音楽ストリーミングサービスが普及し、スマートフォンでいつでもどこでも音楽や動画などのエンタメを楽しめるようになったことで、今や生活に欠かせないマストアイテムとなっているのが“イヤホン”です。2023年8月8日現在、価格.comの「イヤホン・ヘッドホン」カテゴリーに掲載されている購入可能なイヤホンの数は3,000を超えており、種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからない!というユーザーも多いはず。そこで本特集では、日ごろから数多くのイヤホンに触れている価格.comマガジン編集部が、音質や使い勝手、コストパフォーマンスにすぐれたおすすめのイヤホンを4つのタイプ別に紹介します。
イヤホンの接続方法は、大きく“有線(ワイヤード)”と“無線(ワイヤレス)”に分けられます。
有線イヤホンは文字どおり、デバイスにイヤホンを直接接続して使用するタイプのイヤホンです。有線イヤホンはケーブル自体がじゃまになりやすく、断線にも注意する必要がありますが、面倒な接続設定をしなくても、デバイスに直接挿すだけで音楽を手軽に楽しめ、ワイヤレスイヤホンのような遅延や音飛びがなく、音質面でも有利となっています。リケーブルに対応したモデルなら、ケーブルを交換することも可能です。
もっともオーソドックスな接続端子は「3.5mmミニプラグ」と呼ばれるものです。最近では3.5mmミニジャックがないスマートフォンやタブレットと直接接続できるように、「USB Type-C」や「Lightning端子」を採用した製品も登場しています。
有線イヤホンは、スマートフォンやオーディオプレーヤーのイヤホンジャックに挿すだけで使える手軽さが最大の魅力(写真はゼンハイザー「IE 40 PRO」)
ワイヤレスイヤホンは、スマートフォンやタブレットなどとBluetoothを使って接続するものが一般的で、ケーブルがなくて扱いがしやすいですが、使うにはバッテリー充電が必要です。また、人通りの多い交差点や、混雑する電車の中など、周囲の電波環境によっては、遅延や音飛びが発生することがあるのは注意が必要です。
ワイヤレスイヤホンは、スマートフォンとBluetoothで接続するものが主流。スマートフォンとイヤホンとの間にケーブルがなく、取り回しがしやすいのが特徴です(写真はアップル「AirPods Pro(第1世代)」)
現在、イヤホン市場では後者の無線(ワイヤレス)タイプの製品が主流となっており、左右のイヤホンがケーブルでつながっている「一体型(ヌードルワイヤレス)」や「ネックバンド型」、左右のイヤホンをつなぐケーブルすらない「完全ワイヤレス(トゥルーワイヤレス)」など、さまざまな形状の製品が登場しています。形状ごとのメリット・デメリットや、ワイヤレス接続時のコーデックなどは、『《2023年》初心者向けおすすめBluetoothイヤホン8選!選び方や基礎知識も』という記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
耳の中に挿入して装着するイヤホンは、“カナル型”と呼ばれる耳穴にしっかりと挿し込んで使うタイプのものと、“インナーイヤー型”と呼ばれる耳穴にかぶせるように浅く装着するタイプの大きく2つのタイプに分類されます。
周囲への音漏れを気にする人が増えているため、最近ではカナル型タイプの製品が主流になってきていますが、カナル型特有の装着感が苦手という人も意外に多く、インナーイヤー型タイプの製品も根強い人気を誇っています。
また、最近では、イヤホンを装着したまま周囲の音を確認できる“ながら聴き”への注目度が高まってきており、カナル型やインナーイヤー型のように耳の中に直接挿入しない耳掛け型イヤホンも増えてます。
以下に、タイプ別の特徴を詳しくまとめましたので、それぞれの特徴を理解し、利用シーンにあったものを選びましょう。
■カナル型イヤホン
カナル型イヤホン(写真はShure「SE535」)。現在、イヤホンで主流となっているタイプ。耳の奥までしっかりと差し込んで装着するため、遮音性が高く、音漏れが少ないのが特徴です。また、耳の奥まで音をダイレクトに伝える構造のため、音質面でも有利と言われています。耳穴に直接挿入する部分にはイヤーピースが装着されていることが多く、サイズの異なるイヤーピースに付け替えることで、装着感を調整することも可能です。
