ソニーから、Bluetoothスピーカーの新モデル「SRS-XE200」「SRS-XE300」「SRS-XG300」が発表された。いずれも、中高域から低域まで、バランスのとれた音質とクリアなボーカルでさまざまなジャンルの楽曲を楽しめるXシリーズにラインアップされる製品だ。7月8日発売で、市場想定価格は「SRS-XE200」が18,000円前後、「SRS-XE300」が24,000円前後、「SRS-XG300」が34,000円前後となっている。
今回登場する「SRS-XE200」「SRS-XE300」は、コンサートやライブ会場などで遠く広く音が届けられるよう線音源を作り出しているラインアレイスピーカーから着想を得て開発したという独自構造「Line-Shape Diffuser(ラインシェープディフューザー)」を採用。線音源を実現することで、均一な音量・音圧のサウンドを広く遠く届け、スピーカーの正面以外の場所でリスニングする場合も高音質で楽しめるように開発された新機軸のBluetoothスピーカーとなっている。なお、Xシリーズの中でも、「Line-Shape Diffuser」を搭載した「SRS-XE200」「SRS-XE300」は、XEラインとして展開される。
ソニー「SRS-XE300」(写真左)と「SRS-XE200」(右)
通常のBluetoothスピーカーと異なり、「Line-Shape Diffuser」を採用するXEシリーズでは、スピーカーユニットのフロントに、独自のディフューザーを搭載。縦置き時にモノラル駆動する「X-Balanced Speaker Unit」から放出される音を水平方向に扇状に拡散させることで、コンパクトなボディでも広いリスニングエリアをカバーできるという仕組みだ。ディフューザーには、2つのスピーカーユニットから出る音の共振を防ぐさまざまな工夫を盛り込んでいるそうだ。
スピーカーユニットのフロントに、独自のディフューザーを搭載したユニークな構造を採用
扇状に広がる線音源を実現することで、均一な音量・音圧のサウンドを広く遠く届けられるのがポイント
ちなみに、同社は音の広がりを特徴とするBluetoothスピーカーを多数展開しているが、360 Reality Audioに対応した「SRS-RA5000」や「SRS-RA3000」は、水平かつ高さ方向にも音が広がり部屋を包み込むような音が特徴、有機ガラス管を震わせて音を生み出すグラスサラウンドスピーカー「LSPX-S3」は水平方向に音が広がり、弦楽器に近い音の出し方で楽器の音色や響きに特徴がある。今回登場したXEラインの「SRS-XE200」「SRS-XE300」については、リスニングエリアがとにかく広く、正面からやや離れたところでも音量・音圧の減衰が少ないというメリットを生かし、気軽に設置し、BGM的にながら聴きを行うのに最適なモデルになっているそうだ。
実際に「SRS-XE200」と「SRS-XE300」で音楽リスニングを体験してみたが、水平方向でのリスニングエリアは確かに広い。真正面だけでなく、スピーカーからある程度角度のついた状態や、スピーカーからの距離が多少離れた場合でもしっかり明瞭なサウンドが耳に入ってくる。1台でかなり広いスペースをカバーできるので、大人数の集まる屋外でのパーティーなどにも活躍しそうだ。いっぽう、垂直方向のリスニングエリアについては、座った状態から立ち上がった時のようにスピーカーと耳の高さが極端にずれると多少音圧が下がる印象があった。ただ、本体そのものが小型で取り回しがしやすいので、このあたりは設置場所をうまく工夫すれば回避できそうだ。
なお、ここまで紹介してきた広いリスニングエリアをカバーする「Line-Shape Diffuser」による音楽体験は、独自のモノラルモードにより実現しており、「SRS-XE200」「SRS-XE300」を縦置きした場合に最も効果が出るようになっている。本体を横置きした際は、専用アプリ「Music Center」からステレオ再生に切り替えることで、単体でステレオ再生を楽しむことも可能だ。また、製品を2台用意して縦置きの広大なリスニングエリアのままステレオ再生を楽しめる「Stereo Pair」や、最大100台まで接続可能な「Party Connect」にも対応している。
