2023年5月で日本法人設立25周年を迎えたダイソンは5月23日、日本メディア向けに「Dyson Japan 25th anniversary Press conference」を開催した。イベントには、創業者兼チーフエンジニアのジェームス・ダイソンと、チーフエンジニアのジェイク・ダイソンが登壇し、同社の日本市場での取り組みを振り返るとともに、本日発売の5つの新製品が一挙発表された。
イベントに登壇したジェイク・ダイソン(写真左)とジェームス・ダイソン(写真右)
今回発表された5つの新製品の中でも特に注目したいのが、シールドで口元を覆う斬新なデザインを採用したダイソン初のオーディオ製品「Dyson Zone 空気清浄ヘッドホン」(以下、「Dyson Zone」)だ。都市の騒音と大気汚染という2つの課題を解決するために、アクティブノイズキャンセリング機能と空気清浄機能をワイヤレスヘッドホンに搭載したという、これまでにないまったく新しいコンセプトの製品となっている。
アクティブノイズキャンセリング機能と空気清浄機能をワイヤレスヘッドホンに搭載したダイソン初のオーディオ製品「Dyson Zone」
すでに海外では発表済みで、発表時には日本国内でも大きな話題を呼んだ「Dyson Zone」。ラインアップは「ウルトラブルー/プルシアンブルー」と「プルシアンブルー/ブライトコッパー」の2種類で、カラーのほかに付属品も若干異なる。いずれもオープン価格で、直販価格は前者が121,000円、後者が137,500円だ。
レギュラーモデルの「ウルトラブルー/プルシアンブルー」
付属品を豪華にした直販限定モデルの「プルシアンブルー/ブライトコッパー」。シールドノカラーが異なる
空気清浄機能は、イヤーカップ内のコンプレッサーと付属のシールドを活用。コンプレッサーから二重構造のフィルターを通して空気を吸い込み、浄化された2つの気流が非接触型シールドを通して人の鼻と口に入る形。「MyDysonアプリ」に接続し、リアルタイムで周囲の空気質をモニターすることもできる。コンプレッサーは1分あたり最大9750回転で、風量は低・中・高・AUTOの4種類から選択可能だ。
空気清浄機能のイメージ。イヤーカップ内のコンプレッサーから二重構造のフィルターを通して空気を吸い込み、シールドを使って浄化した空気を届ける仕組み
イヤーカップ部は空気清浄機能が入っていることもあってかなり大きい
「MyDysonアプリ」からリアルタイムで周囲の空気質をモニターできる
シールドを通じて送られる風量は低・中・高・AUTOの4種類から選べる
ちなみに、ヘッドホン本体とシールドはマグネット式の着脱機構を採用しており、シールドを外して使用することも可能。シールドはあくまでも空気を鼻や口元に届けるためのパーツという位置づけで、内部に機械的なパーツは入っていないため、丸洗いすることも可能だという。
ヘッドホン本体とシールドはマグネット式の着脱機構を採用。基本的にはヘッドホン本体を装着し、シールドをそのあとに装着するという流れ
シールドは鼻や口に直接触れない非接触型。機械的なパーツはないので、丸ごと水洗いもできる
空気清浄フィルターは0.1ミクロンの微粒子を99%捕集し(※1)、カリウムを含んだカーボンフィルターで二酸化炭素や酸性ガスを浄化する(※2)という。フィルター交換の目安は約1年で、交換用フィルターはイヤーカップを外してユーザー自身で簡単に交換可能だ。
※1:フィルター効率は、独立した第三者機関により、最大風量でISO 29463に適合するようテストされている。捕捉率は実際の使用状況により異なる場合がある
※2:社外の試験室(23度、50% RHの3m3の室内)において、最大風量設定でフィルターをテスト(NO2、SO2、オゾン)。捕捉率は、実際の使用状況により異なる場合がある
シールドを取り外した「Dyson Zone」。折りたたみ機構も用意されている
イヤーカップのカバーを外すと空気清浄フィルターが現れる
ノイズキャンセリング機能は、「Dyson Zone」に搭載されている全11基のマイクのうち8基を活用。1秒間に384,000回周囲の音をモニタリングし、ノイズを最大38dBまで低減できるという。なお、周囲のノイズを抑える「アイソレーションモード」のほか、「会話モード」や「トランスペアレンシー(外音取り込み)モード」も用意。「会話モード」はシールドを下げると自動で動作する形になっており、空気清浄機能も自動でオフになるという。