■インナーイヤー型イヤホン
インナーイヤー型イヤホン(写真はアップル「EarPods」)。耳の上に載せるように浅く装着する形状のため、長時間のリスニングでも疲れにくいという特徴があります。カナル型に比べると遮音性が低くて音漏れしやすいため、電車内などの不特定多数の人がいる場所で大音量で使用する際は、くれぐれも音漏れには注意しましょう。
■耳掛け型イヤホン
耳掛け型イヤホン(写真はJVC「HA-AL102BT」)は、イヤホン本体に耳の上部に掛けるフックやクリップが付いており、それらを使用して耳に固定します。耳に掛ける部分があるため、激しい運動でも外れにくいことからスポーツタイプの製品で採用が多かったのですが、最近ではイヤホンのスピーカー部を浮かせるなど、耳穴をふさがない構造を生かし、イヤホンを装着したまま周囲の音を確認できる“ながら聴きイヤホン”での採用も増えてきています。
イヤホンでは、スマートフォンやオーディオプレーヤーから届く電気信号をドライバーユニットで振動に変換して音を鳴らしています。ドライバーユニットの駆動方式はいくつかありますが、イヤホンで主流になっているのは、“ダイナミック型”と“バランスド・アーマチュア型”の2種類で、それぞれ音にも特徴があります。
ダイナミック型ドライバーでは、ボイスコイルと呼ばれる磁気回路に電気信号を流して電磁力を発生させ、ボイスコイル周辺に配置させたマグネットとの反応を利用し、ダイアフラム(振動板)を前後に振動させて音を鳴らしています。原理上、小型化にあまり向いていないですが、1つのドライバーユニットで広い再生周波数帯域をカバーできるため、多くのイヤホンで採用されています。サウンド的には中低域の厚みに定評があり、バランスド・アーマチュア型ドライバーに比べてパワフルなサウンドを楽しめます。
ダイナミック型ドライバーは、イヤホンで使われるもっともポピュラーなタイプのドライバーユニットです。ダイアフラム(振動板)が大きいと音質的に有利とされており、ヘッドホンの場合は、ほとんどがダイナミック型ドライバーを採用しています
バランスド・アーマチュア型ドライバー(BAドライバー)は、ボイスコイルとマグネットの反応を利用した振幅で音を鳴らすという点はダイナミック型ドライバーと同じですが、こちらはアーマチュアと呼ばれる金属の鉄片の振動を細い棒(ドライブロッド)で振動板に伝えて振動させています。ダイナミック型より小型化が容易で、小さくても高い感度(出力)が出せるため、これまで補聴器などで採用実績がありました。解像度が高く、明瞭なサウンドが特徴ですが、原理上、ダイナミック型ドライバーに比べて周波数帯域が狭いため、ハイエンドイヤホンではバランスド・アーマチュア型ドライバーを複数搭載し、広い周波数帯域を確保しているものもあります。
米粒ほどの非常に小さな筺体を採用するバランスド・アーマチュア型ドライバー。製品開発・製造が非常に難しく、開発から製造まですべて内製しているメーカーは、KnowlesやSONION、ソニーなど非常に限られています(写真はKnowles「RAB-32257」)
主流ではありませんが、ほかにも電磁力ではなく静電気の力を利用して振動板を駆動する“静電型ドライバー(コンデンサー型ドライバー)”や、電圧がかかると形状変化するピエゾエレクトリック素子にオーディオ信号(電圧)を流すことで音を生み出す“圧電素子型ドライバー(ピエゾドライバー)”、薄い振動板を2枚の強力なマグネットで挟み、細かく振動させて音を出す“平面磁界型ドライバー(プラナー型ドライバー)”といったドライバーユニットがイヤホンで使われ始めてきています。高価なハイエンド製品での採用が中心ですが、最近では“ダイナミック型”や“バランスド・アーマチュア型”にこれらのドライバーユニットを組み合わせたハイブリッド型のタイプも増えてきています。
数種類のドライバーユニットを組み合わせたハイブリット型の製品も増えています(写真はソニー「IER-Z1R」)
イヤホンのパッケージやカタログ、製品ページなどには必ずスペックが書かれています。ここでは、イヤホン選びに役立つスペックについて簡単に説明します。
再生周波数帯域(単位:Hz)
