ソニーから久々にブルーレイレコーダーの新モデルが発表された。新モデルは2021年発売の4Kチューナー内蔵「BDZ-FB」シリーズの後継モデルという位置づけで、BS/CS 4Kチューナー×2、地デジ/BS/CSチューナー×3のトリプルチューナー仕様の「BDZ-FBT4200」(4TB HDD)と「BDZ-FBT2200」(2TB HDD)、BS/CS 4Kチューナー×2、地デジ/BS/CSチューナー×2のダブルチューナー仕様の「BDZ-FBW2200」(2TB HDD)の計3モデルが投入される。いずれも発売日は6月10日だ。
■BDZ-FBシリーズ2023年新モデル
BDZ-FBT4200(4TB、BS/CS 4Kチューナー×2、地デジ/BS/CSチューナー×3 市場想定価格158,000円前後)
BDZ-FBT2200(2TB、BS/CS 4Kチューナー×2、地デジ/BS/CSチューナー×3 市場想定価格127,000円前後)
BDZ-FBW2200(2TB、BS/CS 4Kチューナー×2、地デジ/BS/CSチューナー×2 市場想定価格118,000円前後)
同社としては約2年ぶりとなるブルーレイレコーダーの新モデル。トリプルチューナーの6TBモデルのみ2021年モデルが継続、ダブルチューナー1TBモデルがなくなるなど、ラインアップが一部整理されてはいるものの、基本的な録画機能や外観デザインについては先代の2021年モデルから大きく変更はない。
付属リモコン。2021年モデルとデザインはほぼ同じだ
いっぽう、同社によれば、ネット動画視聴の普及にともない、少ないながらも録画番組視聴の割合も増えてきているそうで、特にブルーレイレコーダーを所有している人は、ディスクメディアへのアーカイブを行い、「当時のテレビCMごと録画して手元に残したい」「初回テレビ放送版を保存してパッケージ版との映像の違いを楽しみたい」という熱量の高いユーザーが多いという。今回の新モデルではそういった熱量の高いユーザーに向けて、使い勝手をさらに高める機能を盛り込んだということだ。
では、具体的にどのような機能が新たに追加されたのか、以下に新機能の特徴をまとめてみた。
録画番組の視聴状況を、アイコンと再生バーで確認できるという新機能。未視聴、視聴中、視聴済みというアイコンだけでなく、録画番組のサムネイル上に表示される再生バーでどこまで視聴したのかを確認できるようになったので、視聴途中の番組を優先して効率よく視聴するのに重宝しそう。1台のブルーレイレコーダーを家族みんなで使用していて、番組を削除してよいか判断に迷った場合などにも活用できそうだ。
視聴中マーク・再生バー。未視聴、視聴中、視聴済みというアイコンだけでなく、録画番組のサムネイル上に表示される再生バーでどこまで視聴したのかを確認できる
1回の操作で複数タイトルを一気に連続再生できる機能。ドラマやアニメなどを週末に一気見視聴する際に大いに活躍してくれそうだ。
1回の操作で複数タイトルを一気に再生できる連続再生に対応
上書き録画を1回/4回/7回の3種類から設定できる機能。最新情報しか必要のないニュース番組なら1回、1か月残したいバラエティ番組なら4回、毎日放送される朝ドラを1週間分残したい場合なら7回といったように、番組特性にあわせてユーザーが任意で設定できるので、古い番組の削除する手間を省くのにも便利だ。
上書き録画を1回/4回/7回の3種類から設定できる新機能。番組特性にあわせてユーザーが任意で設定できる
過去の録画番組の再生傾向から、夕方は子ども番組が、家族団らんの夕食時間はバラエティ番組が、寝る前の夜更かし時間は深夜のアニメ番組やドラマが多いといったことをブルーレイレコーダー側が学習し、ユーザーが設定した時間帯からよく再生される番組を探せるという機能。設定する時間帯はライフスタイルに合わせてユーザーが任意に設定することが可能だ。
その時間帯でよく再生される番組を時間帯から探せる新機能の「おうちタイム」
「おうちタイム」の時間帯はユーザーが任意に設定可能
タレント名やキーワード、ジャンルなどをあらかじめ登録しておくことで、ブルーレイレコーダーが電子番組表(EPG)と連動して自動で録画してくれる同社おなじみの「おまかせ・まる録」。アイドルグループ名を登録しておくと、グループ名だけでなくメンバー個人名でも自動録画を実施するなど、自動録画の賢さに定評があるが、最新モデルでは辞書の内容が2023年最新版にアップデートされており、最新のアイドル名などを新たに追加。また、「おまかせ・まる録」にグループのマーク設定ができるようになり、録画タイトルの整理がしやすくなったのもトピックだ。
最新辞書にアップデートされた「おまかせ・まる録」。グループのマーク設定も新たにできるようになり、録画タイトルの整理がしやすくなっている
ブルーレイレコーダーの機能や使いかたを手軽に確認できる機能。ホーム画面一番下に用意された専用メニュー「便利な使い方」からアクセスでき、わざわざマニュアルを引っ張り出してこなくても、手元のリモコンだけで手軽に使いかたなどを確認できる。
本体内で機能や使いかたの説明を調べられる「便利な使い方」
テレビの録画機能搭載はもはや当たり前になっており、ネット動画対応も進んでさまざまなコンテンツをテレビだけで楽しめるようになってきた昨今、単体のブルーレイレコーダーの必要性は以前よりも低下しているのは確かだ。いっぽうで、録画機能や操作性はテレビよりもブルーレイレコーダーのほうがまだまだ有利だし、テレビ放送でしか見られないコンテンツをアーカイブとして残すならこれからもブルーレイレコーダーは必要とされるだろう。
そういった市場背景の中で、ブルーレイレコーダーとしてのハードウェア的な進化は少なかったものの、ソフトウェアのブラッシュアップで単体のブルーレイレコーダーの強みである「録る」「見る」をしっかりと強化してきたのが今回の新モデルだ。元々、ソニーのブルーレイレコーダーは、1か月先から先行録画予約できる「新作ドラマ・アニメガイド」や、キーワード自動録画機能の「おまかせ・まる録」が優秀で、録り逃しが少ないことで定評があるが、「おまかせ・まる録」の辞書に2021年モデルには搭載されていなかった俳優やアイドルグループ、声優名などが追加され、ますます精度が高まってきているし、録画した番組の週末イッキ見視聴など「見る」機能もさらに使いやすく便利になった。アニメ好きやドラマ好き、推しの出ている番組を録り逃したくないという人、効率的に録画番組を視聴したいという人にはまさにうってつけのモデルと言えそうだ。
AV家電とガジェット系をメインに担当。ポータブルオーディオ沼にどっぷりと浸かっており、家のイヤホン・ヘッドホンコレクションは100を超えました。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットも増えてます。家電製品総合アドバイザー資格所有。