ハーマンインターナショナルは、2023年秋冬の新製品内覧会「HARMAN ExPLORE TOKYO 2023」を都内で開催。新製品のフラッグシップオーバーイヤーヘッドホン、JBL「TOUR ONE M2」のほか、今後発売を予定している新製品が多数参考出品されていた。ここでは、最新の「TOUR ONE M2」の解説と会場で展示されていた今後発売予定の参考出品製品をフォトレポートでお届けしよう。
まずは正式発表されたばかりの新製品「TOUR ONE M2」から。こちら、「TOUR」シリーズから新たに登場するワイヤレスタイプのオーバーイヤーヘッドホンで、2021年10月発売の「TOUR ONE」の正統後継モデルとなる。
JBL「TOUR ONE M2」
リアルタイム補正機能付きノイズキャンセリング機能の搭載、独自の空間オーディオ技術「Spatial Sound」や聴覚テストを実施して高度なパーソナライズを実現する「Personi-Fi 2.0」への対応、Bluetoothバージョン5.3 LE Audio対応予定など、先行して発売された完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「TOUR PRO 2」の流れを汲む充実の機能を搭載。ワイヤレスヘッドホンということで、「TOUR PRO 2」のようなディスプレイ付き充電ケースこそ用意はされていないが、機能性だけを見れば「TOUR PRO 2」のヘッドホン版と言っても差し支えないレベルとなっている。
ちなみに、「TOUR PRO 2」にはない「TOUR ONE M2」ならではの機能として、「スマートトーク」というものがある。ユーザーの声に反応し、音楽のボリュームを絞って外音を取り込む「トークスルー」を自動で起動させるというもので、「TOUR ONE M2」にはこの機能をスムーズに動かすためだけの専用マイクも搭載されている。
赤く囲った部分がマイク。太く囲った部分が「スマートトーク」専用マイク。左右フィードフォワードマイク、左右フィードバックマイク、左右通話用マイク、「スマートトーク」専用マイクの合計7基のマイクを搭載する
ドライバーユニットについては、PU(ポリウレタン)とLCP(液晶ポリマー)振動板を採用した40mm径のものを搭載。ハイレゾ認証を取得しており、有線接続はハイレゾ再生も可能となっている。
バッテリー性能は、ノイズキャンセリング機能オフ時で最大50時間、オン時で最大30時間。10分の充電で約5時間の音楽再生が可能な急速充電機能も備わっている。重量は約272g。対応Bluetoothコーデックは、SBCとAAC(LC3/LC3+に対応予定)。カラーは、ブラック(通常モデル)とベージュ(JBLオンラインストア限定)の2色。発売日は9月22日で、JBLオンラインストアでの販売価格は39,600円だ。
会場には、JBL「TOUR ONE M2」のほかにも今後発売を予定している新製品が多数参考出品されていた。注目製品をピックアップして紹介していこう。
イヤホンの新製品で大きな注目を集めていたのが、JBL初のオープンイヤー型完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDGEAR SENCE」。ワイヤーを耳に引っ掛けて音の出るスピーカーユニットを耳の上にのせるように装着するながら聴きイヤホンとしてはオーソドックスなタイプの製品だが、付属のバンドを組み合わせることでケーブル一体型イヤホンのようなスタイルでイヤホン本体の落下を防げるようになっている。16mm径の大口径ドライバーユニットを搭載しているが、独自の「OpenSoundテクノロジー」で音漏れを最小限に抑えるように工夫したという。カラーバリエーションは2色で、市場想定価格は22,000円前後を見込んでいるそうだ。
JBL「SOUNDGEAR SENCE」
「SOUNDGEAR SENCE」のイヤホン本体
付属のバンドを組み合わせることでケーブル一体型イヤホンのようなスタイルでも運用できる
「LIVE 770NC」は、リアルタイム補正機能付きノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスヘッドホン。ヘッドバンド部にファブリック素材を採用したり、イヤーカップにツートンのアイコニックな意匠を採用するなど、デザイン性にこだわる人に向けた製品に仕上げたそうだ。カラーバリエーションは4色で、市場想定価格は22,000円前後を見込む。
JBL「LIVE 770 NC」
ヘッドバンドにはファブリック素材を採用。イヤーカップに大胆にレイアウトしたロゴも印象的
完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「TOUR PRO 2」の新色「聴色(ゆるしいろ)」も参考出品されていた。紅花で染められた日本伝統の淡い紅色を再現したという新色で、日本限定販売のカラーになるそうだ。市場想定価格は33,000円前後。
JBL「TOUR PRO 2」の新色「聴色(ゆるしいろ)」
JBLのサウンドバー新製品も参考出品されていた。「BAR 800」は合計11基のスピーカーを搭載、5.1.2ch対応のサブウーハー付きサウンドバー。上位モデル「BAR 1000」同様にサウンドバー本体から取り外して充電式リアスピーカーとして使えるギミックを搭載している。なお、「BAR 1000」と異なり、充電式リアスピーカーにあったハイトスピーカーは省かれている。市場想定価格は99,000円前後を見込む。
JBL「BAR 800」