イヤホンが再生できる音の周波数の下限から上限までを表現したもので、単位はHzになります。数値の幅が大きいほど、広いレンジの音を再生できるわけですが、カタログやパッケージなどに表示するスペックについての厳密なルールがなく、実際に聴こえる可聴域を載せているメーカーもあれば、機器で計測した数値を載せているメーカーもあります。あくまでも目安としてとらえ、製品選びの際は実際に試聴するのがいいでしょう。なお、ハイレゾロゴマークのついたイヤホンは、高域再生性能が40000Hz以上のものになります。
出力音圧レベル/能率/感度(単位:dB/mW)
1mWの音を入力したときにイヤホンから発音する再生音の強さを表す数値で、単位はdB/mWとなっています。同じボリュームであれば、数値が大きいほうがより大きな音量を得ることができます。
最大入力(単位:mW)
イヤホンに入力できる瞬間的な最大電力を表す数値で、単位はmWです。プレーヤー側の出力を上回っていれば問題ありません。
インピーダンス(単位:Ω)
イヤホンの電気抵抗の大きさを表す数値で、単位はΩ(オーム)です。インピーダンスが大きいと音が小さく、逆に小さいと音が大きくなります。
通勤・通学の電車内や繁華街のカフェなど、周囲の騒音が気になる環境でも音楽を快適に楽しみたい!という人は、ノイズキャンセリング機能付きの完全ワイヤレスイヤホンがおすすめです。
近年、イヤホン本体に搭載されているBluetoothチップの進化により、安価なノイズキャンセリング機能付き完全ワイヤレスイヤホンもいくつか登場してきていますが、ノイズの打ち消し効果の高いものを選ぶなら、イヤホンの外側と内側にマイクを搭載する“ハイブリッド方式”のノイズキャンセリング機能を搭載したモデルを選ぶのがよいでしょう。
なお、ノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンは、一般的な完全ワイヤレスイヤホンに比べるとやや割高です。コスパ重視の完全ワイヤレスイヤホンをお探しの方は、『4.コスパ重視の完全ワイヤレスイヤホン』を参考にしてみてください。
ソニー「WF-1000XM4」(写真はブラック)
発売当初から価格.comの「イヤホン・ヘッドホン」カテゴリーのランキング上位をキープし続け、ノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの定番モデルなっているのが、ソニー「WF-1000XM4」です。
「WF-1000X」シリーズといえば、初代から高精度なノイズキャンセリング機能に定評がありましたが、「WF-1000XM4」では、ノイズキャンセリング処理を行う専用チップ、ドライバーユニット、イヤーピース、本体デザインのすべてを見直すことで、ノイズキャンセリング性能はもちろんのこと、装着感やマイク性能といった全方位で進化を遂げています。
音質面も「WF-1000X」シリーズらしく、低音域の再現性を高めた口径6mmのダイナミック型ドライバーの採用や、LDACコーデックによるハイレゾワイヤレス対応、圧縮音源をハイレゾ級の音質に引き上げる独自のアップコンバート技術「DSEE Extreme」の搭載など、しっかりと担保されています。
ユーザーの行動や場所に連動してノイズキャンセリングや外音取り込み設定などを切り替えてくれる「アダプティブサウンドコントロール」や、イヤホンを装着したまま会話ができる「スピーク・トゥ・チャット」など、インテリジェントな機能も満載。2台のBluetooth機器と同時接続できるマルチポイント接続もファームウェアアップデートで追加され、ノイズキャンセリング性能だけでなく、使い勝手や機能性も妥協したくないという人にもぴったりな1台です。
ちなみに、2023年9月1日には、「WF-1000XM4」の後継モデルとなる「WF-1000XM5」の発売も予定されています。「WF-1000XM4」よりもさらに小さくなったイヤホン本体に世界最高ノイキャン*を搭載したという注目の1台。最新のノイズキャンセリング機能が気になる人は、こちらもぜひチェックしてみてください。
ソニー「WF-1000XM4」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:カナル型