さらに、ストリーミングサービスなどのさまざまな圧縮音源を広がりのある音で楽しめるように、アップコンバート機能「DSEE」も搭載。コーデックも、SBCだけでなく、AACやLDAC(LDACはステレオ再生時のみ)もサポートした。ほかにも、「SRS-XE200」「SRS-XE300」を活用してオンライン会議や通話を快適に行えるように、エコーキャンセリング機能や同時会話した際の音切れを改善させた高性能ハンズフリー機能を搭載。本体の物理ボタンでマイクのオン/オフを切り替えできるよう、背面にはマイクミュート専用の物理ボタンも用意されている。
電源ボタンなどの物理ボタンは背面に搭載。マイクミュート機能も本体から直接操作できる
本体は「Line-Shape Diffuser」の構造を生かし、角を丸めた特徴的な五角柱デザインを採用。シリコン素材とファブリック素材を組み合わせ、手になじみやすいデザインに仕上げたそう。水回りやアウトドアシーンでも使えるIP67の防じん・防水に加え、防さびにも対応する。カラーバリエーションは、「SRS-XE200」がブラック/ライトグレーブルー/オレンジの4色、「SRS-XE300」がブラック/ライトグレー/ブルーの3色をラインアップ。「SRS-XE200」には持ち運びに便利なストラップも付属する。
五角柱形状のユニークな本体デザインを採用
持ち運ぶ際の手にしっかりとなじむように、ファブリック素材とシリコン素材を組み合わせたそうだ
「SRS-XE200」は全4色のカラーバリエーションをラインアップ
「SRS-XE200」は本体と同系色のストラップも付属する
「SRS-XE300」は全3色のカラーバリエーションを用意
「SRS-XE200」と「SRS-XE300」は、IP67の防じん・防水に加え、防さびにも対応
バッテリー性能は、「SRS-XE200」が最大16時間、「SRS-XE300」が最大24時間。周囲のノイズにより聞こえにくくなる低温を自動的にカットすることで、音質の変化を最小限に抑えつつ、バッテリー駆動時間を延ばす「外音ノイズセンシング」や、約10分の充電で約70分再生可能な急速充電機能なども備わっている。
「SRS-XG300」は、2021年に発売された「SRS-XG500」の弟分的な立ち位置のBluetoothスピーカーで、Xシリーズの中でも特にパワフルなサウンドを特徴とするXGラインとして展開される。
ソニー「SRS-XG300」。カラーバリエーションは、ブラックとライトグレーの2色をラインアップ
「SRS-XG500」に比べるとだいぶコンパクトに仕上がっているが、約61×68mmのウーハー2基(X-Balanced Speaker Unit」、直径20mmのツイーター2基による2Wayスピーカーシステムを採用。ウーハーとツイーターをそれぞれ独立したアンプで駆動させるバイアンプ構成を採用し、広域と低域の分担を明確に分けることで、幅広いジャンルに対応した高音質を実現したという。また、本体側面にはデュアルパッシブラジエーターを搭載。剛性の高いエンクロージャーとの組み合わせにより、切れと存在感のある低音で臨場感のある迫力サウンドを実現したそうだ。
サウンドモードは、低音を強化することで、迫力のある重低音が楽しめる「MEGA BASS」モード、DSP処理で歓声や拍手、余韻成分を効果的に拡散し、ライブ会場にいるような臨場感のあるサウンドを再現する「LIVE SOUND」モードを搭載しており、前者は本体ボタンまたは専用アプリ「Music Center」から、後者は「Music Center」から切り替え可能。アップコンバート機能「DSEE」も搭載している。
迫力のある重低音が楽しめる「MEGA BASS」モードを搭載
本体は、持ち運びに便利な格納式ハンドルを装備。IP67の防じん・防水にも対応する。左右のパッシブラジエーター部分には、ライティング機能も用意。コーデックは、SBC/AAC/LDACをサポートする。外部入力端子は、ステレオミニジャック×1。バッテリー性能は最大25時間(MEGA BASSモード、音量を約24で使用)だ。
本体上部に格納式のハンドルを用意
側面のパッシブラジエーター部にライティング機能を搭載
外部入力端子は、ステレオミニジャック×1を用意
PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。