レビュー

Google初のANC対応! 「Pixel Buds Pro」の実力はいかに?

Googleは2022年7月28日、完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds Pro」を発売した。新たにタッチ操作による音量調整やアクティブノイズキャンセリング(ANC)に対応したことが特徴で、外部音取り込みやマルチポイント接続などもサポートする。公式ストアでの価格は23,800円(税込)。本記事では、実際に同機を試用し、その使用感や音質などについてチェックした。

Googleの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「Google Pixel Buds Pro」の実力は?

Googleの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「Google Pixel Buds Pro」の実力は?

「Google Pixel Buds Pro」とは?

「Pixel Buds」は、米Google製の完全ワイヤレスイヤホンシリーズのひとつだ。シリーズの系譜を振り返っておくと、初代「Pixel Buds」は2017年秋に発売されたものの、日本国内では未発売だった。その後、2020年夏に「Pixel Buds」(第2世代)が日本上陸を果たし、2021年夏には価格を抑えた「Pixel Buds A-Series」も発売されている。今回試用した「Google Pixel Buds Pro」は、これらの後継機に相当する。

「Google Pixel Buds Pro」のパッケージ

「Google Pixel Buds Pro」のパッケージ

充電ケース+イヤホン本体、イヤーピース、説明書類が同梱される

充電ケース+イヤホン本体、イヤーピース、説明書類が同梱される

冒頭でも述べた通り、「Google Pixel Buds Pro」の価格は23,800円。シリーズ初のANC対応や、タッチ操作による音量調節をサポートするなど、同シリーズにおけるフラグシップらしい高機能なモデルだ。

昨今では、1万円未満でもANC対応製品があるので、2万円台の本製品は完全ワイヤレスイヤホンとしてはやや高価な部類に入る。それでも、アップルの「AirPods Pro」(アップルストア価格税込38,800円)などと比べれば安価だ。機能面で違いはあるものの、「Google Pixel Buds Pro」は、フラッグシップモデルとしてコストパフォーマンスがよい選択肢と言えるだろう。

外観のチェック

「Google Pixel Buds Pro」の充電ケースはやや平べったい楕円形。ベースは白色で、ヒンジ部を除いたフタの境界線が黒くなっている。ケースのサイズは、50(幅)×63.2(高さ)×25(厚さ)mmだ。

サイズ感は鶏卵よりは少し大きいくらいだ

サイズ感は鶏卵よりは少し大きいくらいだ

正面にはLEDインジケーターがついており、蓋の開閉や充電ケーブルの接続などに連動して光る。充電は、USB Type-Cポートにケーブルを接続するか、Qi規格のワイヤレス充電器に設置するかで行える。

フタを開けるとインジケーターが光る

フタを開けるとインジケーターが光る

充電用のUSB Type-Cポートを底面に搭載

充電用のUSB Type-Cポートを底面に搭載

背面(ヒンジがある側)にはペアリングで使用するボタンも

背面(ヒンジがある側)にはペアリングで使用するボタンも

イヤホン本体のサイズは22.33×22.03×23.72mmで、質量は片方6.2g。イヤホンの形状は、イヤーチップを装着するカナル型。3サイズのチップが同梱されており、取り替え可能だ。従来モデルにあったシリコン製のウィングチップ(耳介にフィットさせるための突起)は備わっていない。通信方式はBluetooth 5.0をサポートする。

イヤホン本体(外面)

イヤホン本体(外面)

イヤホン本体(内面)

イヤホン本体(内面)

なお、充電ケースのカラーは白のみだが、本体のカラーは「フォグ」(水色)、「チャーコール」(黒)、「レモングラス」(黄色)、「コーラル」(オレンジ)の4色から選べる。

防滴性能は、ケースがIPX2、本体がIPX4準拠。本体に関しては、ワークアウトで汗をかいたり、急な雨で少し水滴がかかってしまっても壊れにくい、程度の認識でいるとよいだろう。

ペアリングについて

従来モデルと同様、Android 6以降を搭載したスマートフォンで利用したい場合には、「Fast Pair」(ファストペア)機能が使えるため、ペアリング操作は容易だ。スマートフォンの近くでケースを開けると、スマートフォンの画面にポップアップが表示され、画面指示通り操作することで設定が完了する。いっぽう、iPhoneや他デバイスとペアリングするには、ケース裏面にあるボタンを長押しすることでペアリングモードに切り替えられる。