●バッテリー性能:イヤホン単体最大8時間(NCオンの場合)、ケース併用最大24時間(NCオンの場合)
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、LDAC
●カラーバリエーション:ブラック、プラチナシルバー
Bose「QuietComfort Earbuds II」(写真はトリプルブラック)
Boseといえばノイズキャンセリング機能に定評のあるメーカーですが、「QuietComfort Earbuds II」はそんなBoseが手掛けるノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンの第2世代モデルとなります。
最大のウリは、なんといっても強力なノイズキャンセリング性能でしょう。「QuietComfort Earbuds II」では、イヤホンをケースから取り出して耳に装着するたびに独自のテストトーンで耳の内部の音響反応を自動で測定してくれます。ここで得た測定データを活用し、周囲の騒音レベルだけでなく、ユーザーそれぞれの耳の特性に合わせてノイズキャンセリング信号を最適化することで、常に最適なノイズキャンセリング効果が得られるようになっています。
もちろん、Boseらしく音質についても折り紙付き。低音の厚みが豊かで、楽曲の迫力や臨場感をしっかりと感じられるパワフルでダイナミックなサウンドは、まさにゴリゴリのBoseサウンドです。
対応コーデックがSBCとAACのみ、イヤホン単体のバッテリー性能が最大6時間と少々短いところはやや気になりますが、強力なノイズキャンセリング性能は価格.com上でも非常に評価が高く、電車やバスでの移動が多く、とにかくノイズキャンセリング性能を重視したいという人は真っ先に注目したい1台と言えるでしょう。
Bose「QuietComfort Earbuds II」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:インナーイヤー型
●バッテリー性能:イヤホン単体最大6時間、ケース併用最大24時間
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC
●カラーバリエーション:トリプルブラック、ソープストーン、ミッドナイトブルー、エクリプスグレー
アップル「AirPods Pro 第2世代」
iPhoneを製造するアップルが手掛けた完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」シリーズは、iPhoneと組み合わせて使用することで付属の充電ケースから取り出すだけで簡単にペアリングできる機能や、耳に装着するだけで自動的に電源がオンになってiPhoneと自動でつながる機能など、非常に便利な連携機能が利用できるということで、特にiPhoneユーザーから人気を得ています。
そんな「AirPods」シリーズでアクティブノイズキャンセリング機能を搭載したモデルが「AirPods Pro」です。現行モデルは2022年に発売された「AirPods Pro 第2世代」で、アクティブノイズキャンセリング機能の効果が前モデル比で最大2倍に向上。第1世代で好評を得ていた外音取り込みの自然さについても、サイレンなどの高騒音だけを除外する「適応型環境音除去」が新たに追加されたことで、さらに使いやすくなりました。
また、イヤホン本体にタッチコントロール機能が追加され、イヤホンから音量調整が簡単にできるようになったほか、イヤホン本体・充電ケースともにバッテリー性能がアップ。充電ケースもLightningコネクターによる充電だけじゃなく、ワイヤレス充電のMagSafe充電にも新たに対応しました。
iPhoneとの相性は抜群なので、iPhoneと組み合わせるノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスイヤホンを探している人は最有力候補と言えるでしょう。
アップル「AirPods Pro 第2世代」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:カナル型
●バッテリー性能:イヤホン単体最大6時間(空間オーディオ/ヘッドトラッキング有効時最大5.5時間)、ケース併用最大30時間
