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PS5ユーザー必見! 後悔しないHDMIケーブルの選び方

映像、音声、そのほかの多彩なデータを1本のケーブルで伝送できるスマートなインターフェイス、HDMI。現在の分類としては@「Standard」(スタンダード:フルHDの30p伝送/最大2.23Gbps)、A「High Speed」(ハイスピード:4Kの30p伝送/最大10.2Gbps)、B「Premium High Speed」(プレミアム・ハイスピード:4Kの60p伝送/最大18Gbps)、C「Ultra High Speed」(ウルトラ・ハイスピード:8Kの60p、4Kの120p HDR伝送/48Gbps)の4タイプに大別される(Gbpsとは、1秒間あたりのデータ転送容量)。

このうち最先端の「HDMI 2.1」規格(バージョン)に該当するのが「Ultra High Speed」だ。「PlayStation 5」「Xbox Series X/S」といった新世代ゲーム機の登場によって、にわかに注目されている。4K/120p、8K/60pなどの高解像度、ハイフレームレートの映像信号に加えて、HDR10+、Dolby VisionなどのダイナミックHDR映像伝送が可能となる。

HDMIケーブルの最新バージョンは「2.1」。ダイナミックHDR映像信号(HDR10+、Dolby Visionなど)や、「eARC」に対応する。ケーブルの形状が物理的に同じでも、機能がまったく異なることに注意したい

HDMIケーブルの最新バージョンは「2.1」。ダイナミックHDR映像信号(HDR10+、Dolby Visionなど)や、「eARC」に対応する。ケーブルの形状が物理的に同じでも、機能がまったく異なることに注意したい

HDMIの「バージョン」による根本的な違いは伝送できる帯域(伝送速度)。HDMI 2.1では48Gbpsが保証される

HDMIの「バージョン」による根本的な違いは伝送できる帯域(伝送速度)。HDMI 2.1では48Gbpsが保証される

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今選ぶべきHDMIケーブルは、高画質・高音質も期待できる「Ultra High Speed」対応品

当然ながら、ケーブルについても「HDMI 2.1」(Ultra High Speed)認証品を用意する必要がある。導線ごとに均一な特性が保証されていたり、外来ノイズの対策が徹底されていたり、各メーカーが技術の粋を結集した自慢のケーブルだが、端子形状などの基本的な物理構造は従来品と変わらない。HDMIケーブルの場合、原則として下位互換が約束されているため、20年以上前のDVDプレーヤーとの組み合わせでも、まったく問題はなく使用可能だ。

ということは、「Ultra High Speed」対応品は、総じて伝送ロスが少なく、ノイズの影響を受けにくい高品質のHDMIケーブルとして使えるということ。高解像度で、素早く切り替わるゲーム映像(4K/120pなど)を安定して送り出すだけでなく、BS4K放送の視聴や、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)、BDの再生でもその潜在能力の高さは有効。より高画質、高音質の伝送が期待できるというわけだ。

実際、私自身、エイムの「Ultra High Speed」対応フラットケーブル、「FLV-03」(3mタイプ)をUHD BDプレーヤーと4Kプロジェクターの接続に使用しているが、ダイナミックレンジの広さといい、ノイズの細かさといい、あるいは発色の艶っぽさといい、「HDMI 2.1」に対応していない従来品と比べ、性能面の優位性は明らか。48Gbps対応のHDMIケーブルはその伝送速度に関わらず、高品質の伝送を約束する魅力的なケーブルと見て間違いない。

正式に「Ultra High Speed」の認証を得たケーブルには専用のロゴが付与される。これは米HDMI Licensing LLC.によって策定された「超高速HDMIケーブル認証プログラム(UHSプログラム)」をパスしたことの証。単に設計上48Gbpsの帯域をサポートするだけではなく、テスト要件を満たしたうえで、無線周波数への干渉が抑えられているかどうかを見るEMI(エミッション)テストにもパスする必要がある

正式に「Ultra High Speed」の認証プログラム(UHSプログラム)」をパスしたことの証。単に設計上48Gbpsの帯域をサポートするだけではなく、テスト要件を満たしたうえで、無線周波数への干渉が抑えられているかどうかを見るEMI(エミッション)テストにもパスする必要がある