「Fast Pair」で簡単に接続できる

「Fast Pair」で簡単に接続できる

なお、以降の検証手順は、「Google Pixel Buds Pro」を「Pixel 6a」に接続した場合の画面・手順を元にしている。

設定と基本の操作

「Google Pixel Buds Pro」に関する設定は、Bluetooth設定画面(接続済みのデバイス)から行える。接続したイヤホンの欄にある設定アイコンをタップすると、設定画面が開く。

歯車のアイコンをタップすると(左)、設定画面が起動する(右)

歯車のアイコンをタップすると(左)、設定画面が起動する(右)

たとえば、長押し操作時の挙動をカスタマイズしたり、紛失したデバイスから音を鳴らしたり、イヤーチップのフィット感をカスタマイズしたり、といった操作を実行可能だ。

また、Googel製スマートフォン「Pixel 6a」に接続した状態では、デフォルトで「HDオーディオ」がオンになっており、AACコーデック(圧縮率はSBCと変わらないがSBCよりも低遅延・高音質なコーデック)が使われていた。いっぽう、クアルコムが規格化した「aptX HD」やソニーが規格化した「LDAC」など、高音質コーデックには非対応だ。

「Google Pixel Buds Pro」の「G」のロゴマークが刻印されている面には、タッチセンサーが搭載されていて、指先でタップ操作することで再生・停止などのコントロールが行える。このタッチによる本体のコントロールは、設定画面の「タップ操作」という項目がオンになっていると使用可能。デフォルトでは同スイッチはオンになっており、不要な場合にはオフにも切り替えられた。

「G」のロゴ面にタッチセンサーを搭載

「G」のロゴ面にタッチセンサーを搭載

具体的には、シングルタップで再生・一時停止や電話に出る、ダブルタップで次のトラックに進むまたは通話拒否、トリプルタップで前のトラックに戻るといった操作が可能だ。また、前方にスワイプで音量アップ、後方にスワイプで音量ダウンも行える。

そのほか、長押し時の挙動についてはカスタマイズも可能で、ANCのオン・オフ切り替え、またはアシスタントの起動を割り当てられるようになっている。なお、このアシスタントの起動とは、時刻や通知の有無を教えてくれる機能だ。たとえば、Gmailにメールが届いている場合には、その件数あるいは件名を読み上げてくれた。通知音が鳴った際に、長押しすることで、こうした情報を確認できる。

装着感と音質について

実際に耳に装着してみると、耳介にすっぽり収まるタイプのイヤホンとして、耳元での存在感は標準的だと感じた。フィット感は良好で、ワークアウト中に装着しても問題ないだろう。ただし、当然耳の形によっても個人差はある部分だとは思う。

装着した様子

装着した様子

スワイプによる音量調整機能は、電車内で使用するときや、家事をしていて手元にスマートフォンがないようなときのとっさの音量調整で重宝する。ただし、しっかり装着していないと、耳元でイヤホンがぐらつくので、落下には気をつける必要があるだろう。

音質については、「Google Pixel Buds Pro」が11mm口径の大型ドライバーを搭載していることもあり、特に低音に迫力のあるサウンドを楽しめた。アップル「AirPods」など、フラットで高音の解像感が高い音作りのイヤホンと比べると、「Google Pixel Buds Pro」では低音がズンズンと迫ってくる印象を受ける。いっぽう、曲によっては低音の存在感が増すことで、一部の音域が混み合った印象にも感じることはありそうだ。音作りについては、好みが分かれるかもしれない。

もしサイズが合わないときには、同梱されている別サイズのイヤーピースに取り替えよう

もしサイズが合わないときには、同梱されている別サイズのイヤーピースに取り替えよう

メニューにある「イヤーチップのフィット感の確認」を行っておこう

メニューにある「イヤーチップのフィット感の確認」を行っておこう

たとえば、筆者としては、オーケストラやジャズを聴く場合は低音域のパートがはっきり聞こえて高い臨場感で楽しめたが、エレキベースが強調されるロック調の曲だと低音が目立ちすぎて少し気になることもあった。