ヘッドホンとしては、40mm径、16Ωのネオジムドライバーユニットを搭載し、6Hz〜21kHzの再生が可能。独自のEQ設定で周波数カーブを最適化したそうで、全周波数帯域においてクリアでピュアな音声を楽しめるという。「MyDysonアプリ」から3種類のイコライザープリセットも利用可能だ。
40mm径、16Ωのネオジムドライバーユニットを搭載。イヤーパッドはそれなりに肉厚
バッテリー性能は、空気清浄機能オフの場合で最大50時間。空気清浄モードオンの場合、風量低で4時間、風量中で2.5時間、風量高で1.5時間。充電端子はUSB Type-Cで、充電時間は約3時間となる。重量はシールドありの状態で670g、シールドなしの状態で595gだ。
イベントでは、「Dyson Zone」のほかに、ロボット掃除機「Dyson 360 Vis Navロボット掃除機」(以下、「Dyson 360 Vis Nav」)や、ヘアケア製品の限定モデル「Ceramic Pop(セラミックポップ)」も発表された。
「Dyson 360 Vis Nav」は、サイクロン技術を搭載したロボット掃除機の最新モデル。価格はオープンで、直販価は189,200円。
サイクロン技術を搭載したロボット掃除機「Dyson 360 Vis Nav」
毎分最大110,000回転する独自開発の「Dyson Hyperdymiumモーター」を新たに搭載し、ダイソンのロボット掃除機で最もパワフルな吸引力を実現しつつ、本体の厚みがより薄くなったという。なお、運転制御に魚眼レンズと各種センサーを組み合わせた「360度ビジョンシステム」を採用している点は従来の「Dyson 360」シリーズと同様だが、「Dyson 360 Vis Nav」では本体デザインを従来の丸型からD型に刷新されている。
魚眼レンズと各種センサーを組み合わせた「360度ビジョンシステム」を引き続き採用
本体前面に搭載されたブラシバーに、ソフトナイロン、硬質ナイロン、カーボンファイバーの異なる3素材を使用した「トリプルアクションブラシバー」を採用し、前面にあるさまざまなゴミを強力にかき取れるようになったほか、壁際に近づくと本体両サイドに搭載されたエッジノズルが自動で起動し、部屋の隅にたまったほこりなども巻き上げることなくしっかりと吸引できるようになったそうだ。
3種類の異なる素材を組み合わせた「トリプルアクションブラシバー」
エッジノズルは壁際に近づくと飛び出す仕組み。隅のほこりもしっかりと取り除けるという
「Ceramic Pop」は、「Dyson Supersonic Shineヘアドライヤー」「Dyson Airwrapマルチスタイラー」「Dyson Corraleヘアアイロン」のヘアケア製品に、ポップなカラーリングを採用した限定モデル。1980年代に日本で販売されたサイクロン技術を搭載した掃除機の初号機「G-Force」のカラースキームからインスピレーションを得て開発したそうで、ブラッシュピンク、マンダリン、ヴァーディグリスの3色を用いた遊び心あふれる配色を採用したほか、サテン塗料のトップコートを塗布したセラミック仕上げにすることで手触りにもこだわったそうだ。
「Dyson Supersonic Shineヘアドライヤー(セラミックポップ)」は限定1500台、「Dyson Airwrapマルチスタイラー(セラミックポップ)」は限定500台で本日発売。「Dyson Corraleヘアアイロン(セラミックポップ)」は7月中旬発売予定となっている。直販価格は、「Dyson Supersonic Shineヘアドライヤー(セラミックポップ)」が48,800円、「Dyson Airwrapマルチスタイラー(セラミックポップ)」が44,000円。
「Dyson Supersonic Shineヘアドライヤー(セラミックポップ)」。限定数は1500台
Dyson Airwrapマルチスタイラー(セラミックポップ)」。限定数は500台
「Dyson Corraleヘアアイロン(セラミックポップ)」は7月中旬発売予定
1980年代に日本で販売されたサイクロン技術を搭載した掃除機の初号機「G-Force」
AV家電とガジェット系をメインに担当。ポータブルオーディオ沼にどっぷりと浸かっており、家のイヤホン・ヘッドホンコレクションは100を超えました。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットも増えてます。家電製品総合アドバイザー資格所有。