金属導線のメタルタイプならば3m前後までが目安。長尺には光ファイバータイプを選ぼう

個人的な経験から言うと、通常のメタルタイプ(導線が金属)のHDMIケーブルで8K/60p、4K/120p伝送する場合、その長さは3m前後までと考えておいたほうが無難だ。メタルケーブルには映像、音声伝送用のデータ線として、計12本の導線が組み込まれているが、ケーブルが長くなればなるほど、各信号が送り出し先の機器(テレビやプロジェクター)に完全に同時に到着させるのが難しくなる。

特に48Gbpsレベルのハイスピード伝送になると、どうしても時間的なバラツキ(スキュー)が生じやすく、そのタイミングが少しでもずれるとブロックノイズが発生したり、色味が不安定になったり、最悪、映像が途切れ、ブラックアウトしてしまうケースさえある。

5m以上の長さで8K/60p、4K/120p信号を伝送する場合は、光変換技術を使ったHDMIケーブルが威力を発揮する。この光伝送の強みは、伝送距離が長くなっても信号の劣化がほとんどないこと。映像・音声信号を受けて直ちに光信号に変換し、光ファイバーケーブルで伝送し、直前で電気信号に変換されるため、伝送経路での劣化を気にしなくてよいのだ。

使用時の注意点は、出力(プレーヤーなど)側と入力(ディスプレイなど)側が指定されているため、接続時にはケーブルの向きを間違えないこと。もし逆に接続してしまうと、すべての信号が伝送できない。もし映像が表示されないときは、まずケーブルの向きが間違っていないか、確認してみるとよい。通常のメタルケーブルに比べるとやや高価だが、長距離伝送時の安定性は、比較にならないほどすぐれている。

映像、音声信号を光変換して伝送するFIBBR(フィバー)の「Pure3」。プレーヤー側に「SOURCE」、ディスプレイ側に「DISPLAY」の表記があるので、必ずそれにしたがって接続しよう。製品によって、ディスプレイ側は「SINK」と表記されることもある

映像、音声信号を光変換して伝送するFIBBR(フィバー)の「Pure3」。プレーヤー側に「SOURCE」、ディスプレイ側に「DISPLAY」の表記があるので、必ずそれにしたがって接続しよう。製品によって、ディスプレイ側は「SINK」と表記されることもある

光ファイバータイプのケーブルの場合、光ファイバー部分の性能差は比較的小さいため、電気/光信号変換回路の良し悪しがそのままケーブルの性能を大きく左右することになる。伝送速度についてもこの部分で決まるため、8K/60p、4K/120p伝送のためには、当然ながら「Ultra High Speed」対応品を選ばなければならない。

また、一部にUSB電源が必要な製品もあるが、HDMI光ケーブルの「Ultra High Speed」認証プログラムにおいて、「電源なし」が必須事項となったため、現在はUSB電源を必要としない製品が主流だ。使い勝手や安定性を考えても、通常のメタルケーブルと同様に使える、USB電源を必要としない光ケーブルがおすすめだ。

数種類のHDMI光ケーブルを比較したことがあるが、メタルケーブル同様、画質、音質ともに、製品によって持ち味が異なり、それぞれに個性的だ。力強いコントラスト感、濃密な色再現を楽しませてくれるケーブルもあれば、どちらかと言えばあっさりとした色づかいで、繊細なタッチの映像を描きだすケーブルもある。

システムとの相性や好みで選びたいところだが、実際にその映像、サウンドを自分で確認するのは、現実問題として難しい。自分の予算と相談しながら、専門誌やWebの記事で評判のよい製品を選ぶということになるだろう。ただテーブルの太さ、固さ、あるいはプラグケース部の大きさなど、製品によって異なるため、できることなら実際にそのケーブルを手にして、自分の目で確かめて、購入するのがよいと思う。

最後に、過去のテストで気に入った製品をメタル/光ケーブルそれぞれに紹介しよう。

3m前後の短いメタルケーブル

3重シールドによるノイズ対策が施された
エレコム「DH-HD21E10BK」(1m)

