて自照型リモコンとなり、暗室での視聴が快適に行えるようになったのもポイントだ

このほか、リモコンの「iボタン」から呼び出せる再生コンテンツの情報表示機能も強化。簡易表示、詳細表示、詳細表示&メタデータ表示の3段階で表示内容を切り替えできるほか、パッケージのディスクメディアだけでなく、HDDの録画番組、ディスクに保存した録画番組、動画配信サービスの再生(一部表示のみ)でも表示できるようになったそうだ。

情報表示機能(簡易表示、iリモコン1回押し)。画面上部と右下の2か所でさりげなく表示してくれる

情報表示機能(簡易表示、iリモコン1回押し)。画面上部と右下の2か所でさりげなく表示してくれる

情報表示機能(詳細表示、iリモコン2回押し)。画面上部の表示エリアが拡大して、より詳しい情報を確認できる

情報表示機能(詳細表示、iリモコン2回押し)。画面上部の表示エリアが拡大して、より詳しい情報を確認できる

情報表示機能(詳細表示&メタデータ表示、iリモコン3回押し)。輝度情報などの詳細なメタデータも確認できるようになる

情報表示機能(詳細表示&メタデータ表示、iリモコン3回押し)。輝度情報などの詳細なメタデータも確認できるようになる

まとめ

発売当時、持てるすべての技術を投入して最高の高画質・高音質を実現したUB9000の発売から約3年の時を経て、満を持して投入されるZR1。UB9000は1台でデジタルとアナログの両方を高画質・高音質で楽しめるというコンセプトがゆえに、デジタル部分での追い込みにいくつかの制約があったそうだが、ZR1では思い切ってアナログを切り捨て、電源・回路・筐体に物量を集中投下してさらに追い込むことで、UB9000を超える高画質・高音質を実現してきた。だが、ひと言で画質・音質をアップさせるといっても、言うは易く行うは難しなわけで、そこをしっかりと製品に落とし込んで実現できたのは、長年の製品開発を続けてきたパナソニックの技術的バックボーンがあってこそだろう。価格は36万円と決して安くはないが、画質・音質にとことんこだわるユーザーなら、導入する価値は大いにありそうだ。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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