「BAR 800」(写真左)と「BAR 1000」(写真右)の充電式リアスピーカー。「BAR 800」の充電式リアスピーカーはハイトスピーカーがなくなっており、奥行きが「BAR 1000」から若干短くなっている
「BAR 300」は合計6基のスピーカーユニットを搭載した1本バータイプのサウンドバー。ユニークなのが、「BOOMBOX 3 WiFi」「CHARGE 5 WiFi」というWi-Fi機能を搭載したポータブルスピーカーと組み合わせて運用できること。現時点では、「BOOMBOX 3 WiFi」をサブウーハーとして、「CHARGE 5 WiFi」(2台ペア必須)をリアスピーカーとして追加できるように準備を進めているという。「BOOMBOX 3 WiFi」「CHARGE 5 WiFi」ともにバッテリーを搭載しており、リアスピーカーだけでなくサブウーハーまで完全ワイヤレス接続で接続できる点は、「BAR 1000」や「BAR 800」にはない特徴と言えるだろう。
もちろん、「BOOMBOX 3 WiFi」「CHARGE 5 WiFi」は単体で運用することも可能。スピーカーユニットはべースモデルの「BOOMBOX 3」「CHARGE 5」から流用しているが、Wi-Fi機能搭載でハイレゾ音源が再生できるようになったため、アンプ部などを強化しているそうだ。市場想定価格は、「BAR 300」が49,500円前後、「BOOMBOX 3 WiFi」が79,200円前後、「CHARGE 5 WiFi」が33,000円前後だ。
JBL「BAR 300」
JBL「CHARGE 5 WiFi」(写真左)と「BOOMBOX 3 WiFi」(写真右)
アプリ「JBL One」を使用し、「BAR 300」に「CHARGE 5 WiFi」と「BOOMBOX 3 WiFi」を接続できる。なお、「BAR 300」のほかに既発売製品「BAR 500」も同機能に対応予定とのこと
フロント部分のアイコニックなデザインが特徴的な「AUTHENTICS 200」「AUTHENTICS 300」は、Wi-Fi機能を搭載したスマートスピーカー。Amazon AlexaとGoogleアシスタントの2種類のボイスアシスタントを利用できるほか、立体音響技術のDolby Atmosにも対応する。なお、「AUTHENTICS 200」はバッテリー非搭載で電源接続が必須の据え置きタイプ、「AUTHENTICS 300」はバッテリー内蔵で持ち運び可能なポータブルタイプとなっている。市場想定価格は、「AUTHENTICS 200」が49,500円前後、「AUTHENTICS 300」が66,000円前後だ。
JBL「AUTHENTICS 300」(写真左)と「AUTHENTICS 200」(写真右)
Amazon AlexaとGoogleアシスタントのどちらを使用しているかはフロントのLEDの色から確認できる
「AUTHENTICS」シリーズはBluetooth接続にも対応しており、会場ではBluetooth接続に対応したアナログターンテーブル「SPINNER BT」と組み合わせた展示も行われていた
音に合わせてリングライトやフラッシュがライティングする人気のパーティースピーカー「PartyBox」シリーズからは、「PartyBox Encore」という新製品が参考出品。シリーズで最も小型の「Partybox Encore Essential」をベースに、マイク機能を搭載したのが特徴で、付属のマイクでカラオケなどを楽しめるという。本体は防滴仕様で、最大約10時間再生可能なバッテリーも搭載。市場想定価格は33,000円前後を見込む。
JBL「PartyBox Encore」
「PartyBox Encore」の付属のマイク(写真左)。本体上部(写真右)にはマイク調整用のダイヤルも用意されている
会場には、JBLの75周年を記念して発売されたプリメインアンプ「SA750」と共通するデザインを採用する新しいコンポーネントシリーズ「CLASSIC COMPONENTS」も参考出品されていた。今年6月に開催された「OTOTEN2023」でも披露されていたプリメインアンプ「SA550」、CDプレーヤー「CD350」、ネットワークプレーヤー「MP350」の3モデルに加え、今回はアナログターンテーブル「TT350」も展示されていた。市場想定価格は、「SA550」250,000円前後、「CD350」が99,000円前後、「MP350」が110,000円前後、「TT350」が143,000円前後。
JBLの新しいコンポーネントシリーズ「CLASSIC COMPONENTS」
このほか、バッテリー内蔵のポータブルBluetoothスピーカー「GO+ PLAY 3」「LUNA」や、2.1ch Bluetoothスピーカーシステム「SoundSticks 4」の新色「ブラック」、Bluetoothスピーカー「Aura Studio」シリーズの最新モデル「Aura Studio 4」など、harman/kardonブランドの新製品も参考出品されていた。
harman/kardon「GO+ PLAY 3」
harman/kardon「LUNA」
harman/kardon「SoundSticks 4」の新色「ブラック」
harman/kardon「Aura Studio 4」
AV家電とガジェット系をメインに担当。ポータブルオーディオ沼にどっぷりと浸かっており、家のイヤホン・ヘッドホンコレクションは100を超えました。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットも増えてます。家電製品総合アドバイザー資格所有。