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC
●カラーバリエーション:ホワイト
スマートフォンに挿すだけで誰でも簡単に使える手軽さが魅力の有線イヤホン。最近はワイヤレスイヤホン人気に若干押されていますが、ワイヤレスイヤホンのようにバッテリー残量を気にすることなく使え、音飛びや遅延もなく、音質的にも有利ということで、依然として根強い支持を集めています。
1,000円でおつりがくるような安価なモデルから、数万円超の超高級ハイエンドモデルまで、さまざまなタイプの有線イヤホンがありますが、今回は定番人気モデルをご紹介します。
ゼンハイザー「IE 100 PRO」(写真はレッド)
「IE 100 PRO」は、プロオーディオ製品も手がけるゼンハイザーがミュージシャンやクリエーター、イヤーモニター向けのユニバーサルIEMとして展開する有線タイプのカナル型イヤホンです。
2018年発売の大ヒットモデル「IE 40 PRO」と同じ薄型のイヤホンデザインや、10mm径のトランスデューサー(ダイナミック型ドライバー)によるメリハリのある高高解像度なサウンドはそのままに、新たに上位モデル「IE 400 PRO」「IE 500 PRO」と同じ独自の着脱式ケーブルを採用。イヤーフックやケーブルダクトが強化され、ケーブルが抜けにくく、プロユースにも十分耐えられる安定性の高い装着感を実現したのがポイントとなっています。
なお、プロユースを想定したモデルということで、ケーブルのインラインリモコンやマイクなどは用意されていませんが、Bluetoothリケーブル「IE PRO BT Connector」を組み合わせた「IE 100 PRO Wireless」という兄弟モデルもラインアップされているので、スマートフォンと組み合わせて通話でも利用したいという人は、そちらをチョイスするのもアリでしょう。
ゼンハイザー「IE 100 PRO」の主なスペック
●接続方式:有線(ワイヤード)
●イヤホンタイプ:カナル型
●バッテリー性能:-
●Bluetooth対応コーデック:-
●カラーバリエーション:クリア、ブラック、レッド
Shure「SE215 Special Edition」(写真はブルー)
耳にすっぽりと収まるコンパクトなイヤホン本体、高い遮音性、MMCXタイプのリケーブル対応モデルながら1万円前後という手ごろな価格などで、2012年の発売以来、ロングセラーを続けるShureの大人気カナル型イヤホンが「SE215 Special Edition」です。
オリジナルの「SE215」に対し、「SE215 Special Edition」では、低域に厚みを持たせたチューニングを採用。ダイナミック型ドライバーらしいメリハリのあるサウンドを楽しめます。ケーブル先端部にはワイヤーが仕込まれており、イヤホンケーブルを耳の裏側に通して装着できる、いわゆる“Shure掛け”にも対応。ケーブル交換で音質の変化を手軽に楽しめるのもポイントです。
小型のイヤホン本体で耳にすっぽりと収まり、高い遮音性で小さな音も聴き取りやすく、有線接続で遅延もないことから、最近ではゲーミング用途でも注目されています。ただし、「SE215 Special Edition」に付属のケーブルはマイクが搭載されていません。音声チャットでも使いたい場合は、オプションのマイク付きリケーブル「RMCE-UNI」を組み合わせるのがよいでしょう。
Shure「SE215 Special Edition」の主なスペック
●接続方式:有線(ワイヤード)
●イヤホンタイプ:カナル型
●バッテリー駆動時間:-
●Bluetooth対応コーデック:-
●カラーバリエーション:ブルー、パープル
final「E3000」
国産イヤホンブランドfinalが、高音質、シンプルなデザイン、使い勝手のよさ、手が届く価格のすべてを満たす製品を目標に開発したEシリーズ。そのシリーズ第1弾モデルとして発表されたのが「E3000」です。
新開発の6.4mmダイナミック型ドライバーユニットを組み合わせたステンレス削り出しのスリムな筺体と、耳道の傾きにフィットするように設計された独自のイヤーピーススウィングフィット機構により、耳穴にダイレクトにフィットするすぐれた装着感と、5,000円前後の製品とは思えないフラットでピュアなサウンドを実現しています。
