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新デザインで音質も向上! マランツHDMI搭載プリメインアンプ「STEREO 70s」

マランツからHDMI入出力(セレクター)を持ったプリメインアンプ「STEREO 70s」が発売される。2023年10月下旬発売予定で、希望小売価格は143,000円(税込)。

マランツのHDMI入出力を持ったプリメインアンプと言えば「NR1200」が人気だが、「STEREO 70s」は「NR1200」の上位機種にあたり、両者はしばらく併売される。

ARC専用のHDMI端子だけではなく、HDMI入力端子を6系統装備。ゲームやレコーダーなど幅広い機器を接続できる。Amazon「Fire TV Stick」などに給電できるUSB Type-A端子が新設された。なお、HDMI入力は3系統が8K/60Hz信号のパススルーに対応する

ARC専用のHDMI端子だけではなく、HDMI入力端子を6系統装備。ゲームやレコーダーなど幅広い機器を接続できる。Amazon「Fire TV Stick」などに給電できるUSB Type-A端子が新設された。なお、HDMI入力は3系統が8K/60Hz信号のパススルーに対応する

マランツはプリメインアンプのラインを3つ持っている。中央がいわゆる“ハイファイ”モデルで、HDMIを持っていない。その右が独自のネットワークオーディオ機能「HEOS(ヒオス)」にのみ対応した「PM7000N」、そしていちばん右側がHDMI入出力(セレクター)を搭載したシリーズ。「STEREO 70s」は「NR1200」と「MODEL 40n」の間にあたり、いずれも「HEOS」にも対応する

マランツはプリメインアンプのラインを3つ持っている。中央がいわゆる“ハイファイ”モデルで、HDMIを持っていない。その右が独自のネットワークオーディオ機能「HEOS(ヒオス)」にのみ対応した「PM7000N」、そしていちばん右側がHDMI入出力(セレクター)を搭載したシリーズ。「STEREO 70s」は「NR1200」と「MODEL 40n」の間にあたり、いずれも「HEOS」にも対応する

現代AVコンテンツのメインハブとなる「STEREO 70s」

さて、マランツがHDMIの入出力を持ったプリメインアンプに力を入れているのは、それがあれば最新のAVコンテンツ再生に困ることが少ないから。「STEREO 70s」はブルーレイレコーダーや「PS5」などの最新ゲーム機、Amazon「Fire TV」シリーズなどなど、幅広いHDMI接続前提の機器のハブになれるというわけだ。

その利便性については改めて説明するまでもないかもしれない。テレビとHDMIケーブルで接続しておけば、テレビ番組やテレビで再生したネット動画コンテンツも「STEREO 70s」で再生できる。「CEC」と呼ばれる連係機能が動作するため、テレビ視聴時には基本的にテレビのリモコンさえあれば音量調整なども自在だ。

こうした利便性が受け入れられて、同コンセプトの弟機「NR1200」は価格.comのプリメインアンプカテゴリー「注目ランキング」「人気売れ筋ランキング」いずれも1位(2023年9月21日現在)。市場にも大いに受け入れられている。

「NR1200」の発売からはすでに4年ほど経過しているわけで、マランツはその上位機種にふさわしい製品として特に3つのポイントを改善したという。

●リビング/テレビと親和性のあるスリムデザイン
●HDMIセレクターを含む最先端の接続性、機能性
マランツのハイファイクオリティサウンド

これらのポイントを順に見ていこう。

マランツの新世代デザインを採用しつつ、高さは109mmに抑えられた

マランツの新世代製品に共通する外観に改められた「STEREO 70s」

マランツの新世代製品に共通する外観に改められた「STEREO 70s」

まず、スリムデザインについては「NR1200」のサイズ感を踏襲している。「STEREO 70s」のアンテナを含まない高さは109mmで、オーディオ機器としてはさまざまなラックに置きやすいサイズと言える。横幅は442mmでいわゆる“フルサイズ”であることには注意したい。

外観はマランツ最新のAVアンプや「MODEL 40n」と同じ新世代デザイン。このデザインを採用したことが、すぐに気づく「NR1200」との大きな差だろう。

本体デザインと同時にリモコンも新デザインに改められた。ホームシアターユースに便利な自照式。赤枠で示した本体右脇のボタンを押せばバックライトが点灯するので、とても使いやすい

本体デザインと同時にリモコンも新デザインに改められた。ホームシアターユースに便利な自照式。赤枠で示した本体右脇のボタンを押せばバックライトが点灯するので、とても使いやすい

HDMI入力が最新世代にアップデート!