ちなみに、低音と高音を強調して、小さい音量でも聞こえやすくするという「ボリュームEQ」という機能も備わっている(「設定」アプリ→「接続済みのデバイス」→「デバイスの詳細」→「音」→「ボリュームEQ」)。筆者の耳では、オン・オフを切り替えても差異をうまく認識できなかったが、耳の負担を下げるためには有効にしておいてもよいだろう。

そのほか、2022年後半にはアップデートによって立体音響への対応も予告されており、今後の動向にも期待がかかる。

ANC(アクティブノイズキャンセリング)について

「Google Pixel Buds Pro」のANCでは、耳の形状に合わせて消音効果を最適化するGoogle独自の「Silent Seal(サイレントシール)」技術が機能している。ANCを有効にするには、先述の設定画面から「音」を選び「ノイズキャンセル」モードを選択するか、タッチセンサーの長押しをすればよい。

「ノイズキャンセル」「オフ」「透過」を選択できる

「ノイズキャンセル」「オフ」「透過」を選択できる

ANCを有効にすると、たとえば、エアコンや換気扇が駆動する環境音などはほぼ聞こえなくなる。シンクで洗い物をするときの水の流れる音や、電動髭剃りを使ったりしたときのノイズなどは、さすがに完全に消えることはないが、それでも高音部以外はほぼ聞こえない状態になる。皿洗いや髭剃り、ドライヤーなどをしながらでも、十分に音楽が楽しめた。通勤・通学で地下鉄に乗るような場合にも、騒音にじゃまされず動画や音楽を楽しんだり、リスニングを行ったりできる。

こうしたANCを使いながらでも耳の負担が少ないことも、「Google Pixel Buds Pro」の特徴だ。一般的に、ANCを有効にすると、気圧が変化したような圧迫感が生じやすい。しかし、「Google Pixel Buds Pro」には、この圧迫感を解消してくれる仕組みが備わっているという。実際にANCを使っていると、圧迫感がゼロになることはないものの、他社製品のそれと比べて幾分かは低減されているように感じ、長時間でも比較的使いやすいと感じた。

また、「透過」モードも用意されている。同モードを有効にすると、ANCとは反対にマイクが外の音を集音して聞こえやすくなる。屋外を歩いている場面などで、安全を確保したり、交通機関の乗り換えアナウンスなどを確認したりするときに、切り替えて使える。

ちなみに、「Google Pixel Buds Pro」はマイクについても、ノイズをしっかり低減してくれる。イヤホンを装着したまま通話や翻訳機能などを利用する際に、重宝するだろう。

バッテリー持ちについて

イヤホン本体の音楽再生可能時間は、仕様表記によれば最長で11時間、ANCをオンにしていた場合には最長7時間となる。充電ケースを併用した場合には、合計最長31時間、ANCありで合計最長20時間の再生が可能だ。終日持ち歩いてもスタミナに不安はないし、国際線の航空機内でも十分頼りになるだろう。

また、イヤホン本体をケースに入れて5分充電すればANCありで音楽再生が1時間使え、15分充電すればANCありで3時間の再生が行えるとされる。今回試用した期間のなかでも、バッテリー持ちが気になることはほぼなかった。この点の不安は特にないと考えてよいだろう。

ちなみに、充電ケース内部の端子はこのような感じ

ちなみに、充電ケース内部の端子はこのような感じ

繰り返しとなるが、「Google Pixel Buds Pro」は、圧迫感の少ないANCや透過モードに対応し、タッチセンサーでの操作や音量調整、通知の確認なども可能だ。そして、重心の低いサウンドを楽しめ、今後は立体音響にも対応する。特にAndroidユーザーにとって、23,800円という価格で入手できる同機は、コストパフォーマンスの高い完全ワイヤレスイヤホンと言えるだろう。

井上晃

井上晃

スマートフォンや、タブレット、スマートウォッチなどを軸に、最新ガジェットやサービスなどについて取材。Webメディアや雑誌を中心に、速報や製品レビュー、コラムなどを寄稿している。Twitter:@kira_e_noway

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