エントリーモデルということもあり、残念ながらリケーブルには対応していませんが、標準でSS/S/M/L/LLの5サイズのイヤーピースを付属するなど、パッケージ内容も充実。価格も手ごろで、ハイレゾ対応イヤホンの入門機として最適な1台と言えるでしょう。
final「E3000」の主なスペック
●接続方式:有線(ワイヤード)
●イヤホンタイプ:カナル型
●バッテリー駆動時間:-
●Bluetooth対応コーデック:-
●カラーバリエーション:シルバー
音楽を聴きながらランニングやジョギングといったスポーツを楽しむ人や、周囲の音とともに音楽をBGMのように楽しむながら聴きをする人にぴったりなのが、装着安定性にすぐれ、周囲の音もしっかりと確認できるワイヤレスタイプのイヤホンです。
汗や雨による故障を防ぐなら、防汗・防滴対応がおすすめ。ここでは、ケーブルがじゃまにならないネックバンドタイプや完全ワイヤレスタイプの注目製品3つを紹介します。
Shokz「OpenMove」(写真はスレートグレー)
耳をふさがずに周囲の音をしっかりと確認しながら同時に音楽も楽しめることから、近年、ながら聴きイヤホンとしてますます注目度が高まってきている骨伝導イヤホン。なかでも人気のブランドが、世界中で1,000以上の特許を出願、独自技術を駆使した骨伝導・開放型に特化した製品開発を得意とするShokz。そんな同社がワイヤレス骨伝導イヤホンの最新エントリーモデルとして投入したのが「OpenMove」です。
Shoksのワイヤレス骨伝導イヤホンはネックバンドタイプの製品が中心で、しっかりと頭部にフィットして激しい動きでもずれにくいことから、スポーツシーンに向いていると好評です。「OpenMove」もエントリーモデルですが、上位モデル同様に形状記憶素材を使用したネックバンドを採用し、IP55相当の防塵・防水性能も有しており、汗をかくような屋外での激しいスポーツシーンでも十分活用できます。
ちなみに、同社のワイヤレス骨伝導イヤホンの上位モデルは、防水性を確保するため、充電端子が独自形状となっていますが、「OpenMove」は汎用性の高いUSB Type-Cを採用。バッテリー駆動時間は最大6時間と上位モデルに比べるとやや見劣りしますが、専用ケーブルではなく手持ちのUSB Type-Cでケーブルで手軽に充電できるのは「OpenMove」ならではの利点と言えるでしょう。
Shokz「OpenMove」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:耳掛け型(骨伝導)
●バッテリー性能:イヤホン単体最大6時間
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC
●カラーバリエーション:スレートグレー、アルパインホワイト、エレベーションブルー、ヒマラヤンピンク
Oladanc「ウェアラブルステレオ OLA02」(写真はオレンジ)
「ウェアラブルステレオ OLA02」は、香港DANCING TECHNOLOGYが立ち上げたオーディオブランドOladanceが手掛ける耳掛けスタイルの開放型完全ワイヤレスイヤホンです。耳穴の前にスピーカーを配置し、耳穴を完全にふさがずに周囲の音を自然に取り込めることから、ながら聴きイヤホンとして注目を集めています。
開放型イヤホンは構造上、低音域が物足りなく感じやすく、音漏れしやすいという弱点がありますが、「ウェアラブルステレオ OLA02」では、音の出口が耳穴全体をカバーする特殊設計と音波を打ち消す実用新案技術に16.5mmの大口径ダイナミック型ドライバーを組み合わせることで、音漏れを最小限に抑えつつ、低音域もしっかりと感じられるサウンドを実現しています。ながら聴きイヤホンでも低音域を重視したいという人にはうってつけの1台と言えるでしょう。
なお、「ウェアラブルステレオ OLA02」に付属する充電ケースはバッテリーが内蔵されておりません。イヤホン単体で最大16時間のバッテリー性能を実現しているため、一般的な使い方であれば特に問題になることはありませんが、この点はあらかじめ注意しておきましょう。