国産ブランドとしてはいち早く「Ultra High Speed」HDMIケーブルの認証を受けた注目のモデル。高密度のアルミ編組シールドとアルミマイラーを3重に重ねることで、外来ノイズを徹底的に除去し、安定した48Gbpsの高速伝送を約束している。1m、1.5m、2m、3m、5mをラインアップ。

「ライフタイム保証」の高信頼ケーブル
Kordz「BRAVO-HD0100」(1m)

オーストラリアのメルボルンに拠点をおくKordz(コーズ)の「Ultra High Speed」HDMI認証ケーブル。コンパクトなハウジングはアルミニウム合金製で、コネクター部はケーブル保持力2kgを誇るソリッドダイキャストの仕上げ。ケーブルは出荷前に1本1本性能テストされ、「Kordzライフタイム保証」が付与される。ラインアップは1m、1.5m、2m、3m。最長3mだが、信頼性は高い。

メタルケーブルながら7mまでラインアップ
サンワサプライ「KM-HD20-U10」(1m)

「Ultra High Speed」認証プログラム合格の高品質HDMIケーブル。ケーブルの中心から見ると、アルミシールド(TMDS用ツイストペアケーブル)、アルミシールド、高密度編組シールドの3重のシールド処理を施し、さらにプラグ部に継ぎ目のないシームレスプラグを採用するなど、外来ノイズを抑えるための高度な技術が目を引く。ラインアップは1m、1.5m、2m、5m、さらにメタル導線としては異例と言える7mタイプも用意している。

7mの「KM-HD20-U70」のみケーブルが太く、取り回しの点でも違いが出ることに注意

7mの「KM-HD20-U70」のみケーブルが太く、取り回しの点でも違いが出ることに注意

マニア御用達のブランドAIM(エイム)
AIM電子「FLV-01」(1m)

ケーブルの折り曲げによる内部歪みを原因とした伝送ロスを最小限に抑えるというフラット構造を採用した48Gbps対応モデル。プラグは継ぎ目のないシームレスタイプで、コネクター内部には外来ノイズを抑える旭化成のパルシャットMUを採用。安定した高速伝送を実現した。各所から画質、音質への強いこだわりが感じとれる。ラインアップは1m、1.5m、3m、2m、5m。

長い距離の引き回しに必須、光ファイバーケーブル

光ファイバーメーカーによるHDMIケーブルブランド
FIBBR「Pure 3」

フィリップスの光ファイバー部門を前身とする世界最大の光ファイバーケーブルメーカー中国YOFCが送り出すFIBBR(フィバー)のHDMI2.1規格対応モデル。基本性能が高いうえに重量が軽く、取り回しも良好。ケーブル自体も非常にしなやかで、極端に折り曲げてもダメージが生じにくい。1.5m、2m、3m、5m、10m、15m、20mとラインアップも豊富だ。

長尺に特化した、高級ブランドのシンプルモデル
AIM電子「LS-U20」(20m)

HDMI 2.1規格認証を受けたAIM電子(エイム)のHDMI光ケーブル。画質、音質のよさで評判を呼んだHDMI 光ケーブル「LS3」の技術、ノウハウを生かして開発された話題作だが、今回は給電用のUSB電源も取り去られ、価格もダウン。コネクター部分はやや大きめだが、ケーブルは細く、しなやかだ。出荷時に全数検査を行うのも「LS3」と同じ。ラインアップは10m、15m 、20m。

同ブランドのプロジェクターと接続が保証される、「ビクター」のケーブル
ビクター「VX-UH1150LC」

「Ultra High Speed」の正式認証を受けたHDMI光ケーブル。48Gbps対応の光変換チップの採用に加え、映像・音声伝送(FRL信号線)用の光ファイバー、そのほか用のメタルケーブルともにシールドを徹底させることで、8K/60p、4K/120pの安定した伝送を約束している。HDMI端子部のアルミ製ハウジングは奥行38.5mmとコンパクト。ケーブルはしなやかで、扱いやすい。

藤原陽祐

藤原陽祐

雑誌編集者を経てオーディオビジュアル評論家へ転身。近年は山中湖畔に「7.1.8」スピーカー+プロジェクターのホームシアターを構築。この“ラボ”で「自宅で再生する映画と音楽」のクオリティを追究している。

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