3系統のHDMI入力が8K/60Hz映像信号のパススルーに対応したほか、写真の新機能が紹介された。D&Mホールディングスがリリースした最新のAVアンプなどと同様にBluetooth受信/送信に対応し、イヤホン/ヘッドホンのボリューム調整ができるようになった

3系統のHDMI入力が8K/60Hz映像信号のパススルーに対応したほか、写真の新機能が紹介された。D&Mホールディングスがリリースした最新のAVアンプなどと同様にBluetooth受信/送信に対応し、イヤホン/ヘッドホンのボリューム調整ができるようになった

さらに、HDMIのARC機能については音質改善の工夫が盛り込まれた。テレビからのARC信号は「STEREO 70s」のHDMIインターフェイスを介さずにセレクターに伝送される。これにより音質劣化を防ぎ、HDMI基板自体にも電源供給の強化などが施されたという

さらに、HDMIのARC機能については音質改善の工夫が盛り込まれた。テレビからのARC信号は「STEREO 70s」のHDMIインターフェイスを介さずにセレクターに伝送される。これにより音質劣化を防ぎ、HDMI基板自体にも電源供給の強化などが施されたという

GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)の解像度が上がりHD仕様に。より見やすくなっている

GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)の解像度が上がりHD仕様に。より見やすくなっている

プリアンプ回路に「HDAM-SA2」を採用

「STEREO 70s」は「NR1200」の上位機種であるため、もちろん音質面での強化にも力が入っている。そこで採用されたのが、マランツオリジナルのアンプモジュール「HDAM」だ。「STEREO 70s」では上位グレードのAVアンプにも搭載される「HDAM-SA2」をプリアンプ部に使用。本格的なマランツ流儀の回路とした

右が「STEREO 70s」のプリアンプ回路基板。左は電源部に搭載されたカスタムブロックコンデンサー。こうしたパーツ選定もマランツ流儀のチューニングのひとつだ。なお、「HDAM」とは、フラットな周波数特性と高いスルーレート(応答速度)が特徴の電流帰還型のディスクリート(オペアンプなどを使わない、個々のパーツで構成された)アンプのこと。「HDAM-SA2」の採用はAVアンプで言えば希望小売価格286,000円(税込)の「CINEMA 50」以上の製品に適用される

右が「STEREO 70s」のプリアンプ回路基板。左は電源部に搭載されたカスタムブロックコンデンサー。こうしたパーツ選定もマランツ流儀のチューニングのひとつだ。なお、「HDAM」とは、フラットな周波数特性と高いスルーレート(応答速度)が特徴の電流帰還型のディスクリート(オペアンプなどを使わない、個々のパーツで構成された)アンプのこと。「HDAM-SA2」の採用はAVアンプで言えば希望小売価格286,000円(税込)の「CINEMA 50」以上の製品に適用される

パワーアンプ部についても回路が見直され、特定の帯域(1kHz)に限って言えば10dB以上の低歪み化を実現した

パワーアンプ部についても回路が見直され、特定の帯域(1kHz)に限って言えば10dB以上の低歪み化を実現した

こちらが「NR1200」との音質改善ポイントでの比較表

こちらが「NR1200」との音質改善ポイントでの比較表

「NR1200」とは別物のハイファイ再生!

試聴はD&Mホールディングスの試聴室にて実施。スピーカーはBowers & Wilkinsの「801 D4」

試聴はD&Mホールディングスの試聴室にて実施。スピーカーはBowers & Wilkinsの「801 D4」

最後に「STEREO 70s」と「NR1200」比較試聴のデモンストレーションが行われたのだが、「STEREO 70s」の音質は「NR1200」とは別物だ。

CD再生をアナログ音声入力で比べた上原ひろみの「Someday」など、「NR1200」ではややぼやけた印象になってしまうところ、「STEREO 70s」では各楽器の輪郭が自然に浮き彫りにされてくる。かといって線を太書きしたようなわざとらしい再現性にならない、ハイファイ(高忠実度)再生志向を感じさせるのも好印象。録音自体が楽器ごとにひとつずつの集音をしたタイプではなく、空間の響きをとらえたもののため、解像力の違いが明瞭に表れた格好だろう。

NASからネットワーク再生されたデジタルファイルのほうが、より差が顕著なのが不思議なところ。D/Aコンバーター素子などは両機で変わらないそうだが、アナログ/デジタル音声の再生どちらでも音質向上していることは間違いない。

両機の希望小売価格の差は26,400円。ただし、価格.comでの「NR1200」の最安価格は68,600円(税込、2023年9月21日現在)。こなれた価格は魅力的ではあるが、長く使うことを考えた機能充実度、音質の向上ぶりを考えれば「STEREO 70s」を選びたいところ。価格.com最安価格の動向とあわせて注目いただきたい。

柿沼良輔(編集部)

柿沼良輔(編集部)

AVの専門誌を編集して10年超。「(デカさ以外は)映画館を上回る」を目標にスピーカー総数13本のホームシアターシステムを構築中です。映像と音の出る機械、人が一生懸命つくったモノに反応します。

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