Oladanc「ウェアラブルステレオ OLA02」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:耳掛け型
●バッテリー性能:イヤホン単体最大16時間
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC
●カラーバリエーション:オレンジ、シルバー、ホワイト、ブルー
ソニー「Float Run WI-OE610」
さまざまなタイプのイヤホンを手掛けるソニーが、ランニングに最適なイヤホンとして開発したのが、ネックバンドスタイルの開放型ワイヤレスイヤホン「Float Run WI-OE610」です。
“Float”という製品名が示すとおり、本機ならではの大きな特徴となっているのが、音の出るスピーカーが耳から浮いたような形で配置されていること。骨伝導イヤホンと異なり、一般的なイヤホンと同じように音波振動で音を届ける構造のため、骨伝導イヤホンよりも自然なリスニング体験を得られるほか、音の出るスピーカーが耳に直接触れないため、長時間装着していても耳が痛くなりにくく、汗をかくようなスポーツシーンでも耳が蒸れにくいというメリットがあります。
16mmというかなり大口径のドライバーユニットを搭載することで、開放型イヤホンが苦手する低音域も強化されており、音質もなかなかのもの。構造上、ボリュームを上げると骨伝導イヤホンに比べて周囲の音が若干マスクされますが、低音域がしっかり下支えしてくれるおかげで、小さいボリュームでもちゃんと音楽を楽しめます。屋外でのランニングに快適に使えるながら聴きイヤホンを探している人は、ぜひ注目したい1台です。
ソニー「Float Run WI-OE610」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:耳掛け型
●バッテリー性能:イヤホン単体最大10時間
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC
●カラーバリエーション:ブラック
左右のイヤホンをつなぐケーブルが一切ない、軽快な付け心地が人気の完全ワイヤレスイヤホン。ひと昔前まではバッテリー駆動時間が短くて音質はそこそこ、価格はちょっと高めというイメージがありましたが、国内外のさまざまなメーカーが新規参入して新製品を投入したことや、バッテリー効率にすぐれたBluetoothチップの技術が進化したことなどもあり、最近では音質やバッテリー性能にすぐれた高コスパモデルが多数登場してきています。
ノイズキャンセリングなどの高機能はいらないが、高コスパな完全ワイヤレスイヤホンが欲しいという人のために、ここでは1万円前後で購入できる音質や機能のバランスにすぐれた注目モデルをご紹介します。
ヤマハ「TW-E3C」(写真はレッド/ラズベリー)
「TW-E3C」は、ヤマハの完全ワイヤレスイヤホンでもっともエントリーに位置するモデルです。本機最大の特徴となっているのが、耳への負担を抑える独自の「リスニングケア」。専用アプリから「リスニングケア」をオンにすることで、ボリュームごとの音の帯域バランスを調整し、ボリュームを上げなくても自然なバランスで聴こえるようにしてくれます。
先代モデル「TW-E3B」からBluetoothチップセットが変更され、高音質なaptX Adaptiveコーデックに新たに対応したほか、2台のBluetooth機器と同時接続できるマルチポイント接続や、イヤホンを装着したまま周囲の音を確認できる「アンビエントサウンド」なども追加され、機能面も大幅にパワーアップ。操作ボタンがタッチセンサー式となったことで使用する部材が小さくなり、イヤホン本体のサイズもさらに小さくなっています。
カラーバリエーションも全6色と非常に豊富。IPX5相当の防水性能、10分の充電で約1時間の音楽再生が可能な急速充電機能なども備わっており、押さえるところはしっかり押さえたエントリーモデルと言えるでしょう。
ヤマハ「TW-E3C」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:カナル型
●バッテリー性能:イヤホン単体最大9時間、ケース併用最大24時間
