レビュー

Noble AudioのANC搭載完全ワイヤレス「FoKus H-ANC」を「FoKus PRO」と比べてみた

Noble AudioのANC搭載完全ワイヤレス「FoKus H-ANC」を「FoKus PRO」と比べてみた

FoKusシリーズは、Noble Audioの完全ワイヤレスイヤホン「FALCON」シリーズとは異なる音質最優先をコンセプトにしたシリーズであり、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載した2作目が「FoKus H-ANC」である。カラーはブルーとパープルの2色。発売日は9月20日で、市場想定価格は33,000円前後だ。

今回は、新製品の「FoKus H-ANC」を中心に、シリーズ1作目の「FoKus PRO」と比較しながら音質をチェックしてみた。

Noble Audio×Knowles=FoKusシリーズ

FoKusシリーズを語るために忘れてはならないのが、Knowlesの存在である。同社はBAドライバーとMEMSマイクの世界的リーディングカンパニーで、Noble Audioと協力することで、FoKusシリーズを生み出した。その心臓部に使われたのが、補聴器用として生まれたBAドライバーを新たに音楽専用に開発した「RAN」BAドライバー、そして低域専用のφ10mmのダイナミックドライバーである。「FoKus H-ANC」はこれらを組み合わせたハブリッド型を採用している。音決めにはNoble Audioの設立者であり、Wizardの異名を持つ聴覚学者・聴覚専門医のジョン・モールトン博士が参加している。

「FoKus H-ANC」は正面にLEDインジケーターが付いた、アルミ合金外装の充電ケースに収まっている

「FoKus H-ANC」は正面にLEDインジケーターが付いた、アルミ合金外装の充電ケースに収まっている

フェイスプレートはアルミ合金で重さは実測で片方7.5gだった。ANCオンで約8.5時間使える

フェイスプレートはアルミ合金で重さは実測で片方7.5gだった。ANCオンで約8.5時間使える

付属品は充電ケースと取り扱い説明書に加えポーチ、充電用ケーブル、3サイズのイヤーチップ

付属品は充電ケースと取り扱い説明書に加えポーチ、充電用ケーブル、3サイズのイヤーチップ

強力なANCと音の特性のパーソナライズ機能がウリ

搭載されたANCは最大−40dBの抑制効果があり、夏に気になるエアコンの送風音なども完全にカットされた。騒音の大きな地下鉄でも低域のノイズ低減効果は大きく実用的だが、車内アナウンスなどはそのまま聴こえるなど高域に対する効果は抑えめで、逆に言えば外音取り込み機能を使わなくても会話が可能だった。ANCには最も精度の高いフィードフォワード/フィードバック方式を使い、左右3個、合計6個のKnowles製MEMSマイクが使われている。

スマートフォン向けに提供されている「FoKusアプリ」には聴力測定機能があり、この結果を基にイヤホンのイコライジングを自動的に行うパーソナライズ機能が利用できる。自分の耳の特性に合ったイコライジングカーブが手軽に得られ、より高音質を追求できる。実際に試してみると、私の場合は250Hz以下と8kHz以上の耳の感度が低下しているようで、その部分を持ち上げるカーブが得られた。確かにこの補正をイヤホンにかけると、低域の量感がアップして高域のヌケもよくなった。また、このカーブをベースにさらなるカスタマイズも可能だ。

専用アプリを使ってANCの設定、イコライジング、タップ操作のカスタマイズなどができる

専用アプリを使ってANCの設定、イコライジング、タップ操作のカスタマイズなどができる

聴力測定機能は極小音量を聴き取るため静かな場所で行う必要がある

聴力測定機能は極小音量を聴き取るため静かな場所で行う必要がある

測定結果からパーソナライズされたイコライジングカーブを保存できる

測定結果からパーソナライズされたイコライジングカーブを保存できる

音楽ジャンルに合わせてプリセットされたイコライジングカーブも使える

音楽ジャンルに合わせてプリセットされたイコライジングカーブも使える

「FoKus H-ANC」はiPhoneで実力を発揮。「FoKus PRO」はaptX Adaptive対応で高音質志向

音質の違いを知るために「FoKus H-ANC」と「FoKus PRO」を聴き比べてみた。「FoKus PRO」はカスタムイヤモニターをワイヤレス化したいという発想から生まれたFoKusシリーズの初代モデルだ。中高域用のBAドライバー2基とφ8.2mmのダイナミックドライバーを使ったハイブリッド型で、ワイヤレスの高音質コーデックaptX Adaptive(上限48kHz/24bit)に対応している。

比較用に用意した「FoKus PRO」。3ドライバーを内蔵した大きめのハウジングだが、意外にフィット感は良好。カスタムイヤモニを思わせる凝ったデザインのフェイスプレートもおしゃれだ。連続再生時間は7.5時間

比較用に用意した「FoKus PRO」。3ドライバーを内蔵した大きめのハウジングだが、意外にフィット感は良好。カスタムイヤモニを思わせる凝ったデザインのフェイスプレートもおしゃれだ。連続再生時間は7.5時間

aptX HD対応のDAPで再生してみると「FoKus PRO」は低音の量感たっぷりで響きも豊か、音色はウォームで女性ボーカルがなめらかに聴こえる。米津玄師「感電」は音数が多く音場感にすぐれているが、やや低音過多に再生された。いっぽうの「FoKus H-ANC」は帯域バランスがよく、同じイコライジングカーブとは思えない。対応コーデックはSBC、AACに限られるため、音の細かさ、情報量では「FoKus PRO」にはかなわなかったが、AACに対応しているiPhoneで聴くと立場は逆転、「FoKus H-ANC」のバランスのよさが際立ち、なめらかな音で、高域のヌケがいい。「FoKus PRO」は明らかに低音過多で、低音がかたまりで出てくる。もちろん、イコライジングで追い込むことはできるが、「FoKus PRO」はaptX対応機器で楽しみたい。

「FoKus H-ANC」はスマホとの相性がよく、ANCが使え防水性能IPX5であることを考えると通勤、通学、ワークアウト向きと言える。ただし、Bluetoothの接続性は「FoKus PRO」のほうが優秀で、「FoKus H-ANC」は環境によって片方の音切れが発生するなど不安定な動作がみられた。スマートフォンとの相性などもあるので、このあたりはぜひ実機を手にして試してみてほしい。

ゴン川野

ゴン川野

カメラとオーディオが専門のライター。モノクロフィルムの現像、カラーのプリントを経て、デジカメ時代に突入。現在は仕事もプライベートもミラーレスOLYMPUS OM-D E-M1MK2を愛用。「阿佐ヶ谷レンズ研究所」にて掲載記事をまとめて発信中。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
SPECIAL
ページトップへ戻る