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、aptX Adaptive
●カラーバリエーション:ブラック、ネイビーブルー、グリーン/ピスタチオ、グレー、レッド/ラズベリー、ベージュ/ラテ
ソニー「WF-C500」(写真はアイスグリーン)
人気のあるソニーの完全ワイヤレスイヤホンの中でも価格.comの最安価格(2023年8月8日時点)で1万円を切るお手ごろ価格で購入できる最エントリーモデルが「WF-C500」です。
コスパ優先のエントリーモデルということで、イヤホンの操作こそ物理ボタン方式になってはいますが、ソニーのヘッドホン・イヤホンでおなじみの専用アプリ「Sony | Headphones Connect」にフル対応しており、圧縮された音源をCD音質相当まで補完する独自のアップコンバート技術「DSEE」や、独自の立体音響技術「360 Reality Audio」のパーソナライズ機能など、ソニーならではの充実の機能性を有しています。
イヤホン本体もかなり小さく、独自のエルゴノミック・サーフェース・デザインで装着感も良好。カラーバリエーションもビジネスシーンで使いやすいベーシックカラーだけでなく、カジュアルに使えるポップなカラーまで全4色を取りそろえ、イヤホンケースの半透明のフタやイヤーピースにまで統一したカラーリングを採用するなど、デザイン面もなかなかこだわっています。見た目も含めて全体的にとてもカジュアルな印象がありますが、中身はしっかりと作り込まれており、初めての完全ワイヤレスイヤホンにぴったりな1台と言えるでしょう。
ソニー「WF-C500」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:カナル型
●バッテリー性能:イヤホン単体最大10時間、ケース併用最大20時間
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC
●カラーバリエーション:ブラック、ホワイト、アイスグリーン、コーラルオレンジ
Noble Audio「FALCON 2」(写真はブラック)
カスタムIEMで有名なアメリカのイヤホン専業メーカー、Noble Audioが手掛ける完全ワイヤレスイヤホン「FALCON 2」。2020年10月発売と少々古めのモデルですが、発売当時の最先端Bluetoothチップを搭載し、aptX Adaptiveコーデックによるハイレゾワイヤレス対応、イヤホン本体のIPX7防水対応、外音取り込み(ヒアスルー)機能の搭載、ワイヤレス充電対応の充電ケースの採用など、発売から3年近く経った今でも十分通用するスペックを備えています。
イヤホン本体は、ノズル部分の長いイヤーモニターライクな独特の形状を採用。耳穴の奥までしっかりと挿入して装着するスタイルのため、カナル型が苦手という人は若干注意が必要ですが、その分密閉度と遮音性は高めです。サウンドもフラットな特性で、長時間のリスニングでも聴き疲れしにくく、音楽を集中して聴き込みたいという人にはぴったりです。
ノイズキャンセリング機能やマルチポイント接続は残念ながらありませんが、価格.comの最安価格(2023年8月8日時点)は発売当初の半額近い価格になっており、スペックを考えればかなりお買い得な製品なのは間違いありません。コスパ最優先で選ぶなら、ぜひ選択肢に入れておきたい1台です。
Noble Audio「FALCON 2」の主なスペック
●接続方式:無線(ワイヤレス)
●イヤホンタイプ:カナル型
●バッテリー性能:イヤホン単体最大10時間、ケース併用最大50時間
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、aptX Adaptive
●カラーバリエーション:ブラック、ホワイト
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AV家電とガジェット系をメインに担当。ポータブルオーディオ沼にどっぷりと浸かっており、家のイヤホン・ヘッドホンコレクションは100を超えました。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットも増えてます。家電製品総合アドバイザー資格所有。